RC-126 渡辺敏雄『The Fiction
Twins』CD\2,573-(本体\2,450-)歌詞付き
My Long Journey Home/Little Red Shoes/Weeping Willow/Will the Roses Bloom/Alabama/I'm
thinking Tonight Of The Old Folks/In My Dear Old Southern Home/Just A Song
Of Old Kentucky/Little Annie/Just Because/Valley Of Peace/Maple On The
Hill/Will the Circle Be Unbroken/You're Gonna Miss Me When I'm Gone 全14曲
ブルーグラス45ではベース、シャギーマウンテンボーイズではバンジョー、そして現在はマンドリンを担当する渡辺敏雄、グラミーノミネートプロデューサー、B.O.M.社長である。
1930年代に大ブームを巻き起こしたマンドリン、ギターのブラザーデュオを再現した一人二役、多重録音の力作。
数々のブラザーデュオがそれぞれの雰囲気を持って最小単位のアンサンブルとして、多くはマンドリンとギターの2本の楽器とリードボーカルにテナーをつけるという手法で、とくにアパラチアを中心にした山間部で1930年代、折からのラジオの普及とともにブームといった様相を呈した。
中でも突出したのはビルとチャーリーのモンロー・ブラザーズだったろう。のちに「ブルーグラスの父」となるビル・モンローは、その(当時すでに)圧倒的なマンドリン奏法を、兄チャーリーが作り出す初期のGラン、すなわちドライブ(のちにそのエッセンスをレスター・フラットが見事に昇華したリズム/ビート)とお洒落なメロディに乗せて他のブラザーデュオとは一線を画すグループを創り出した。そんなサウンドを忠実に再現しようとしたのが本作。
よく選曲された美しいメロディーをじつに丁寧に、言葉(英語)をかみ締めた表現が聴く者に伝わるように、決して美声とは言わないが、歌われている。そして重要なことは、モンロー兄弟が持っていたその初期ドライブが見事に身に付いていることだと思う。
それは、自分で言うのもナンだが、弟であるわたし、甥である井上太郎の中にあるドライブも同じ……、ブルーグラスなどアメリカ音楽の底辺にあるビート、若いときにモンロー・ブラザーズと出会ったおかげで身に付いたのだろう。渡辺敏雄は高校生のとき、中学生の音楽に無垢な弟、井上三郎にギターを押し付け!?、ここに収められているのとほとんど同じレパートリーを高校の学園祭で演奏した。
もう50年近くも前のことになる。レスターもアールも、きっとそうしたように、モンロー・ブラザーズから最初に学んだということが渡辺/井上兄弟の原点だったような気がする。そして1960年以前のアメリカン・ポピュラー音楽の原点のひとつといえるブラザーデュオのメロディとビート、そして歌を見事に再現した、秀作ではないだろうか? B.O.M.のインディレーベルRed
ClayRecordsからの発売である。
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