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NEW ARRIVALS 0408                 2004/08/30
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   NEWSLETTER #286(8/16)

INDEX

[BLUEGRASS NEW RECORDINGS]
[BLUEGRASS REISSUES AND DISCOVERIES]
[FOLK & OLDTIME NEW RECORDINGS]
[COUNTRY NEW RECORDINGS]
[COUNTRY REISSUES AND DISCOVERIES]

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[BLUEGRASS NEW RECORDINGS]
●V.A.『A Tribute To Jimmy Martin, "The King Of Bluegrass"』KOCH-9819 CD \2,888
Sonny Osborne Introduction/Sophronie/You Don't Know My Mind/Losing You/There Ain't Nobody Gonna Miss Me When I'm Gone/She's Left Me Again/Doin' My Time/I Cried Again/Home Run Man/Ocean Of Diamonds/God Guide Our Leader's Hand/What Would You Give In Exchange/I Like To Hear 'Em Preach It/Hold Whatcha Got/My Walkin' Shoes/Steppin' Stones/I'm Thinking Tonight of My Blue Eyes/Tennessee 全17曲
 実に中身の濃いドキュメンタリー『King of Bluegrass:The Life and Times of Jimmy Martin』(SSF-001D\3,675、SSF-001V\3,360)でその本当の姿が浮き彫りにされたジミー・マーティン、最近健康状態が心配されるキングへのトリビュート・アルバム。J.D.クロウとポール・ウィリアムズ、ジミーとは切っても切れないふたりに、オーディー・ブレイロック(g)とケニー・イングラム(bj)というかつてのサニー・マウンテン・ボーイが集まり、若手の腕っこき、マイケル・クリ―ヴランド(f)、ジェシー・ブロック(m)、ジェイソン・ムーア(bs)が脇を固めるという鉄壁の布陣。J.D.(10曲)とケニ―(7曲)のビッグ・バンジョーとブレイロックのリズム・ギター、そして数曲で聴かれるポールのマンドリンが、サニー独特のサウンドを演出し、さすがにジミーのあの押し出しのきつさ、アクの強さには欠けるものの、ストレート・ブルーグラスの味わいをよく出したオーディーのリード・ヴォーカルと、J.D.、ポール(当たり曲"There Ain't Nobody Gonna Miss Me When I'm Gone"などのリード・ヴォーカルも抜群)とのトリオ・コーラスに往時を思い起こして泪するひともあるのでは。全編に聴かれるハリー・スティンソンの軽快なスネアも、いかにもサニー・マウンテン・ボーイズらしさを演出している。プロデュースはアイザックスのベン・アイザックス、そしてグロリア・ベルの役回りとしてソニア・アイザックスが数曲参加している。
●PAT FLYNN『ReQuest』EM-1538 CD \2,888
Sundown/Shape I'm In/Lila/If I Had A Hammer/All On A Rising Day/In The Middle Of The Night/The Word/Big Mistake/Michael Row The Boat Ashore/Mother Lode 全10曲
 ニュー・グラス・リヴァイヴァルのメンバーとして、ブルーグラスのポップ・フィールドへの浸透に貢献、解散後はソングライター、プロデューサー、セッション・プレイヤーとして多彩な活動を続けているパット・フリンの初めてのソロ・アルバム。ベラ・フレックとジョン・コウワンを迎えての"Shape I'm In"や"In The Middle Of The Night"など、サム・ブッシュはいないけれどNGRリユニオンといった趣きのナンバーを核に、ロブ・アイクスやスチュアート・ダンカン、ケニー・マローンなど売れっ子セッションマンを加えてのポップなカントリー・スタイルからモダン・フォーク――"If I Had A Hammer"のレゲエ風味のブルーグラス・ヴァージョン!?など――まで、近年の活動を集大成してみせた、ヴァラエティ豊かな内容で楽しませてくれる。
●CHARLIE WALLER & THE COUNTRY GENTLEMEN『Songs Of The American Spirit』PC-1138 CD \2,573
Fighting Side Of Me/Be Quiet When Willie Walks By/Between Fire And Water/Crying In The Chapel/Joe/A Miner's Life/Blackberry Blossom/There's A Star Spangled Banner Waving Somewhere/My Heart Is On The Mend/River Of Tears/Stay In The Wagon Yard/The Vision/Let Me Fly Low 全13曲
チャーリー・ウォーラー&カントリー・ジェントルメンの最新作。近年健康状態が思わしくないチャーリーだが、盟友エディ・アドコックをプロデューサーに迎え、スタジオに入ったからにはいつもながらのチャーリー節全開、声の力が若干衰えたかと思わせる部分もあるものの、得意のカントリー・ソングやドラマティックな仕立てのストーリー・ソング、ギターをバックに朗々と唄う、チャーリーならではの節回しはさすがとしかいいようがない。このところのジェントルメン・サウンド、というよりはチャーリー・ウォーラー・スタイルのブルーグラスを支えてきたグレッグ・コーベット(bj)と、ソロ・アルバムを出したばかりのダリン・アルドリッジ(m)のふたりが、相変わらずのシュアーな演奏とハーモニー・ヴォーカルでしっかりと演出している。そして、チャーリーの息子ランディ(g、彼も最近ソロ・アルバムを発表している)が正式メンバーとして参加、リード&リズム・ギターでサポートを務めている。前作『45 Years of Memories』(PC-1121\2,573)同様、チャーリー・ウォーラーという稀有のヴォーカリストをしみじみと味わう、そんな作品である。
 (追記)今日8月18日、チャーリーの訃報が伝えられた。詳細は明らかにされていないが、心臓発作によるものということ。またひとり、巨星が逝ってしまった。
●CHRYSTAL SAWYER『Chrystal Sawyer』RDR-2004 CD \2,888
Muleskinner Blues/If I Could Be There/Walls Of Time/I'll Be All Smiles Tonight/When Someone Wants To Leave/Pathway Of Teardrops/Smoke Along The Track/Another Lonesome Morning/John The Baptist-Get Up John/Build My Mansion Next Door To Jesus/Pardon Me 全11曲
 ノース・キャロライナ出身の女性シンガー、クリスタル・ソウヤ―のデビュー・アルバム。ドリー・パートンやエミルー・ハリスをアイドルとし、アリソン・クラウス&コックス・ファミリーのアルバムをきっかけにブルーグラス・シンガーをめざしたという、アリソン系統の、その名のとおりクリスタル・クリアーなヴォーカルが印象的なシンガー。スコット・ヴェスタル(bj)がプロデュース、マウンテン・ハートのアダム・ステフィ(m)、クレイ・ジョーンズ(g)、ジム・ヴァン・クリ―ヴ(f)とスティーヴ・ガリー(vocal)、さらにはロン・スチュワート(f)にランディ・コーアズ(d)という、無名の新人をサポートするにはあまりにも贅沢な顔ぶれがバックを務めている。ブルーグラス、クラシック・カントリーのスタンダードを軸に、アイドル、ドリーの曲や個性派キーラン・ケイン&ジェイミー・オハラの作品でアクセントをつけながら、そのクリアーなヴォーカルでしっかりと唄いきっているあたり、新人としては合格点以上だろう。
●DARIN ALDRIDGE『Call It A Day』PC-6506 CD \2,573
Pretty Words/How Could You Go/Coast Of Colorado/Call It A Day/Driving Nails/I Don't Worry About You Anymore/Where I Am Bound/Broken Chains/Stain Glass Tears/WIll You Be Ready/Abigails Reel/Late In The Day/Crying Holy 全13曲
 急逝したチャーリー・ウォーラーの晩年、グレッグ・コーベット(bj)とともにカントリー・ジェントルメン・サウンドを支えてきた、ノース・キャロライナ出身の27歳、ダリン・アルドリッジのソロ・アルバム。地元でのダリン・アルドリッジ・バンドとしての自主制作盤に続くこのアルバムでは、ティム・スタッフォード(g)、ジェイソン・バールソン(bj)、グレッグ・ラック(f)などいまをときめく顔ぶれに、自身のバンドの同僚ジャレット・カーター(d)を加え、ショーン・レーンやアマンダ・スミス、ルー・リードなどのハーモニーを伴って、CGでは表に立つことのなかったハスキーなテナー・ヴォイスで、アマンダのハーモニーが印象的なゴスペルなど随所に本場仕込みのトラッド・ブルーグラスへの愛情を窺わせながら、すっきりとしたコンテンポラリー・ブルーグラスに仕上げている。コンポラ、トラッドのいずれにも精通した自身のオリジナル曲を主体に、ヴィンス・ギルやスキップ・ユーイングのカントリー・ヒットのカヴァーなど。
●JOSH CROWE『Sincerely』PC-1140 CD \2,573
I Haven't Got The Right To Love You/Born To Lose/Air Mail Special On The Fly/Local Flowers/I Might Take You Back Again/Into These Hills/Baby Blue Eyes/Country Hall Of Fame/It Looks Like The Sun's Gonna Shine/Gimme Your Hand/Wildwood Flower 全12曲
 マギー・ヴァレーのバンジョー・キング、レイモンド・フェアチャイルドとの長年の共演や、クロウ・ブラザーズとしての活動、デヴィッド・マクラフリンとのラウンダー盤などで知る人ぞ知るヴェテラン、ジョッシュ・クロウ久々のソロ・アルバム。マルチ・プレイヤー、デヴィッド・ジョンソン(f,d,lead g)を中心とする気心の知れた仲間たちをバックに、フラット&スクラッグス、スタンレーズ、レノ&スマイリー、ジム&ジェシーなどファースト・ジェネレーションの名曲から、懐かしいカントリー・スタンダードにトム・T・ホール・ソングなどをひとりデュエットで気持ち良さげに唄い、ラストはカーター・ファミリーの名曲を自身のリード・ギターで聴かせるという趣向。びっくりするようなテクニックも仕掛けもなにもない、ただただまっすぐに、シンプルに、しかし、ブルーグラスへの愛情がはしばしから伝わってくる、そんな唄と演奏が楽しめるフツーのローカル・ブルーグラス。
●NOTHIN' FANCY『Reflections』PC-1139 CD \2,573
I Wonder/Little Wooden Crosses/Reach Up And Touch The Sun/Last Letter Home/Seeing Nellie Home/Angels Are Hard To Forget/Heading Back To Old Tennesee/You Love Takes The Pain Away/Bushroe/I Want To Slow Dance With You/When The Roll Is Called Up Yonder/Fly With Me Angel/I Met My Baby In The Porta Jon Line 全13曲
 ドン・リグスビー制作の『Once Upon a Road』(PC-1120\2,573)でナショナル・デビューしたヴァージニア州シャーロッツヴィルの標準5人組、ナッシン・ファンシーの新作。中心人物マイク・アンデス(m,lead g)の才能を窺わせるオリジナルを主体に、馴染み深い曲を数曲織り込むという構成で、チャーリー・ウォーラーをヒーローと仰ぐマイクと、パワフルなテナー・ヴォイスのゲイリー・ファリスを核としたタイトなハーモニーと、ほどよいコンテンポラリー感覚を盛り込んだシュアーなアンサンブルという、一貫した姿勢をここでもしっかりと聴かせている。バンド名が示すとおリ、「特別なもの」など何もないが、10年の経験に裏打ちされた自信がバンドとしてのオリジナリティに表現されてきた、ひと皮むけたさわやかなコンポラ・サウンドに仕上がっている。
●KATHY KALLICK『Reason & Rhyme』CCCD-0215 CD \2,888
I Once Loved/Trumpet Vine/Coastal Fog/The Words You Don't Say/Good to Me/You Took Me Away/Just a Song/Love You on a Train/Rustler's Moon/Lone Pilgrim/Take Care of Your Little Girls/Handsome Cabin Boy/Hard to Let Go/What a Night/Bring Me Back to You 全15曲
 ローリー・ルイスらと共に、30年以上にわたってサン・フランシスコ/ベイ・エリアのブルーグラス/オールドタイム・ミュージックをリードしてきた大ヴェテラン、キャシー・キャリックの最新作は、バンジョーレスのブルーグラス・スタイルをベースにした、完璧のアコースティック・アンサンブルをバックに、アパラチアン・トラッドを根っこにもちながらオーソドックスなカントリー・ソングやコンテンポラリー・フォーク・タッチなど、感性豊かな多彩な作品を生み出すソングライターとしても超一流の存在であることを見事に示している。グッド・オール・パーソンズ以来の仲間であるローリー・ルイス(f)とサリー・ヴァン・ミーター(d)を軸に、ギターにスコット・ナイガードとニナ・ガーバー(この手のサウンドに見事にはまったリード・ギターが素晴らしい)、フィドルはブライアン・ウィックランドとスチュアート・ダンカン、ジョン・ライシュマンとトム・ロザムのマンドリンにハーブ・ぺダーセンのハーモニー・ヴォーカルという、ウェスト・コースト勢を中心に最高のメンバーを集めている。ピーター・ローワンも1曲唄っている。同じ西海岸でも、L.A.とはひとあじ違う、クールなインテリジェンスが匂ってくる優しい感覚が美しい。
●JIM SMOAK & THE L.A. HONEYDRIPPERS『Carolina Boy』CCCD-0226 CD \2,888
Back Home in Indiana/Carolina Boy/Goin' Back to Harlan/Pickin' in the Pokey/Goodbye Jim/I'll Fly Away/Old Shanty Town/Carolina Home/Charleston Western Carolina Railroad/Swing That Pretty Girl Round/Let the Lower Lights Be Burning/Leave It Alone/Steel Goin' Down/Cookin' in the Kitchen 全14曲
60年代前半、ルイジアナ・ハニードリッパーズを率いてそのドロドロのトラッド・ブルーグラスで強烈なインパクトを残したバンジョー・マン、ジム・スモーク、近年はルイヴィル近郊でのフォーク・トリオ、ザ・カンバーランズでのアルバム『Bridging the Gap』(CCCD-2002\2,888)が紹介されているが、ここに再びハニードリッパ―ズの名前でのブルーグラス・アルバムの登場である。自身の枯れた味わいの素朴なヴォーカルと発想豊かなバンジョーに女性コーラスをまじえ、マイケル・クリ―ヴランドの溌剌としたフィドルにギターとベースというシンプルな編成で、故ジム・マクレイノルズへの惜別の唄"Goodbye Jim"など自作オリジナルを核に、オールドタイムやジャズ、ポップ・スタンダードにケイジャンまで、幅広い素材を軽妙なアレンジで楽しませてくれる。かつてのコテコテ・トラッド『Bayou Bluegrass』(ARH-9032\2,888)などの「マウンテン・ミュージック・ブルーグラス・スタイル」とはイメージ一新の、お洒落な雰囲気をももった柔軟なアプローチが楽しい作品に仕上がっている。
●THE BLUEGRASS PATRIOTS『Springtime In The Rockies』CCCD-0218 CD \2,888
Wave Goodbye/When It's Springtime in the Rockies/Indian Council/Trail of the Lonesome Ping/Free Me from My Misery/Streets of Baltimore/Winding Stream/Why Do You Weep Dear Willow/The Girl I Left in Sunny Tennessee/Down in the Valley/Eat at the Welcome Table/Just as I Am-Country Boy/Sparklin' Brown Eyes/Paul Bunyan Love 全14曲
 新世紀ネオ・トラッドの旗手オープン・ロード、彼らのホーム・タウンである学生の町フォート・コリンズがコロラドのトラッド・ブルーグラスの中心地へと変貌していく、その核となってきたのがこのブルーグラス・ペイトリオッツである。ケン・シーマン(bj)を中心として1980年に結成され、その名が暗示するとおりトラッド・ブルーグラスひとすじ、地元コロラドからネヴァダ、カリフォルニアと、ロッキー山脈の西側での活動を続けてきた。過去3作のプロデュースを務めてくれた故チャールズ・ソウテルに捧げられた今作では、トラッド曲やカーター・ファミリーなどのクラシックをメインに、ウェスタン/カウボーイ・イメージをも織り込んだ、持ち前のローカル色豊かな鄙びたスタイルで、標準5人編成のごくごくフツーのブルーグラスを、なんの飾りも気負いもなくきわめてフツーに演奏して、ゆったりと落ち着いたサウンドに仕上げている。
●RON SPEARS & WITHIN TRADITION『Carolina Rain』CCCD-0219 \2,888
Ocean of Teardrops/Carolina Rain/Darling, Please Don't Let Our Sweet Love Die/Back to Honky Tonkin' Again/Billsville/Dreams of Rosemary/Don't Blame Me/The Fugitive/Lost in Nashville/Lord, Lift Me Up/A Little Ways Down the Road/Kylee's Prayer 全12曲
ブルーグラス・ソングライターとしてブルーグラス・カーディナルスやルー・リード&キャロライナ、サード・タイム・アウトに曲を提供してきたロン・スピアーズの最新作。98年に録音したソロ・アルバム『My Time Has Come』(CCCD-0169\2,888)が、シカゴ・トリビューンのデヴィッド・ロイコ選の99年年間ベスト10のひとつに選ばれて一躍注目された彼の新作は、自作曲へのこだわりをおいて、ソリッド・ブルーグラスからゴスペルまで、トラッド・ブルーグラスの正しいありかたをヴォーカリストとして問うたものとして注目に値するものとなっている。。このアルバムののち、再び自身のバンドを離れ、シカゴのヴェテラン・バンド、スペシャル・コンセンサスに参加したロン・スピアーズ、その真価を発揮するときがきた。
[BLUEGRASS REISSUES AND DISCOVERIES]
●THE VERN WILLIAMS BAND『Traditional Bluegrass』ARH-514 CD \2,888
Roll On Buddy/Close By/Montana Cowboy/I'm On My Way Back To The Old Home/Happy I'll Be/Live And Let Live/Bald Knodb, Arkansas/When The Golden Leaves Begin To Fall/I Hear A Choo Choo Coming/Can't You Hear Me Calling/Traveling The Highway Home/Love Me Darling Just Tonight/In Despair/I'm Going Back To The Old Kentucky/Darling Nellie Across The Sea/Pig In A Pen 全16曲
 ウェストコースト・トラッド・ブルーグラスの導師、ヴァ―ン・ウィリアムズ・バンド絶頂期のライヴがここに初めて世に出ることとなった。ラウンダーのあの名盤『Bluegrass from the Gold Country』(ROU-0131\2,573)発表直後82年の、グラス・ヴァレー・フェスのライヴを核に88年の音源も含めての全16曲。ビル・モンローのハイ・ロンサム・サウンドをその精神的な深みにまで継承したトラッド・ブルーグラスの真髄、ヴァ―ン&レイの時代も含め、残された音源の少なさ故に半ば伝説と化した感のあるその音楽が見事によみがえった。モンロー・クラシックはもちろんのこと、あのケンタッキー・カーネルズの昔からウェストコーストに継承されてきたスタンレー・トラディションもきっちりとふまえての、抜群のトラッド・スタイルが堪能できる。息子デル(g)のクラシック・ブルーグラスを手のうちに収めたリズム・ギターと、独特のタッチ、グル―ヴが印象的なキース・リトル(bj)、若者ふたりを包み込むヴァ―ン(m)とエド・ネフ(f)のヴェテランの味が一体となったサウンドにのった、ヴァ―ンのこれ以上はないくらいにテンションとエモーション漲るヴォーカルが、ホンモノのブルーグラスの快感を伝えてくれる。近頃話題のオープン・ロードをはじめとする若いバンドのお手本であり、精神的支柱でありつづけるヴァ―ン・ウィリアムズ・バンドの真髄ここにあり。
●THE COUNTRY GENTLEMEN『Folk Session Inside』CCRS-7008 CD \2,079
Bluebirds Are Singing for Me/Sad and Lonesome Day/The Girl Behind the Bar/Can't You Hear Me Calling/The School House Fire/Nightwalk/The Galveston Flood/The Young Fisherwoman/This Morning at Nine/I Am Weary(Let Me Rest)/Aunt Dinah's Quilting Party/Heartaches/Dark as a Dungeon 全13曲
 誰もがクラシック・カントリー・ジェントルメンの最高傑作と認める63年発表の大名盤が、遂に、遂に、CD化である。一時期、日本だけで曲順に手を加えたものがCD発売されたことはあったが、オリジナルなかたちでははじめてのCD化、チャーリー・ウォーラーとジョン・ダフィという、全く異なった個性ががっぷりと組み合い、そこにエディ・アドコックの異能のバンジョーとトム・グレイのパーフェクトなベースが加わった、まさに奇跡的なアンサンブルから生み出された、時代のずっと先を行く強烈なサウンド。モダン・フォークへと接近していったフラット&スクラッグス、カントリー・マーケットをめざしたオズボーン・ブラザーズとならんで、ブルーグラスのモダン化に大きな貢献を果たしたとされるが、CGについていえば、ワシントンDCという都会にあって、ブルーグラス本来のドライヴ、グル―ヴをより意識しながらのジャズやポップ、ロックへのアプローチがのちのニュー・グラスへと進化していったといえるだろう。ブルーグラスの枠組みのなかでの新たな方向性の提示、実践が若いリスナー、ミュージシャンに与えたインパクトは計り知れないものがあり、ブルーグラスの都会進出の最大の功労者といえよう。未発表だった"Dark as a Dungeon"を加えての、待望久しいCD発売である。
●DON RENO & RED SMILEY『Bluegrass Hits』CCRS-7009 CD \2,079
Howdy Neighboy Howdy/Sweethearts in Heaven/Where Did Our Young Years Go?/Cotton-Eyed Joe/Your Love Is Dying/Dark Waters/Sawing on the Strings/One Teardrop and One Step Away/Unforgivable You/Banjo Medley/Kiss Me One More Time/One More Hill 全12曲
 ドン・レノ&レッド・スマイリーといえば、その全盛期のほとんどをキング・レコードに籍をおいてきたわけだが、57年にたった一度、キング在籍中にもかかわらず新興のドット・レコードでアルバムを録音したことがある。今回CD化されたのがそのドット作品、当時ドットのプロデューサーとして腕をふるっていたブル―グラッサ―、マック・ワイズマンがプロデュースにあたったこのアルバムは、63年にようやくLP発売されている。新たな方向性を求めてのドット・セッションでは、当時まだ全く無名だったバック・オウエンズの"Sweethearts in Heaven"に象徴されるカントリー志向、レッドのヴォーカルにカントリー・クルーナーの可能性を見出したマック・ワイズマンの意志を反映した、ソフト&スムーズなスタイルが印象的である。2回のセッションでの12曲、"Your Love Is Dying"の作者でもある名手ベニ―・マーティンがレギュラー・メンバー、マック・マゲイハとのツイン・フィドルを聴かせ、セカンド・セッションではレッド・レクターがマンドリンで参加している。また、プロデューサーのマック自身も数曲、ハーモニー・ヴォーカルをつけている。
●MAC MARTIN & THE DIXIE TRAVELERS『Travelin' On』CCCD-0928 CD \2,888
Black Eyed Susie/At the End of a Long, Lonely Day/Thats Why You Left Me So Blue/Scotland/Old, Old House/Gethsemane/Down South in New Orleans/Choking the Strings/Mary at the Home Place/Along About Daybreak/Stacey Lynn/Is She Praying There/Joy Bells 全13曲
 今年バンド結成50周年!!を迎えたペンシルヴァニア・ブルーグラス・シーンの大ヴェテラン、マック・マーティン&ディキシー・トラヴェラーズの、レヴォナ・レコードからの78年作品のCD化。オリジナル・メンバーのマイク・カ―ソン(f)とビリー・ブライアント(bj)に、ボブ・アーティスに代わって参加のエドガ―・"バド"・スミス(m)、ノーム・エイジンガ―(bs)という編成。最近あのキング・ウィルキーが自分たちのヒーローのひとりとしてマック・マーティンの名前をあげ、そのレパートリーをライヴでもどんどんとりあげるということで、再びその名が注目されている。60年代ゲイトウェイを皮切りに、ルーラル・リズムやカウンティ、レヴォナに10枚近くのアルバムを残しているが、CDとしてはルーラル・リズムでのベスト・アルバムと自主レーベルでの2作だけということで、その素晴らしさが、「知る人ぞ知る」、というところにとどまっているのがなんとも惜しい。バンド結成以来一貫して変わることのないブルーグラスへの想いを、なんのケレンもハッタリもない真っ直ぐなスタイルに、これがホンマもんのトラッド・ブルーグラスじゃ、とおしまくるローカル・トラッドの真髄。
●TOM T. HALL『The Magnificent Music Machine』CCRS-7007 CD \2,079
Fox on the Run/Paradise/Mama's Got the Catfish Blues/Bluegrass Break-Up/I Don't Want My Golden Slippers/Molly and Tenbrooks/The Fastest Rabbit Dog in Carter County Today/I'll Never Do Better Than You/Magnificent Music Machine/Rank Stranger/Bluegrass Festival in the Sky 全11曲
 1960年代から、ナッシュヴィルを代表するソングライターとして無数のヒット曲を送り出すとともに、みずからもカントリー・スターとして一時代をつくったトム・T・ホール、近年はブルーグラス・ソングライターとしての評価もすっかり定着した感があるが、そのトム・Tの幼少期からのブルーグラス好きがはじめて表明された76年作品のCD化。メインストリーム・カントリー・スターのブルーグラス・アルバムとしては、ポーター・ワゴナーやジョージ・ジョーンズ、バック・オウエンズなどと並び称せられる傑作に参加したのは、J.D.クロウ、ケニー・ベイカー、チャーリー・コリンズ、バディ・スパイカーといった凄い顔ぶれに、ジョニー・ギンブル、ボビー・トンプソン(bj)、さらにはジミー・マーティンがコーラスで加わり、"Molly and Tenbrooks"ではビル・モンローのマンドリンまでフィーチュアするという贅沢さで、ナッシュヴィルでのトム・Tの存在の大きさを如実に示したものといえよう。アール・スクラッグスとのアルバム制作などを経て現在のブルーグラス・ソングライターに至る、その出発点となった1枚。
●BILL MONROE『The Gospel Spirits』B000290702 CD \2,079
I'm Working On A Building/I'll Meet You In Church Sunday Morning/Lord Protect My Soul/Angels Rock My Soul/Get Down On Your Knees And Pray/He Will Set Your Fields On Fire/A Voice From On High/Let The Light Shine Down On Me/Lord Lead Me On/I Saw The Light/Precious Memories/I've Found A Hiding Place/Life's Highway To Heaven/Jesus Hold My Hand/I Am A Pilgrim/Wayfaring Stranger 全16曲
 ビル・モンローのデッカ録音から、50年代のゴスペルを集めた新編集コンピレーション。ジミー・マーティンをリード・ヴォーカルに据えたブルー・グラス・カルテットなど、ブルーグラス・ゴスペルの標準的なスタイルを完成させた時期の作品集。
[FOLK & OLDTIME NEW RECORDINGS]
●JO ANN SMITH『Rhythm of the Rain』CD JAS-001 \2,888
Amazing Grace/Shenandoah Falls/Southwind/Old Joe Clark/The Roseville Fair/Blackberry Blossom/The Riddle/Cherokee Shuffle/Rhythm of the Rain/Cruel Winds of Oklahoma/Swing Low, Sweet Chariot/Road to California/Tammy/Forked Deer/Sweet Sweet Smile 全15曲
 99年カンザス州ウィンフィールドのウォールナット・ヴァレー・フェス、2003年ペンシルヴァニア州ニューポートのマウンテン・ローレル・オートハープ・チャンピオンシップで優勝、大好評だった3枚組コンピレーション『Autoharp Legacy』(CR-0236\3,938)に参加していたオートハープのニュー・スター、ジョー・アン・スミスのデビュー作。おなじみのトラッドを軸に、タイトル曲や"Tammy"などのポップ・ヒットもまじえて、ローカル・ミュージシャンのマンドリン、ギター、ベースという編成で、優しさと表現力を併せ持ったジョー・アンの卓抜なテクニックを生かした秀逸なアレンジが新鮮に聴ける。ソロ楽器として、また、バンドを構成する重要なパートとして、それぞれにオートハープという楽器の新たな可能性を提示している。数曲ヴォーカル・ナンバーもあり。
●WOLFE BROTHERS『Old Roads, New Journeys』CCCD-0223 CD \2,888
Diamond Joe/Democratic Donkey/Clark Hill Waltz/Grey Eagle/Gal In The Galax Jail/Natural Bridge Blues/When I Can Read My Titles Clear/I'm Too Young To Marry/Honey I'm Ramblin' Away/White River/On The Other Side Of The Mountain/New Gal/Hills Of Mexico/If I Lose/Jedediah/Headin' Up Elk Creek 全16曲
 ヴァージニア州エルク・クリークに本拠をおく4人組オールドタイム・ストリングバンド、ウォルフ・ブラザーズの4作目となる最新作。ジェリー・コレルのフィドルを中心に、バンジョー、マンドリン、アコーディオン、ギターというアンサンブルに、ドナ・コレルの優しいヴォーカルなど、暖かいハーモニーをのせたトラッド曲を軸に、ジミー・ドリフトウッドやデルモア兄弟などオールドタイマーの曲をまじえて、素朴でシンプルなストリングバンド・スタイルでまとめている。伝承のフィドル曲に新しい歌詞をつけた"Clark Hill Waltz"などオリジナルもいくつかフィーチュアしている。
●DARYL MOSLEY & TIM GRAVES『Remembering The Beacon Brothers』PC-1137 CD \2,573
Driftwood/Why You Been Gone So Long/Blue Side Of Lonesome/Tupelo County Jail/Satan's Jeweled Crown/Knoxville Girl/Which One Is To BLame/Somebody's Back In Town/She's Not You/Sweetest Gift/Someone Before Me/Friend Like Me 全12曲
 50年代なかば、ナッシュヴィルで一瞬の輝きを遺して人知れず消えていったという幻のカントリー・デュオ、ビーコン・ブラザーズへのトリビュート。どの資料を調べても名前も出てこない、本当に実在したデュオなのかという疑問も残るが、ライナーによると、ルーファス(d)とフェリックス(bs)のビーコン兄弟が56年に録音したというアルバム、未発表に終わったアルバムの曲を中心にウィルバーン・ブラザーズやロレッタ・リンのヒット曲などを加えて作られたというこのトリビュート・アルバム、演ずるはオズボーン・ブラザーズ・バンドのダリル・モズリー(bs)とティム・グレイヴス(d、アンクル・ジョッシュ・グレイヴスの甥)のふたり。オールド・ファッションなカントリー・テイストいっぱいの鄙びたヴォーカルを、グレン・ダンカンのケレン味たっぷりのフィドルとチャーリー・クッシュマンのギター、ボビー・オズボーンのリズム・マンドリンと、ティムのヒルビリー・ムードのドブロが盛り上げる。ノスタルジックな雰囲気を湛えたグッド・オールド・カントリー・デュエットが楽しめる。
●ALICE GERRARD『Calling Me Home:Songs of Love and Loss』CCCD-0225 CD \2,888
Calling Me Home/Farewell My Home/Girl of Constant Sorrow/Old Virginia Hills/Galax Waltz/When I Stop Dreaming/The Little Dove/When My Ship Came Back to Shore/Memories of Mother and Dad/Weary Blues from Waiting/Another Cheater(Just Lost the Game Again)/Worn Out Getting Wise/If I Play With Fire/Skipping School/Long, Lonesome Way 全15曲
 古くはヘイゼル・ディッケンズとのデュオやマイク・シーガ−との活動、最近はブラッド・レフトウィッチなどとの演奏でオールドタイム・ミュージックのいまを創りつづけるアリス・ジェラードの最新作。自作のアカペラ・ナンバーにはじまって、トラッド曲はもちろん、バンジョー・マン、トニー・エリスやルーヴィン・ブラザーズ、さらにはビル・モンロー、ハンク・ウィリアムズという2大巨頭、そしてラストのジーン・リッチ−まで、多彩なソースから選び抜いたヴァラエティ豊かな内容を、レフトウィッチ、トム・ソーバー、ジョディ・ステッカー&ケイト・ブリスリン、エリック・トンプソン、ジム・ワトソンなど、オール・スター・キャストを適所に配して、アパラチアン・トラッドの真髄、オールドタイム/ブルーグラスのソウルを見事に体現した、鮮やかな万華鏡に仕立て上げている。
[COUNTRY NEW RECORDINGS]
●V.A.『Touch My Heart:A Tribute to Johnny Paycheck』CD SH-1081 \2,573
If I'm Going To Sink, I Might As Well Go To The Bottom(Neko Case)/Someone To Give My Love To(Al Anderson)/Barely Hanging On To Me(Marshall Crenshaw)/Shakin' The Blues(Gail Davies & Robbie Fulks)/I Did The Right Thing(Dallas Wayne)/She's All I Got(George Jones)/Touch My Heart(Mavis Staples)/I'm The Only Hell My Mamma Ever Raised(Hank Williams III)/I Want You To Know(Jim Lauderdale)/11 Months And 29 Days(Dave Alvin)/Apartment #9(Johnny Bush)/Lovin' Machine(Billy Yates)/Motel Time Again(Bobby Bare Jr.)/A Man That's Satisfied(Mike Ireland)/Take This Job And Shove It(Radney Foster, Bobby Bare, Jeff Tweedy & Buck Owens)/Old Violin(Larry Cordle) 全16曲
 昨年亡くなったカントリー・シンガー/ソングライター/サウンド・クリエーター、ジョニー・ペイチェックへのトリビュート。レイ・プライスの"Touch My Heart"やタミ―・ワイネットの"Apartment #9"の作者として世に出たペイチェックは、60年代後半、プロデューサー、オーブリ―・メイヒュ―と設立したリトル・ダーリン・レコードで、ジョージ・ジョーンズを追うホンキー・トンク・スタイルでスターの座についたのち、ナッシュヴィル・サウンドを経て70年代後半、ウェイロン・ジェニングス、ウィリー・ネルソンとともにアウトロー・カントリーのトップ・スターとして君臨した。今回のトリビュートはそうしたアウトロー・イメージに憧れたオルタナ・カントリー系のシンガーを中心に、ジョージ・ジョーンズ以下の正統派の共演となっているが、そのサウンドは、リトル・ダーリンで多くのアルバムを残したスタジオ・エース、ロイド・グリーンのペダル・スティールを核に、レッド・ヴォルカート(元マール・ハガード&ストレンジャーズ)の抜群のテレキャスターと、ハンク・シンガー(元バック・オウエンズ&バッカルーズ)の切れ味鋭いフィドルをフィーチュアした正統ホンキー・トンク・スタイルがメイン。ペイチェックの最高の時期だったリトル・ダーリン時代へのオマージュが全編に漲っている。
●TRAVIS TRITT『My Honky Tonk History』CD COL-92084 \2,783
Honky-Tonk History/Too Far to Turn Around/The Girl's Gone Wild/What Say You(featuring John Mellencamp)/Circus Leaving Town/Monkey Around/I See Me/When Good Ol' Boys Go Bad/We've Had It All/It's All About the Money/Small Doses/When In Rome 全12曲
 サザン・ロック・トラディションをナッシュヴィルのメインストリーム・カントリーに融合させた独自のロッキン・カントリー・スタイルで、他の追随を許さないトラヴィス・トリットの2年ぶりの新作。タイトル・トラックの"I got these calluses from all those nights / I spent playing a Telecaster /'Til my fingers bled Bud Light,,,"という歌詞に象徴される、カントリー・ソング普遍のテーマをサザン・ロック・テイストに昇華したトリット・スタイルが、いつもながらの強烈なイメージで伝わってくる。カントリー・バラードにも冴えをみせ、はやくもトリット自身の最高傑作との評価を得ている。ロック・ジャイアント、ジョン・メレンキャンプとの共演曲も収録。
●MERLE HAGGARD『Live at Billy Bob's Texas/Ol' Country Singer』IMAGE-5031 CD \2,888
Runnin' Kind-Lonesome Fugitive/Folsom Prison/Texas Women/Get Along Home Cindy/A Place To Fall Apart/Runaway Mama/Ol' Country Singer/Farmer's Daughter/Rainbow Stew/The Fightin' Side Of Me/Natural High/Kern River/Footlights/Turn Myself In/Ol' Country Singer(Studio Version with Freddy Powers) 全15曲
 2003年のアルバム『Haggard Like Never Before』(HAG-0005\2,888)で社会派の面目躍如たるところを示したヴェテラン、マール・ハガードの最新ライヴ。何年か前にもライヴ・アルバムのあった、テキサス州フォートワースの世界最大のホンキー・トンク、ビリー・ボブズ・テキサスでのライヴ。ベイカーズフィールド・サウンドをベースに、原点ジミー・ロジャースからハンク・ウィリアムズにはじまって今日まで連綿と伝えられてきた、カントリーの本流の正統の継承者として君臨するマールの、40年にならんとするキャリアで放ってきた多くのヒット曲を散りばめた、集大成ともいえるパフォーマンス。21曲収録のDVDも同時発売されている(IMAGE-6031\3,675)が、リジョン・コード1ということで、日本のプレイヤーでは見ることができない。
[COUNTRY REISSUES AND DISCOVERIES]
●DWIGHT YOAKAM『The Very Best of Dwight Yoakam』R2-78964 CD \2,573
Honky Tonk Man/Guitars, Cadillacs/Little Sister/Little Ways/Please, Please Baby/Streets Of Bakersfield(with Buck Owens)/I Sang Dixie/Long White Cadillac/Turn It On, Turn It Up, Turn Me Loose/You're The One/Suspicious Minds/It Only Hurts When I Cry/Ain't That Lonely Yet/A Thousand Miles From Nowhere/Fast As You/Crazy Little Thing Called Love/I Want You To Want Me/Things Change/The Late Great Golden State/The Back Of Your Hand 全20曲
 元祖カントリー・パンクにしてベイカーズフィールド・サウンド中興の祖、最近は映画スターとしても大活躍、ドワイト・ヨーカムの最新編集ベスト・アルバム。ギタリスト/プロデューサーのピート・アンダーソンとのコンビで86年のメジャー・デビュー以来、ウェスト・コーストのガレージ・パンクを映し出したとんがったサウンドと、それとは対極的なケンタッキーのトラディショナル・ルーツが渾然一体となった、唯一無二のカントリー・スタイルでヒット曲を連発したリプリーズ/ワーナー時代の集大成。
●DWIGHT YOAKAM『Dwight's Used Records』KOCH-9805 CD \2,888
Stop The World(And Let Me Off)/Down Where The River Bends/Mercury Blues/Waiting/Some Dark Holler/If You Were Me/Little Chapel/Loco Motion/Miner's Prayer/Understand Your Man/Wheels/I'm Bad, I'm Nationwide/Paradise/"I Said"(Paradise Reprise) 全14曲
 こちらはドワイト自身のヒット曲集ではなく、彼が他のシンガーたち――ラルフ・スタンレー、ニッティ・グリッティ・ダート・バンドからディアナ・カーター、へザー・マイルズまで――とデュエットした曲や、ジョニー・キャッシュ、ウェッブ・ピアースへのトリビュートなど、いろんな企画アルバムに収録されていた曲を集めたもの。ラスト、ジョン・プラインへのオマージュが素晴らしい"Paradise"と"Loco Motion"の2曲ははじめての収録。オリジナル・ソング以上にドワイト・ヨーカムというシンガーの凄みが発揮された、見事なコンピレーションである。
●LLOYD GREEN『Master Of The Steel Strings』KOCH-9801 CD \2,573
Sweet Cheeks/Green Strings/Skillet Lickin'/Drifters Polka/Funny Bunny/Red Eye/Pickin' Pot Pie/The Lovin' Machine/Pedal Paddle/Little Darlin'/Green Velvet/Touch My Heart/Show Me The Way To The Circus/The Cave/The Bridge Wadhed Out/Rainbows And Roses/Heartbreak Tennessee/Motel Time Again/Seven Days Of Crying/Almost Persuaded 全20曲
 60年代末から70年代、ナッシュヴィルを代表するスティール・ギター・プレイヤーとして、リン・アンダーソンのデビューに大きな力となるなど、バーズやポール・マッカートニーにまで至る無数のレコーディング・セッションに参加するかたわら、ソリストとしても多くのアルバムを残した名手ロイド・グリーン、彼のリトル・ダーリン・レコード時代の作品を集めた名演集。セッション・ワークをとおして磨いたペダル・スティールの技を駆使したアルバム『Green Country』などに収められたオリジナル・インストと、ナッシュヴィル・サウンドの代表的ヒットのカヴァーで構成された全20曲。もちろん今も現役、最近では上記、リトル・ダーリン時代の同僚だった故ジョニー・ペイチェックへのトリビュート・アルバム『Touch My Heart:A Tribute to Johnny Paycheck』(SH-1081\2,573)でその健在ぶりを示している。
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