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B.O.M.Newsletter #348web  2009年10月15日
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INDEX

今月の新入荷注目作品
ブルーグラス新入荷
ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
ビーオーエムのお勧め作品
インスト新入荷
各楽器別インストお勧め再入荷作品
オールドタイム&フォーク新入荷
オールドタイム&フォークお勧め作品
カントリー新入荷
カントリー発掘、編集モノ新入荷
カントリーお勧め作品
映像ものお勧め作品
教則ものお勧め
楽器、その他…
輸入雑誌
月刊『ムーンシャイナー』
B.O.M.ご利用方法

◆今年も9月28日から10月4日まで、IBMA(国際ブルーグラス音楽協会)の大会、「ワールド・オブ・ブルーグラス(WOB)」に参加してきました。相変わらず、次々と登場するバンドのレベルの高いこと、また子供たちの凄いこと、そしてブルーグラスがさまざまな音楽を吸収して幅広いエンターテイメントとして成長していることなど、とても刺激的でした。参加25ヶ国、世界中の人がブルーグラスという音楽を軸に集まり、この音楽の60余年の歴史をリスペクトし、未来に向かって協力し合っています。
 たしかに、見本市などでは経済不況の影響が感じられる場面もありましたが、愛する音楽のこと、目先の損得を越えた連帯は揺るぎないものだと感じました。詳細は今後のムーンシャイナー誌で順次リポートする予定です。

◆最新ムーンシャイナー誌10月号はアダム・ステッフィのカバーストーリー、IBMA名誉の殿堂入りしたザ・ディラーズ(アワード・ショウで全員が歌った"Old Home Place"には感動!)、マイク・シーガー追悼A、内田昭弘「オールドタイム・フィドルを語る」、箱根フェス人気投票#1「東北大学、雑貨屋フレイヴァー」、クラレンス・ホワイト物語G最終回などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載。

 月刊ムーンシャイナー定期購読は1年間(12冊)
\6,000- 半年間(6冊)\3,300-。単冊\525-ですが、ぜひとも年契をお願いします。購読開始希望月をお知らせください、早速お送りします...!! 
今月の新入荷注目作品
SH-4057 ADAM STEFFEY『One More for the Road』CD\2,573-(本体\2,450-)

 現在ブルーグラス・マンドリンの最高峰、アダム・ステッフィの最新第2作。アリソン・クラウスほか、すばらしいゲストらと充実のストレート・ブルーグラス作品。ブルーグラス新入荷参照。

PC-1170 GRASSTOWNE『Other Side of Towne』CD\2,573-(本体\2,450-)

 スティーブ・ガリーのボーカルを中心にトラッド回帰する現在の第一線ブルーグラス・バンド最新第2作。ブルーグラス新入荷参照。

KOCH-4766 JOHN COWAN『8,745 feet; Live at Telluride』CD\2,888-(本体\2,750-)

 ジョン・コーワン、入魂のライブ・ボーカル集。ブルーグラス新入荷参照。

ROU-0606 CLAIRE LYNCH『Whatcha Gonna Do』CD\2,573-(本体\2,450-)

 いつまでもキュートであたらしいサウンドに挑戦するクレア・リンチ。ブルーグラス新入荷参照。

SD-696 JOHN HARTFORD『No End of Love』CD\2,888-(本体\2,750-)(歌詞付)

 ハートフォードのブルーグラス編成、1996年作品が再プレス。ブルーグラス発掘新入荷参照。

KOCH-2024 BELA FLECK, ZAKIR HUSSAIN, EDGAR MEYER『The Melody of Rhythm; Triple Concerto & Music for Trio』CD\2,888-(本体\2,750-)

 バンジョー/タブラ/ベースのトリオと交響楽団による協奏曲。インスト新入荷参照。

M-24976 PATTY LOVELESS『Mountain Soul U』CD\2,888-(本体\2,750-)

 カントリーシンガー、パティ・ラブレスの2001年大秀作『Mountain Soul』の最新第2弾。アパラチアのソウルを見事に表現。ブルーグラス新入荷参照。

NTDP-1946 DAVID PETERSON『Comin' on Strong』CD\2,573-(本体\2,450-)

 超トラッドグラスのデビッド・ピーターソンが挑む超ホンキートンク・カントリー集。カントリー新入荷参照。

SH-4055 SAM BUSH『Circles Around Me』CD\2,573-(本体\2,450-)

 カントリー・ジェントルメンをはじめ、ブルーグラス・カバーも含むキング、10月20日発売のサム・ブッシュ最新作。詳細は次回レターにて。
ブルーグラス新入荷
SH-4057 ADAM STEFFEY『One More for the Road』CD\2,573-(本体\2,450-)

Deep Rough/Don't Lie to Me/Let Me Fall/Warm Kentucky Sunshine/Half Past Four 他全12曲

 ムーンシャイナー誌10月号のカバーストーリーにも登場したアダム・ステッフィ、現在マンドリンの最高峰として尊敬されるアダムの最新ソロ第2作。見事に、完全にコントロールされたマンドリンに、クレイ・ヘスのフラットピッキン・ギター、ロン・ブロックの安定したスリーフィンガーロール、そしてやっぱステュアート・ダンカン(f)に高校以来の仲間バリー・ベイルズ(bs)の1曲目。2曲目ではアダムのバリトン・ボイスが独自の世界を創りつつ、ロン・ブロックが独特のスリーフィンガー・グルーヴを創る。そして3曲目と4曲目でレッド・アレンと故ラリー・リチャードソンのアーリー・ブルーグラスに対する愛情一杯のリスペクト!! ダン・ティミンスキをゲストにした"Let Me Fall"では、全員のブルーグラス早弾き!!に対する真摯なブチ切れがお見事!! 妻のクロウハンマーをフィーチャーしたオールドタイムなインストをはさんで、6曲目にはアリソン・クラウスが登場、モダン・ブルーグラスのさわやかメロディを絵に描いたような選曲等々、歌物8曲インスト4曲で飽きることのない、まさに現代ブルーグラスのおいしい所取り作品である。アリソン・クラウス&ユニオン・ステーションからマウンテン・ハート、そして現在、ダン・ティミンスキ・バンドで活躍すると同時に、東テネシー州立大学で講師を務めるアダム、まぎれなくブルーグラス・マンドリンの第一人者のひとりである。

PC-1170 GRASSTOWNE『Other Side of Towne』CD\2,573-(本体\2,450-)

Hard Workin' Man/Heartbreak Express/God Bless Mommy/Big, Big Heartaches/The Door 他全14曲

 ドイル・ローソン&クイックシルバーからマウンテン・ハートで圧倒的な「歌の上手さ」で知られるスティーブ・ガリー(g)を中心にしたグラスタウンの最新第2作。ブルーリッジ系マンドリン・スーパーピッカーのアラン・バイビーに話題の若手バンジョー奏者ジェイソン・デイビス(ムーンシャイナー誌7月号「闘魂バンジョー」参照)、IBMA最優秀ドブロの受賞経験者フィル・レッドベター、そしてトラビス・グリアー(bs)のメンバーに、なんと!!全編にステュアート・ダンカンのフィドルがゲスト出演。ジェイソンの正確無比なバンジョー・グルーヴが支配するミディアム・テンポの1曲目での満を持して突っ込んでくるマンドリンとフィドルのスリル……、そしてロンサム・スローな2曲目……、コンテンポラリーな素材とリズムグルーヴを持ちながら、トラッドな雰囲気をプンプンと漂わせる。安易なカントリー志向よりも伝統的なブルーグラスの中に居場所を求めた姿勢がうかがえる、話題の新バンドだ。

KOCH-4766 JOHN COWAN『8,745 feet; Live at Telluride』CD\2,888-(本体\2,750-)

Mississippi Delta Time/High Above Powerlines/Four Days of Rain/Let's Make a Baby King 他全12曲

 バリバリのロックからニューグラス時代の名曲、そしてあのジョン・カウワンにしか歌えない名唱"Dark As a Dungeon"などを収めたテルライド・ブルーグラス・フェスのライブ、1998年以降に録音されたジョン・コーワン・バンド、タップリ1時間に渡ってこだます、「あの」ものすごい声だ。これまで、自費制作で流通していたものが正式に準メジャーのコッチから発表だ。ドラムスとエレキを全面に押し出したロック調ながら、バンジョーにはゲストのベラ・フレックを含めスコット・ベスタルと伝説のレックス・マッギー(収録されてるインスト"Road to Silverton"で凄い!!)、ギターにジェフ・オウトリー、マンドリンにダレル・スコット、フィドルにルーク・ブラとバーバラ・ラム、ドブロにランディ・コーアズらを配し唯一無二のボーカルを聴かせる。サム・ブッシュと同様、ジョンにとってもホームグラウンドと呼べるテルライド・フェスでの絶頂期、信じられないあの「声」が響き渡る。

M-24976 PATTY LOVELESS『Mountain Soul U』CD\2,888-(本体\2,750-)

Busted/Fool's Thin Air/Prisoner's Tears/Working on a Building/Blue Memories/Bramble and the Rose/Feelings of Love/Diamond in My Crown 他全15曲

 デル(g)&ロニー・マッカーリー(m)、ブライアン・サットン(bj)、ロブ・アイクス(d)を従え、ヘイゼル・ディッケンズもカバーしたハーラン・ハワードの名曲をトップに、アパラチアの厳しい生活を歌い込んだ2001年の『Mountain Soul』につづく最新第2弾。演奏スタイルにこだわらず、夫エモリー・ゴーディーJr.のプロデュースで、ブルーグラス人脈をフルに動員。ステュアート・ダンカン/ジェイソン・カーター/ディーニー・リチャードソンのフィドル組のほか、マイク・オルドリッジやカール・ジャクソンをそのトーンで適所に配したり、ビンス・ギルやジョン・ランドールのコーラス隊、最後の曲には作者エミルー・ハリスとパイプ・オルガンで終わるなど、細かい気配りもさすがメジャープロダクション。モンローの"Working on a Building"にはじまるゴスペル三連発の凄さ、さすがの歌唱力はメジャーアーティストならでは、その上、彼女自身の出自、ケンタッキー州パイクビル出身で父親は炭坑夫(黒肺塵症)、遠い従兄弟にロレッタ・リンとクリスタル・ゲイルがいる。

SKFR-1009 RICKY SKAGGS『Solo; Songs My Dad Loved』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付)

Foggy River/What Is a Home without Love/Little Maggie/Green Pastures in the Sky/This World Is Not My Home/Branded Whereever I Go 他全13曲

 1970年高校3年生のときにラルフ・スタンレーに認められ、その後カントリー・ジェントルメン、そして来日もしたJ.D.クロウ&ニューサウスでその後のブルーグラスの道標となる作品『J.D.Crowe & New South』(Rou-0044 \2,573-)をトニー・ライスとともに残し、ブーン・クリーク結成。しかし80年代、エミルー・ハリスに見初められカントリーに転向、あっという間にトップスターに上り詰め、ネオトラッド・カントリーの旗手となった。その後、97年に『Bluegrass Rules』を発表してブルーグラス界に戻ってきたリッキー・スキッグス。彼の音楽の基礎にあるもの、それは子供時代に耳にした「父の好きだった音楽」、モンロー・ブラザーズやフィドル&バンジョー・チューン、そして古くから伝わるバラッドなど。本作はそれら懐かしい曲を、文字通りソロ(シンプルなオーバーダブ技術で全楽器/ボーカルをひとりで演じる)で丁寧に演じてくれる。得意のフィドル、マンドリン、ギターはもちろん、クロウハンマー・バンジョーもいけてる!!さすがのマルチプレイヤー、真摯なボーカルとともに、リッキーなりのオールドタイム音楽を聴かせてくれる。

ROU-0606 CLAIRE LYNCH『Whatcha Gonna Do』CD\2,573-(本体\2,450-)

Great Day in the Morning/Highway/Mockingbird's Voice/That's What Makes You Strong/Crazy Train/A Canary's Song/My Florida Sunshine 他全12曲

 70年代、フロント・ポーチ・ストリング・バンドとして女性ブルーグラスのあたらしい潮流を切り拓いたクレア・リンチ、当時とまったく変わらない、可愛く可憐なボーカルで、ものすごく気持ちいいアコースティック音楽を聴かせてくれる最新作。ギターの魔術師ジム・ハーストの絶妙なギタータッチに誘われるジェイソン・トーマス(f,m)とマーク・シャッツ(bs)のバンド・メンバー、ほぼ全曲その4人(ケニー・マローンのパーカッションとジェシ・ウィンチェスターのゲスト・デュオ・ボーカルを除いて)だけで創られたホッコリ、フンワカ作品。そうそう、ジェイソンは長らく東京ディズニーランドやシェラトン・ホテルで活躍したハンドピックドのひとり。クレアのボーカルにぴったりのキュートな選曲に、ガース・ブルックスやビル・モンロー・ソングも忍び込ませた楽しいアコースティック作品だ。30年のキャリアでありながら、いつまでも若々しく新鮮なサウンドを楽しませてくれるクレアに脱帽。

SH-4056 CHRIS PANDOLPHI『Looking Glass』CD\2,573-(本体\2,450-)

Winnipeg/Mr.Manys/Machines/Big Bend/Wichita Stomp/Open C/Close Encounter/Melancholy 他全11曲

 若者ブルーグラスのトップランナーのひとつ、インファマス・ストリングダスターズのバンジョー奏者クリス・パンドルフィの最新ソロ・アルバム。ジャズで有名なボストンのバークリー音楽院が若いブルーグラッサーたちのために開設したバンジョー専攻の最初の卒業生であるクリス。クリス・エルドリッジ(g)、ステュアート・ダンカン(f)、ジェシ・コッブ(m)、アンディ・ホール(d)、バイロン・ハウス(bs)を核に、マット・フリナー・トリオをファンキーな曲調に配して、あたらしいバンジョーの世界を目指す意欲作。

CLG-83008 PAM GADD『Benefit of Doubt』CD\2,888-(本体\2,750-)

Hold Whatcha Got/Just Love Me/After the Fire Is Gone/Apple Jack/Tennessee Hound Dog/Farewell Wagon Master 他全14曲

 アリソン・クラウス登場以前、苦難の道を歩んできた女性ブルーグラスのあたらしい幕開けとなった1979年結成のニュー・クーン・クリーク・ガールズにバンジョー奏者として参加、その後、熊本カントリーゴールドにもやって来た5人組スーパー女性カントリーバンド、ワイルド・ローズ(1988-1991)に参加して名を上げたパム・ガッドの最新作。自身のソリッド・バンジョーでのキツメのジミー・マーティン名曲を一曲目に、亡くなった恩人ポーター・ワゴナーに捧げる曲まで、彼女の長いキャリアを表す幅広いサウンドで耳に馴染みいい作品だ。ワイルド・ローズの後、しばらく活動を休止したようだが、1997年にソロ・アーティストとしてバンガードから『The Long Road』でデビュー、その後2001年に『Time of Our Lives』発表、ドリー・パートンやポーター・ワゴナーといったブルーグラスに理解のあるカントリースターたちに支えられながら活躍、自身の音楽をより幅広いものにしていき、久々の最新作である。ブライアン・サットン(g)、オーブリー・ヘイニー(f,m)、アンディ・レフトウィッチ(f,m)ら超一級ピーカーを統べるのはワイルド・ローズ時代のバンマス、ワンダ・ビック(d,g)。ゲスト・ボーカルには、ドリーのほか、現在はブルーグラスに転向した元シェナンドーのマーティ・レイボン、グラスタウンのスティーブ・ガリーと、元クーン・クリーク仲間のデール・アン・ブラッドリー。
ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
SD-696 JOHN HARTFORD『No End of Love』CD\2,888-(本体\2,750-)(歌詞付)

Gentle on My Mind/Railroad Cap/My Tears Don't Show/Medicine Chest/Goodbye Waltz 他全10曲

 1996年発表の故ジョン・ハートフォード自費制作アルバムが、息子ジェイミーによって限定再プレスだ。バンジョーとフィドルのジョンに、マイク・コンプトン(m)、ロニー・マッカーリー(g)、ロイ・ハスキーJr.(bs)のブルーグラス編成5楽器によるジョンのストレート!?ブルーグラス集。今なお、日本のBGMでもしばしば流れる世界的名曲"Gentle on My Mind"がツーコードのブルーグラスとなる妙に、つくづく感心させられる。クリス・シャープも好んでレパートリーにするカール・バトラー作の1曲を除いてジョンのオリジナル。歌詞付きなのでジョンの大好きな物語やメッセージ/ユーモアが心に響く。2001年に63歳の若さで逝った天才ジョン・ハートフォードのブルーグラスをゆったりと楽しみたい。

ROU-0614 RALPH STANLEY『Can't You Hear the Mountains Calling』CD\2,573-(本体\2,450-)

Don't Wake Me Up/Say Won't You Be Mine/Little Willie/This Weary Heart You Stole Away/Cotton-Eyed Joe/Dickenson County BRD/In Despair 他全12曲

 1985年にカセットのみで自費制作、10年後にカパークリークからも再発された『Sixteen Years』が、ラウンダーから「フィーチャリング・チャーリー・サイズモア」と銘打って再々発売だ。16歳でキース・ウィットリーに代わってスタンレーに就職した若かりしチャーリー(のちに弁護士となっている!)のほか、カーリー・レイ・クライン、ジャック・クック、ジュニア・ブランケンシップを率いる58歳のラルフ、兄カーターとのスタンレー・ブラザーズとは一線を画した、いわゆるスタンレー・サウンドが確立した頃。見事な選曲とともに、サイズモア在籍時のラルフ、最高作の呼び声が高い秀作である。もちろん全曲、スタジオで一日で一発録りのまさしくライブ録音である。本作が名盤とされる理由についてチャーリーは、「レコード会社などのしがらみがない分、この録音にラルフの本当の姿が聴き取れるからかもしれない」と述べている。ラルフ自身のバンジョーも快調に、ホットなスタンレー・サウンドが満喫できる大秀作だ。

GT7-0639 DON RENO, RED SMILEY, BILL HARRELL & THE CUT-UPs『Live! at Lone Star Festival, 1971』CD\1,260-(本体\1,200-)

Trail of Sorrow/Bringin' Mary Home/Charlotte Breakdown/Cheap Love Affair/Help Make It Thru the Night/Tally Ho/Green Mountain Hop 他全11曲

 ムーンシャイナー誌9月号では「ビル・ハレル追悼(1934-2009)」を特集。いまやレッド・スマイリー(1925-1972)、ドン・レノ(1924-1984)、とともに誰もいなくなったテネシー・カッタップスの看板たち。本作は1971年、死を半年後に控えたスマイリーがレノとの思い出を大切にするかのように、ハレルとともにすばらしくテンションの効いた約35分のショウを収めたもの。3人のほか、バック・ライアンのフィドルとジェリー・マッカーリーのベースの5人組。ジェリー歌うモンロー曲のきつめのハイロンサム・ハーモニーに送られる観客の盛大な拍手などから、かなり濃い目のブルーグラス・ファンが集まったと思われるフェスでの活き活きとしたライブだ。レノの音楽性の凄さ、スマイリーとハレルの美声、ライアンの思いっきりフィドルなど、勢いにまかせた荒っぽい演奏と録音だがブルーグラスのナマの熱気を直に感じることのできる大秀作、1977年にアテイラム・レコードからLP発売されたもののCD化である。偉大な第一世代ブルーグラッサーの、凄い熱気だよ。

A-739709 RICKY SKAGGS『Don't Cheat in Our Hometown』CD+DVD \2,573-(本体\2,450-)

 1983年発表のリッキー・スキャッグス、カントリー大ヒット作。ブルーグラス曲のカントリー・アレンジが今なお新鮮。カントリー発掘新入荷参照。
ビーオーエムのお勧め作品
(すでに新入荷で紹介済みの作品です)
■話題の最近作
今、もっとも旬なアルバムたち……
REB-1825 JUNIOR SISK & RAMBLERS CHOICE『Blue Side of the Blue Ridge』CD\2,573-(本体\2,450-)

 今年のIBMAアワード・ショウでボブ・ペイズリーと並んでトラッド権化としてもっとも大きな拍手を受けたジュニア・シスク。ムーンシャイナー誌5月号掲載の全米ブルーグラス・アルバム・チャートでナンバーワンをヒット!! ブルーリッジ系ブルーグラスのトラッドグラス回帰がはじまった90年代、そのソウルフルなボーカルで人々を驚かせたジュニア・シスクのランブラーズ・チョイス最新作。ロニー・ボウマンをプロデューサーに迎え、タイトル通り、トラッドに根ざした典型的なブルーリッジ系サウンドを聴かせてくれる。ムーンシャイナー08年8月号に特集記事あり。

COMP-4511 DALE ANN BRADLEY『Don't Turn Your Back』CD\2,573-(本体\2,450-)

 やったネ!今年もIBMA最優秀女性ボーカル受賞。これで3年連続受賞の苦労人ベテラン女性ブルーグラッサー、デール・アン・ブラッドリーの06年前作『Catch Tomorrow』(COMP-4445 CD\2,573-)につづく最新作。制作のアリソン・ブラウンみずからのブルーグラス・バンジョーとステュアート・ダンカンのふたりがバッチリと脇を固め、マイク・バブ(bs)とティム・ロウリン(m)、そしてデール・アン自身の見事なリズムとリード・ギターという基本セットにスティーブ・ガリーやデイリー&ビンセント、クレア・リンチらのゲスト・ボーカル。ニュー・クーン・クリーク・ガールズ以来、ブルーグラスに夢を託してきた苦労人デール・アン、バラエティに富んだ選曲とサウンドでデリケートな女性らしいボーカルを楽しませてくれる。

RCD-05335 ROB ICKES『Road Song』CD\2,573-(本体\2,450-)

Caravan/You Win Again/If I Had You/West Coast Blues/Nearness of You/Take the A Train 他全10曲
 IBMA最優秀ドブロを10回受賞しているロブ・アイクスが、マイケル・アルビーのピアノとのデュオで贈るジャズ・スタンダード10曲。ハンク・ウィリアムズ"You Win Again"を含む3曲ではロビネラのすばらしい女性ボーカルが聴く者をさらに癒してくれる。どー言えばいいか、ピアノの広がりのある響きの中で、ドブロしか持ち得ない独特の呟きや呻きが見事に混ぜ合わさって、めちゃくちゃ気色いい音を創っている。左手に持った鉄のバー、これ一本だけから創られる信じられない豊かな音を、目を閉じてゆったりと聴きたい。超お勧めの一級作品!!

REB-1829 LOST & FOUND『Love, Lost and Found』CD\2,573-(本体\2,450-)

 このアンサンブルと楽器の気色良さ……、知らないと損をする!ブルーリッジ系ブルーグラスのパイオニアにして大御所、ロスト&ファウンドの最新作。カントリー・ジェントルメン以降の4人組フィドルレスの典型的なブルーグラス・バンドを、見事な音の整理/統合で、各楽器が響くスペースを絶妙に配分し、そこからあたらしいサウンド・スタイル(のちにコンポラソリッドとかブルーリッジ系と称した)を提示した彼ら。とくに本作でも7曲が収められている故デンプシー・ヤング(ムーンシャイナー誌07年12月号にて追悼特集)が参加している曲はすばらしいぞ!! ロスト&ファウンドのアンサンブルを知っているか?知らないか?……あなたのバンド(またはお耳)の音整理が進みますよ。絶対お勧めのバンドサウンド!!

SH-4049 SARAH JAROSZ『Song Up in Her Head』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ムーンシャイナー最新7月号の表紙を飾った少女、サラ・ジャローズのデビュー作。今春高校を卒業した18歳、マンドリンのスーパーピッカーという一面を持ちながら、その圧倒的な音楽センスをベースにシンガー/ソングライターとして「女ティム」と賞賛されるサラ、1曲目のクリス・シーリ+ジェリー・ダグラスとの超絶コラボから、ティム・オブライエンとのデュオによる現代版アパラチアン・バラッドとクロウハンマーバンジョー、そしてマンドリン・インストではマイク・マーシャルを従え……。共にツアーをするふたりの天才少年ふたり、アレックス・ハーグリーブス(f)とサムソン・グリスマン(bs、デビッドの息子)……、そして最後の曲はクリス・シーリとのデュオ。スリーフィンガー・バンジョーこそ入っていないが、今後のブルーグラスの新しい胎動を象徴する凄い才能の爽快デビュー。

SH-4040 BRYAN SUTTON & Friends『Almost Live』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ムーンシャイナー誌8月号のカバーストーリーに登場、現在ブルーグラス・フラットピッキン・ギターの最高峰とされるブライアン・サットン、4枚目最新作。リッキー・スキャッグスのケンタッキー・サンダーでデビューした1995年以来、ブルーグラスの最先端で積んできたキャリアの総集編的作品。サム・ブッシュ/ベラ・フレック/ジェリー・ダグラス/ステュアート・ダンカン/マーク・シャッツとの通称ブルーグラス・オールスターズを1曲目に、パンチ・ブラザーズのクリス・エルドリッジのトラとして活躍した時期のクリス・シーリ/ノーム・ピケルニー/ゲイブ・ウッチャーらとの2曲目のほか、ホット・ライズ・リユニオン、ラス・バレンバーグとのギター・デュオ、ベラ・フレックとのデュオ、オープリー・ヘイニーらとのジプシー・スウィング、ティム・オブライエンとはクロウハンマー・バンジョーを弾いてのオールドタイム、そしてクリス・シーリとの目くるめくデュオで終わる、ギター弾きまくり快作。ちなみに、彼の前3作は、ちょっとぎこちないデビュー作『Ready to Go』('00 SH-3906 \2,573-)、これがフラットピッキンの醍醐味とばかりの有名フィドル・チューン集『Bluegrass Guitar』('03 SH-3975 \2,573-)、そして父親を含めた自身のヒーローたちとのデュオ集でグラミー受賞作『Not Too Far from the Tree』('06 SH-4001 \2,573-)、いずれも在庫あり。

COMP-4504 BEARFOOT『Doors and Windows』CD\2,573-(本体\2,450-)

 6月ビルボード・ブルーグラス・チャートのナンバーワンをヒットしたベアフット。すでに9年のキャリアを持つアラスカ出身の話題バンドだが、ビスケット・バーナーズのオデッサ・ジョーゲンソン(f)が新加入、そのノーラ・ジョーンズを思わせるようなちょっと気だるいフォノジェニックなボーカルを全面に押し出して「ニュー・オールドタイミー」に大変身。バンジョーレスで女性ツイン・フィドルにベース、そして男性マンドリンとギターの5人組。カーター・ファミリー、ジョン・ハイアット、そしてビートルズ"Don't Let Me Down"のカバーほか、友人ソングライターの作品とオリジナル。ブルーグラスのテクニックを身につけたオールドタイミーな女性たちが、メチャかっこいいぞ!!

ROU-0603 BOBBY OSBORNE & ROCKY TOP X-PRESS『Bluegrass & Beyond』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ボビー・オズボーン、77歳にしてこのすごいエネルギーはどうだ!! 1曲目のウキウキするジェリー・リード曲から一転、モンロー・ブラザーズの"What Would You Give"をマーティ・ステュアートとコニー・スミス夫妻をゲストに2曲目に配し、そのいずれもで意表をつくアレンジを施したオズボーン節。ほかに、イーグルス曲やロンダとダーリンのビンセント姉弟を迎えてのロレッタ・リン曲など、ボビーの艶のあるボーカルとハーモニーと凄いマンドリン。オズボーン・ブラザーズを解消してすでに3作目、そのいずれもが力に溢れている。前作『Bluegrass Melodies』(ROU-0582 \2,573-)も必聴!!

NBM-090901 吉崎ひろし&N.B.プロジェクト『Tryfull!!』CD\2,625-(本体\2,500-)

 関西を中心に活躍するバンジョー奏者の吉崎が『Banjo Nostalgie』(NBM-020801 \2,940-)につづいて、発表した最新バンジョー集。ブルーグラスでも知られるスタンダードほか、フォークタッチのメロディーを持つオリジナルや、ピアノとのインタープレイ、自身のギターとマンドリンとのトリオでリリカルな中にもスウィング感を漂わせた美しい曲、マラソン完走後に着想を得たというドライヴの効いたブレイクダウン、エスニックなニューエイジに津軽三味線的なイメージを加味した作品などを配しながら、フィドルのスネイク水谷、キーボードの松井正樹、パーカッションの田中良太とのN.B.プロジェクトとともに、自在なオリジナル曲を披露する。バンジョーという楽器で生計を立てる吉崎を応援したい。ムーンシャイナー誌9月号の特集参照。

REB-1827 DAVID DAVIS & WARRIOR RIVER BOYS『Two Dimes & a Nickel』CD\2,573-(本体\2,450-)

 グランパ・ジョーンズの名曲"I've Been All Around"を1曲目に、モンロイズムを意識しながら南部アラバマで家族の伝統を受け継ぐデビッド・デイビス。1938年にビル・モンローが雇った最初のブルー・グラス・ボーイ、あのクリオ・デイビスが叔父にあたる。ほかに、ドック・ワトソンやフラット&スクラッグスで知られる"Train That Carried My Girl from Town"、そしてジム・イーンズ"Broken Promise"など、トラッドグラスの王道サウンドを守りつつオリジナルな最新作。背筋を伸ばし、ステットソン帽を被り、ロアーを抱える姿はヒーロー、ビル・モンローを髣髴させるデビッド、2006年の前作『Troubled Times』(REB-1817 \2,573-)もすばらしい。

RSR-20901 CASEY DRIESSEN『Oog』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ブルーグラス・フィドル界の台風の目!?ケーシー・ドリーセンの最新作。シュガーヒルからのデビュー作『3D』(SH-4016 CD\2,573-)で目からウロコのスタンダードのアレンジでアッと驚かせたケーシー、今回はその前作を激しく上回る幅広い世界観を覗かせる。ダレル・スコットのエレキとペダル・スティール、アリソンの弟ビクター・クラウスのベース、マット・チェンバーレインのドラムスとともに、フィドルという楽器本来のイメージを前衛的なロックフュージョンの中で、自然体で主張する柔軟さは、ベラ・フレックとブライアン・サットンとのトリオ、アビゲイル・ウォッシュバーンのスパロー・カルテット、ティム・オブライエン・バンドへの参加などを通じて変幻自在の音楽性を身に付けたケーシーならではの感覚だ。今回もスタンレーの"O Death"ほか、モンロー・インストや歌物で古いカントリーソングのカバーなどの超アレンジが収められているが、メインは彼のスペーシーな無国籍オリジナル。しかし、そのフィドル・センスはブルーグラス以外の何ものでもない。

ROU-0609 NEWFOUND ROAD『Same Old Place』CD\2,573-(本体\2,450-)

 数々の新人トラッド/ソウルグラスを発掘してきたラウンダーレコードのケン・アーウィンのお眼鏡にかなったティム・シェルトンの強力ボーカリストを中心に、オハイオの濃いトラッドグラス伝統を踏まえた新進ハードコア・ブルーグラス、ニューファウンド・ロード。これまでゴスペル一途だった彼らが、世俗テーマに挑んだ最新ラウンダー第2弾。最近のソングライター作品が主だが中盤以降、スタンレーの"I Am the Man Thomas"からカーターの"Lonesome River"にいたるあたりで実力勝負。

PC-1163 DIXIE BEE-LINERS『Ripe』CD\2,573-(本体\2,450-)

 4月にマロ川端&サミー・シーラーのブルーグラス・エクスチェンジで来日した女性フィドラー、レイチェル・ジョンソンを含むディキシー・ビーライナーズの全米デビュー作。メインボーカリストの女性、ブランディ・ハートのユニークなソングライティングに独自のアレンジを施し、どの曲も新鮮なサウンドを提示する。ケンタッキー生まれのブランディとニューヨークのオルタナ・カントリーで名を売ったバディ・ウッドワードがニューヨークで結成、その後アパラチアのど真ん中、ブリストル近郊に本拠を移し、ETSUを卒業したレイチェルのほか、サム・モロー(bj)らのメンバーに、マーク・フェイン(bs)、アンディ・レフトウィッチ(m)、ディブ・タルボット(bj)、アンディ・ファルコ(g)らがサポート。ストーリー性のある女性ブルーグラス秀作。

SH-4054 JEREMY GARRETT『I Am A Stranger』CD\2,573-(本体\2,450-)

 インファマス・ストリングダスターズのフィドル/ボーカルを担当するジェレミー・ギャレットのライブ会場でのみ発売されている特別CD盤。10代のスーパーフラットピッカーとして知られるジェイク・スタージェル(ラベル・シスターズ/グリーンカーズ)や、トップクラスの女性バンジョー奏者ジュリー・エルキンズ(ケーンズ・リバー)にショーン・レーン(m)、デニス・クロウチ(bs)を基本セットにした爽快なオリジナルや、ギターにクリス・シャープを配したフラット&スクラッグス・カバーには驚きのアビゲイル・ウォッシュバーンがカーリー・セクラー役を務めマイク・コンプトンやネッド・ルベレッキ(bj)、マイク・バブ(bs)が重たいF&Sサウンドに挑戦ほか、自身のオリジナル・ソングを中心にバラエティに富んだ作品。

WB-516987 SARA WATKINS CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付き)

 ニッケル・クリーク活動停止から2年、待望のサラ・ワトキンスのデビュー作はジョン・ポール・ジョーンズ(レッド・ツェッペリン)のプロデュース。オールドタイムとオルタナ系ロックのフュージョンというブルーグラス・トレンドのど真ん中を、ティム・オブライエン、ギリアン・ウェルチ&デビッド・ロウリングス、クリス・エルドリッジ、ロニー・マッカーリー、ルーク・ブラ、クレア・リンチ&イーファ・オドノバンらのブルーグラス人脈と、ウエストコーストのグレッグ・リース(padal steel)、エルビス・コステロのドラマー、ピート・トーマス、トム・ペティ&ハートブレイカーのベンモント・テンチ(piano)ら絶妙なバックで演じる。ジミー・ロジャーズやジョン・ハートフォード、ノーマン・ブレイク、トム・ウェイツほかのカバーと、自作フィドル・チューンやクリス・シーリとの共作などを含むオリジナル曲で見事に自分自身を表現する。ムーンシャイナー2009年6月号に特集。

REB-1826 BARRY SCOTT & SECOND WIND『In God's Time』CD\2,573-(本体\2,450-)

 歯切れの良いバンジョー・ロールと軽快なリズムに導かれて、クイックシルバー譲りの完璧なトリオやカルテット・ハーモニーをバックに、バリー・スコットの硬質なテナーボイスが美しいメロディーに乗っていく。1996年から9年間、ジェイミー・デイリー(デイリー&ビンセント)と共にドイル・ローソン&クイックシルバーのボーカリストとしてそのピークを作り上げたバリーが20代のスーパーな若者たち、マシュー・マンゼィ(m)、ゼーン・ペティ(bj)、トラビス・ホック(d)らとともに結成したバンドのデビュー作。ビンス・ギルがゲスト参加。
■ムーンシャイナー最新10月号特集関連作品
(ブルーグラス専門月刊誌のムーンシャイナー最新10月号は\525-。以下は特集記事の関連作品)
SH-4057 ADAM STEFFEY『One More for the Road』CD\2,573-(本体\2,450-)

 10月のカバーストーリーはアダム・ステッフィ。彼の最新作はブルーグラス新入荷参照。

AJ-5050 内田昭弘、福田淳一郎『50x50=25.00』CD\1,500-(本体\1,429-)

 オールドタイムのフィドル&バンジョーの面白さ、楽しさを内田が「NAOマンドリン」の安川直樹のインタビューで語る。オールドタイム新入荷参照。

SH-4045 RICKY SKAGGS『Best of Sugar Hill Years』CD\2,573-(本体\2,450-)

 「吉岡正の闘魂バンジョー」で取り上げられたマーク・プルエット(bj)が参加した、リッキー・スキャッグスがカントリースターとしてメジャーブレイクする寸前の1981年作品『Sweet Temptation』とリッキーとトニー・ライスとのブラザー・デュオ集『Skaggs Rice』から選ばれた13曲ベスト集。

ARH-204D NEW LOST CITY RAMBLERS『Always Been a Rambler』DVD\3,255-(本体\3,100-、58分+30分、カラー+白黒、stereo, widescreen 16:9)

 8月7日、75歳で亡くなったマイク・シーガーの追悼特集A。マイクの率いたニュー・ロスト・シティ・ランブラーズのすばらしいDVD作品。

ROU-0313 MIKE SEEGER『Third Annual Farewell Reunion』CD\2,573-(本体\2,450-)

 トミー・ジャレルからボブ・ディラン、ラルフ・スタンレー&ジャック・クック、マリア・マルダー&デビッド・グリスマン、ジョー&ジャネット・カーター、ピート・シーガー、ヘイゼル・ディッケンズ、ジミー・ドリフトウッド、ジーン・リッチー等々、ほかにブルーズを含むゲストたちとともに、主に白人系ルーツ音楽の大全集的な作品に仕上げている。ストリングバンド音楽からブルーズ&グラス音楽、伝承バラッドからフォーク……、マイクの交友関係の幅広さ、音楽の幅広い知識、そして何より伝承音楽に対する尽きる事のない興味を身近に感じさせてくれる大名作である。
■ザ・ディラーズ、IBMA名誉の殿堂入り
 今年のIBMA名誉の殿堂入りはディラーズとロンサム・パイン・フィドラーズ。アワード・ショウの最後、ライマン公会堂で全員が大合唱した"Old Home Place"は感動的だった!!
CCH-281 DILLARDS『Copperfields』CD\2,450-

 衝撃的なビートルズの"Yesterday"のアカペラ・カバー、サムとトニー加入前のブルーグラス・アライアンスが取り上げた"West Montana Hanna"他、1970年代を迎えたウェストコースト・ロックに一石を投じた作品として前作『Wheatstraw Suit』(CCH-280 \2,450-)と共に、ニューグラスのドアを開いたザ・ディラーズの名盤。ダグ・ディラードに代わったハーブ・ペダーソンと、なんと言ってもロドニー・ディラードのセンスが光る秀作である。

VAR-66716 THE DILLARDS『Early Recordings 1959』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ディラード兄弟のダグが21才、ロドニーが16才だったある日、ディーン・ウェッブを招いて家庭録音した貴重な10曲が陽の目を見た。1962年にロサンゼルスに移ってからブルーグラスやカントリーロックに多大な貢献をすることになる後のザ・ディラーズの原点である。全10曲20分ほどだが、ザ・ディラーズ・ファンにはもちろん、アーリー・ブルーグラスのスピリットに充分触れることができる貴重盤。

BGOCD-306 THE DILLARDS『Roots and Branches/Tribute to the American Duck』CD\2,888(本体\2,750-)

1972年と73年、バンジョーがハーブ・ペダーソンから元ケンタッキー・カーネルズのビリー・レイ・ レイサムに代わって発表したウェストコースト・グラスロック作品、1996年の発表の2on1。同じ頃デ ビューするイーグルスと肩を並べる発想を持った彼ら、この『American Duck』を最後に、メジャー・レーベルの時代を終える…。

VAR-66716 THE DILLARDS『Early Recordings 1959』CD\2,573-(本体\2,450-)

ディラード兄弟のダグが21才、ロドニーが16才だっ たある日、ディーン・ウェッブを招いて家庭録音した貴重な10曲が陽の目を見た。1962年にロサンゼルスに 移ってからブルーグラスやカントリーロックに多大な貢献をすることになる後のザ・ディラーズの原点であ る。全10曲20分ほどだが、ザ・ディラーズ・ファンにはもちろん、アーリー・ブルーグラスのスピリットに充 分触れることができる貴重盤。

FF-70215 THE DILLARDS "Homecoming & Family Reunion" CD\2,573-(本体\2,450-)

Hop High Ladies/Whole World Round/Tenessee Breakedown/Ebo Walker他全14曲

 1979年録音のディラーズ、素晴らしいライブ盤のCD化だ。彼等の父親の素晴らしいオールドタイム・フィドルではじまり、トラッド・グラス時代の彼等からハーブ・ペダーソンを迎えた絶頂期のウェストコースト式ブルーグラスまで。彼等の素敵な音楽の変遷と、それを生み、育んだ家庭の音楽が素晴らしい環境で演じられる。
■レッド・クレイ・レコード作品
 B.O.M.サービスのレーベル、レッド・クレイ・レコードです。1972年のイッツ・ア・クライングタイム発表以来、トニー・ライスのデビュー作をはじめ、数々の日米アーティストの作品を世に出してきました。日本ブルーグラス史の一頁です。
 また、LP作品には今回、CDRを付けて販売します(逆か……!?)。とにかく温故知新、すばらしい日本のミュージシャンたちが創ってきた日本ブルーグラスの歴史を振り返ってみてください……!!
RC-101 IT'S A CRYING TIME CDR\2,079-(本体\1,980-)

Love Please Come Home/Old Kentucky Bound/Out on the Ocean/End of Memory Lane/Deep River Blues/Harbor of Love/Blue Kentucky Mountain 他全12曲

 '72年に発売されたレッド・クレイの記念すべき第一弾、イッツ・ア・クライング・タイムのLPがオリジナル・ジャケットでCDRで復刻。山口さとしの絶妙なバランス感覚が清水英一の強烈な個性による斬新なバンジョー、大西一由の天性のテナーボーカルと勝見明のリズムをコントロールする。その選曲、アレンジ、表現など、おそらく今なお、日本のトラッドグラスの最高峰ではないだろうか……。

RC-106 V.A.『The 8th Takarazuka Bluegrass Destival』LP+CDR\2,258-(本体\2,150-)

Fastest Grass Alive/Oh, Las Vegas/Help/Blue & Lonesome/Lonesome Feeling/Could You Love Me One More Time/Roll in My Sweetbaby's Arms 他全14曲

 1979年夏、もっともホットだった時代の宝塚ブルーグラス・フェスの記録。全国から集まった若者が、ゴローショーの「スーダラ・ブレイクダウン」に笑い転げ、タイムスリップした重鎮シャギー・マウンテン・ボーイズの登場に驚き、20代最後の年を迎えた笹部益生&大西一由、渡辺三郎&AHO、当時の若者たち、奥沢明雄、ブルーグラス・ナッツ、弟マウンテン・ボーイズ、キープ・オン・グラス、グラス・ストアー、サウスバウンド、ハンプティ・ダンプティ・ヒポポトマス、相撲スペシャルら、学生たちのほとばしるようなブルーグラスがめちゃくちゃ爽快だ。あれから30年、今年も38年目の宝塚ブルーグラス・フェスが開かれた。

RC-108 大矢貞男『Beaumont Rag』LP+CDR\2,258-(本体\2,150-)

Panhandle Country/Used To Be/Shenandoah BRD/Kentucky Waltz/Song for Life/Minor Swing 他全12曲

 1985年、現在はジャズフィドラーとして東京ホット倶楽部バンドなどで活躍する大矢貞男が、有田純弘(bj)、赤木一孝(g,v)、谷村順造(m)、アンドレ佐藤(d)、久永雅史(m,v)らと創ったデビュー作。ビル・モンロー・スタンダードを軸にポップな仕掛けやジャズなアイデアを振りかけた、70〜80年代関西ブルーグラスの決定盤。ジャズに首まで浸かった大矢は、「もうブルーグラスは弾けない」と言うが、現在も日本ブルーグラスのトッププレイヤーとして活躍する彼らの斬新なアイデアと、「何でもやってやろう!!」の向こう見ずな若い覇気がすばらしい。

RC-110 HARVEST MOON『I Belong That Music』LP+CDR\2,258-(本体\2,150-)

Pack Up Your Sorrow/Sad & Lonesome Day/Little Darling's Not My Name/Peter & Nancy/Yuki-Usagi/Give Me Back That Old Familiar Feeling 他全12曲

 今春、20年ぶりに再結成し全曲オリジナルのCDアルバム『In the Wind』(RC-123 \2,573-)を発表したハーベスト・ムーン、本作は彼らの1989年のデビュー作である。学生時代から京都で活躍していた彼ら、「和製ブルーグラス」を標榜するさわやかな女性ボーカルを中心にした癒し系日本ブルーグラス名作。20年前、米国で女性ブルーグラスが「わたしの名前はリトル・ダーリンじゃないわよ!」と主張しはじめたとき、5人の優しい日本男性は「京おんな」のたおやかなブルーグラスを見事に支えていた!!

RC-124 TIPTON HILL BOYS『Songs We Like』CD\2,573-(本体\2,450-)

Petticoat Junction/Old Flames Can't Hold a Candle/God's Own Singer/Lover's Lane/Groundhog/This Heart of Mine Can Never Say Goodbye 他全13曲

 フラット&スクラッグスのトーンとオズボーン・ブラザーズのボーカル/ハーモニーを合体させたようなティプトン・ヒル・ボーイズの最新作はタイトル通りの懐メロ集。クリス・シャープ(g)、ジョージ・バックナー(bj)、ケビン・スクルーダー(bs)のトリオ編成で、いまどきのスマートなブルーグラスとは違う懐かしいリズムに乗って、重たいトーンのバンジョーが駆け巡り、ボビー張りのテナーが炸裂、ハーモニーが決まる。今年3月から4月にかけて全国ツアーした彼ら、ムーンシャイナー誌2008年3月号でバンドの特集、また2007年5月号では、バックナー家4代目のバンジョー奏者ジョージと、その土地の伝統が紹介されている。

RC-123 HARVEST MOON『In the Wind』CD\2,573-(本体\2,450-)

Grandpa's Black Pot/Cabin in the Valley/Brand New Bluegrass Boy in Heaven/Together 他全14曲

 20年前にLPアルバム『I Belong to That Music』(RC-110 LP+CDR\2,258-)を発表したハーベスト・ムーンが最新アルバムとともに復活。京都の学生ブルーグラスが持つモダニズムを昇華したようなサウンドで、「和製ブルーグラス」を標榜!?、この最新作でも相変わらずのお茶目な仕掛けを残しつつ、ちょっと大人になった全曲英詩のオリジナル作品集。古田直樹(f)と木下健太郎(m,f)によるオリジナルを中心に、折り目正しい小野田浩二(bj)、そしてクールな毛利武志(g)と植田雅也(bs)のリズムに支えられて、今井佐由子のリード・ボーカルがやさしく歌いかけてくれる。われわれ日本人がブルーグラスを唄うということに、英語も日本語も関係ない、重要なのは音楽に対する真摯な気持ちである。彼ら、ハーベスト・ムーンは自分たちの言葉で、自分たちの音楽を創り上げている。ぜひ、聴いてみて欲しい。ムーンシャイナー誌2009年4月号にカバーストーリー。

RC-119 宮崎勝之『Mandoscape』CD\2,573-(本体\2,450-)

Hidin' in the Bush/Stray Kat/Go Hither to Go Yonder/Forked Deer/Dance of the Cricket 他全10曲

 今年、NAOマンドリンの安川直樹プロデュースで、日本全国から若手のスーパーピッカーたちを集めて「モンドスケープ」を結成、すばらしいコンサートをしたというマンドリニスト宮崎。そのプロジェクト名を冠した彼のソロ第2作はデビッド・グリア制作のナッシュビル録音。スコット・ベスタル(bj)、オウブリー・ヘイニー(f)、ビクター・クラウス(bs)、そしてグリア(g)というスーパーピッカーを従え、2曲のカバー以外、メロディアスなオリジナルでクリアなマンドリンが冴える。なお本作は、全米屈指の日刊紙シカゴ・トリビューン紙が選んだ2003年のブルーグラス・アルバム・ベスト10に選ばれた。
■第一世代ブルーグラス・マスターズ
 そのキャリアで地位の確立した巨匠たち。
REB-7523 MAC WISEMAN『Bluegrass Hits and Heartsongs』CD\2,079-(本体\1,980-)

 1970年代中頃にベトコ社に録音されたマック・ワイズマン(1925〜)の名作LP『New Tradition』の第1集と第2集の中から選ばれた14曲集。当時、よく共演していたシェナンドー・カッタップス(ビリー・エドワーズbj、テイター・テイトf、ジョン・パーマーbs、ジェフ・ターフリンガーm)にバディ・グリフィン(f)と6曲でトミー・ボイド(d)をゲストに迎えた……、最近のDVDベストセラー『MAC WISEMAN; Bluegrass 1971 with Lester Flatt & Chubby Wise』(MP-0208 \2,573-)と同様の演奏だ。マックのボーカルは、「The Voice with a Heart」という称号どおりの絶好調。

COL-77627 LESTER FLATT & EARL SCRUGGS『Foggy Mountain Jamboree』CD\2,079-(本体\1,980-)

 50年前の録音だが、おそらくブルーグラス史上、もっとも重要なアルバムとされている作品。アール・スクラッグスの超有名バンジョー・インスト6曲とレスター・フラットの"Blue Ridge Cabin Home"や「新聞売りのジミー少年」、「愛ちゃんは花のよう」など6曲のオリジナル盤の12曲にオマケが3曲、"Dear Old Dixie"、"On My Mind"、"Pray for the Boys"を加えた全15曲。マンドリンの影が薄いものの、1950〜60年代に「これが典型的なブルーグラス」として多くの人に認知された大名盤である。ちなみに本作のバックアップも含めた完全コピー・バンジョーTAB譜(TIM-3 Book\1,050-)がある。

ROU-0582 BOBBY OSBORNE & Rocky Top X-Press『Bluegrass Melodies』CD\2,573-(本体\2,450-)

 その声を聴くだけで涙が出そうになるボビー・オズボーン、2007年作品。弟ソニーとのオズボーン・ブラザーズ解散後、ロッキートップ・エクスプレスとしての第2作。76歳でなお鮮烈なその声とマンドリンの突き刺さるような厳しさはモンローとある種同質の激しさで聴くものを圧倒する。本作でも、一見ポップでモダンそうな選曲ながら、どの曲にもすさまじいインパクトが感じられるボビーのすごい精神力がどこから来るのか、ムーンシャイナー2007年9月号(MS-2411 \525-)で述べたように朝鮮戦争従軍も大きな要因だろうか……。ブルーグラス第一世代随一の圧倒的な存在感を堪能ください。

ARH-524 VERN & RAY with HERB PEDERSEN『San Francisco 1968』CD\2,363-(本体\2,250-)

 2006年に他界したバーン・ウィリアムズ(m)と故レイ・パーク(bj,f)が若きバンジョー奏者、ハーブ・ピーダーセンとともに残したバリバリ・トラッドグラス・ライブ。あのバーンの胸を締め付けられるような素晴らしいテナー・ボイスと、レイのレイドバックしたヒルビリー・ボーカルを軸に、ハーブを加えたものすごいハーモニーでカーター・ファミリーやビル・モンロー、カントリー名曲やトラッドなどバラエティーに富んだ選曲。超一級の魂がこもったアーリー・ブルーグラスが堪能できる貴重な発掘ライブ。サンフランシスコに本物のトラッドグラスを伝えた伝説の演唱である。
 ちなみにアーフーリー・レコードには、バーン・ウィリアムズ・バンドとして1980年代のライブを集めた『Traditional Bluegrass』(ARH-514 \2,363-)と、ローズ・マドックスとの共演盤『Beautiful Bouquet』(ARH-9058 \2,079-)も在庫あり。
■若者ブルーグラス
圧倒的に台頭してくる若いブルーグラッサー!!
REB-1802 KING WILKIE『Broke』CD\2,573-(本体\2,450-)

 クリス・シーリ/サラ&ショーン・ワトキンスのニッケル・クリークの商業的大成功の対極として若者ブルーグラスがトラッド志向をはじめた端緒となったキング・ウィルキー(ビル・モンローの愛馬の名前)。2005年2月の全米ブルーグラス・チャートで本アルバムと収録曲"Broke Down and Lonesome"がダブルでナンバーワンを獲得。当時全員が20代前半、大きな話題となったソリッド&トラッドグラス・バンドだ。現在はオルタナロック・バンドに変身、ピーター・ローワンやアビゲイル・ウォッシュバーンらとコラボしながら活躍を続けている。ムーンシャイナー誌2004年8月号で特集。

RHY-325 MASHVILLE BRIGADE『Bluegrass Smash Hits, Volume 1』』CD\2,079-(本体\1,980-)

 ナッシュビル火曜日名物、ステーション・インのザ・サイドメンに変わるハコバン、話題の若者集団、マッシュビル・ブリゲイドのデビュー作。「ウィーピング・ウィロー」から「オハイオの岸辺」ほか、全16曲ブルーグラスの超スタンダードを中心に今が旬の若手たちがバンドとして聴かせるエンジン全開ブルーグラス作品。ジョッシュ・ウィリアムズとダレル・ウェッブ(g)、アーロン・マクダリス(bj)、アシュビー・フランク(m)、そしてジム・バンクリーヴ(f)とグレッグ・マーティン(bs)。あの曲この曲のホットピッキンとテンションの連続にオジサンの脳細胞もビリビリと刺激を受けます。モンロー、フラット&スクラッグス、スタンレー、マーティンらの名曲スタンダードがビシビシと甦ります。
■歴史的作品やお宝レコーディング
KG-0542 V.A.『Cabin on a Mountain』CD\2,363-(本体\2,250-)

 バーン・ウィリアムズが「バーンとレイ」として世に出した、タイトル曲を含むたった4曲だけのスターデイ録音が収められたお宝録音を集めた作品。ほかにジミー・マーティン&ボブ・オズボーンの大名曲"Blue Eyed Darling"や、同じく胸が裂けそうなハーモニーが"You'll Never Be the Same"を含む4曲、そしてスコッティ・ストーンマンの強烈"Orange Blossom Special"を含むストーンマンズの4曲の全12曲。現在、いくら技術が発達しても絶対に真似ることのできない、唯一無二のすばらしいアーリー・ブルーグラスの名演集だ。

M-109 KENTUCKY COLONELS『Bluegrass America』CD\2,888-(本体\2,750-)(限定、紙ジャケット仕様、歌詞付)

 1962年9月に録音、翌年10月に発売されたケンタッキー・カーネルズの記念すべきデビュー盤が3曲のボーナス・トラックを付けた特別限定版。ローランド・ホワイトが兵役のために不参加ながら、当時彼らが愛してやまなかったフラット&スクラッグス・サウンドとそのグルーヴに一歩でも近づこうとした努力が、クラレンス・ホワイト(g)の見事なレスター・フラットのリズムと完璧なGランになって結実(リードはまだあまり弾いていないよ)、カーター&ラルフ・スタンレーのプロデュースの下、ロジャー・ブッシュ(bs)、ビリー・レイ・レイザム(bj)、リロイ・マック(d)に、ゲスト・フィドラー、ゴードン・テリーを迎えたアーリー・ブルーグラスの大名盤である。ムーンシャイナー誌8月号の連載「クラレンス・ホワイト物語E」にて、このアルバムの前後の出来事が詳しく語られている。
■ブラザー・デュオ
(最小のバンド・アンサンブルです、皆さんも、夫婦、親子、同僚、他人…、始めませんか?)
REB-1803 JIMMY GAUDREAU & MOONDI KLEIN『2:10 Train』\2,573-(本体\2,450-)

 現代版マンドリン&ギター/ブラザー・デュオの2008年デビュー作。元カントリー・ジェントルメンからニューサウス、スペクトラムやトニー・ライス・ユニットなどを経た、サイドマンでありながらブルーグラスの重要なサウンドメーカーのひとりとして活躍してきたジミー・グドローが、ワシントンDCグラスの秘密兵器と呼ばれ、ジョン・スターリングと並び称せられ、セルダム・シーンにも在籍したムーンディ・クラインとコンビを組んだデビュー作。トラッドとウエストコースト/シンガーソングライター感覚を織り交ぜ、ブラザー・デュオのシンプルさと、70年代以降の感覚を見事に昇華した作品。
■女性ブルーグラス&オールドタイム
REB-7506 RHONDA VINCENT『My Blue Tears』CD\2,079-(本体\1,980-)

 今や全米ブルーグラスのトップ・アーティストとなったロンダ・ビンセント、彼女がバック・ホワイト&ダウンホーム・フォークスのサウンドに憧れ!?てソロ・アーティストとして独立しはじめた1980年代、ベラ・フレックやラス・バレンバーグらをバックに創った可憐な女性ブルーグラス。

TCP-203 SHEARWATER『Shearwater』CD\2,573-(本体\2,450-)

 かつて瀬戸大橋のフィッシャーマンズ・ウォーフに長期滞在し、中島ファミリー・バンドのベースも担当、1996年の阪神淡路大震災ではいち早く慰問に訪れ、阪神間の避難施設を回り、そのさわやかなボーカルで人々を癒してくれたタミー・ファサートの最新作。デイブ・クラークのギターとジェイムズ・ウィットールのマンドリンにタミーのベース、そしてエイドリアン・ドランのフィドル・ゲストというバンジョーレスでシンプルな構成で、「ミズナギ鳥(Shearwater)」というユニット名に相応しいタミーらしい、飾り気のないさわやかなオリジナルのブルーグラスが楽しめる。女性ブルーグラス・シンガーにお勧めの曲がタップリ。

PC-1164 BETH STEVENS & EDGE『Strong Enough』CD\2,573-(本体\2,450-)

 東テネシーで生まれ、フィドラーである父の影響で幼くしてバンジョーを弾き始め、12歳からファミリーバンドで活躍、そののち妹のエイプリルとともにスティーヴンズ・シスターズとしてラウンダーから2枚のアルバムを発表、2003年には熊本のカントリーゴールドにもやって来たベス・スティーブンス、自身のバンド、エッジを率いての最新ソロデビュー作。パンチの効いたバンジョープレイ同様に、アパラチア直系のストレートなヒルビリー・ボイスが気持ちいい。父親ダグラスをギター/ボーカルに、マット・レッドベターの父フィルを凌駕するすばらしいドブロ、ゲイリー・ロウズ(bs)のメンバーに、ストリングダスターズのジェシ・コッブ(m)、スティーブ・トーマス(f)を基本セットに、スティーブ・ガリー、デイル・アン・ブラッドリーらをゲストボーカルに迎えたスコット・ベスタルの制作。

CP-9503 CLUSTER PLUCKERS『Un-Plucked』CD\2,888-(本体\2,750-)

Willow Garden/I Will/Mama Tried/Family Bible/Midnight on the Water/Keep On Lovin' You 他全12曲

 何故か日本人好みの女性ふたり、マーガレットとクリスを中心に爽やかな唄とサウンド、そして馴染みの選曲でブルーグラス・ファンをハッピーにしてくれるクラスター・プラッカーズ、ちょうど来日した頃の1995年作、彼らの第3作目だ。1989年のデビュー作、"I Wonder Where You Are Tonight"や"Woman in Love"などが収められた『Cluster Pluckers』(CP-8901 \2,888-)も評価が高い。

KOCH-9879 3 FOX DRIVE『Listen to the Music』CD\2,888-(本体\2,750-)
 ドゥービー・ブラザーズのヒット曲をタイトルに、圧倒的な歌唱力を聴かせたキム(g)とバーブ姉妹とジョエル(bj)のフォックス3姉弟妹によるスリー・フォックス・ドライブの2005年デビュー作品。姉妹の迫力女性ボーカルを軸にポップなブルーグラスに仕上げている。IBMAのキッズ・プログラムも担当するキム・フォックス、さすが只者じゃない、素晴らしい女性ブルーグラス作品。
インスト新入荷
KOCH-2024 BELA FLECK, ZAKIR HUSSAIN, EDGAR MEYER『The Melody of Rhythm; Triple Concerto & Music for Trio』CD\2,888-(本体\2,750-)

Babar/Out of the Blue/Bubbles/Melody of Rhythm, Movement 1-3/Cadence/In Coclusion/Then Again.

 1983年にコロラド州アスペンのハーゲンダッツの店先でジャムをして以来、ブルーグラス楽器を別次 元にセットしたベラ・フレック(bj)とエドガー・マイヤー(bs)のふたり組が、またも世界的な音楽家と共演、とんでもない音楽を創り上げた。インドの人間国宝と言われる世界最強のパーカショニスト、タブラ奏者ザキール・フセイン(昨年来日している)を迎えて、バンジョー/ベース/タブラのあたらしいトリオ音楽を聴かせてくれる。ボビー・トンプソンがケニー・マローンとバンジョーとパーカッションのデュオ曲"Devil's Dance"を発表して以来、バンジョーとパーカッションの相性の良さは周知の通り。3本指ではじけるバンジョーをタブラが勢いつけ、ベースが重厚な輪郭を規定していくトリオで繊細なアンサンブルを味わったあと、途中からデトロイト・シンフォニー・オーケストラが加わり壮大な協奏曲に発展していく。われわれの愛すべきバンジョーが、ブルーグラス奏法でクラシック音楽の協奏曲として地位を築いている……実に爽快じゃない!?

KKM-001 大西アンサンブル『マンドリン&ギターのデュオ Vol.1』CD \3,000(本体\2,857-)

 関西で最もブルーグラスの盛んな神戸大学出身で学生時代よりクラシック・マンドリン奏者として活動を始めた大西巧造と加治川岳によるマンドリン&ギターのクラシック作品。映画音楽でおなじみの「第三の男」「太陽がいっぱい」「虹の彼方へ」他、「帰れソレントへ」「サンタル地ア幻想曲」等々、耳に馴染みのあるナンバーを含めて全18曲。ブルーグラスのマンドリン/ギターとは異なるマンド&ギターの世界を覗いてみませんか? きっとあたらしい発想が生まれることでしょう。レッドクレイ・レコーディング・スタジオにて収録。

GT7-0670 TERRY McMILLAN『Nashville Harmonicas with Special Guest Terry McMillan』CD\1,260-(本体\1,200-)

Today I Started Loving You Again/Shenandoah/Orange Blossom Special/When the Saints GoMarching In/Swing Low Sweet Chariot/Amazing Grace 他全12曲

 1877年にドイツ人、M.ホーナーによって開発されたといわれるハーモニカ(=マウス・ハープ)は、アメリカに渡ってそのコンパクトなサイズのために農業労働者やカウボーイに愛された楽器。初期カントリーやブルースで使われたが商業音楽の発展とともに一時は下火になったものの、1960年代に登場したチャーリー・マッコイによってふたたびカントリー界で注目を浴びることになった。テリー・マクミラン(1953-2007)はブルースから出発、1970年代にチェット・アトキンスに認められ、メロディーを大切にするナッシュビル・ハーモニカの伝統を教えられ、1975年以来、チャーリーに継ぐカントリー・ハーモニカの第一人者として活躍した。本作は元来、一般向けのBGM用に企画されたさまざまな楽器をフィーチャーするナッシュビル・シリーズとして録音されたもの。テリーがシリーズのゲストとしてその繊細なカントリー・メロディーを、そして後半ではブルース調ゴスペルを、一流のナッシュビル・セッションで聴かせる。53歳で他界したテリーは、92年に自宅の火災で家族を失って以来、晩年はクリスチャンとしてゴスペル市場で活躍したという。
各楽器別インストお勧め再入荷作品
(楽器につきましては、楽器本体やパーツから教則物まで、各種取り扱っています。お気軽にお問い合わせください)
■刺激的アンサンブル
とてつもない発展をしたアコースティック楽器、ブルーグラスを軸にどんどんとあたらしいアンサンブルを生んでいく。お勧めの新世界!!
WB-79982 PUNCH BROTHERS『Punch』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ちょうど35年前、ローワン/グリスマン/ホワイト/グリーン/キースらが創った『Muleskinner』、あのときの評価と同じことが起こっているような…、つまり、旧人からは「理解不能」と総スカンを食らい、若者には圧倒的に支持される……。今後のブルーグラス史に大きな位置を築く衝撃作品と評価されるか…!? ボーカル物ながら、26歳の天才クリス・シーリのビジョンを具体化する若きブルーグラス楽器達人たちがスタジオ・ライブでクラシック/現代音楽的手法で創り上げたモノ凄い作品。ちなみにこの作品のデビューお披露目はカーネギーホールだった!

AMA-1051 MIKE MARSHALL'S BIG TRIO『Mike Marshall, Alx Hargreaves, Paul Kowert』CD\2,573-(本体\2,450-)

 マイク・マーシャル最新作。30年ほど前、神童としてデビッド・グリスマン・クインテットに招かれたマイク・マーシャル、そんなマイクが今度は神童ふたりを自身の翼に入れて創り上げたアコースティック・トリオのデビュー作。16歳の天才フィドラー、今年度グランド・マスター・フィドラーズで優勝したアレックス・ハーグリーブス(ちなみに妹タティアナはトミー・ジャレル命のオールドタイム作品が大好評!!)と、昨年11月クリス・シーリらのパンチ・ブラザーズに迎え入れられた21歳のベーシスト、ポール・コワートとのトリオはストレングス・イン・ナンバーズがクラシック室内楽を視野に入れた「1989年革命」(ムーンシャイナー誌6月号特集参照)以降の刺激的なインプロバイズ音楽。クラシックとオールドタイムとニューアコースティックが同居、圧倒的なマンドリン・テクニシャン、マイクの大きな世界観が聴きモノだ。
■ギター
RHY-1025 CLAY JONES『Mountain Tradition』CD\2,573-(本体\2,450-)

 おそらく、世界最速フラットピッキンのひとつとなる"Big Mon"他、クレイ・ジョーンズによるブルーグラス・スタンダード・インスト集。アダム・ステッフィ、ジム・バンクリーブ、ロン・スチュワート、ジェイソン・ムーアといったトップピッカーをバックに演じる。…メチャ強烈です。

BVCM-35542 CHET ATKINS & JERRY REED『ミー・アンド・チェット/ミー・アンド・ジェリー』2on1CD\1,890-(本体\1,800-)

 昨年日本盤で復刻されたチェット・アトキンスのシリーズより、トニー・ライスに大きな影響を与え、昨年他界したジェリー・リードとのアルバム2枚が1枚のCDに。マール・トラビスのフィンガーピッキンを発展/昇華させたチェットと、そのチェットが驚いたマール・トラビスをドロドロの南部のスワンプに浸したジェリー、さまざまなスタンダードを中心に全21曲、ギター三昧が聴ける。

SZCD-6026 CLARENCE WHITE『Flatpick』CD2枚組限定盤\3,098-(本体\2,950-)

 シエラ・レコードが発掘したクラレンス・ホワイトの未発表音源集の特別限定盤。ディスク1はレギュラー盤『Flatpik』(RHY-1024)と同じ19曲、そしてディスク2が本作のみ限定という15曲。1970年、バーズ在籍中のクラレンスがロジャー・ブッシュのリズム・ギターを伴って2チャンネル・ステレオで録音した9曲と、ギター・インストラクション・テープからの3曲、73年春のライヴ・テイク2曲、そして最後にハンクの"Lost Highway"を唄う。
■バンジョー
(ムーンシャイナー連載のチチ松村「バンジョー祭り」、お見逃しなく!!)
MCR-002 ALAN MUNDE『Old Bones』CD\2,573-(本体\2,450-)

 70年代、完璧なメロディック奏法での独特のフレージングとステリング・トーンで時代を築いたアラン・マンデの2008年作品。ローランド・ホワイトらとのカントリー・ガゼット最後期の録音から、サウス・プレインズ大学時代の講師仲間らや教え子(ロン・ブロックやマイク・バブ)、デビッド・グリアとマイク・コンプトンらとのセッションなど、20年あまりに録りためた作品集。マンデ流ブルーグラス・フレーズが炸裂するインストや小粋なジャズ/スウィング、ボーカル/インストが半々。

ROU-0255 BELA FLECK『Drive』CD\2,573-(本体\2,450-)

 5弦バンジョーの世界で他の追従を許さないベラ・フレックが1988年に発表したブルーグラス・バンジョーの道標作品。アール・スクラッグスの『Foggy Mountain Banjo』と並び称される、ブッシュ/ライス/ダグラス/シャッツ/オコナー&ダンカンをバックに、現代ブルーグラス・バンジョーの大名盤。タブ譜(ADBEL-DT01 \2,310-)もある。

ROU-0618 EARL SCRUGGS『with Family & Friends』CD\2,573-(本体\2,450-)

 2007年6月、当時83歳のアール・スクラッグスがゲイリー(bs)とランディ(g)の息子ふたりと友人たちを伴って、1946年12月8日に初舞台を踏んだ、そしてそのときにブルーグラスが誕生した場所、ナッシュビルのライマン公会堂でのライブ。たしかに全盛期とは比べものにならないロールの性質だが、完全にバンドを支配するそのリズム感=グルーヴ、そして圧倒的な左右の指のインパクトとバランス、年齢とは無縁の音楽に対するアールの「抑えがたい衝動」が聴く者を圧倒、聴くたびにあたらしい発見がある。バンドは70年代のアール・スクラッグス・レビューを踏襲するグラスロック。今年1月6日、元気に85才の誕生日を迎えたアールに乾杯!!

PATUX-175 MARK DELANEY『Sidecar』CD\2,573-(本体\2,450-)

 わたしお気に入りのバンジョー奏者、現在ダレン・ビーチリー&レジェンズ・オブ・ポトマック在籍のマーク・ディレイニーのデビュー作。同郷のエディ・アドコックをはじめ、これまで60余年のブルーグラス・バンジョーのさまざまなテクニックをバランス良く取り入れつつ、何よりも「音」に対するその抑え難い感情を爆発させる弦へのアタックと意表をつくタイミングの取り方が堪らない。選曲もバックも抜群。ムーンシャイナー誌4月号「連載、吉岡正の闘魂バンジョー」にて特集あり。

ROU-0634 BELA FLECK『Throw Down Your Heart: Tales from the Acoustic Planet, Vol. 3 - Africa Sessions』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ベラ・フレックのアコースティック・プラネット・シリーズ第3弾、テーマはバンジョーのルーツ(起源)であるアフリカとの出会い。ブルーグラス・バンジョー奏法のあらゆる手法を駆使して、アフリカのさまざまな楽器や歌とのコラボレーションで、すばらしいバンジョー音楽に仕上げているのだ。全バンジョーファンに強力にお勧めしたい!愛すべき「バンジョー」の本質を提示してくれる大秀作。ムーンシャイナー6月号に特集!! バンジョーにとって歴史的な名盤となるかも……。
■マンドリン
COMP-4503 MATT FLINNER TRIO『music du jour』CD\2,573-(本体\2,450-)

 マット・フリナーのマンドリンを中心に、トニー・ファータド・バンドにいたロス・マーティンのギター、ジャズ/ロックで長いキャリアを経たのちトラッドグラスのオープン・ロードのベースを担当するエリック・ソーリンによるアコースティック・トリオの2009年デビュー作。マットのブルーグラス出身感覚とロスとエリックのフレキシブルな感性が出会い、3人が各4曲の全12曲。2006年夏からツアーとリハーサルを繰り返して準備したというスリリングでデリケートなアンサンブルを聴かせてくれる。コリングス・ギターとギルクリスト・マンドリンの美しい響きもご堪能ください。

ACD-54 SAM BUSH & DAVID GRISMAN『Hold On!』\2,573-(本体2,450-)

 ビル・モンロー以来のブルーグラス・マンドリンを根底から変革した2大偉人、サム・ブッシュとデビッド・グリスマン初の共演作。問答無用のブルーグラス・マンドリン天国です。

VMP-0100
V.A.『Mandolin Artistry』CD\2,573-(本体\2,450-)

 現代マンドリン!?にとって、きわめて重要なエポックとなった大名作。1995年、ベテラン・ピッカーのジミー・グドローが押し寄せる若手マンドリニストとその感性に注目して自費制作したマンドリン・ショウケース作品。ロニー・マッカーリーをトップに、つづくアダム・ステッフィ、ダン・ティミンスキ、ウェイン・ベンソン、アラン・バイビー、レイ・レジェやエモリー・レスター、そして天才ラディム・ズィンクルの計8人。ほぼ15年前、若かった彼ら、早い早い!!熱い熱い!!!

ROU-0453 RONNIE McCOURY『Heartbreak Town』CD\2,573-(本体\2,450-)

 IBMA最優秀マンドリンを連続8回受賞したロニー・マッカーリー、2000年発表の唯一のソロ・アルバムはマンドリニストとボーカリストの二面を収めている。マンドリン奏者としては4曲のインストにベラ・フレックやジェリー・ダグラス、デビッド・グリアやステュアート・ダンカン、そしてデビッド・グリスマンらをゲストに、残りの9曲はボーカルもので、デル・マッカーリー・バンドやザ・サイドメンの仲間らと。

PATUX-182 FRANK WAKEFIELD『Ownself Blues』CD\2,573-(本体\2,450-)

 やっぱり「怪物!」という敬称がピッタリのマンドリン・グル(導師)、フランク・ウェイクフィールドの最新作は、彼の最高作と思わせる大秀作。ワシントンDC周辺の若者たち、まさに75歳の彼にとっては孫世代のスーパーピッカーたちを得て、そのウキウキとした様子が目に浮かぶようなすばらしいブルーグラス作品。ビル・モンローよりも「モンローらしい」と言われたというフランク。本最新作でもその旺盛な創造力は衰えず、一聴すると「バタバタバタバタ……」という印象の、その一音ずつに魂が聴こえるのは晩年のモンローに匹敵する凄さだ。なおフランクが60年代にレッド・アレンと残した名演『Red Allen; Keep on Going』(REB-1127 CD\2,573-)はトラッドグラス・ファン必聴の名作!!
■フィドル
COL-07418 MARK O'CONNOR『The Essential Mark O'Connor』CD2枚組CD\2,573-(本体\2,450-)

 今年のIBMAに急に!?登場したマーク・オコナー。クラシック界で大ヒットした"Appalachian Waltz"からソロの"Amazing Grace"まで、ヨーヨー・マとエドガー・マイヤーとのトリオ、ウィントン・マーサリスらとのジャズなどのコンボやソロの15曲を1枚目。2枚目にはロンドン・フィルやナッシュビル・シンフォニーらとの8曲。あくまでもアパラチア、アメリカン・フィドルという感覚を持ちつづけるマークの2枚組ベスト集。その弓さばきは見事である。廉価盤になりました。

CO-2737 BENNY THOMASSON『Legendary Texas Fiddler』CD\2,573-(本体\2,450-)

 現代アメリカン・フィドルの養分、テキサス・フィドルの王様、ベニー・トーマソン(1909-1984)。マーク・オコナーが師と仰ぐ、現在のテキサス・フィドルの典型を創った偉大なフィドラーの数少ない公式録音である。シビアなフィドル・ファンには必聴、必須の元祖テキサス・スタイルである。

SH-4016 CASEY DRIESSEN『3D』CD\2,573-(本体\2,450-)

 フィドル世界の常識を変えていく天才ケーシー・ドリーセンのデビュー・ソロ。20代の若者のデビュー作に、ベラ・フレック、ジェリー・ダグラス、ティム・オブライエンらが参加しているという一事だけで彼の才能が読み取れるだろう。フィドル・チューンやトラッドグラス名曲のさまざまなメロディを見事に料理する自由な感性に驚くフィドル秀作。

RC-113 JIMMY CAMPBELL『Pieces of Time』CD\2,573-(本体\2,450-)

 2003年、事故で他界したザ・サイドメンのフィドラー、ジミー・キャンベルが97年に発表した最高作。マイク・コンプトン(m)、ロニー・マッカーリー(g)、現ボビー・オズボーン&ロッキートップ・エクスプレスのダナ・カップ(bj)、マイク・バブ(bs)らのバックに、ビル・モンローが参加、ビルの最後の録音でもある。"Down Yonder"、"Jenny Lynn"、"Soldier's Joy"他、すばらしいケニー・ベイカー系の正統派ブルーグラス・フィドル集。
■ドブロ
KOCH-9847 JERRY DOUGLAS『The Best Kept Secret』CD\2,888-(本体\2,750-)

 ブッシュ/フレックらとの強烈ブルーグラスのほか、アリソン・クラウスが歌うソウル、CCRのジョン・フォガティーやジャズ・ギターのビル・フリーゼルらとのジャンルを越えた先端音楽集。ラップスティールのソロ"You Are My Flower"も聴きモノ。ドブロをまったく別次元の楽器に引き上げた秀才ジェリー・ダグラスの2005年作品。

RC-121 JOSH GRAVES『Just Joshin'』CD\2,573-(本体\2,450-)

 1963年に発表されたジョッシュ・グレイブス(1927-2006)とジェイク・ターロック(1922-1988)、フラット&スクラッグス時代の唯一のアルバムが3曲の未発表インスト録音を含めて初CD化。バックにはカーティス・マクピーク(bj)、チャビー・ワイズ(f)、ハワード・ワッツ(bs)ら。ジョッシュのリードにジェイクのテナーのデュオ・ボーカル物と"Dobro Rhumba"や"Just Joshin'"など6曲のドブロ・インストで構成された、ブルーグラス・ドブロにとって超貴重な全15曲。

PATUX-037 DONNIE "DOBRO" SCOTT『Generations』CD-R\2,573-(本体\2,450-)

 ワシントンDC地区で「ドニー・ドブロ」として知られる60才を迎えたドニー・スコット、子供の頃にラジオで聴いたフラット&スクラッグスのジョッシュに憧れて、トラック運転手をしながら30才になってドブロを弾きはじめたという。妻のバーバラのボーカル、息子ジョセフ(m)を中心に、マーク・ディレーニー(bj)やネイト・リース(f)らをバックに、ローカル色一杯の自家制作らしい作品。インストは"I'll Be All Smiles"や"Lovesick Blues"などの6曲。テクニック的には一流ではないが、家族のコーラスや彼のドブロからは愛情一杯の暖かい音が響いている。……いいなぁ!!

SH-4041
ANDY HALL『Sound of the Slide Guitar』CD\2,573-(本体\2,450-)

 2008年IBMA最優秀インスト・アルバム受賞作。デビッド・グリア(g)、ロブ・アイクス(d)、ティム・スタッフォード(g)、ジェシ・コッブ(m)との各デュオ4曲、ストリングダスターズとの5曲(内1曲はボーカル)、そしてノーム・ピケルニー(bj)を加えた1曲、ノーマン・ブレイクのメドレーをソロで演じる1曲の計11曲。ムーンシャイナー誌2009年5月号の表紙を飾ったアンディ・ホール、同月号にはブルーグラス・ドブロ誕生秘話、また翌6月号にもドブロ/ナショナル/リーガル等を解説した特集あり。
オールドタイム&フォーク新入荷
AJ-5050 内田昭弘、福田淳一郎『50x50=25.00』CD\1,500-(本体\1,429-)

Muskrat Sally Ann/Old Folks Played and Young Folks Danced/Fire on the Mountain/Grey Eagle/Old Christmas Morning/Lost Indian/Gunboat 他全25曲

 ムーンシャイナー誌10月号で「NAOマンドリン」の安川直樹さんがインタビュー紹介してくれた内田昭弘、ブルーグラスがスタートだったがオールドタイム・フィドル&バンジョーの魅力に取りつかれたのだと言う。実際、ブルーグラス/フォーク/カントリーなど、どの音楽もその基本にあるツービート、そのもっともプリミティブなスタイルのリズム・グループがそこにあり、その上、音的にもユニークな発見が一杯ある。そんなオールドタイム・フィドル・チューンの世界を見事に捉えたすばらしいフィドル&バンジョー集である。これを機会に、オールドタイム・フィドルに興味を持つ人が、もっと増えないかなぁ……。お勧めのオールドタイム・フィドル&バンジョー・インスト集である。

SH-4018 MAURA O'CONELL『Naked with Friends』CD\2,573-(本体\2,450-)

Bright Blue Rose/Mo Sheamuseen/Arrow/Some People's Lives/The Blacksmith/Anach Cuain他全13曲

 伝説のアイリッシュ・バンド、ディ・ダナンのリード・ボーカリストからニュー・グラス・リバイバルに衝撃を受けてナッシュビル在住となったアイルランドの歌姫、モーラ・オコンネルの最新作は、タイトル「裸」がしめす通り、それぞれの曲に友人を招いてのアカペラ集。なんとジェリー・ダグラスまでもがデュエット・パートナー!!、ほかにドリー・パートン、アリソン・クラウス、ティム・オブライエン、メアリー・ブラック、イーファ・オドノバンほか。アイルランドの歴史を感じさせるような重厚なモーラのボーカルが、さまざまなパートナーの声と交じり合って不思議な感動を呼ぶ。
オールドタイム&フォークお勧め作
SH-4015 V.A.『Sail Away; Songs of Randy Newman』CD\2,573-(本体\2,450-)

 数々の映画音楽も手がけたシンガー・ソングライター、ランディ・ニューマン作品をティム・オブライエンの1曲目から、デル・マッカーリー・バンド、サム・ブッシュ、ベラ・フレック(バンジョーソロ)、ザ・ダックスらのブルーグラス系、ソニー・ランドレス、アリソン・モーラー、スティーブ・アール、キム・リッチーらのアメリカーナ系ミュージシャンらが演じる秀作。

DUAT-1211 NORMAN & NANCY BLAKE『Back Home in Sulphur Springs』CD\2,573-(本体\2,450-)

Columbus Stockade Blues/Girl I Left in Sunny Tennessee/We Parted by the Riverside 他全14曲

 今年71歳のノーマン・ブレイクの2006年作品。まさに仙人的な心境とでもいうか、フラットピッカーとしての気負いなく、飛行機に乗らず、ジョージアの田舎に住みながらマイペースでアメリカン・トラッド・フォークを演じてきたノーマン、アパラチア山脈の最南部から、きっとA.P.カーターと同じような気持ちでトラッド・チューンを暖めてきたのだろう。結婚30年という妻ナンシーとともに、夫婦ふたりだけですばらしいトラッドソング集を成した。歌物ながら、ギターにも注目!

SH-4053 RED STICK RAMBLERS『My Suitcase is Always Packed』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ケイジャンとスウィング/ホンキートンクとのハッピーな出会いを聴かせるレッド・スティック・ランブラーズ、シュガーヒル・デビュー作『Made in the Shade』(SH-4038 \2,573-)につづく第2弾(バンドとしては5枚目)。ブルーグラスやオールドタイムでも知られるケビン・ウィマーとリンゼイ・ヤング(リード・ボーカル)のツイン・フィドルを中心に、チャス・ジャスタス(g)、エリック・フレイ(bs)、グレン・フィールズ(drums)の5人組。アメリカ南部ルイジアナのフランス系住民が伝えるケイジャンと、フランスやスペイン人と先住民や黒人らとの混血で生まれたクレオール文化とが出会ったストリングバンド音楽は、底抜けに騒々しくて熱くなる知られざる南部音楽だ。軽々とジャンルを超えて、アメリカ南部の土地が持つ熱気を吸い上げたような南部サウンドがとてもヒップだ。

OLD97-008 RED STATE RAMBLERS CD\2,573-(本体\2,450-)

 2007年4月にクリス・シャープ・バンドのベーシストとして来日したケビン・ケールバーグの参加するレッド・ステート・ランブラーズ。フィドル、クロウハンマーバンジョー、ギター、ベースの典型的なオールドタイム・ストリングバンド音楽を中心に、ところどころにケンタッキーのオハイオ河にミシシッピから遡上してきたジャグ/ラグタイム、ケンタッキーのモンロー・ブラザーズなど、18曲を楽しく聴かせてくれる。
カントリー新入荷
NTDP-1946 DAVID PETERSON『Comin' on Strong』CD\2,573-(本体\2,450-)

Blue Memories/Rainbow in the Valley/Crazy Blues/Come Walk with Me/Remembering/Come Back to Me/Family Bible/Waltz You Saved for Me 他全18曲

 メチャ渋いカントリーソングばかり、ブレンダ・リー、ホークショウ・ホーキンズ、ジミー・ニューマン、マック・ワイズマン、ドン・ギブソン、クロード・ブーン、ジミー・ディッケンズ、ムーン・マリカンほかのあまり知られていない名曲を、ポール・フランクリンやバディ・エモンズのスティール、リチャード・ベネットやブライアン・サットンのエレキ、ティム・クロウチやシャド・コッブのフィドルなど、超贅沢なバックで演じてしまうデビッド・ピーターソン。その名も「1946」というブルーグラス・バンドを率い、初期ブルーグラスの再現に取り組んできたデビッドならでは、1940〜50年代の時代の空気とミュージシャン/シンガーたちの気持ちを適確につかんだ空気を見事に再現する。IBMAのショウケースで、この錚々たるメンバーを引き連れて演奏したデビッド、ブルーグラス/カントリーの垣根を越えて満場の喝采を浴びていた。

SH-4058 NITTY GRITTY DIRT BAND『Speed of Life』CD\2,573-(本体\2,450-)

Tulsa Sounds Like Trouble to Me/Goin' Up Country/Jimmy Martin/Brand New Heartache 他全13曲

 バンド結成から43年、ニッティ・グリティ・ダート・バンド5年ぶりのスタジオ新録音最新作。前作『Welcome to Woody Creek』('04)発表後にジム・イボットソンが脱退したものの、しばらくバンドを離れていたジョン・マッキュエンもバンドに戻っており、レイドバックした明るいウエストコースト・カントリーロックの王道サウンドのNGDBは健在だ。ジェフ・ハンナ、ジミー・ファッデンとジョンのオリジナル・メンバーに76年に加わったボブ・カーペンターというコア・メンバーで、ジョージ・メッセンバーグとジョン・ランドールのプロデュース。タイトル曲はゲイリー・スクラッグス作。「ジミー・マーティン」なんて洒落た曲!?もあるよ。
カントリー発掘、編集モノ新入荷
A-739709 RICKY SKAGGS『Don't Cheat in Our Hometown』CD+DVD \2,573-(本体\2,450-)

Honey/Uncle Pen/A Vision of Mother/Head Over Heels in Love/Keep a Memory/Children Go 他全10曲

 本作は1981年のカントリー・デビュー作『Waitin' for the Sun to Shine』で一躍カントリーのトップ・スターとなったリッキーが1983年に発表したカントリー第3作。本来はシュガー・ヒル・レコードのために録音がはじまった物で、スタンレー名曲をタイトルに収められている半数はブルーグラス曲。アルバート・リーやハンク・ディ・ビトらエミルーのホット・バンド人脈やボビー・ヒックス(f)、ドリー・パートンら抜群のバックでの正統カントリー・サウンドにも注目。また、マーシャル・ファミリーを模したゴスペルやマーク・プルエット(bj)とジェリー・ダグラス(d)を迎えたブルーグラスもある。この中から、タイトル曲と"Honey"、そしてモンローの"Uncle Pen"がともにナンバーワン・ヒット、カントリースタートしてのリッキーがもっとも輝いていた時代の大名作である。再発売に当たって、このアルバムのことをインタビューで語る25分のDVDがオマケ付き。……なお、リッキーのカントリーヒット第1作と第2作の2on1『Waitin' for the Sun To Shine/ Highways & Heartaches』(GOTT-025 \2,888-)が限定枚数在庫しているので、早い者勝ち!!
カントリーお勧め作品
M-24553 TANYA TUCKER『My Turn』CD\2,888-(本体\2,750-)

Lovesick Blues/Love's Gonna Live Here/I Love You a Thousand Ways/Oh Lonesome Me 他全12曲

 70年代にロック/ポップ・テイストで一世を風靡したタニア・タッカー、7年ぶりのスタジオ・アルバムは自らのルーツに立ちかえった正統カントリー・サウンドが見事な1枚。レーベル・メイト、パティ・ラヴレスのカヴァー逸品『Sleepless Nights』(M-19660 \2,888-)に刺激されたか、と思わせるクラシック・カントリーへのオマージュは、亡き父のフェイヴァリット・ソングを真摯なヴォーカルで綴ったもの、今度はわたしの番よ、と宣言するタイトルからもその想いが伝わってくる。ハンク、レフティ、ジョージ・ジョーンズ、バック・オウエンズと、男性シンガーの名曲を女性の視点から唄った、というアイディアも盛りこまれている。(宇野誠之)

BCD-16928 GEORGE JONES『Walk Through This World With Me:The Complete Musicor Recordings 1965-1971(Part 1)』CD5枚組+本\17,325-(本体\16,500-)

 初期ジョージ・ジョーンズ全集の第2弾、ミュージコー編(1965〜71年)の第一部全193曲。彼がユナイトそしてミュージコーに在籍した10年足らずのこの期間こそは、ジョージ・ジョーンズがもっともジョージ・ジョーンズらしかった時代、ウェストコーストに君臨したバック・オウエンズという強力なライヴァルと競い合って、ナッシュヴィル・カントリーの本流を守り抜き、ポップに流れていた状況を一変させたストレートかつ重厚なサウンドを完成に導いた時期として、歴史に残っている。先月紹介したミュージコー編の第二部『A Good Year for the Roses:The Complete Musicor Recordings 1965-1971(Part 2)』(BCD-16929 CD4枚組+52Page Book\14,438-)は全131曲収録。UA編とともに、ジョーンズ節完成への全貌が遂に明かされたのだ。「キング」ジョージ・ジョーンズのすべてがここに。(宇野誠之)

BCD-16987
LEON McAULIFFE『Tulsa Straight Ahead』CD\3,255-(本体\3,100-)

 あの名曲"Steel Guitar Rag"を書いたレオン・マコーリフがボブ・ウィルスのもとを離れて戦後、自身の名義でコロムビアに録音した全33曲。第二次世界大戦をはさんだスウィング・ブームに乗って、スムースなボーカルとぶっ飛びスウィンギーなフィドルで1930年代中ごろに確立したウエスタン・スウィングがロカビリーの時代へと向かおうとするホットな演奏を集めたもの。さすがドイツのベアファミリー、貴重な未発表も含んだ秀作である。

B001317302 GEORGE STRAIT『Twang』CD\2,573-(本体\2,450-)

 モダン・デイ正統カントリーの王座に君臨し続けるジョージ・ストレイト、初めてのグラミー受賞となった『Troubadour』(B001082602 \2,573-)に続く最新作。今回は、息子ブッバとの共作も含め、ソングライターとしての側面をも強くアピールした意欲作。57曲のナンバー・ワン・ヒットという誰にもなし得なかった記録を更新中、そしてビートルズとキング・エルヴィスに続く33枚のプラチナ・アルバムの実績は、このサウンド、このヴォーカルから生み出された、その自信がここでも聴くものを圧倒せずにはおかない。(宇野誠之)
映像ものお勧め作品
TUT-1D AEREO PLAIN BAND REUNION『Troy, New York; Nov.18, 2000』DVD\2,888-(本体\2,750-、111分)

 2000年11月、ニューヨーク州トロイで開かれた1972年以来の唯一無二の「エアロプレイン・バンド」リユニオン・ライブの超お宝映像である。サム・ブッシュに導かれて故ジョン・ハートフォード(1937-2001)が登場、つづいて続々とオリジナル・メンバーの故バッサー・クレメンツ(1928-2005)、ノーマン・ブレイク、タット・テイラーが、クリス・シャープ、マイク・コンプトン、ボブ・カーリン、ラリー・パーキンスのジョン・ハートフォード・バンドとともに9人全員がステージに。リビングルーム・ジャムで遊んでいるようなリラックスした雰囲気の中、半年後には他界するジョンをはじめメンバーたちのキャラクターが生々しく、自由なジャムの中で、各人が即興的に音楽を創っていく過程がスリリングだ。ただし!!タット・テイラーが自費製作した本作、一台だけの据え付け家庭ビデオによる編集なしの画像と音質は(一部に画像飛びや音切れなどもあり)、はっきり言って商品としての価値は高くない。また、あくまでもジャムである演奏の荒さをご理解いただきたい。そのうえで、別次元でこのミュージシャンたちとその音楽の価値を知る多くの人にとっては鳥肌ものの、かけがえのない宝物だ。ジョンからのみんなへの最期の挨拶とステップが胸を打つ。

ARH-204D NEW LOST CITY RAMBLERS『Always Been a Rambler』DVD\3,255-(本体\3,100-、58分+30分、カラー+白黒、stereo, widescreen 16:9)

 DVDの冒頭でボブ・ディランが、「彼らの功績のひとつは、誰かの納屋の中だけに眠っていたカバーされない偉大な古い音楽を探し出したこと。彼らはそれらの曲にあたらしい命を吹き込み、オリジナルと同様に、その音楽は時代の試練に耐えたのだ」と語る。8月7日、75歳で亡くなったマイク・シーガーが率いたニュー・ロスト・シティ・ランブラーズのすばらしいドキュメント作品。マイク・シーガーがいかに偉大な業績を残したか……、9月号以来、ムーンシャイナー誌で追悼特集が組まれている。いまさらながらアメリカのみならず、日本にも彼がいかに大きな影響を与えたか、ただただ頭の下がる思いだ。ブルーグラスやカントリー、アメリカン・フォークなどに興味を持つ人、全員に見て欲しい、われわれの好きな音楽がどこから生まれたのかを知ることができる秀作DVDである。現在、オールドタイム音楽が再び見直され、あたらしい方向性を示しはじめた今こそ、すべての始まりだったNLCR、そしてマイク・シーガーの精神をこのビデオを通じてもう一度、胸に刻みたい。

VSR-7375 V.A.『Andy Leftwich/ Bruce Molsky/ Aubrey Haynie/ Jim VanCleve; The Violin Shop Concert Series Vol.1』DVD\3,990-(本体\3,800-、77分)

 ナッシュビルの『バイオリン・ショップ』、その小さなホールで開かれる凄いフィドル・コンサート・ライブ第1集は、オウブリー・ヘイニー、ジム・バン・クリーブ、アンディ・レフトウィッチ、ブルース・モルスキーがそれぞれ最高のバックアップとともに繰り広げる壮絶ブルーグラス/オールドタイム・インスト・ライブ全20曲。
 ちなみに本シリーズ第2弾『Darol Anger, Liz Carroll, Stuart Duncan, Sara Watkins, Jeremy Kittel, Luke Bulla and guest vocalist Tim O’Brien; The Violin Shop Fiddle Masters Concert Series Vol.II』(VSR-8283 \3,990-)は、圧倒的なステュアート・ダンカンがティム・オブライエンやデビッド・グリアらとのほか、アイリッシュからジャズ、そしてサラやルークらの若者たちによる新フィドル感覚まで。
 そして最新第3弾『Daniel Carwile, Hanneke Cassel, Casey Driessen, Brittany Haas, Natalie Hass, Alex Hargreaves, Tatiana Hargreaves, and Gabe Witcher; The Violin Shop Fiddle Masters Concert Series Vol.V』(VSR-9095 \3,990-)は、テキサス・フィドルからゲイブ(パンチ・ブラザーズ)のブルーグラス、まだ10代のアレックスのジャズ・アドリブとタティアナのオールドタイムでハーグリーブス兄妹の天才ぶり、アイリッシュやケーシーのロックフュージョン等々、最先端のアメリカン・フィドラーたち。

KOCH-4241 CHARLIE DANIELS & Friends『Preachin', Prayin', Singin'; Live from Nashville』DVD\2,888-(本体\2,750-)

 サザンロックのスーパースターとなったチャーリー・ダニエルズもブルーグラス出身。そんな彼が、ブルーグラスに戻り、親友のマック・ワイズマンと和気あいあいのブルーグラス・ゴスペル・ライブを繰り広げる2005年のセッション・コンサート。ゲストにアール・スクラッグスとゲーリーとランディの息子ふたり、そしてデル・マッカーリー。基本セットのバック・バンドには、ロニー・マッカーリー(m)、ロブ・マッカーリー(bj)、ジェイソン・カーター(f)、マイク・バブ(bs)のDMBに、ストリングダスターズのアンディ・ホール(d)と、2006年にジョン・コーワン・バンドで来日したティム・メイ(g)、コーラス隊としてザ・ホワイツ、観客の中には故ルイーズ・スクラッグスもいる。実にリラックスした笑顔が一杯の、楽しいコンサート映像である。

MP-0208 MAC WISEMAN『Bluegrass 1971 with Lester Flatt & Chubby Wise』DVD\2,573-(本体\2,450-、カラー47分)

 チャビー・ワイズ、テイター・テイト、ジョー・グリーンの強力トリプル・フィドルでキックオフされる"Wabash Cannonball"にはじまるマック・ワイズマン数々の当たり曲。シェナンドー・カッタップス(故ビリー・エドワーズ、ハーシャル・サイズモア、ジョン・パーマー、テイター・テイト、ゲストにハービー・ガバード)のパリパリに乾いたソリッドグラスに、マック絶頂期のすばらしい声を聴かせる。中ほどでは元気な頃のレスター・フラットがナッシュビル・グラス(ローランド・ホワイト、ジョッシュ・グレイヴス、ハスケル・マコーミック、ポール・ウォーレンにゲストのなんと!ハウディ・フォレスター!!ほか)を率いて登場……、もう堪りません!! その上、カールトン・ヘイニー(世界初のフェスを開いた興行師)が出てきてレスターとチャビーを呼び、オリジナル・ブルーグラス・バンド時代についてインタビューという、すごいオマケまでついた、まさしくブルーグラス界のお宝映像集!!
●フラット&スクラッグスDVDシリーズ
SHA-611D
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SHA-618D 各DVD\3,308-(本体\3,150-白黒約1時間)。

 1960年代初頭のテレビ番組『Grand Ole Opry Show』各30分が、それぞれに2本ずつ収められたDVDシリーズ、現在第8巻まで発表、すべて在庫しています。まさか、残っているとは思われなかったフラット&スクラッグス絶頂期の貴重な白黒映像が、カントリー音楽財団の研究所で復元され、すばらしい画像と音で楽しませてくれます。品切れ、廃盤にならないうちに、お揃えください! 
もちろん、どれもはずれ無し!!第1巻から8巻まで、巻数でご注文ください。また、リッキー・スキャッグス坊や、マザー・メイベル・カーターがゲスト出演したものや、特別な曲目指定のものなどは、お知らせください。
教則ものお勧め
下記のほか、教則に関しては演奏レベル/ニーズに応じて、ご相談ください。
FGM-13.5 Flatpicking Guitar Magazine「2009年7〜8月号」CD付きBook\2,625-(本体\2,500-)

 隔月刊のCD付き教則フラットピッキン・ギター誌の最新7/8月号は、ゲーリー・クックのカバーストーリーと"Grandfather's Clock"ほか、"Faded Love"のD6/9をキーにしたウエスタン・スウィングのコードアレンジ、E7-A7へのテレキャスター・リック、若手アダム・ヘーガー紹介と"Whistling Rufus"、ソフィア・ジョンソンと"East Raging River"ほか、タブ譜は初心者向け"I'll Fly Away"、スティーブ・カウフマン"Soldier's Sorrow"、ビル・エバンスの"Midnight in Rosine"、ジョージ・シャフラーの"Stone Walls and Steel Bars"リードとバック、"St. Anne's Reel"のバリエーション、ジョン・ミゲーンの"I Found a New Baby"等々、一杯楽しめるフラットピッカー天国72頁。バックナンバーはお問い合わせください。
楽器、その他…
MISC-VPICKS 『V-PICKS』\630(本体\600)

速弾きに対応、リッチなトーン、より音量をかせぐキャストアクリル製Vピックが登場。エッジの丁寧な処理で弦とのノイズも軽減、手に吸い付くようなグリップ感も魅力です。ノーマルで2.75mmという極厚、ライトで1.5mmという通常のエキストラ・ヘビー、ブルーグラス向きには一般的なトライアングル・シェイプで先端がラウンドの物とポイントの物がお薦め。各\630(本体\600)
又、プレミアム・シリーズとして4.1mm(税込\1,470)から最大11.85mm(税込\4,410)というお化けの様なピックも取り扱い中。
輸入雑誌
(以下の3誌は英語版で、共にバックナンバーも豊富に取り揃えています。気になるアーティスト等の特集等についてはお問い合せ下さい。…調べる&知るの面白さをいかがですか)
■バンジョー・ニューズレター誌
 世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載(ウェブサイトから「MP3」で音源入手可!!)、バックナンバーもお問い合せ下さい。探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探します。収蔵曲のCDやDVDなども在庫していますので、お問い合わせください。
BNL-09/09 最新2009年9月号 \525-

 ビル・エマーソンの表紙とあらゆる奏法に関するディープなインタビューとタブ譜"Sweet Dixie"他、マイク・シーガー追悼、ロジャー・シミノフ「ブリッジと弦についての科学的考察」、バンジョー製作家のウォーレン・イェーツとプルカ・バンジョーなど特集とタブ譜は、フレッド・ゲイガー"Persian Rag"、トム・アダムズ"Let Me Rest at the End of My Journey"、ベラ・フレック"Dear Old Dixie"、初心者Dチューニング"John Henry"、ジャック・ベイカー"Wildwood Flower"、カイル・クリード"Sugar Hill"ほか。米国先端バンジョー情報とクロウハンマーを含む5弦バンジョー奏法満載。

BNL-09/08 2009年8月号 \525-

 ジョディ・ステッカーの表紙とインタビュー他、ビル・エマーソン"Little Juniata"、イェン・クルーガー"Beautiful Nothing"などの特集のほか、タブ譜はアール・スクラッグス"Keep on the Sunnyside"、トム・アダムズ"Whispering Waters"、ビル・エバンス"Distance Between Two Points"、初心者"Cripple Creek"をDチューニングで、等々。

BNL-09/07 2009年7月号 \525-

 ジム・ミルズのカバーで強烈なプリウォー・フラットヘッド博物館とでも呼べそうなショウルーム訪問とタブ譜は"Hide-Head Blues"、ベラ・フレック・インタビュー後編、ロジャー・シミノフのブリッジ考察のほかタブ譜は、マーク・ディレイニー『Sidecar』より"Candlewood"、トム・アダムズはディランの"Blowin' in the Wind"、フレッド・ゲイガー"If I Had You"をコードでメロディーを作る法、バッハ"Allegro for Lute in E-Flat"、初心者コーナーは"Boil 'Em Cabbage Down"の五つのバリエーション、そして近年充実のオールドタイム・コーナー等々。
■ブルーグラス・アンリミテッド誌
米国の最大のブルーグラス月刊専門誌。お探しの記事などバックナンバーもお問い合わせください。
BU-09/10 最新2009年10月号 \840-

 スティーブ・マーティンのカバーストーリーほか、20年目を迎えるIBMAアワード・ショウを振り返って、スウェーデンのホットな若手バンド「G2」、1963年開設のナッシュビルの名門ヒルトップ・スタジオ、2010年ブルーグラス・タレント名簿ほかの特集と、さまざまなコラムで米国ブルーグラス情報満載の100頁。

BU-09/09 2009年9月号 \840-

 クレア・リンチのカバーストーリーほか、チャーリー・サイズモア、「チーム・プレイヤー」ロン・スチュワート、タラハシー・フィドラーズ「クラシックからブルーグラスへ」、アーケディア・ブルーグラス・フェスほか76頁。

BU-09/08 2009年8月号 \840-

 デイル・アン・ブラッドリーのカバーストーリーほか、クロッグダンス・チームのエイリーン・カーソンとフットワークス、ジム・ミルズとのプリウォー・フラットヘッド・バンジョー探訪の旅、グロリア・ベルほか。
■オールドタイム・ヘラルド誌
内容の濃いオールドタイム音楽専門誌。アメリカン・トラッド音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。
OTH-1112 最新2009年8月/9月号 \1,260-

 オールドタイム・バンジョー奏法のトレンドA、クレイトン・マクミッチャンとの録音から2003年の録音まで、ギネスがレコーディング・アーティスト最長記録と認定したキャスパー・マローン(1909-2005)、トロントのオールドタイムなどの特集に、米国伝承音楽の情報満載。

OTH-1111 2009年6月/7月号 \1,260-

 リリー・メイ・レッドフォードとクーン・クリーク・ガールズのカバーストーリーほか、レイ・アルデンによる最新オールドタイム・バンジョー・トレンド、フィドラーのカーシー・シスコなどの特集に、米国伝承音楽の情報満載。
月刊『ムーンシャイナー』
1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、26年目です。
■定期購読:1年¥6,000-半年¥3,300-

 お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。

■ムーンシャイナー・ファイル:\840-

ムーンシャイナーの一年分12冊を傷をつけずにファイルできるコクヨ製ロゴ入り特製フォルダー。

■バックナンバー:各¥525-。

 下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。

MS-2612 2009年10月号(通巻312号)\525-

 最新ムーンシャイナー誌10月号はアダム・ステッフィのカバーストーリーと、IBMA名誉の殿堂入りしたザ・ディラーズ(アワード・ショウで全員が歌った"Old Home Place"は感動もんだった!)、マイク・シーガー追悼A、内田昭弘「オールドタイム・フィドルを語る」、箱根フェス人気投票#1「東北大学、雑貨屋フレイヴァー」、マーク・プルエット、クラレンス・ホワイト物語G最終回などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載。

MS-2611 2009年9月号(通巻311号)\525-

 マイク・シーガー追悼@、ブルーグラス・フィドルの原点「チャビー・ワイズ/ベニー・マーティン/ハウディ・フォレスター」、カーリー・セクラーとジム・シューメイト60年目の共演、吉崎ひろし&N.B.プロジェクト、ビル・ハレル追悼、水戸ブルーグラス・フェス、少路健介「フィドル修行中」、連載クラレンス・ホワイト物語F、吉田瑞男のIBMA2008リポート後編、京の華舞台:カントリードリーム「チャーリー・マッコイ、ケニー&ドーン・シアーズ来日」ほか。

MS-2610 2009年8月号(通巻310号)\525-

 ブライアン・サットンのカバーストーリー「世界最速のフラットピッキン!?」、尾崎ブラザーズ「ブルーグラス・パイオニア顕彰式」、マイケル・マーティン・マーフィー「この夏一番涼しいブルーグラス!?」、ラッシー「夫婦デュオのデビュー10周年」、吉田瑞男のIBMA2008リポート、ブルーグラス入門「ジャムの作法」、連載クラレンス・ホワイト物語E、「ダニエル・グラインドスタッフ」ほか。
B.O.M.ご利用方法
 ビー・オー・エムのニューズレターは会員制ではなく、商品の定期購買者に無料でお届けしています。一定期間、 弊社からの商品のお買上げがない場合、勝手ながらレターの発送をストップさせて頂きますので、ご了承下さい。
1). このニューズレターで紹介する商品は、ニューズレター発行時点で、すべて在庫しています。
2). ハガキやお電話、ファックス、Eメイル等で、封筒のお名前の下の6桁お客様コード番号とお名前と共に、ご希望の商品コードをお知らせ下さい。
3). 通常ご注文から1週間以内にはお届けします。ただ、レター掲載時には充分な在庫を心掛けていますが品切れになった場合、再入荷を期して発送が遅れる場合もありますのでご了承ください。
4). 基本送料は下記の通りです。
500g(CD3枚程度)まで、全国均一\390。
1Kg(CD7枚程度)まで、全国均一\700。
 ただし、特定地域、特定商品などについては、別途加算の場合があります。お問い合せ下さい。
5). お支払は、品物を受け取られてから1週間以内に同封請求書(代金+送料+消費税)をご確認の上、郵便振替や銀行振込でお願いします。
●郵便振替=01160-8-74352
●三井住友銀行・宝塚支店=普通1229492
●池田銀行・宝塚支店=普通2330116
    潟rー・オー・エム・サービス 宛て
●輸入CD、DVDなど、3点以上購入の方送料サービス実施中。ただ、品切れに備え、第2希望以下2、3枚程度の予備をお知らせ下さい。
(株)ビー・オー・エム・サービス
●〒665-0842 兵庫県宝塚市川面 6-5-18
●tel.0797-87-0561
(営業時間:月〜金の午前10時〜午後5時。なお祝日は休みをいただきます)
●fax.0797-86-5184(24時間)
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