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B.O.M.Newsletter #351web   (ボリューム倍増版)  2010年1月13日
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INDEX

今月の新入荷注目作品
ブルーグラス新入荷
ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
第52回グラミー賞ノミニーズ
ブルーグラスお勧め作品
近作インスト物お勧め作品
各楽器別インストお勧め作品
オールドタイム&フォーク新入荷
オールドタイム&フォークお勧め作品
カントリー新入荷
カントリーお勧め作品
映像ものお勧め作品
教則ものお勧め
楽器、その他…
輸入雑誌
月刊『ムーンシャイナー』
B.O.M.ご利用方法

 21世紀最初のディケードが過ぎ、いよいよ2010年代がはじまりです。今年はどんな年になるのか、同じ地球の上で一緒に回っている皆さん、ワクワク/ヒヤヒヤしながら参加しましょう!!
 今年もわれわれ、ビーオーエム・サービスは音楽の切り売りではなく、アーティストの表現したいものをアルバムという形で紹介することをメインに、地道に心を込めてやっていくつもりです。よろしくお引き立ていただきますよう、お願いいたします。

◆最新ムーンシャイナー誌1月号の表紙は、アシュラ伊藤さんの寅年イラストを含む小森谷信治さんの新年コラージュ写真で、われわれブルーグラス第二世代の懐かしいグッズがてんこ盛りです。特集はアール・スクラッグス、そして「2010年、あたらしいブルーグラス世代へ」と題するブルーグラス60余年の三世代、サム・ブッシュの最新作から"The Ballad of Stringbean and Estelle"の物語、クリスティーズお宝狂想曲、佐々木仁の日本初のオールドタイムLP「マウンテン・ランブラーズ」物語、ウィンターグラス・フォト・リポート、お帰りなさいカレッジ・ブルーグラス「オザーク・マウンテニアーズ、ウェイファーリング・ストレンジャーズ、ブルー・マウンテン・ボーイズU」、ジェシー・ベイカーほか、日米ブルーグラス情報満載。
 月刊ムーンシャイナー定期購読は1年間(12冊)\6,000- 半年間(6冊)\3,300-。単冊\525-ですが、ぜひとも年契をお願いします。購読開始希望月をお知らせください、早速お送りします!! ……我ながら、毎月々よくネタが尽きないなぁと思いつつ、ひとり悪戦苦闘中です。皆さんからのご寄稿、情報提供など切望しています。サポートをよろしく!!
今月の新入荷注目作品
COMP-4519D ALISON BROWN QUARTET  with Joe Craven『Live At Blair』 DVD \2,573-(\2,450-)

ヴァンダービルト大学のブレア音楽学部でのライブDVD。詳細は次号にて。

RHY-1053 BILL EMERSON & SWEET DIXIE『Southern』CD\2,573-(本体\2,450-)


 カムバック後、見事な活躍を見せるビル・エマーソン最新作。DCグラスのモダニズムをたたえた秀作。ブルーグラス新入荷参照。

RHY-1052 RANDY KOHRS『Quicksand』CD\2,573-(本体\2,450-)

 才人ランディ・コーアズの最新作。現在のナッシュビル・ブルーグラスの幅広さと能力を見せつけるすばらしい作品。ブルーグラス新入荷参照

PC-1171 DIXIE BEE-LINERS『Susanville』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付)

 女性ボーカルを軸にユニークなサウンドと物語を提示する新進バンド。ブルーグラス新入荷参照

MSM-1350 MIKE SCOTT『Sunday Bluegrass』CD\2,573-(本体\2,450-)

 超有名スタンダードを豪華メンバーでインストにしたシリーズ最新作。ブルーグラス新入荷参照

COMP-4517 CATIE CURTIS『Hello, Stranger』CD\2,573-(本体\2,450-)

 アリソン・ブラウン一派による癒し系アコースティック。フォーク・オールドタイム新入荷参照。

STONY-1332 MARIA MULDAUR & Her Garden of Joy CD\2,888-(本体\2,750-)

 「アメリカン・ルーツミュージックのファースト・レディ」マリア・マルダーの最新作。フォーク・オールドタイム新入荷参照。

EMI-96576 ROSANNE CASH『The List』CD\2,783-(本体\2,650-)


 ポップ・シンガーとして確固たる地位を築いたロザンヌ・キャッシュの心のふるさとカントリー集。カントリー 新入荷参照。

RCSI-1025D JIM & JESSE『Bluegrass Express featuring Bill Monroe & Bluegrass Boys and Lester Flatt & Nashville Grass』DVD\3,308-(本体\3,150-)

 出てきましたね! 1972年のWSM-TVの30分特別番組全14曲。ビル・モンローとレスター・フラットがゲストだというDVD映像。近日入荷!!
ブルーグラス新入荷
RHY-1053 BILL EMERSON & SWEET DIXIE『Southern』CD\2,573-(本体\2,450-)

I Don't Care Anymore/Love Reunited/Life in the Old Farm Town/Midnight Train/Black Fox 他全12曲

 フラット&スクラッグスのバウンシーな1曲目につづいてクリス・ヒルマンのデザート・ローズ時代の名曲、3曲目にはビンス・ギルのカントリーバラッド、つづいてデルモア・ブラザーズの軽快なトレインソング……と、さすがビル・エマーソンらしいツカミで飽きさせない構成、そして60〜70年代、いわゆる「DCグラス」の中心人物であった抜群のセンスで創る耳にやさしいアンサンブル。70年代を体験したハッピーミディアムな人にはドンぴしゃりのお勧め作品である。ギターとボーカルにトム・アダムズ、ウェイン・ランハム(m)、紅一点テリ・チズム(bs)の4人組にフランク・ソリバンかリッキー・シンプキンズがゲスト・フィドラーというメンツもバランスよく機能している。1957年のカントリー・ジェントルメン結成以来、60年代にはジミー・マーティン("Sunny Side of the Mountain"や"Sweet Dixie"、"Theme Time"などの名曲を残している)やレッド・アレンのケンタッキアンズ、そして1967年にエマーソン&ウォルドロンを結成、"Fox on the Run"や"Proud Mary"などのロック曲のブルーグラス化で70年代以降のニューグラスの先鞭をつけ、セルダム・シーンに至るいわゆる「DCグラス」の重鎮として活躍してきたビル・エマーソン。70年代に米海軍軍楽隊のブルーグラス/カントリー・バンドのリーダーとして活躍していた間はわれわれとの接点はなかったが、90年代中ごろにカムバック後は、トニー・ライスやピート・ゴーブルとのコラボレーションなどで"Tennessee 1949"などの名曲を送り出している……そう、デカイ存在なのだ。1960年代に、おそらく初めてバンジョー・トーンの比較研究発表をブルーグラス・アンリミテッド誌上でしたことが、わたしの強い印象に残っている。そのときから、もっとも美しくバンジョーをロールさせ鳴らす人だという認識が、好みとは別にある。これで2枚目、前作のスウィート・ディキシー・デビュー作(REB-1823 \2,573-)とともに、エマーソンの偉大さにいまさらながら恐れ入る秀作である。

RHY-1052 RANDY KOHRS『Quicksand』CD\2,573-(本体\2,450-)

Devil of the Trail/Time and Time Again/Die on the Vine/Cumberland/More About John Henry 他全13曲

 すごいです!ランディ・コーアズ。その強烈なドブロ・センス/テクニックは多くの人がすでにご承知でしょうが、ボーカリストとしてまたプロデューサーとしてもこの作品ですばらしい存在感/バランス感覚を聴かせてくれます。そしてバックアップ・ミュージシャンもみんなすごい! アダム・ステッフィ(m)やロン・ブロックとスコット・ベスタル(bj)、クレイ・ヘス(g)、ティム・クロウチ(f)といった有名ベテランはともかく、アンドリュー・クロウフォード(g)、アーロン・ラムゼィ(m)、マイク・サムナー(bj)といった若手がすごい。アルバム全体はストレート・ブルーグラスからドラムスを入れたニューグラス、ヒットしそうなメインストリーム・カントリー調など何でもあり。ランディの幅広い音楽観が見事に表現され、アコースティック楽器のさまざまなテクニックが詰め込まれたナッシュビル・ブルーグラスのすばらしい作品となっている。
 前作『Old Photograph』(RHY-1030 \2,573-)はロンダ・ビンセントやカール・ジャクソンをゲストに、この最新作と同様、完璧なバックアップですばらしい作品となっている。こちらも超お勧め!

PC-1171 DIXIE BEE-LINERS『Susanville』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付)

Heavy/Restless/Find Out/Road Hog/Truck Stop Baby/Eighteen Wheels/Brake Lights 他全19-tracks

 前作『Ripe』(PC-1163 \2,573-)が大きな話題となり、そのユニークな視点と音作りで大きな注目を浴びているディキシー・ビーライナーズの最新作は意欲的なコンセプト作品。「ハイウェイを走るどの車にも物語があるわ」と語るリードボーカリストでもあるブランディ・ハート(g)と、ニューヨークでホンキートンカーとしても活躍、ポケモンの声優やスタンレー・ブラザーズをテーマにした演劇『Man of Constant Sorrow』ではジョージ・シャフラーやビル・モンローを演じたという経歴を持つパートナーのバディ・ウッドワード(m)が、全米各地のハイウェイをテーマに各曲ごとにショートストーリーを創り出し、オリジナリティ溢れるメロディを聴かせる。昨春、マロ川端&サミー・シーラーの日本ツアーに参加したレイチェル・ジョンソン(f)他のメンバーに、ゲストにジョン・ジョーゲンソン、かつてバック・オウエンズのバッカルーズにいたウェイン・ウィルソンや60年代の女性歌手ケイ・アダムズが参加。昨秋11月には女性中心のシエラ・ハル&ハイウェイ111とアンクル・アールとの3バンドによる1ヶ月にわたる全米ツアー「アメリカン・リバイバル」を成功させ、更なる注目を集めるビーライナーズ、ブルーグラスにあたらしいタッチを持ち込む注目の新進バンド!!

CECD-31 BLUE GRASS BOOGIEMAN『Hits of Hank Williams』CD\2,888-(\2,750-)

Let's Turn Back the Years/Cold Cold Heart/Cajun Baby/Alone and Forsaken/Weary Blues from Waitin'/Calling You/Howlin' at the Moon 他全15曲

 ブルーグラスでハンク・ウィリアムズ曲集というおいしい企画作品を発表したのは、「ヒルビリー・ブギーメン」という別名も持つオランダの好き者5人組、その名も「中黒」入りの「ブルー・グラス・ブギーメン」。1990年以来、クラシック・カントリーとロカビリー、そしてブルーグラスをプロとして演じ続けるというビンテージ・アメリカンのガッツをアメリカ人以上に発散させ、いまどきのハイテク・ブルーグラスとは違うアーリー・ブルーグラスのローカル臭を持つ彼ら。現在の米国メインストリーム・ブルーグラスからは失われた40〜50年代、カントリーもブギウギもブルーグラスもロカビリーも、みーんなゴッチャ煮状態の熱気を持っていた時代、その時代にもっとも偉大なアメリカン・シンガー/ソングライターとして彗星のごとく登場して逝ったハンク・ウィリアムズの知られざる名曲を選ぶセンスもなかなかだ。高度な技術とアンサンブルを追求するのもいいが、こんなラフなエネルギーに身をゆだねるのも楽しいね。

MSM-1350 MIKE SCOTT『Sunday Bluegrass』CD\2,573-(本体\2,450-)

Will the Circle Be Unbroken/Old Country Church/What a Friend We Have in Jesus/I'll Fly Away/Swing Low Sweet Chariot/I Saw the Light 他全12曲

 以上、超有名ゴスペル・スタンダード12曲を、元ジム&ジェシーの正統派スリーフィンガー・スタイリストのマイク・スコットを中心に、ブライアン・サットン(g)、アダム・ステッフィ(m)、オーブリー・ヘイニー(f)、ロブ・アイクス(d)、ベン・アイザックス(bs)が、観光地のお土産用アルバムとして制作、自由に楽しくスタジオ・ジャムを繰り広げるといった企画インスト集。どーよ!?……アルバムとしての芸術的価値はさておき、これほど楽しいジャムを眺めない手はないぞ!! リスナーにはとっても美味しいBGM、そしてプレイヤーにはとても参考になる企画作品シリーズである。
 なお、同じメンバーで超有名トラッドやスタンダード12曲を演じた『Smoky Mountain Bluegrass』(MSM-1330 \2,573-)がある。また、マンドリンをマイク・コンプトンに代えたビル・モンローの有名歌物をインスト集にした『Blue Moon of Kentucky』(MSM-1300 \2,573-)も再入荷!!
ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
ROU-0642 NORMAN BLAKE『Perfect 10 Series: Sleepy Eyed John』CD\1,838-(本体\1,750-)

Ajimina/Billy Gray/Butterfly Weed/Sleepy Eyed Joe/Obc #3/Fifty Miles of Elbow Room/Bristol in the Bottle/Elzic's Farewell/Salty/Fields of November.

 独自のアメリカン・トラッドを演じ続けるノーマン・ブレイクの初期ラウンダー/フライング・フィッシュからのベスト10曲集。フラットピッカーとしてのバリバリ・インスト(ケニー・ベイカー曲含む)から定評あるトラッド風味のオリジナル、ジェイムズ・ブライアン(f)らとのフィドル・チューン美学、そしてカーター・ファミリー名曲など、ノーマン・ブレイク気合充実時代のベスト・コレクション。

GT7-2131 LONESOME PINE FIDDLERS『Bluegrass Collection』CD\1,260-(本体\1,200-)

I'm All Alone/Lost in This World/Eatin' Out of Your Hand/Why Do You Treat Me the Way 他全14曲

 昨秋、IBMA名誉の殿堂入りをしたロンサム・パイン・フィドラーズが1961年、スターデイ・レコードでのデビュー・アルバム『14 mountain songs featuring 5-string banjo』から1曲"Windy Mountain"をはずし、1962年の2作目『Bluegrass』から"Great Speckled Bird"を加えた全14曲集。エズラ(bs)とカーリー・レイ(f)のクライン兄弟と、メルビン(g)とレイ(bj)のゴーインズ兄弟による後期LPF、メルビンのスムースなボーカルに時代を反映したモダンな曲調がLPFらしさを感じさせる。アーリー・ブルーグラス名演とされる初期録音とは違った、60年代ブルーグラスの雰囲気が秀逸である。それにしても、LPFの生き残り3人(ボビー・オズボーン、ポール・ウィリアムズ、メルビン・ゴーインズ)が揃った昨秋のIBMAアワード・ショウの殿堂入りセレモニーは感動的だった(ムーンシャイナー誌11月号参照)。
第52回グラミー賞ノミニーズ
 今年のグラミー賞は1月31日(日本時間2月1日午前10時)発表予定。主な在庫品を紹介します。
RCSI-1018 STEVE MARTIN『The Crow』CD-R\2,573-(本体\2,450-)

 ハリウッドの大スターで今年のアカデミー賞の司会もするスティーブ・マーティンが実は、1960年代からカムバックしたバンジョー弾きだった!! ティム・オブライエンのボーカルとアール・スクラッグスのバンジョーを伴った1曲目から、ラス・バレンバーグ(g)、マット・フリナー(m)、クレイグ・イーストマン(f)、スキップ・ウォード(bs)らを基本セットに、ゲストのビンス・ギル&ドリー・パートン、アイリッシュのメアリー・ブラックらセレブたち、バンジョー仲間のトリシュカやワーニックらも参加、高校の同級生ジョン・マッキュエンのプロデュース作品。ムーンシャイナー12月号のカバーストーリーで、スティーブ・マーティン「1960年代へのカムバック」と題して団塊の世代に元気を!! グラミー賞ブルーグラス部門にノミネート。

REB-1826 BARRY SCOTT & SECOND WIND『In God's Time』CD\2,573-(本体\2,450-)


 1996年から9年間、ジェイミー・デイリー(デイリー&ビンセント)と共にドイル・ローソン&クイックシルバーのボーカリストとして、彼らのピークを作り上げたバリー・スコットのデビュー作。歯切れの良いバンジョー・ロールに導かれて、クイックシルバー譲りの完璧なトリオやカルテット・ハーモニーに硬質なテナーボイスが美しいメロディーに乗っていく。20代のスーパーな若者たちらとともに結成した新バンド、本作にはビンス・ギルがゲスト参加している。グラミー賞最優秀サザン・ゴスペルに最終ノミネート!!

ROU-0623 RHONDA VINCENT『Destination Life』CD\2,573-(本体\2,450-)


 前作『Good Thing Going』(ROU-0592 \2,573-)から1年、矢継ぎ早に新作を発表するロンダ・ビンセント2009年最新作。グラスカルズから移籍したアーロン・マクダリス(bj=ムーンシャイナー誌6月号特集参照)とベン・へルソン(g)の新人にハンター・ベリー(f)といった活きのいい若者たちのザ・レイジを擁したロンダ。ストレートなハード・ドライブ・ブルーグラスからバラード、バック・オウエンズのメキシカン調やポコの名曲カバー等々、5歳のときからファミリー・バンドでエンターテイメントの世界に鍛え上げられた女性、聴く者の期待を裏切らずに、ハイレベルなミュージシャンに囲まれて、堂々とした女性ブルーグラスの王道を演じ、きっちりと楽しませてくれる。グラミー賞ブルーグラス部門にノミネート。

ROU-0634 BELA FLECK『Throw Down Your Heart: Tales from the Acoustic Planet, Vol. 3 - Africa Sessions』CD\2,573-(本体\2,450-)


 ベラ・フレックのアコースティック・プラネット・シリーズ第3弾、テーマはバンジョーのルーツ(起源)であるアフリカとの出会い。ブルーグラス・バンジョー奏法のあらゆる手法を駆使して、アフリカのさまざまな楽器や歌とのコラボレーションで、すばらしいバンジョー音楽に仕上げている。全バンジョーファンに強力にお勧めしたい愛すべき「バンジョー」の起源、そして楽器としての本質を提示してくれる大秀作。ムーンシャイナー6月号に特集!!
今年のグラミー最優秀ポップインスト・パフォーマンスとコンテンポラリー・ワールド・ミュージック・アルバムの2部門にダブル・ノミネート!!

SH-4049 SARAH JAROSZ『Song Up in Her Head』CD\2,573-(本体\2,450-)


 ムーンシャイナー7月号の表紙を飾った少女、サラ・ジャローズのデビュー作。昨春高校を卒業した18歳、マンドリンのスーパーピッカーという一面を持ちながら、その圧倒的な音楽センスをベースにシンガー/ソングライターとして「女ティム」と賞賛されるサラ、1曲目のクリス・シーリ+ジェリー・ダグラスとの超絶コラボから、ティム・オブライエンとのデュオによる現代版アパラチアン・バラッドとクロウハンマーバンジョー、そしてマンドリン・インストではマイク・マーシャルを従えて……。共にツアーをするふたりの天才少年ふたり、アレックス・ハーグリーブス(f)とサムソン・グリスマン(bs、デビッドの息子)……、そして最後の曲はクリス・シーリとのデュオ。スリーフィンガー・バンジョーこそ入っていないが、今後のブルーグラスの新しい胎動を象徴する凄い才能の爽快デビュー。なんと、グラミー賞カントリー・インスト部門にノミネート!!

RHY-1044 MICHAEL MARTIN MURPHEY『Buckaroo Blue Grass』CD\2,573-(本体\2,450-)

 数々のヒット曲を持つシンガーソングライター、マイケル・マーティン・マーフィーの最新作は「この夏、一番涼しいブルーグラス」。70年代からのアメリカ音楽ファンならきっとどこかで聴いたことのある美しく優しいメロディー、"Lost River"や"Carolina in the Pine"が、3Mの甘いボーカル、パット・フリン(g)、チャーリー・クッシュマン(bj)、アンディ・レフトウィッチ(f)、サム・ブッシュ/ロニー・マッカーリー(m)、ロブ・アイクス(d)ほか、申し分ないバックで見事なブルーグラス・サウンドとなって流れてくる気持ちよく爽やかなこと! グラミー賞ブルーグラス部門にノミネート。

ST-2008 STEVE WARINER c.g.p.『My Tribute to Chet Atkins』CD\2,888-(本体\2,750-)


John Henry/Back Home Again Indiana/Leona/Blue Angel/Chet's Guitar/Silent Strings 他全11曲

 メチャクチャすばらしいトーンで演じられるアトキンズ・スタイルのエレキギターの美しいこと!! スティーブ・ウォーリナー、1976年にチェットに見出されてカントリースターになった彼が、これ以上なくチェットを畏敬するそのギターテクの見事なこと。シンプルで控え目なベースとドラムスを基本に、ジェフ・ガーンジーのすばらしいフィドル/マンドリン、ジミー・マッティングリー(f)、デビッド・ハンゲイト(piano)ら、極力抑えたバックで聴かせる愛と尊敬に満ちた極上のギター音楽をご賞味あれ。ちなみに「c.g.p.」とはチェットの造語で「保障付ギター奏者(Certified Guitar Player)」のこと。グラミー賞カントリー・インスト部門にノミネート。

UNI7231280 ELVIS COSTELLO『Secret, Profane & Sugarcane』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付き)


 1曲目からルービン・ブラザーズを瞬時にイメージしてしまうデュオではじまる、世界的なロック・アイコンのひとり、エルビス・コステロ(1954〜)の最新作は、最後の"Changing Partners"まで、全曲ステュアート・ダンカン、ジェリー・ダグラス、マイク・コンプトン、デニス・クロウチによるバンドサウンドにジム・ローダーデイルのハーモニー・ボーカル(1曲のみエミルー・ハリスがゲストと、4曲でジェフ・テイラーのアコーディオン)。彼ら超一級アコースティック・ミュージシャンはブルーグラスでもアパラチアでも南部でもないバックに徹して、コステロの強いメッセージをストレートに伝える。たった3日で録音を済ませたという……、つまり、それだけ「はまって」しまったセッションだったという。グラミー賞コンテンポラリー・フォーク部門にノミネート!!

SH-4040 BRYAN SUTTON & Friends『Almost Live』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ムーンシャイナー誌8月号のカバーストーリーに登場した現在、ブルーグラス・フラットピッキン・ギターの最高峰と言われるブライアン・サットン、4枚目最新作は、リッキー・スキャッグスのケンタッキー・サンダーでデビューした1995年以来、ブルーグラスの最先端で積んできたキャリアの総集編的作品。ブッシュ/フレック/ダグラス/ダンカン/シャッツとの通称ブルーグラス・オールスターズを1曲目に、パンチ・ブラザーズのクリス・シーリ/ノーム・ピケルニー/ゲイブ・ウッチャーらとの2曲目のほか、ホット・ライズ・リユニオンやラス・バレンバーグとのギター・デュオ、ベラ・フレックとのデュオ、仲良しオーブリー・ヘイニーとセルマー・スタイル・ギターを手にしたジプシー・スウィング、ティム・オブライエンとは自身のクロウハンマー・バンジョーでオールドタイム、そしてクリス・シーリとの目くるめくデュオで終わる、自身のオリジナルをメインにしたギター弾きまくり快作。グラミー賞ブルーグラス部門にノミネート。

SICC-882/3 YO-YO-MA & Friends『Songs of Joy & Peace〜喜びの歌』CD+DVD\3,465-(特典DVD限定盤)


 クラシック界の大物ヨー・ヨー・マの2008年クリスマス集がグラミー賞クラシカル・クロスオーバー・アルバムにノミネート。なんと、クリス・シーリが登場ほか、エドガー・マイヤー、アリソン・クラウス、ナタリー・マクマスターらブルーグラス関係者のほか、ジェイムズ・テイラーとのビートルズやデイブ・ブルーベック、セルジオ&オダイル・アサドなど、各界からのトップアーティストが美しいクリスマスを演出。

COMP-4482 ALISON BROWN『The Company You Keep』CD\2,573-(本体\2,450-)

 バンジョーという御し難い楽器を女手ひとつ!?で透明感のあるポップな美しい楽器に昇華した才女、アリソン・ブラウン。ジョン・バー(piano)とジョー・クレイヴン(m,f,perc)という圧倒的な才能とともに、アイリッシュ・リズム・ギターの第一人者、ジョン・ドイルを迎えて、"Forked Deer"と"Midnite on the Water"のカリプソ・メドレー版と、アコーディオン奏者マーティン・オコナーのカバーほかは、めちゃくちゃ美しいオリジナル・メロディーとバンジョーの響を聴かせてくれる目からウロコの秀作。ベラ・フレックとともに、バンジョーを「美しいフツーの楽器」……!?として音楽界に提示できる数少ないバンジョー賢者である。グラミー賞カントリー・インスト部門にノミネート!!

KOCH-2024 BELA FLECK, ZAKIR HUSSAIN, EDGAR MEYER『The Melody of Rhythm; Triple Concerto & Music for Trio』CD\2,888-(本体\2,750-)

 1983年にコロラド州アスペンのハーゲンダッツの店先でジャムをして以来、ブルーグラス楽器を別次 元にセットしたベラ・フレック(bj)とエドガー・マイヤー(bs)のふたり組が、またも世界的な音楽家と共演、とんでもない音楽を創り上げた。インドの人間国宝と言われる世界最強のパーカショニスト、タブラ奏者ザキール・フセインを迎えて、バンジョー/ベース/タブラのあたらしいトリオ音楽。途中からデトロイト・シンフォニー・オーケストラが加わり壮大な協奏曲に発展していく。上記のヨー・ヨー・マと並んでグラミー賞クラシカル・クロスオーバー・アルバムにノミネート……実に爽快、5弦バンジョーは不滅だぁーッ!!!!
ブルーグラスお勧め作品
■ムーンシャイナー最新1月号特集関連作品
 ブルーグラス専門月刊誌ムーンシャイナー1月号(\525-)の特集は、アール・スクラッグスだぞっ!
ROU-0618 EARL SCRUGGS『with Family & Friends』CD\2,573-(本体\2,450-)

 2007年6月、当時83歳のアール・スクラッグスがゲイリー(bs)とランディ(g)の息子ふたりと友人たちを伴って、1946年12月8日に初舞台を踏んだ、そしてそのときにブルーグラスが誕生した場所、ナッシュビルのライマン公会堂でのライブ。たしかに全盛期とは異なったロールの性質だが、完全にバンドを支配するそのリズム感=グルーヴ、そして圧倒的な左右の指のインパクトとバランス、年齢とは無縁の音楽に対するアールの「抑えがたい衝動」が聴く者を圧倒、聴くたびにあたらしい発見がある。1月号ではその秘密を「渾身!」と表現してみた。バンドは70年代のアール・スクラッグス・レビューを踏襲するグラスロック。今年1月6日、元気に86才の誕生日を迎えたアールに乾杯!!
■トラッド系ブルーグラス
MRR-1007 V.A.『Born Into Bluegrass; Songs of Cullen Galyean』CD\2,573-(本体\2,450-)

 まさに「これぞブルーグラス!!」といった典型的なメロディと歌詞、そして演奏/ハーモニー、アーリー・ブルーグラスの醍醐味と雰囲気を見事に醸してくれる大秀作。フット・ヒル・ボーイズなんて、覚えてますか?……あのカウンティからの名盤、カレン・ギャリアンはそのバンジョー奏者(フォークウェイズからもバージニア・マウンテン・ボーイズなどでのアルバムがあった)。その彼のオリジナル曲を、ジュニア・シスクとジョニー・ウィリアムズ、息子ミッキー・ギャリアンがボーカル、テリー・バウカムやリック・オールレッドほか、ローカルのブルーグラッサーらが敬意を込めて演ずるトラッドグラス秀作。タイトルどおり、ブルーグラスが自然に生息するブルー・リッジ山中、ノース・カロライナ州ロウギャップ出身のカレン、1939年生まれと言うからちょうどビル・モンローがブルー・グラス・ボーイズを結成した年。その9年後にバンジョーを手にした全身がブルーグラスのような彼のオリジナル15曲は歌物/インストどれも極上の正統派ブルーグラスだ。超お勧めトラッドグラス作品。

REB-1823 BILL EMERSON & THE SWEET DIXIE BAND CD\2,573-(本体\2,450-)


 端正なスリーフィンガーロールの持ち主で、70年代を席巻した「DCグラス」をリードしてきた男、ビル・エマーソンが長年の沈黙を破って、しかも、60〜70年代を経験した世代の琴線に触れる完璧な選曲とサウンドでカムバックした07年作品。華麗なロールが、さまざまなボーカル・ゲストと軽快に響く。全編、優しさに包まれた暖かさの感じられる秀作だ。ちかごろ、お疲れ気味の方に、「ホッ」とする懐かしいブルーグラス・サウンドをぜひどーぞ!!

REB-1825 JUNIOR SISK & RAMBLERS CHOICE『Blue Side of the Blue Ridge』CD\2,573-(本体\2,450-)


 昨秋のIBMAアワード・ショウでダニー・ペイズリーと共に登場、トラッド権化としてもっとも大きな拍手を受けたジュニア・シスク。昨年のムーンシャイナー誌5月号掲載の全米ブルーグラス・アルバム・チャートでナンバーワンをヒット!! ロニー・ボウマンをプロデューサーに迎え、タイトル通り、トラッドに根ざした典型的なブルーリッジ系サウンドを聴かせてくれる。なお、ダニー・ペイズリーのノミネート作品は『Room Over Mine』(ROU-0589 \2,573-)。トラッドグラス健在を証明したIBMAパフォーマンスだった!!

REB-1827 DAVID DAVIS & WARRIOR RIVER BOYS『Two Dimes & a Nickel』CD\2,573-(本体\2,450-)


 グランパ・ジョーンズの名曲"I've Been All Around"を1曲目に、モンロイズムを意識しながら南部アラバマで家族の伝統を受け継ぐデビッド・デイビス。1938年にビル・モンローが雇った最初のブルー・グラス・ボーイ、あのクリオ・デイビスが叔父にあたる。ほかに、ドック・ワトソンやフラット&スクラッグスで知られる"Train That Carried My Girl from Town"、そしてジム・イーンズ"Broken Promise"など、トラッドグラスの王道サウンドを守りつつオリジナルな最新作。背筋を伸ばし、ステットソン帽を被り、ロアーを抱える姿はヒーロー、ビル・モンローを髣髴させるデビッド、2006年の前作『Troubled Times』(REB-1817 \2,573-)もすばらしい。

RC-124 TIPTON HILL BOYS『Songs We Like』CD\2,573-(本体\2,450-)


 フラット&スクラッグスのトーンとオズボーン・ブラザーズのボーカル/ハーモニーを合体させたティプトン・ヒル・ボーイズの新作はタイトル通りの懐メロ集。クリス・シャープ(g)、ジョージ・バックナー(bj)、ケビン・スクルーダー(bs)のトリオで、いまどきのスマートなブルーグラスとは違う懐かしいリズムに乗って、2009年3月から4月にかけて全国ツアーしたノース・カロライナのディープなホンマモン三人組。

ROU-0585 DRY BRANCH FIRE SQUAD『Thirtieth Anniversary Special』CD\2,573-(本体\2,450-)


 トラッドグラスの原点、農民の生活をテーマにサウンドを作ってきたドライ・ブランチ・ファイアー・スクウォッドの30周年記念2007年作品。1989年以降現在までのベスト20曲集(内4曲未発表)。全編から漂うカーター・ファミリーの雰囲気にブルーグラスというスタイルをかぶせたサウンドは、多くのインテリ階層から絶大な人気を得ている。リーダーのロン・トーマソン(m)は、G.B.グレイソンやカーター・スタンレーの伝統を引きながら、その奥にある魂の部分を見事に表現、ブルーグラス界の言論リーダーとしても尊敬される人物。ホットに完成度の高いスタイルを追求するバンドとは対極にある、これは現在聴くことのできるもっともベーシックなトラッドグラスとして大切にしたい感動的な音楽だ。

DS-2004 ERNIE THACKER『Chill of Lonesome』CD\2,079-(本体\1,980-)


 16歳でラルフ・スタンレーのクリンチ・マウンテン・ボーイズのマンドリニストとなり、18歳でラルフのリードシンガーとなったして高い評価を得たアーニーの2002年作品。東テネシーから南西バージニアを通って東ケンタッキーへ、最も濃いアパラチア音楽文化が眠る国道23号線沿い、そのど真ん中で生まれ育ち、土地の名士=ラルフ・スタンレーのバンドに参加するという名誉を経験したアーニー・サッカー、その土地の魂を、ダン・ティミンスキ、アダム・ステッフィ、ロン・スチュワートらが脇を固め、今のブルーグラスを見事に表現した秀作。

RHY-1031 DWIGHT McCALL『Never Say Never Again』CD\2,573-(本体\2,450-)


 現在J.D.クロウ&ニュー・サウスのマンドリン&テナーのドワイト・マッコール、アール・テイラーとのコンビで知られる父ジムからのアーリー・ブルーグラス魂を引きながら、テンション一杯のいまどきのソリッドグラスを目一杯聴かせる。バックにはロン・スチュワート(bj,f)を軸に、アラン・バイビー(m)、ランディ・コーアズ(d)ら、申し分ない「今」のトップランナーを配した、気持ちのいいソリッドグラスを聴かせる。

EB-2006 EARL BROTHERS『Troubles to Blame』CD\2,888-(本体\2,750-)(歌詞付)


 ものすごい泥臭さ…、超ヒルビリーという衣を纏って、現代社会の問題にまで踏み込む普遍的で重いテーマを正面から取り上げるアール・ブラザーズの自費制作第2弾。基本的にはスタンレー・ブラザーズのサウンドをベースにしながら、西海岸の4人組が、苦境、女、酒、死などをテーマにした全曲オリジナルで、テクニックよりも溢れんばかりの感情を優先させる演唱はまさに「Real Music」。ブルーグラス/ヒルビリー/ホンキートンクなど、単純にして力強い詩とメロディーに全身全霊で集中する彼ら、バーン・ウィリアムズのまいたトラッドグラスの種が育つサンフランシスコのバンドである。

RR-2002 MELVIN GOINS & WINDY MOUNTAIN『Light in the Window Again』CD-R\2,573-(本体\2,450-)


 中期ロンサム・パイン・フィドラーズをリードしたメルビン・ゴーインズ、50年のキャリアでじっくりと聴かせるトラッドグラス。LPF時代の"Brown Eyed Darlin'"、ウェブ・ピアスの"Slowly"、ハンク・ウィリアムズ"We Live In Two Different Worlds"、ルービンの"Family Who Prays"、レノ&スマイリー"I Know You're Married"などの懐かしい曲に、トム・T.&ディキシー・ホールが提供した新曲など、レスター・フラットの滑らかさをフォローしてきたシンガーである。昨秋のIBMAでLPFとして名誉の殿堂入りをしたとき、最も大きな拍手で感動したブルーグラス命の苦労人だ。

SKFR-1008 RICKY SKAGGS & KENTUCKY THUNDER『Honoring the Fathers of Bluegrass; Tribute to 1946 and 1947』CD\2,573-(本体\2,450-)


 2009年のグラミー賞ブルーグラス部門を受賞したリッキー・スキャッグス作品。ビル・モンローがフラット&スクラッグスらを従え、ブルーグラスが誕生したあのオリジナル・ブルーグラス・バンドの1946〜47年録音のほぼ完全コピー集!! 1曲目の"I'm Going Back to Old Kentucky"には、その録音に参加していたアール・スクラッグスを迎え、誕生当初のブルーグラスが持つグルーヴが最新録音と現在最高のバンドによって再現される。……ブルーグラス・サウンドは最初から完成されていたのだ。

PC-1157 JACK COOKE『Sittin' on Top of the World』CD\2,573-(本体\2,450-)


 ムーンシャイナー2007年4月号「正しいブルー・グラス・ボーイの歌い方」というタイトルで、このジャック・クックのデビュー作について、トラッドグラスの、しかもモンローのボーカリストの正しいあり方を紹介しています。「正しい」という言葉に反応する人、かかっておいで…!? バッターボックスに立った7番バッターのように決して自己主張をせず、あくまで淡々と突き抜けるように歌う、これがホンモノのトラッドグラスのお手本なのです。ビルにもレスターにもマックにもカーターにも出来ない、これがブルー・グラス・ボーイの真髄なのです、…とわたしは思うのです。70才にしてこのはりのある声、そして気持ちの持って行きよう……、完全脱帽の正統トラッドグラス大秀作!! そして先月、12月1日、72歳で旅立った。合掌!
■現代ブルーグラス・メインストリーム
COMP-4506 GIBSON BROTHERS『Ring the Bell』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付)

 ムーンシャイナー2月号でブルーグラス・チャート第1位獲得!! 現在ブラザー・デュオ最高峰、ギブソン・ブラザーズのコンパス移籍第一弾。ニューヨーク北部の農業地帯で育ったエリック(bj)とリー(g)のギブソン兄弟は、ルービンを思わせる硬質ですっきりとしたデュオを身上に、レスター・フラット・ファンを自認するエリックとレイのオリジナルのほか、トム・ペティのカバーなどを、マイク・バーバー(bs)、ジョー・ウォルシュ(m)、クレイトン・キャンベル(f)のバンド・サウンドで、ストレートな上品なソリッドグラスとして聴かせてくれる。

RCSI-1020 BILLY BOONE SMITH『Live from the Moose Lodge』CD\2,573-(本体\2,450-)


 わがレッド・クレイ・レコードからデビュー作を含む2枚のアルバムを発表(下記参照)しているビリー&テリーのビリー・スミス最新作。デイブ・タルボット(bj)とシャド・コッブ(f)という望むべく最高のナッシュビル・ブルーグラッサーとともに、若いビル・モンロー・フォロワーの――そのパンクな本質を見事に捉える――クリス・ヘンリー(m)とグラスカルズで活躍する弟テリー・スミス(bs)を配してほぼスタジオ・ライブという意気込みで録られた秀作。ロンサム・リバー・バンドの"Hobo Blues"から、サード・タイム・アウト"Grandpa's Mandolin"、デル・マッカーリー"Lonely Side of Love"(いずれもデビュー作『Grass Section』より)をはじめ、数々のヒット曲を書き、90年代以降のコンテンポラリー・ブルーグラスのトラッド回帰にブルーグラス・ソングライティングの道筋を示した第一人者である。本作でも、出身地ノース・カロライナのマウンテン・ライフを背景にしたトラッドなテーマできっと多くのバンドがこの中からの曲をカバーするだろう。本作ではヘイゼル・ディッケンズの母の物語としてダン・ティミンスキのソロデビュー作のタイトル曲ともなった"Carry Me Across the Mountain"も初めて自身の演奏で収めている。
 なおビリーには前述の『Grass Section』(RC-111 \2,573-)と『Voices of the Mountain』(RC-115 \2,573-)のほか、2008年のゴスペル『Five Flat Rocks』(RCSI-1024 \2,573-)の在庫がある。

DS-2007 MARTY RAYBON『Full Circle』CD\2,079-(本体\1,980-)


 ヒット・カントリーグループ、シェナンドーのリード・ボーカリスト、マーティ・レイボンが古巣ブルーグラスに戻って創ったジミー・マーティン・トリビュートとも言えるすばらしい作品。ヒット・シンガーとしての歌の上手さと、デビッド・タルボット(bj)、シャド・コッブ(f)、ブライアン・サットン(g,m)らの見事なバックでのソリッドグラス。

REB-1834 STEEP CANYON RANGERS『Deep in the Shade』CD\2,573-(本体\2,450-)


 ノース・カロライナ大学のキャンパスで生まれたスティープ・キャニオン・レンジャーズ。2006年にIBMA最優秀新進バンドを受賞、今年は映画スター、スティーブ・マーティン(来年のアカデミー授賞式の司会が決定!!)とのツアーで全米のあらゆるメディアで取り上げられてノリノリの通常編成5人組。その現代的な歌詞と、ストレート・ブルーグラスはもちろん、ブギウギやマウンテン調、ブルーグラス・ワルツなどユニークなサウンド・アレンジ、そして全員の楽器レベルも当然高い新進バンドだ。

MH-1115 JERRY SALLEY『New Songs, Old Friends』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付)


 ビンス・ギルとドイル・ローソンを起用したハーモニーからはじまるジェリー・サリーのデビュー2007年作。D.タルボット、B.サットン、A.ステッフィ、S.ダンカン、R.アイクス、B.アイザックスという、ナッシュビルで望める最高のバンド。コーラスには、オーク・リッジ・ボーイズ、D.マッカーリー、D.ウォーリー、R.ビンセント、R.スキャッグスほか…。シンガーとしては新人ながら、売れっ子ソングライターのジェリー、鉄壁のブルーグラス・サウンドに乗って、トラッドグラスやクラシック・カントリー・ファンらをも唸らせるくすぐりも加えつつ、すばらしい作品に仕上げている。

YEP-2137 JIM LAUDERDALE『Bluegrass』CD\2,573-(本体\2,450-)


 ドワイト・ヨーカム同様にオルタナ・カントリーで登場、その後のアメリカーナ・ムーブメントで一躍、スターダムにのし上ったジム・ローダーデイル、ルーツに立ち返ったブルーグラス作品。これまでにラルフ・スタンレーとのコラボレーションを2作残しているが、ここでは其の経験を充分に生かし、ビル・ボーンディックとランディ・コーアズ(d,v)を共同プロデューサーに迎えて、ナッシュビルの若手を大胆に起用、半端ではないブルーグラスへの傾倒振りを感じさせる作品に仕上げている。ジョージ・ジョーンズ、ジミー・マーチンに通じる説得力のあるボーカルを支えるのはブライアン・サットン(g)、デイブ・タルボット(bj)、ジェシー・コッブ(m)、ジョッシュ・ウィリアムス(m)、シャッド・コッブ(f)、ルーク・ブラ(f)、デニス・クロウチ(bs)他。

PC-1117 DAVID PARMLEY & CONTINENTAL DIVIDE『Pathway of Time』CD\2,573-(本体\2,450-)


 1970年代に高校生時代からブルーグラス・カーディナルスで活躍してきた大ベテラン、デビッド・パームリーをリーダーに、現在グラスカルズのダニー・バーンズ(m)を含む5人ブルーグラス標準編成でストレートなトラッドグラスを目指したコンティネンタル・ディバイドの2002年作品。敬愛するマール・ハガード"Wake Up"やジョージ・ジョーンズの"Our Bed of Roses"などカントリー・バラード、フラット&スクラッグスの"My Saro Jane"やベッキー・ビューラーのタイトル曲他、デビッドの抜群の歌唱力を堪能して欲しい。

LDR-011 LARRY CORDLE & LONESOME STANDARD TIME『Took Down and Put Up』CD\2,888-(本体\2,750-、歌詞付)


 幼馴染リッキー・スキャッグスに"Highway 40"を提供、ヒット以来、ガース・ブルックス、アラン・ジャクソン&ジョージ・ストレイトをはじめメインストリーム・カントリーのソングライターとして大成功を収めたラリー・コードルだが、自身のバンド、ロンサム・スタンダード・タイムで聴かせるのは、これでもかの今風ハイロンサム・ブルーグラス。クリスティン・スコット・ベンソン(bj)、キム・ガードナー(d)、ブーイ・ビーチ(lg)、クリス・デイビス(m)、マイク・アングリン(bs)に、驚きの超テンション・フィドルを聴かせる女性ジェニー・フリーノアとクリスティンの夫ウェイン・ベンソン(m)が参加の2007年作品。メンバー全員がバリバリのテンションとテクニックで全曲に向かう緊張感一杯のブルーグラスだ。レナード・スキナードをカバーしたブルース/ロック調や、キムが創ったインスト、少年時代にリッキーとともに出会ったキース・ウィットリーに捧げた"Song for Keith"などのバラードも秀逸だ。ほとんどの曲を自身が書き、全13曲も完成度のきわめて高い、非常に質の高い濃厚なブルーグラス・アルバムになっている。

ROU-0602 IIIrd TYME OUT『Footprints: A IIIrd Tyme Out Collection』CD\2,573-(本体\2,450-)


 90年代ブルーグラスのトップグループ、サード・タイム・アウトのベスト15曲集。IBMA最優秀男性ボーカルを何度も獲得したラッセル・ムーアのボーカルを取り巻き見事なソリッド・サウンドを作るウェイン・ベンソン(m)、スティーブ・ディリング(bj)、マイク・ハートグローヴ(f)、レイ・ディートン(bs)。トラッドグラスのエッセンスを内に秘めながら、"Footprints in the Snow"、"John & Mary"、"Swing Low Sweet Chariot"など、新旧素材を見事に料理していくさまが凝縮されて収められた秀作である。

SH-4054 JEREMY GARRETT『I Am A Stranger』CD\2,573-(本体\2,450-)


 若手のトップランナー、インファマス・ストリングダスターズのフィドル/ボーカルを担当するジェレミー・ギャレットがライブ会場でのみ発売する特別限定CD盤。10代のスーパーフラットピッカーとして知られるジェイク・スタージェル(ラベル・シスターズ/グリーンカーズ)や、トップクラスの女性バンジョー奏者ジュリー・エルキンズ(ケーンズ・リバー)にショーン・レーン(m)、デニス・クロウチ(bs)を基本セットにした爽快なオリジナルや、ギターにクリス・シャープを配したフラット&スクラッグス・カバーにはアビゲイル・ウォッシュバーンがカーリー・セクラー役を務めマイク・コンプトンやネッド・ルベレッキ(bj)、マイク・バブ(bs)が重たいF&Sサウンドに挑戦ほか、自身のオリジナル・ソングを中心にバラエティに富んだ作品。
■ニューグラス系ブルーグラス
SH-4055 SAM BUSH『Circles Around Me』CD\2,573-(本体\2,450-)

 サム・ブッシュの最新作は、カントリー・ジェントルメンの隠れた名曲から、知られざるレッド・アレン曲、デルをテナーに迎えてビル・モンロー2曲、そして自身のニュー・グラス・リバイバルの中期とデビュー・アルバムからのカバー2曲等々、待ってました!!のブッシュ流ブルーグラス。57歳、本作の発表日が結婚25周年記念日、1曲目のオリジナルには「ここまで生き延びた俺たち」の感慨が込められている。2006年の前作『Laps in Seven』(SH-4013 \2,573-)までニューグラスの先頭を走りつづけ、70年代以降のブルーグラス全体をそのエネルギーで背負ってきたサム・ブッシュがチョッと立ち止まった。本作の曲目解説を含むムーンシャイナー誌2009年11月号(\525-)のカバーストーリーとともにお楽しみください。

SKFR-2019 CADILLAC SKY『Gravity's Our Enemy』CD\2,573-(本体\2,450-)


 リッキー・スキャッグスが発掘、まったく新しい次元でハイロンサムを捉える若手ブルーグラス期待のキャディラック・スカイ。2008年の第2作は、マイク・マーシャルのプロデュースを得て、ブライアン・シンプソン(m)のすばらしいオリジナルを意表をつくアンサンブルで構築していく秀作。アルバムを通して、すみずみまで計算された緻密さでまったく新しいハイロンサムを聴かせる若者たち、全米デビュー作『Blind Man Walking』(SKFR-2017 \2,573-)も秀逸。昨秋IBMAファンフェスで見た彼らのライブ、客席に飛び込むわ、ギターを叩きつけるわ、裸になるわ、トンでもないお勧めだよ!!

FF-70254 NEW GRASS REVIVAL『Commonwealth』CD\2,573-(本体\2,450-)


Reach/Steam Powered Aereo Plane/Pack of Fools/Deeper and Deeper/Wicked Path of Sin 他全9曲

 現在サム・ブッシュ・バンドでも取り上げるインスト「Sapporo、サッポロ」のほか、ポップ/ロックの"Reach"などを取り上げ、より洗練されたサウンドを目指す。が、1981年発表のこの作品が故コートニー・ジョンソン(bj)とカーティス・バーチ(g)との前期NGRの最後の公式アルバムとなった。前期NGRの集大成でもある名盤。

SH-1067 MUTUAL ADMIRATION SOCIETY『M.A.S.』CD\2,573-(本体\2,450-)


 ニッケル・クリークとオルタナ・ポップ&ロック系シンガー・ソングライター、グレン・フィリップスとのコラボレーション2004年作品。前作の2枚で150万枚を売り上げたニッケル・クリークと、一方、14才でトード・ザ・ウェット・スプロケットのリード・ボーカルとなったグレン。ともに、20代の半ばを迎える年齢になったとき、グレンのみずみずしい感性の詩とメロディーの世界と、ニッケル・クリークのアコースティックが出会ったオルタナ音楽。プロデュースはライアン・アダムズやカウンティング・クロウズ、またエミルー・ハリスなどとの仕事でも知られるイーサン・ジョンズ。クリス・シーリとワトキンス兄妹がブルーグラス/アコースティックの殻を打ち破った記念碑的実験作品。全編に内的な精神性と、グレン曰くのアコースティック美学を追求……。ムーンシャイナー誌2004年8月号特集参照(MS-2110 \525-)。

KOCH-4766 JOHN COWAN『8,745 feet; Live at Telluride』CD\2,888-(本体\2,750-)


 ニューグラス時代の名曲からロック、そしてジョン・コーワンにしか歌えない名唱"Dark As a Dungeon"などを収めたテルライド・フェスのライブ、1998年以降に録音された最盛期のジョン・コーワン・バンド、タップリ1時間に渡ってこだます、「あの」ものすごい絶唱。全編ロック調ながら、バンジョーにはゲストのベラ・フレックを含めスコット・ベスタルと伝説のレックス・マッギー、ギターにジェフ・オウトリー、マンドリンにダレル・スコット、フィドルにルーク・ブラとバーバラ・ラム、ドブロにランディ・コーアズらを配し唯一無二、あの「声」が響き渡る。ニューグラス的快感!!

VAN-79801 YONDER MOUNTAIN STRING BAND CD\2,573-(本体\2,450-)


 2005年のフジロックに出演したヤンダー・マウンテン・ストリング・バンドのバンガード・デビュー作で、コロラドのブルーグラス・コミュニティーから1998年にデビューしてすでに8枚目になる2006年作品。ブルーグラスの素朴さとドライブ、若い感性に訴えるメッセージを武器に、米国の野外ロックフェスのジャムバンド・シーンではブッシュやグリスマンら、並み居る大御所らよりもはるかに大きな人気を持つ彼らだが、私には分からない……。

MEAC-50092 PAT FLYNN『ReVision』CD\2,888-(本体\2,750-)


 後期ニュー・グラス・リバイバルのギタリスト、パット・フリンのソロ2007年作品。1曲目ディランの"All Along the Watchtower"や"Highway 61"、トラッド曲"Wayfaring Stranger"、レッドベリーのブルース、懐かしのNGR初期作品"This Heart of Mine"、スティーブ・グッドマンからジム・イボットソンらのカバーにポップな自作等々、ブルースからブルーグラス、フォークからロカビリーまで、あのユニークなリード・ギターも健在だ。ノーム・ピケルニー、ジョン・コーワン、ルーク・ブラによるニューグラスが2曲のほかは、元ブーン・クリークのスティーブ・ブライアン(bs)とパーカッショニストらとのポップなアメリカン・ミュージック集になっている。

SH-4017 CHRIS THILE『How to Grow a Woman from the Ground』CD\2,573-(本体\2,450-、歌詞付)


 2006年発売の衝撃作品。2008年にパンチ・ブラザーズ『Punch』(WB-79982 \2,573-)として登場する2年前、彼らの考えるブルーグラスに正面から取り組んだ、21世紀の若者ブルーグラスを象徴するような才能と魂が詰まった大秀作。当時、ほぼ全員が25才、ブルーグラスの未来を背負っていくスーパーピッカーらによるキョーレツなスタジオ・ライブ、一発録り。パンチ・ブラザーズでのアルバムとともに、70年代のミュールスキナーやオールド&イン・ザ・ウェイに匹敵するインパクトを持つ、歴史的な名盤である。この2作品から、またあたらしいブルーグラスがはじまって行くのかも知れない……。

ACD-61 OLD SCHOOL FREIGHT TRAIN『Run』CD\2,573-(本体\2,450-)


 デビッド・グリスマンがプロデュースした21世紀の若者たちのニューグラス、オールド・スクール・フレイト・トレインの2005年作品。ブルーグラスをしっかりと根っこに持ちつつ、ロックやレゲェは軽々と、ケルトやラテンの感覚をも取り入れたすばらしい緻密なアンサンブルで、アコースティック音楽全般へのしなやかな感性が刺激的な新世代のニューグラスである。グリスマンが惚れ込んだだけのことがある、お勧めバンドです。
■女性ブルーグラス&オールドタイム
REB-1764 MARK NEWTION『Follow Me Back to the Fold』CD\2,573-(本体\2,450-)

 先月来日したマーク・ニュートンの作品ながら、カーター・ファミリーの郷をテーマにした表題曲を中心に、女性ブルーグラスに捧げられたコンセプト・アルバム。ロンダ・ビンセント、ザ・ホワイツ、リン・モリス、キャシー・キアボラ、デイル・アン・ブラッドリー、クレア・リンチ、バレリー・スミス他をゲストに、トニー・ライスやクリスティン・スコット・ベンソン、ロニー・スチュワートらが素晴らしいバックを聴かせる。

CLG-83008 PAM GADD『Benefit of Doubt』\2,888-(本体\2,750-)


Hold Whatcha Got/Just Love Me/After the Fire Is Gone/Apple Jack/Tennessee Hound Dog 他全14曲

 アリソン・クラウス登場以前、苦難の道を歩んできた女性ブルーグラスのあたらしい幕開けとなった1979年結成のニュー・クーン・クリーク・ガールズにバンジョー奏者として参加、その後、熊本カントリーゴールドにもやって来た5人組スーパー女性カントリーバンド、ワイルド・ローズ(1988-1991)に参加して名を上げたパム・ガッドの最新作。自身のソリッド・バンジョーでのキツメのジミー・マーティン名曲を一曲目に、亡くなった恩人ポーター・ワゴナーに捧げる曲まで、彼女の長いキャリアを表す幅広いサウンドで耳に馴染みいい、久々の最新作である。ブライアン・サットン(g)、オーブリー・ヘイニー(f,m)、アンディ・レフトウィッチ(f,m)ら超一級ピーカーを統べるのはワイルド・ローズ時代のバンマス、ワンダ・ビック(d,g)。ゲスト・ボーカルには、ドリー・パートンのほか、現在はブルーグラスに転向した元シェナンドーのマーティ・レイボン、グラスタウンのスティーブ・ガリーと、元クーン・クリーク仲間のデール・アン・ブラッドリー。

PATUX-186 TATIANA HARGREAVES『Started Out To Ramble』CD\2,573-(本体\2,450-)


 とてつもない怪物のような天才オールドタイム・フィドラー登場!! タティアナ・ハーグリーブス、そう、バイオリン・ショップのDVDシリーズ『Fiddle Masters Concert Series Vol.3』にも登場する12歳の少女だ。年齢なんて感じさせないトミー・ジャレル直系の激しいエネルギーを弓に秘めたオールドタイム・フィドルと自信に満ちたすばらしい伝承ボーカルを聴かせてくれる。プロデュースにブルース・モルスキー(g,bj)、兄のスーパーフィドラー、アレックスのほか、サラ・ジャローズ(m)やマーク・シャッツ(bs)、ダニー・ナイスリー(g)ほか。この自信に満ちた分厚いリズムのフィドルとボーカル、アパラチアの山奥に閉じ込められていたこのすばらしい音楽を21世紀の若者たちが見事に伝承している。何年か先が楽しみな、凄い女の子です!!

EW-113 LORIANNA MATERA『Nobody's Angel』CD\2,888-(本体\2,750-)


 17年間ナッシュビルで下積みを重ねた女性シンガー、ロリアンナ・マテラのデビュー作。サム・ブッシュ、ステュアート・ダンカン、ロブ・マッカーリー、ロブ・アイクスらを配したピーター・ローワン曲を皮切りに、カントリー・バラードやハッピーなラブソングからスプリングスティーンの"You're Missing"まで、さまざまにカバーする楽しさ。自身のオリジナルも3曲、ブルーグラスとカントリーを無理なく合体、ドティ・ウェストとのツアーで鍛えたドリー・パートンをソフトにしたような女性カントリー・ボイスを、ポップなブルーグラス&アコースティック・カントリー・セッションで聴かせる。

REB-7506 RHONDA VINCENT『My Blue Tears』CD\2,079-(本体\1,980-)


 今や全米ブルーグラスのトップ・アーティストとなったロンダ・ビンセント、彼女がバック・ホワイト&ダウンホーム・フォークスのサウンドに憧れ!?てソロ・アーティストとして独立しはじめた1980年代、ベラ・フレックやラス・バレンバーグらをバックに創った可憐!?な女性ブルーグラス。

LBCY-308 ROBINELLA『Solace for the Lonely』CD\2,500-(本体\2,381-)


 新時代のアパラチアン・ポップ、ロビネラの最新作。ノーラ・ジョーンズとマリア・マルダーをミックスしたようなジャズ風唱法にアパラチアの陰影を加味したロビネラのボーカルを支えるのは夫、クルーヅ・コントレラス…、そう、バディ・スパイカーの右腕ビリーの兄。クルーヅのマンドリン、ビリーのフィドルを聴けば察せられるように、見事な癒し系ポップ作品に仕上がっているが、基本はブルーグラス。現在も東テネシーのノックスビル界隈の若者の間ではベスト・ブルーグラス・バンドに投票されるという、若者たちの新しいブルーグラス界から生まれた新鮮な南部ポップ音楽だ。そう、ロブ・アイクスのジャズ・アルバムで歌ってた女性です。

BBR-017 VALERIE SMITH & LIBERTY PIKE『That's What Love Can Do』CD\2,888-(本体\2,750-)


 小学校の先生からブルーグラス好きが高じてシンガーとなったバレリー・スミス、さすが元教師を思わせるキャラで周りを明るくする彼女を、ソングライターとしても知られるベッキー・ビューラー(f)、ジョン・ウェスリー・リー(m)、ジェシカ・リー(bs)、マット・フィルベター(d)のリバティー・パイクと、女性フラットピッカーのメガン・マコーミックやクリス・エルドリッジのギター、アンディ・ホールのドブロなど、話題の20代若手スーパーピッカーがバックアップする女性ブルーグラス秀作。

SH-1085 MARTHA SCANLAN『West was Burning』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付)


 映画『コールド・マウンテン』サントラでフィーチャーされたリール・タイム・トラベラーズのマーサ・スキャンラン、素朴で質素で、それでいながら熱いものを胸に秘め、大西部とアパラチアの空気とニオイをニューヨークのウッドストックとルイジアナのスタジオで収めた2007年のソロデビュー秀作。才人ダーク・パウエルのプロデュースの下、ザ・バンドのレボンと娘エミー・ヘルムがドラムス(10曲目のオールドタイム・フィドルとドラムのグルーヴはぜひ体験を!!、そしてつづく最後"I Will Arise"はわたしの大好きな曲が見事なギター弾き語りで感動ううう…、もうこれだけで合格!!)や、クロウハンマーのライリー・ボーガス、フーチ・フィシェティのペダルスティール・ギターほか、ひとくせフタクセのミュージシャンらが、マーサの実に飾り気のないボーカルを浮き立たせる。ボブ・ディラン曲と黒人伝道師ジェイムズ・クリーブランド曲以外は、ダークの書いたフィドル・インストを含めたオリジナル。ムーンシャイナー誌のマーサの特集(MS-2405 \525-)で紹介したアパラチアとナッシュビルの曲作りの違いというよりも、中西部を含んだ幅広いアメリカのランドスケープを感じさせるような世界を創っている女性オールドタイム秀作。

RHY-1028 CARRIE HASSLER & HARD RAIN CD\2,573-(本体\2,450-)


 女性シンガー、キャリー・ハスラー2007年のデビュー作はマウンテン・ハートのジム・バンクリーブのプロデュースでハードなブルーグラス作品。アダム・ステッフィやクレイ・ジョーンズらもゲスト参加しているが、まったくそんな必要もないハード・レインのメンバーたち、ケビンとキースのマッキンノン兄弟のキョーレツなマンドリンとギター、ジョッシュ・ミラー(bj)、ジョッシュ・スイフト(d)、トラビス・アンダーソン(bs)、そのエネルギー充溢のパワープレイは圧倒的な迫力とテクだ。そこに、抜群の歌唱力を持つキャリーが加わり、スタンレーやウェッブ・ピアースらの古い曲、ナッシュビル・ライターの新作や自身のオリジナルなど、ソリッドなブルーグラスを中心にしながらも、スロー曲での聴かせ所も随所に散りばめ、現在のブルーリッジ地方の若者たちを盛り上げるサウンドに仕上げている。

ROU-0606 CLAIRE LYNCH『Whatcha Gonna Do』CD\2,573-(本体\2,450-)


 70年代、フロント・ポーチ・ストリング・バンドとして女性ブルーグラスのあたらしい潮流を切り拓いたクレア・リンチ、当時とまったく変わらない、可愛く可憐なボーカルで、ものすごく気持ちいいアコースティック音楽を聴かせてくれる最新作。ギターの魔術師ジム・ハーストの絶妙なギタータッチに誘われるジェイソン・トーマス(f,m)とマーク・シャッツ(bs)のバンド・メンバー、ほぼ全曲その4人(ケニー・マローンのパーカッションとジェシ・ウィンチェスターとのデュオ・ボーカルを除いて)だけで創られたホッコリ、フンワカ……、クレアのボーカルにぴったりのキュートな選曲に、ガース・ブルックスやビル・モンロー・ソングも忍び込ませた楽しいアコースティック作品だ。

SKFR-2020 CHERRYHOLMES『Cherryholmes V:Don't Believe』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付)


 2006年IBMAアワードの最高賞である最優秀エンターテイナーを受賞したのち、格段の成長を見せるチェリーホームズ、スキャッグス・レコードからの第3作である。フライング・ブリトーズ〜J.D.クロウの"Devil In Disguise"以外は、アパラチアン・ケルト感覚を湛えた女性バンジョー奏者としての評価も高い長女シアのオリジナルを中心に、ファミリーバンドというハードルを軽々と超えて、タフなミュージシャンに大きく成長したオリジナル作品集だ。マッチョなチチとハハを越えて、それぞれに凄い大人になっていく子供たちがすばらしい!
■ライブ
 アコースティック音楽の究極アンサンブル=ブルーグラスの醍醐味はライブだ!!
RCSI-1021 MARK NEWTON & LARRY STEPHENSON『Live at Mr. B's』CDR\2,573-(本体\2,450-)

Rose of Old Kentucky/Love Please Come Home/Flint Hill Special/Will You Be Loving Another Man?/Dark Hollow/Roll in My Sweet Baby's 他全20曲

 1988年3月6日にライブ録音、2枚組LPで発表され、当時日本でも話題になったワシントンDC周辺の若手とベテランによる全曲が超有名スタンダード・ブルーグラスのライブが初CD化である。あのビル・エマーソンが全編でバンジョーを響かせ、リッキー・シンプキンズ(f)、ラリー・スティーブンス(m)、ロニー・シンプキンズ(bs)、そして今月来日するマーク・ニュートン(g)が基本バンド。マークとラリーのほか、ゲストボーカルにはジョン・スターリング、ルー・リード、デビッド・パームリーらが複数曲を披露する。こののち、1990年代に訪れるブルーグラス大変革を目前に、1970年代の「DCグラス」のハッピーミディアム・サウンドを超スタンダードで楽しませてくれるお徳用ライブ。

VAN-77004 KENTUCKY COLONELS『Long Journey Home』CD\2,573-(本体\2,450-)


 1964年のニューポート・フォーク・フェスに登場したケンタッキー・カーネルズ、ローランド&クラレンス・ホワイト、ビリー・レイ・レイザム、ロジャー・ブッシュ、1960年代最強のトラッドグラス・バンドのホットな無敵ライブ盤である。

SKFR-9001 V.A.『Celebration of Life:Musicians Against Childhood Cancer』CD2枚組\3,360-(本体\3,200-)


 ブルーグラスの醍醐味、ライブの良さを堪能できる2006年度IBMA最優秀アルバム受賞のオールスター小児がん基金チャリティー作品。今のブルーグラス界を一覧することが出来るホットなライブ全37曲。セルダムシーン、ニューサウスからグラスカルズ、ロンダ・ビンセント、チェリーホームズ、そして大ラスのトニー・ライス "Shenandoah"まで、70年代以降のアクティブなバンドやアーティスト総勢136人参加の究極ライブ。
■日本のアーティスト
MW-001 祇園隆司『GiOn; Club Cats』CD\2,940-(本体\2,800-)

 2000年春、10年の歳月!?をかけて完成したトリプル・フィドル(祇園、岸本一遥、茂泉次郎)を軸にしたビル・モンロー曲中心のストレート・ブルーグラス作品。ボーカル/ギターには笹部益生、故柳沢光昭、奥沢明雄、バックアップには竹内信次(m)、増田浩(bj)、ジョン藤村(bs)、ゲストに有田純弘(bj)、小島慎司(d)、サンディ・ロスマン(m,g)。関東ブルーグラス(祇園は大阪人だが……)の正調ブルーグラスをお楽しみください。奇跡的に!?本アルバム制作経緯の記事のあるムーンシャイナー誌2000年2月号(MS-1704 \525-)の在庫あり。日本ブルーグラスの秀作である!!

RMA-0704 マエドリン・カフェ『cafe "bluegrass』CD\1,500-(本体\1,429-)


 広島〜関西間で活躍する前田宏樹と秋山龍哉の若手ブルーグラス・デュオ「maEdolin Cafe」。若者らしい覇気と指離れの良さから生まれるクリアーなマンドリンとフラットピッキン・ギターで、ふたりのオリジナル・インスト2曲とジミー・ロジャーズやレスター・フラットなどのボーカルものに、ジャズ小品、そしてスタンダードのスロー・ゴスペル・インストからビル・モンローでしめる全8曲、若者らしい向こう見ずな突っ込みがすばらしい。ムーンシャイナー誌2007年5月号(MS-2407 \525-)に特集。

CD-1 とも様キングス『奮発!1800』CD\1,800-(本体\1,714-)


大阪のプログレッシブ・ブルーグラス・バンド、とも様キングスの2003年デビュー作品。関西大学と同志社大学のブルーグラスOBを中心に、佐藤コウスケ(m)、ミナミ大助(bs)、丹羽信博(bj)、奥田武司(drums)、猪口「ドイダーマン」謹一郎(g)。佐藤の力強いテナー・ボイスとオリジナルを軸に、ブルーグラスやアイリッシュのノウハウをベースに、レゲェやサイケロック、歌謡曲や民謡など、こだわりのないセンスを取り入れて仕上げた日本語のプログレグラス。箱根ブルーグラス・フェスの人気投票で連続1位を獲得する彼ら、その元気がいい!

TM-001 トゥデイ『TODAY』CD\2,500-(本体\2,380-)


 神戸を本拠にするコンテンポラリー・ブルーグラス・バンド、トゥデイの2003年作品(前作は91年作のカセット・アルバム)。古里尚美(g)の高音域のボーカルを見事にアレンジした辻隆史(bj)、橋岡重尚(d)、浅見信一or橋岡貴美(bs)に、ゲスト・マンドリンは平井秀道、太田正文、井上太郎。好きな曲を好きなように料理して聴かせる。トゥデイの16年と、アルバム制作記はムーンシャイナー誌2003年5月号(MS-2007 \500-)。
■ブルーグラス・マスターズ
 そのキャリアと才能で地位を確立した巨匠たち
GT7-0639 DON RENO, RED SMILEY, BILL HARRELL & THE CUT-UPs『Live! at Lone Star Festival, 1971』CD\1,260-(本体\1,200-)

 ムーンシャイナー誌9月号では「ビル・ハレル追悼(1934-2009)」を特集。いまやレッド・スマイリー(1925-1972)、ドン・レノ(1924-1984)、とともに誰もいなくなったテネシー・カッタップスの看板たち。本作は1971年、死を半年後に控えたスマイリーがレノとの思い出を大切にするかのように、ハレルとともにすばらしくテンションの効いた約35分のショウ全11曲を収めたもの。3人のほか、バック・ライアンのフィドルとジェリー・マッカーリーのベースの5人組。勢いにまかせた荒っぽい演奏と録音だがブルーグラスのナマの熱気を直に感じることのできる秀作、1977年にアテイラム・レコードからLP発売されたもののCD化である。偉大な第一世代ブルーグラッサーの、凄い熱気だよ。

SD-696 JOHN HARTFORD『No End of Love』CD\2,888-(本体\2,750-)(歌詞付)

 1996年発表の故ジョン・ハートフォード自費制作アルバムが、息子ジェイミーによって限定再プレス。バンジョーとフィドルのジョンに、マイク・コンプトン(m)、ロニー・マッカーリー(g)、ロイ・ハスキーJr.(bs)のブルーグラス編成5楽器によるジョンのストレート!?ブルーグラス集。世界的名曲"Gentle on My Mind"がツーコードのブルーグラスとなる妙に、つくづく感心させられる。クリス・シャープも好んでレパートリーにするカール・バトラー作の1曲を除いてジョンのオリジナル。歌詞付きなのでジョンの大好きな物語やメッセージ/ユーモアが心に響く。2001年に63歳の若さで逝った天才ジョン・ハートフォードのブルーグラスをごゆるりと……。

CCM-2064 FLATT & SCRUGGS『Foggy Mountain Banjo』CD\2,573-(本体\2,450-)


 もう何度目になるか?1961年発売のフラット&スクラッグスによるブルーグラス・バンジョー・アルバム永遠のベストセラー・アルバムが再々再々…CD化である。アール・スクラッグスの天才的スリーフィンガー奏法と、いまだ最高のブルーグラス・アンサンブルと称えられるフラット&スクラッグスの絶頂期、名盤である。ただ、個人的には、当時の発展途上だった録音技術に不満があるが、それを凌駕するスクラッグス美学は必聴。そのバンジョータブ譜は、改訂発行された『Earl Scruggs and 5-String Banjo』(ES-BOOKCD book+CD\6,527-)にある。
 なお、スクラッグス以降のバンジョー奏法を集約して、現代版ブルーグラス・バンジョーのバイブルとして崇められ、第三世代ピッカーに「第二のFoggy Mountain Banjo」と称せられるベラ・フレックの1988年作品『Drive』(ROU-0255 \2,573-)と、そのタブ譜『Drive Tab』(ADBEL-DT01 \2,310-)もお勧めしておきます。

ROU-0582 BOBBY OSBORNE & Rocky Top X-Press『Bluegrass Melodies』CD\2,573-(本体\2,450-)


 その声を聴くだけで涙が出そうになるボビー・オズボーン。弟ソニーとのオズボーン・ブラザーズ解散から2007年の第2作目。76歳でなお鮮烈なその声とマンドリンの突き刺さるような厳しさはモンローとある種同質の激しさで聴くものを圧倒する。本作でも、一見ポップでモダンそうな選曲ながら、どの曲にもすさまじいインパクトが感じられるボビーの精神力がどこから来るのか、ムーンシャイナー2007年9月号特集(MS-2411 \525-)を参照いただきたい。ブルーグラス第一世代の嬉しい元気!!

KCD-7000 STANLEY BROTHERS『Early Starday-King Years 1958-1961』CD4枚組\4,725-(本体\4,500-)
KCD-950 STANLEY BROTHERS『King Years 1961-1965』CD4枚組\4,725-(本体\4,500-)

 上記2作品はスタンレー・ブラザーズがもっともスタンレーらしいキング時代(1958-1965)全集の二部作。ともに期間限定半額特価で再入荷しました。

GT-0955 DON RENO & RED SMILEY『1959-1963』CD4枚組\4,725-(本体\4,500-)

 レノ&スマイリーのキング時代(1951-1963)全集の後編。1963年のDVD、見ました? ほんま、エンターテイナーに徹したブルーグラスです。全102曲。これも期間限定半額特価で再入荷です。
■お宝ブルーグラス
PATUX-136 MAYFIELD BROTHERS『Vintage Recordings 1948-1956』CD\2,573-(本体\2,450-)

 凄いです!! 幻のエド・メイフィールドの超貴重な音源がドバッと21曲、突然出現!! そしてどの曲も、その才能を余すところなく伝えるものすごい演奏(音質は超よくない)。さすが、伝説のブルーグラス・シンガーと呼ばれ、ピーター・ローワンに私淑されていた理由がよく分かる。ビル・モンローのブルー・グラス・ボーイズに1951年から58年の間に3度参加し急逝、ミステリーに包まれていた伝説のエド・メイフィールドの全貌が見えた!! 聴けば分かる!アーリー・ブルーグラス・ファン必聴!!

SF-40092 V.A.『Classic Bluegrass from Smithonian Folkways』CD\2,363-(本体\2,250-)

 フォークウェイズ・レコード(現在、スミソニアン博物館所有)が発表した様々なブルーグラス・アルバムから選ばれた全25曲集。アール・テイラーからビル・モンローまで、ロジャー・スプラング&ドック・ワトソン、ハーリー・アレン&マイク・リリー、バージニア・マウンテン・ボーイズ、ヒュー・ムーア、ヘイゼル・ディッケンズ等々、荒っぽいけれどエネルギーが一杯に詰まったアーリー・ブルーグラスを軸に、普段聴けない楽しいコレクションとなっているお徳用にして、お宝の一杯詰まったアルバム。第2集『Classic Bluegrass from Smithonian Folkways Vol.2』(SF-40163 \2,363-)もある。

M-109 KENTUCKY COLONELS『Bluegrass America』CD\2,888-(本体\2,750-)(紙ジャケット仕様、歌詞付、限定盤)

 1962年9月に録音、翌年10月に発売されたケンタッキー・カーネルズの記念すべきデビュー盤が3曲のボーナス・トラックを付けた特別限定版。ローランド・ホワイトが兵役のために不参加ながら、当時彼らが愛してやまなかったフラット&スクラッグス・サウンドとそのグルーヴに一歩でも近づこうとした努力が、クラレンス・ホワイト(g)の見事なレスター・フラットのリズム、そして完璧なGランになって結実、カーター&ラルフ・スタンレーのプロデュースの下、ロジャー・ブッシュ(bs)、ビリー・レイ・レイザム(bj)、リロイ・マック(d)に、ゲスト・フィドラー、ゴードン・テリーを迎えたアーリー・ブルーグラスの大名盤である。
■ブラザー・デュオ
(最小のバンド・アンサンブルです、皆さんも、夫婦、親子、同僚、他人…、始めませんか?)
OFR-003 HUNGER MOUNTAIN BOYS『Blue Ribbon Waltz』CD\2,573-(本体\2,450-)

 北部マサチューセッツから登場したハンガー・マウンテン・ボーイズ、1930年代に人気のあった兄弟ヒルビリー・デュオを聴かせる2005年作品。日本初期ブルーグラスでヒットしたあの懐かしい"Dreamin'"のほか、ブルー・スカイやルービンズらのカバーはあるものの、ほとんどがオリジナル曲。初期のビル・モンローを思わせるマンドリンとギター・ビートを中心に、2人というコンセプトは変えずにフィドルやドブロを持ち出したりスウィング・ビートを聴かせたり、とても今どきのミュージシャンとは思えないヒルビリーなクローズ・ハーモニー秀作。
■ゴスペル
REB-1687 RALPH STANLEY『Pray for the Boys』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ラルフ・スタンレー、1991年のゴスペル名作。若きアーニー・サッカー(g)のボーカルを、今は亡きカーリー・レイ・クライン(f)とジャック・クック(bs)が支え、ラルフもトレードマークのバンジョーを自ら弾く、死をテーマにした曲が多い、これぞスタンレー・サウンドの醍醐味だ。トラッドの"Wayfaring Strangers"やエイカフの"Serching for a Soldier's Grave"、"Beautiful (Is the Land Where I'M Going)"など、このアルバムの後、企画アルバムが続き、スタンレー・サウンドはしばらく聴かれなくなるターニングポイント作品である。

DUAT-1228 V.A.『Voice of the Spirit; the Gospel of the South』CD\2,573-(本体\2,450-)


 ジェシー・マクレイノルズとブライアン・サットンを従えたマック・ワイズマンのボーカルを1曲目に、アール・スクラッグスのカーター・ファミリー・ピッキンと共に歌う故ジョニー・キャッシュ、ジョン・コーワンとトニー・ライスのボーカル&ギター、その他、メイビス・ステイプルズ、コニー・スミス、ジョン・ランドール等々、そして最後、ゴスペル音楽のルーツを今に伝承するフィスク・ジュビリー・シンガーズからビンス・ギルのすばらしい"What Are They Doing in Heaven?"まで、アパラチアから南部に伝わるゴスペル伝統を、ジョニーとジューンの息子、ジョン・カーター・キャッシュ2006年制作の文句なしの秀作。

CAP-25337 CLUSTER PLUCKERS『Gospel Favorites』CD\2,888-(本体\2,750-)

 マーガレットとクリスの仲良し女性デュオを中心に、ジョン・ハートフォード晩年の美しい音を創ってきたマーク・ハワードらのクラスター・プラッカーズによる有名スタンダード・ゴスペル曲集。"What a Friend We Have in Jesus"、"Angel Band"から"Keep on the Sunny Side"まで、プラッカーズらしい美しい女性ハーモニーと極上アンサンブルの13曲。「スッ」と胸に入ってくるゴスペル秀作です。
近作インスト物お勧め作品
ST-2008 STEVE WARINER c.g.p.『My Tribute to Chet Atkins』CD\2,888-(本体\2,750-)

John Henry/Back Home Again Indiana/Leona/Blue Angel/Chet's Guitar/Silent Strings 他全11曲

 今年度グラミー賞ノミネート作品!! メチャクチャすばらしいトーンで演じられるアトキンズ・スタイルのエレキギターの美しいこと!! スティーブ・ウォーリナー、1976年にチェットに見出されてカントリースターになった彼が、これ以上なくチェットを畏敬するそのギターテクの見事なこと。シンプルで控え目なベースとドラムスを基本に、ジェフ・ガーンジーのすばらしいフィドル/マンドリン、ジミー・マッティングリー(f)、デビッド・ハンゲイト(piano)ら、極力抑えたバックで聴かせる愛と尊敬に満ちた極上のギター音楽をご賞味あれ。ちなみに「c.g.p.」とはチェットの造語で「保障付ギター奏者(Certified Guitar Player)」のこと。

AMA-1051 MIKE MARSHALL'S BIG TRIO『Mike Marshall, Alx Hargreaves, Paul Kowert』CD\2,573-(本体\2,450-)


 マイク・マーシャルの最新作。30年ほど前、神童としてデビッド・グリスマン・クインテットに招かれたマイク、そんな彼が今度は神童ふたりを自身の翼に入れて創り上げたアコースティック・トリオのデビュー作。16歳の天才フィドラー、アレックス・ハーグリーブスと、パンチ・ブラザーズの22歳の天才ベーシスト、ポール・コワートとのトリオはストレングス・イン・ナンバーズがクラシック室内楽を視野に入れた「1989年革命」(ムーンシャイナー誌09年6月号特集参照)の流れを汲む、繊細で緻密なオリジナル曲を聴かせる。クラシックとオールドタイムとニューアコースティックが同居、圧倒的なマンドリン・テクニシャン、マイクがこの20数年で経験してきた大きな世界観が聴きモノだ。彼らの写真がムーンシャイナー1月号の「ウィンターグラス写真リポート」で紹介されてるよ!

KOCH-2024 BELA FLECK, ZAKIR HUSSAIN, EDGAR MEYER『The Melody of Rhythm; Triple Concerto & Music for Trio』CD\2,888-(本体\2,750-)


 1983年にコロラド州アスペンのハーゲンダッツの店先でジャムをして以来、ブルーグラス楽器を別次 元にセットしたベラ・フレック(bj)とエドガー・マイヤー(bs)のふたり組が、またも世界的な音楽家と共演、とんでもない音楽を創り上げた。インドの人間国宝と言われる世界最強のパーカショニスト、タブラ奏者ザキール・フセイン(昨年来日している)を迎えて、バンジョー/ベース/タブラのあたらしいトリオ音楽。3本指ではじけるバンジョーをタブラが勢いつけ、ベースが重厚な輪郭を規定していくトリオで繊細なアンサンブルを味わったあと、途中からデトロイト・シンフォニー・オーケストラが加わり壮大な協奏曲に発展していく。われわれの愛すべきバンジョーが、ブルーグラス奏法でクラシック音楽の協奏曲として地位を築いている……実に爽快!! 今年のグラミー賞クラシック・クロスオーバー最終ノミネート作品。

RSR-20901 CASEY DRIESSEN『Oog』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ブルーグラス・フィドル界の台風の目!?ケーシー・ドリーセンの最新作。シュガーヒルからのデビュー作『3D』(SH-4016 \2,573-)で目からウロコのスタンダード・アレンジでアッと驚かせたケーシー、今回はその前作を激しく上回る世界観を覗かせる。ダレル・スコットのエレキとペダル・スティール、アリソンの弟ビクター・クラウスのベース、マット・チェンバーレインのドラムスとともに、フィドル・イメージを前衛ロックフュージョンの中、自然体で主張する変幻自在の音楽。今回もスタンレーの"O Death"ほか、モンロー・インストや古いカントリーソングのカバーなどの超ぶっ飛びアレンジが収められているスペーシーな無国籍オリジナル。

AMA-1039 MIKE MARSHALL & DAROL ANGER with VASEN CD\2,573-(本体\2,450-)


 アコースティック弦楽器のもっとも偉大な冒険者であるマイク・マーシャルとダロル・アンガーのデュオの2007年作は、北欧スウェーデンのトップ・ストリングバンド、ヴェーセンとの共演作。スリル満点で刺激的な音とそのオーケストレーションは、アメリカ南部のブルーグラス由来の精神と北欧のケルト文化に影響を受けたスウェーデン、そしてブラジル音楽のラテンなども取り込んだ、あたらしいインスト世界、そうマイク・マーシャルの言う「フォーケストラ」、民俗系アコースティック楽器究極のアンサンブルなのだ。

SKFR-1007 RICKY SKAGGS & KENTUCKY THUNDER『Instrumentals』CD\2,573-(本体\2,450-)


 2007年のグラミー最優秀ブルーグラス部門を獲得したリッキー・スキャッグス&ケンタッキー・サンダー初のインスト集。リッキーの音楽に大きな影響を与えた故バッサー・クレメンツやデビッド・グリスマンにささげた曲、ビル・モンローにも通じるアパラチアに入植したケルト系のスコッチ・アイリッシュを偲ぶようなケルト調の曲など、意欲的なオリジナルを中心に、若いアンディ・レフトウィッチ(f)とコディ・キルビー(g)が火を噴き、ジム・ミルズ(bj)がロールで整える。ジェフ・テイラーのアコーディオンとアンディ・スタットマンのクラリネット、そしてストリングスまでもを登場させるリッキー、モンロー晩年の精神性を追い求めているような豪華なブルーグラス・インスト集。
各楽器別インストお勧め作品
(楽器につきましては、楽器本体やパーツから教則物まで、各種取り扱っています。お気軽にお問い合わせください)
■ギター
COMP-4459 RUSS BARENBERG『When at Last』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ラス・バレンバーグ2007年夏発表の最近作、ソロとしては88年『Moving Picture』(ROU-0249 \2,573-)以来、ほぼ20年ぶり。ここでもカリプソ調からアパラチアン、ニューイングランド、ブルース、ケージャン、さまざまな音楽の要素を昇華、見事なメロディーを紡ぎだしつつ、気色いいルーズなリズムに乗って、アコースティック・ファンを癒してくれる。50代半ばらしい大人のアコースティックだ。マーティンが登場せず、ギブソンJ-45を愛しつづける姿勢もいいねぇ。…いい顔になってるねぇ。

OTR-020 V.A.『涙:John Fahey Tribute, Guitar Solo or Something』CD\2,500-(本体\2,380-)


 現在大きなジャンルとなっているソロ・アコースティック・ギターのパイオニアで、オープン・チューニングを駆使して芸術的なアメリカン・ギター・スタイルを確立した第一人者といわれるジョン・フェイヒイ(1939-2001)に、日本のフィンガーピッキン・ギタリストがトリビュート2006年作品。浜田隆史、青柳 学、扇柳トール、小川榎也、小川倫生、亀沢ノリボー、ノダ ゴロー、一 卓嗣、masaki μ、渡辺昭彦の10人が、それぞれに表現するオリジナル作品集。ちなみにジョンはギタリストであると同時にタコマや、晩年にはレベナントといったレーベルを立ち上げ、マイク・オルドリッジやスタンレー・ブラザーズ、ドック・ボッグスなどの歴史的名盤を発表しているし、また彼のすばらしい著書『How Bluegrass Music Destroyed My Life(以下にブルーグラスがわが人生を破壊したか)』で、ブルーグラスとの出会いが彼の音楽人生を決定したことが述べられているなど、ブルーグラスやオールドタイムのシンパだった。ともあれ、10人の日本人アコギストがそれ ぞれにジョンへの思いをぶつけている。

ROU-11622 TONY RICE『Bluegrass Guitar Collection』CD\2,573-(本体\2,450-)


Tipper/Monroe's Hornpipe/Blackberry Blossom/Whitewater/Foggy Mountain Rock/Home Sweet Home/Bill Cheatham/Soldier's Joy/Cheyenne/Big Mon 他全21曲

 1970年代以降のブルーグラス・ギターに革命的な貢献をしたトニー・ライス決定盤!! 自ら選曲・解説した上記、さまざまなセットでの録音も楽しめる現代ブルーグラス・ギターの究極ベスト20曲集。

ACD-43 FRANK VIGNOLA『Blues for Gypsy』CD\2,573-(本体\2,450-)


 1965年生まれで、若くしてジャズ・ギターのトップ・アーティストとなったフランク・ビニョーラが、2001年にジャンゴ・ラインハルト以来のジプシー・ジャズ・ギターにギター一本のソロで挑んだデビッド・グリスマン制作の意欲作。この後、フランクはマーク・オコナー・ホット・スウィング・トリオのメンバーとしても活躍をはじめている。

FGM-124 ROBERT BOWLIN『Six String Soliloguy』CD\2,888-(本体\2,750-)


 1979年のウィンフィールド全米フラットピッキン・チャンピオン、ロバート・ボウリンの2007年作品。フォスター名曲など4曲のトラッドを除いて11曲のオリジナルの全16曲、ギター1本だけのフラットピッキンという設定にもかかわらず、開放弦の響きを最大限に生かしながら広がりのある美しいサウンドを構築しているのは、カントリー・ガゼットからビル・モンローへと、ローランド・ホワイトのそばにずっといたクラレンス・フリークらしい繊細さ。ほとんどの曲をトーマス・アントン・ベッドナーク1976年作の美しいトーンのギターで弾いている。
■バンジョー
(ムーンシャイナー連載のチチ松村「バンジョー祭り」と、吉岡正の「闘魂(talk-on)バンジョー」もお見逃しなく!!)
REB-7513 JIMMY ARNOLD『Riding with Ol' Mosby』CD\2,079-(本体\1,980-)

 伝説のバンジョー奏者ジミー・アーノルド。1992年、40歳の若さで他界した天才バンジョー、フィドル&ギターの達人。大塚章と廖学誠、マイク・オルドリッジらが大活躍の1974年作『Strictly Arnold』から7曲、76年の未発表ギター・インスト2曲、82年の『Rainbow Ride』から5曲(内1曲未発表)、83年のボーカル作品『Southern Soul』から3曲のベスト17曲集、フォスターをはじめ有名曲満載で選曲も秀逸のすごいアルバム。ムーンシャイナー誌09年2月号(\525-)特集「闘魂バンジョー」参照。バンジョー奏者必聴必携!!

BJK-2071 BOBBY THOMPSON『Thompson Picks』CD\2,888-(本体\2,750-)


 私個人的には、アール・スクラッグスの次に大きな影響を受けたバンジョー奏者、ボビー・トンプソンの名が冠された初のソロ・アルバム。共にここに収められているエリア・コード615での"Classical Gas"と、シングルのみが発表された超伝説的な2曲"Foxfire"と"Devil Dance"で、バンジョーという楽器をまったく別次元の楽器に持ち上げた偉大なアーティストである。本作は、自家録音のソロにはじまり、ジム&ジェシーや上記3曲の歴史的音源、また、エリアコード615のアウトテイクと思われる未発表の"Tennessee Green"や"John Henry"、ライブ音源などを集めた自費制作盤。5弦バンジョーをもっとも多くの米国人に聴かせ、ベラ・フレックにバトンタッチするまで、バンジョーを一般化した最大の功労者である。バンジョー小僧必携の1枚!! なお自費制作品の第二弾『Thompson Picks Some More』(BJT-2076 \2,888-)もある。ムーンシャイナー2006年5月と6月の連載で追悼大特集あり。

VAN-79477 ALISON BROWN『Look Left』CD\2,573-(本体\2,450-)


 アリソン・ブラウンの1994年作品。ラテンやニューエイジ、アイリッシュやジャズなどを包括しながら、聴きやすく、同時に高いレベルの音楽性が楽しめる秀作で、マイク・マーシャル(m)や故バッサー・クレメンツ(f)、シーマス・イーガン(penny whistle)らをゲストに、キーボードやフルートなども加え、こののち、アリソン・ブラウン・カルテットとしての彼女のオリジナルなサウンドが出来上がっていく端緒となった作品。

NR-2007 PETER WERNICK & FLEXIGRASS『What The』CD\2,573-(本体\2,450-)


 バンジョー博士ピーター・ワーニックの新ユニット、フレキシグラスのデビュー2007年作品は、ジャズコンボにバンジョーと、ノンディこと妻、ジョアン・ワーニックの味のある女性ボーカルをメインにしたアンサンブルだ。ヴィブラフォンやクラリネットとバンジョーが見事に違和感なく溶け合う。ポピュラーな「スノウバード」をはじめ、スタンダードを随所に散らせながら、ピートのトラッドグラス曲も炸裂、ジャンルの壁など感じる必要のない自然なアンサンブルに仕上がった秀作だ。ジャズグラスというレベルを離れ、まったく違和感のないブルーグラスとジャズの爽快なサウンドが快適な全14曲。

PC-6514 KRISTIN SCOTT BENSON『Second Season』CD\2,573-(本体\2,450-)


 2008年のIBMAアワードで、女性としてアリソン・ブラウン以来の17年ぶり、最優秀バンジョー奏者に輝いたクリスティン・スコット・ベンソンの最新ソロ第2作。そして2008年11月末からザ・グラスカルズに加入、2009年のIBMAアワードでも最優秀バンジョー連続受賞!! 2002年のデビュー作『Straight Path』(PC-6502 \2,540-)から6年、夫のウェイン・ベンソン(サード・タイム・アウト)とともに子育てに励みながら創り上げたバンジョー・アルバム。オリジナルとトラッド・アレンジにボーカルもの4曲のオズボーン・チーフ・バンジョーのウッディで上品な響きを丁寧に表現する。2009年1月号「闘魂バンジョー」特集。
■マンドリン
AR-2009 HERSCHEL SIZEMORE『B-Natural』CD\2,573-(本体\2,450-)

 1960年代からディキシー・ジェントルメンやシェナンドー・カッタップスで知られるハーシャル・サイズモア(74)の最新オリジナル・インスト集。自身のマンドリンのみならず、テリー・バウカム、ロン・スチュワートらのバンジョーやフィドル・チューンに仕上げた1曲目と2曲目ほか、どの曲も無理のない上品!?なインストになっている。そう、インストといっても、無理に聴かせ所を作らなくても、自然に沸いてくるメロディを素直に演じていいんだ。その中から自身の楽器スタイルがにじみ出るような職人芸を聴かせるハーシャル、テリーとロンに、アラン・バイビーのリードギターとハーモニー・マンドリン、そしてリズム隊はジミー・ヘイリー(g)とマイク・バブ(bs)というガッチリ編成。ずーっと昔から複数のロイド・ロアーを所有する根っからのマンドリンっ子が創った、シンプルで上品な、ハーシャルの年輪を感じさせる深いインスト集。

COMP-4503 MATT FLINNER TRIO『music du jour』CD\2,573-(本体\2,450-)


 超マルチプレイヤー、マット・フリナーのマンドリンを中心に、ロス・マーティン(g)、エリック・ソーリン(bs)によるアコースティック・トリオのデビュー2009年作。マットのブルーグラス出身感覚とロスとエリックのフレキシブルな感性が出会い、3人が各4曲の全12曲。2006年夏からツアーとリハーサルを繰り返して準備したというスリリングでデリケートなライヴリーなアンサンブルを聴かせてくれる。コリングス・ギターとギルクリスト・マンドリンの美しい響きもご堪能ください。

PATUX-182 FRANK WAKEFIELD『Ownself Blues』CD\2,573-(本体\2,450-)


 「怪物!」という敬称がピッタリのマンドリン・グル(導師)、フランク・ウェイクフィールドの最新作は、最高作と思わせる秀作。ワシントンDC周辺の若者たち、まさに75歳の彼にとっては孫世代のスーパーピッカーたちを得て、そのウキウキとした様子が目に浮かぶようなすばらしいブルーグラス作品。ビル・モンローよりも「モンローらしい」と言われたというフランク。本最新作でもその旺盛な創造力は衰えず、一聴するだけでは「バタバタバタバタ……」という印象の、その一音ずつに魂が聴こえるのは晩年のモンローに匹敵する凄さだ。

SAR-2256 V.A.『The Road Home; Tribute to Butch Baldassari』CD\2,573-(本体\2,450-)


 咋年1月10日、56歳の若さで他界したブッチ・バルダサリ追悼アルバム。本作は収益を息子ブレイクの大学費用に充てるもので、ブッチの仲間たちが1曲ずつ提供、ジョン・カーリニ、ティム・オブライエンやサム・ブッシュ、デビッド・グリスマン、マイク・コンプトン、リッキー・スキャッグス、ローランド・ホワイトほか、そしてナッシュビル・マンドリン・アンサンブル"Butch's Bounce Back"が締める全20曲。マンドリン・ファンのみならず、アコースティック音楽ファンにはお勧めの秀作である。
■フィドル
PATUX-177 NATE LEATH + FRIENDS『Rockville Pike』CD\2,573-(本体\2,450-)

 少年時代から注目されていた天才ネイト・リースの最新作は、話題の「ニュー・オールドタイミー」を担う10代から20代前半の若いスーパーピッカーたち――ふだんは前衛グラスやジャズで遊ぶ彼ら――の本気オールドタイム。12歳の天才少女タティアナ・ハーグリーヴス(f)、18歳の「女ティム」サラ・ジャーロズ(bj)、バークリー音楽院でラップグラス!?するエリック・ロバートソン(m)ら若者たちにベテランのダニー・ナイセリー(g)、マーク・シャッツ(bs)らが基本セット。伝統オールドタイム精神を咀嚼しつつ、ギリアン・ウェルチ作品や有名曲を並べ、アルバムとしての面白さも音楽の質と同時に満足させてくれる秀作。本物の魂に近づきたいブルーグラッサーにぜひ勧めたい名品だ。

SKFR-2009 ANDY LEFTWICH『Ride』CD\2,573-(本体\2,450-)


 現在もっとも旬なマンドリン&フィドル、若干23才アンディ・レフトウィッチのデビュー作品。リッキー・スキャッグス・バンドで「えっ!?」と思うようなマンドリンが聴こえたら、それはリッキーじゃなくアンディ。本作はフィドル・メインながら、マンドリンも一杯楽しめる2003年のデビュー作品。

COL-07418 MARK O'CONNOR『The Essential Mark O'Connor』CD2枚組CD\2,573-(本体\2,450-)


 昨年のIBMAにサプライズ・ゲストとして登場したマーク・オコナー。クラシック界で大ヒットした"Appalachian Waltz"からソロの"Amazing Grace"まで、ヨーヨー・マとエドガー・マイヤーとのトリオ、ウィントン・マーサリスらとのジャズなどのコンボやソロなどの15曲を1枚目。2枚目にはロンドン・フィルやナッシュビル・シンフォニーらとの8曲。あくまでもアパラチア、アメリカン・フィドルという感覚を持ちつづけながら、クラシック界で活躍するマークの2枚組ベスト集。

RHY-1029 JIM VAN CLEVE『No Apologies』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付)


 現在もっともアグレッシヴなブルーグラス・フィドラー、マウンテン・ハートのジム・バンクリーヴのデビュー・ソロ2006年作品。インスト6曲とボーカル5曲、アダム・ステッフィ(m)、クレイ・ジョーンズ(g)、ジェイソン・ムーア(bs)、ロン・スチュワート(bj)、ロブ・アイクス(d)の6人を基本に、ブライアン・サットン(g)を5曲で起用。なぜ?60年前に完成されたブルーグラスが半世紀を経た今も、執着と挑戦の対象であり続けるのか、つまりそれがブルーグラス……、五つの楽器が一瞬の隙も見せずに、ひたすら緊張し続ける音楽だから。……凄い!!
■ドブロ
BCD-16987 LEON McAULIFF『Tulsa Straight Ahead』CD\3,255-(本体\3,100-)

 あの名曲"Steel Guitar Rag"を書いたスティール・ギタリスト、レオン・マコーリフ(1917-1988)がボブ・ウィルスのもとを離れて戦後、自身の名義でコロムビアに録音した33曲。第二次世界大戦をはさんだスウィング・ブームに乗って、スムースなボーカルとぶっ飛びスウィンギーなフィドルで1930年代中ごろに確立したウエスタン・スウィングがロカビリーの時代へと向かおうとするホットな演奏を集めたもの。現在のドブロにも大きな影響を与えた初期のスティールギター名演である。

PATUX-037 DONNIE "DOBRO" SCOTT『Generations』CD-R\2,573-(本体\2,450-)


 ワシントンDC地区で「ドニー・ドブロ」として知られる60才を迎えたドニー・スコット、子供の頃にラジオで聴いたフラット&スクラッグスのジョッシュに憧れて、トラック運転手をしながら30才になってドブロを弾きはじめたという。妻のバーバラのボーカル、息子ジョセフ(m)を中心に、マーク・ディレーニー(bj)やネイト・リース(f)らをバックに、ローカル色一杯の自家制作らしい作品。インストは"I'll Be All Smiles"や"Lovesick Blues"などの6曲。テクニック的には派手ではないが、愛情一杯の暖かい音が響いている。

SH-4041 ANDY HALL『Sound of the Slide Guitar』CD\2,573-(本体\2,450-)


 2008年IBMA最優秀インスト・アルバム受賞作品。デビッド・グリア(g)、ロブ・アイクス(d)、ティム・スタッフォード(g)、ジェシ・コッブ(m)との各デュオ4曲、自身のバンド、ストリングダスターズとの5曲(内1曲はボーカル)、そしてノーム・ピケルニー(bj)を加えた1曲、ノーマン・ブレイクのメドレーをソロで演じる1曲の計11曲。ムーンシャイナー誌2009年5月号の表紙を飾ったアンディ・ホール、バークリー音楽院に入ってからブルーグラスをはじめたというユニークな経歴の持ち主だ。
■ベース
K2B2-3569 BUELLGRASS『All Strung Out. Adventures in Buellgrass』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ジャズ・ベーシストのビュエル・ネイドリンガーが率いるビュエルグラスの1982年から2005年までの未発表曲集。ビル・モンローとセロニアス・モンクらの作品を演じた1曲目から4曲目は96年録音のダロル・アンガーとリチャード・グリーンらとの弦楽四重奏。99年録音の5曲目から7曲目はトラッドグラスやブラザー・デュオで、天才ダニー・バーンズ(bj)やロバート・ボウリン(f,m,g)との録音。2005年録音は、ルーシー・ドーンフェルドらとオールドタイムのクルーヴを弦楽五重奏にアレンジ。そして最後、11曲目から13曲は1982年の、アンディ・スタットマン、リチャード・グリーンらとのライブで、「ダニー・ボーイ」など。どこを切ってもスリリングでユニークな楽しい演奏が楽しめる。
オールドタイム&フォーク新入荷
COMP-4517 CATIE CURTIS『Hello, Stranger』CD\2,573-(本体\2,450-)

100 Miles/Walking on a Vine/Tuesday's Dead/Be 16 with Me/Dad's Yard/I Wish I Knew How 他全11曲

 癒し系女性シンガーソングライター、ケィティ・カーティスが、タイトル曲のカーター・ファミリーからキャット・スティーブンスやリチャード・トンプソンらのカバーとオリジナルを、ナッシュビルのアリソン・ブラウン・コネクションで創り上げた気持ちのいいアコースティック作品。トッド・フィリップス(bs)とケニー・マローンが趣味のいいリズムを創る中、ステュアート・ダンカンのフィドルが全面でグルーヴを支配するようなすばらしい効果を生み(彼のクロウハンマー・バンジョーも秀逸!!)、ブルース・ホーンズビーやジェイムズ・テイラーのギタリストを経て現在ボニー・レイット・バンドにいるジョージ・マリネリのギター/マンドリン/ドブロ、アリソン・ブラウンが効果的にバンジョーで参加、ダレル・スコット(g)がハーモニーをつける。ケィティ自作曲の"Passing Through"ではカーター・ファミリーを思わせるようなシンプルさを、また"Deliver Me"ではアリソンの美しいバンジョーをバックにしつつチョッと都会の女性らしさを聴かせ、全編で美しいメロディと肩のこらないリズム、そして癒し系のボーカルで安らげる作品になっている。

STONY-1332 MARIA MULDAUR & Her Garden of Joy CD\2,888-(本体\2,750-)


Diplomat/Shout You Cats/Ghost of the St Louis Blues/Let It Simmer/Sweet Lovin' Ol' Soul 他全12曲

 「アメリカン・ルーツミュージックのファースト・レディ」という異名を持つマリア・マルダーの最新作は、彼女のルーツに戻ったすばらしいジャグバンド作品集。ジョン・セバスチャンやデビッド・グリスマン、フリッツ・リッチモンドらのかつてのバンドメイトやダン・ヒックスやタジ・マハールらのゲストを迎え、スージー・トンプソン(f)やダニー・キャロン(g)を従えて、1930年代のノスタルジックなジャグを迫力満点に歌い飛ばす。ライ・クーダーやクラレンス・ホワイト、グリスマンやエイモス・ギャレットほかのバックアップでジミー・ロジャーズからドリー・パートンなどの名曲を演じた1973年のデビューアルバム『Maria Muldaur』から"Midnight Oasis"というポップヒットを生み出したマリア、当時の妖しさから迫力を増したボーカルは「ルーツミュージックの大姉御」とでも呼ぶにふさわしいインパクトだ。

RB-1001 RAINY BLUE『Folk Songs U/帰郷』CD\2,000-(本体\1,904-)

夢見たものは/今宵の物語/アラン島/くろがね/ノクターン/チカチカのほとり/雨の遊園地 他全13曲

 大阪で活躍するレイニー・ブルーの3枚目最新作。5人組のモダンフォーク・バンドだが、マンドリンを取り入れ、その響きをうまく利用したクリオールっぽいカリプソやフレンチっぽいワルツ、ギターのリズム/コードにバリエーションを持たせたカントリー風やラグタイム風など、サウンド的に幅広い構成となっている。全曲メンバーが持ち寄った日本語オリジナルで、立ち上がりのきれいな森野 香の女性ボーカルを中心に小島常男、根来増典、野田 拓、沢井俊男の懐かしい60年代フォークを思わせる男性ボーカル/ハーモニーなど、モダンフォークというアイデンティティを失わず、のびのびと自分たちの音楽を創っている。昨秋「日経おとなのバンド大賞」で審査員奨励賞を獲得した実力派。
オールドタイム&フォークお勧め作品
■オールドタイム
AJ-5050 内田昭弘、福田淳一郎『50x50=25.00』CD\1,500-(本体\1,429-)

 昨秋ムーンシャイナー誌10月号で安川直樹さんがインタビュー紹介してくれた内田昭弘、ブルーグラスがスタートだったがオールドタイム・フィドル&バンジョーの魅力に取りつかれたのだと言う。ブルーグラス/フォーク/カントリーなど、どの音楽もその基本にあるツービート、クロウハンマーの達人、福田淳一郎とのデュオで、そのもっともプリミティブなスタイルのリズム・グルーヴが聴けるすばらしいフィドル&バンジョー集である。

SD7-0840 A.L.PHIPPS FAMILY『Old Time Mountain Pickin' & Singin'』CD\1,260-(本体\1,200-)

 オリジナル・カーター・ファミリーの伝統をそのまま受け継いだことで知られるフィップス・ファミリーのアルバムが初めてCD化。1960年代初期のフォーク・リバイバルの中、フォークウェイズやスターデイ、パインマウンテンなどにアルバム13枚を残した彼ら、本作は1962年のスターデイ作品。カーター・ファミリーの出身地からクリンチ山脈の北、カンバーランド・ギャップを越えた東部ケンタッキーの出身であるフィップス一家は、代々伝わるアパラチアの民謡をギターとオートハープ、そして男声によるバス・ボーカルと女声にるデュオといったカーター・スタイルを踏襲する。A.P.カーターとの親交でも知られ、ともにレコーディングも残している。カーター・ファミリー・ファンには嬉しい、初CD化。

OLD97-008 RED STATE RAMBLERS CD\2,573-(本体\2,450-)

 2007年4月にクリス・シャープ・バンドのベーシストとして来日したケビン・ケールバーグの参加するレッド・ステート・ランブラーズ。フィドル、クロウハンマーバンジョー、ギター、ベースの典型的なオールドタイム・ストリングバンド音楽を中心に、ところどころにケンタッキーのオハイオ河にミシシッピから遡上してきたジャグ/ラグタイム、ケンタッキーのモンロー・ブラザーズなど18曲。
■フォーク
DUAT-1211 NORMAN & NANCY BLAKE『Back Home in Sulphur Springs』CD\2,573-(本体\2,450-)

Columbus Stockade Blues/Girl I Left in Sunny Tennessee/We Parted by the Riverside 他全14曲

 ノーマン・ブレイクの2006年作品。まさに仙人的な心境とでもいうか、フラットピッカーとしての気負いなく、飛行機に乗らず、ジョージアの田舎に住みながらマイペースでアメリカン・トラッド・フォークを演じてきたノーマン、アパラチア山脈の最南部から、きっとA.P.カーターと同じような気持ちでトラッド・チューンを暖めてきたのだろう。結婚30年という妻ナンシーとともに、夫婦ふたりだけですばらしいトラッドソング集を成した。歌物ながら、ギターにも注目!

LBCY-317 STANLEY SMITH『Since I Met You Baby』CD\2,500-(本体\2,381-)


 いわゆるアコースティック・スウィングの、一番気持ちいいところを聴かせるテキサス男、いい年の取り方をしたんだろうと思わせるスタンリー・スミス。その嗄れ声と軽妙なバックアップ、悠々自適にブルースとアーリー・ジャズをお洒落に聴かせる「ベスト・オブ・スタンリー・スミス」と銘打った日本編集ベスト。大人のアコースティック音楽。

JSP-7781 V.A.『When the Levee Breaks: Mississippi Blues Rare Cuts 1926-1941』CD4枚組\5,775-(本体\5,500-)


 戦前録音のミシシッピ・デルタの黒人ブルース、ロバート・ジョンソンからサン・ハウス、サム・バトラーやブラインド・ウィリー・レイノルズほか、さまざまなアーティストの、録音に残る貴重な、いわゆる原初的ブルースの全100曲集廉価セット!! これワンセットでデルタ・ブルースの真髄OKだよ!!

ROU-3018 V.A.『Woodstock Mountains: More Music from Mud Acres』CD-R\2,573-(本体\2,450-)


 故ジョン・ヘラルドの"Bluegrass Boy"を1曲目に、ジム・ルーニー&ビル・キースのフラット&スクラッグスやエリック・アンダーソンのジミー・ロジャーズのカバー、その他、ポール・シーベル、ハッピー&アーチ・トラウム兄弟、ジョン・セバスチャン、ポール・バターフィールド等々、ニューヨーク州のアパラチア最北端、ウッドストックでアメリカ東部のフォークやブルースを支えてきた大物たちが一堂に会して楽しんで創ったマッド・エイカーズの1977年第二作。60年代のフォーク時代を過ごした人たちが知るべきルーツを見据え、ロック/ブルース/ブルーグラス/カントリーが輪になって楽しめる70年代フォーク秀作。

SH-1076 TERRY ALLEN『Amerasia』CD\2,750-


 フォーク、シンガー・ソングライター、オルタナ・カントリー、アメリカーナ…どう呼ぼうと結構、テリー・アレンが1985年に録音、同名映画のサントラとして1987年に発表した名作CD化。東南アジアでのアメリカを批判的に描いたメッセージ作品で、共同制作にロイド・メインズ(ディキシー・チック=ナタリーのお父さん)。リトル・フィートに"New Delhi Freight Train"などの曲を提供したことで知られるテリー、西テキサスのラボックにありながら、この作品でもタイのバンドとのコラボレーションを含め、広い視野のボーダーレス音楽がすばらしい。
■日本のアーティスト
K50-0002 北村 謙『Banjo ひとり旅』CD\3,000-(本体\2,858-)

 日本全国、バンジョーを抱えてひとり旅をつづける北村謙、ソロアルバムとしては2枚目最新作。1曲目からウグイスが鳴く里山かと思えば、次にブギウギに琴がポロローン、3曲目ではクロウハンマーとスリーフィンガー・バンジョーに乗って……、日本フォークの流れを汲みながら独自のサウンドを創っている。中学三年でバンジョーと出会ったという北村謙、その後のモダンフォークとブルーグラスを経て、1970年から高石友也とバックステップカントリーバンド、はしだのりひことエンドレス、ばっくすばにい等で活躍、93年にカムバックして少年倶楽部を結成、2001年にはナッシュビルでブライアン・サットンやビル・キース、バイロン・バーラインらを迎えた初のソロアルバム『桜の島の風の中にいる』(K50-0001 \3,000-)を発表、同時にバンジョー弾き語りとしてのソロ活動『Banjoひとり旅』をはじめている。昨年はクロウハンマー・バンジョー教則本『KEN's style Melodic Clawhammer Banjo』(ムーンシャイナー誌2008年3月号参照)を発表、独自のクロウハンマーと日本的な詩情を組み合わせたオリジナル世界を創っている。アルバムの詳細や曲目解説はムーンシャイナー2009年12月号。

TT-2008 高石ともや『詩歌集〜もう一歩』CD\1,500-(本体\1,429-)


もう一歩/水は頑張らない(水のものがたり)/Run River Run!(いび川マラソン・テーマ曲)/街 全4曲

 高石ともやの2008年発表4曲収録のミニアルバム。マーティー・ブレイシーのパーカッションに自身のギター、バンジョー、ペニーホイッスル、そして村尾あいと古河さち子がボーカルでサポートするシンプルな作品。

TRYS-1212 『坂庭省悟メモリアル・アルバム 心の旅』CD3枚組¥5,250-(本体¥5,000-) [限定盤]


 ブルーグラッサーにもシンパの多い坂庭省悟がこの世を去り、早くも6年の歳月が流れた。 今でも歌い継がれているヒット曲「花嫁」の作曲者であり「はしだのりひこ&クライマックス」の一員でもあった彼。以降、「高石ともや&ザ・ナターシャーセブン」「笠木透とフォークス」「SAM」と沢山の場面で歌い、楽器の演奏をして来た。そんな彼が残した足跡(ライブ)とスタジオや自宅でのデモなど数百本におよぶ膨大なテープ。その中から抜粋し3枚組のメモリアル・アルバムにした。たっぷりのトークも聞き所という。
カントリー新入荷
EMI-96576 ROSANNE CASH『The List』CD\2,783-(本体\2,650-)

Miss the Mississippi and You/Take These Chains from My Heart/I'm Movin' on/Silver Wings/Bury Me Under the Weeping Willow 他全12曲

 ポップ・シンガーとして確固たる地位を築いたロザンヌ・キャッシュが心のふるさと、カントリーの世界に帰ってきた話題作。彼女が18歳のときに今は亡き父ジョニー・キャッシュから手渡されたリスト、シンガーとして心に刻んでおくべき"100 Essential Country Songs"、そこから厳選した12曲。ジミー・ロジャーズとカーター・ファミリーを前後に配し、アコースティック・スタイルをベースとした抑制されたカントリー・サウンドで、ハンク・ウィリアムズからボブ・ディランまで、アメリカン・ミュージックのアイコンたちの名曲に、オリジナルに敬意を表しながら独自の解釈で新たな命を吹き込んでいる。ブルース・スプリングスティーンとのドン・ギブソン・クラシックや、エルヴィス・コステロとのレイ・プライス・シャッフルなど、聴きどころ満載。ロザンヌのハートフェルト・ヴォーカルが胸に迫る。(宇野誠之)
カントリーお勧め作品
BCD-16928 GEORGE JONES『Walk Through This World With Me:The Complete Musicor Recordings 1965-1971(Part 1)』CD5枚組+本\17,325-(本体\16,500-)

 初期ジョージ・ジョーンズ全集の第2弾、ミュージコー編(1965〜71年)の第一部CD5枚組全193曲。彼がユナイト(UA)そしてミュージコーに在籍した10年足らずのこの期間こそは、もっともジョージ・ジョーンズらしかった時代、ウェストコーストに君臨したバック・オウエンズという強力なライヴァルと競い合って、ナッシュヴィル・カントリーの本流を守り抜き、ポップに流れていた状況を一変させたストレートかつ重厚なサウンドを完成に導いた時期として、歴史に残っている。「キング」ジョージ・ジョーンズのすべてがここに!!(宇野誠之)

SH-4058 NITTY GRITTY DIRT BAND『Speed of Life』CD\2,573-(本体\2,450-)


Tulsa Sounds Like Trouble to Me/Goin' Up Country/Jimmy Martin/Brand New Heartache 他全13曲

 バンド結成から43年、ニッティ・グリティ・ダート・バンド5年ぶりのスタジオ新録音最新作。前作『Welcome to Woody Creek』('04)発表後にジム・イボットソンが脱退したものの、しばらくバンドを離れていたジョン・マッキュエンもバンドに戻っており、レイドバックした明るいウエストコースト・カントリーロックの王道サウンドのNGDBは健在だ。ジェフ・ハンナ、ジミー・ファッデンとジョンのオリジナル・メンバーに76年に加わったボブ・カーペンターというコア・メンバーで、ジョージ・メッセンバーグとジョン・ランドールのプロデュース。タイトル曲はゲイリー・スクラッグス作。「ジミー・マーティン」なんて洒落た曲!?もある。

LCR-9012 MARK CHESNUTT『Rollin' with the Flow』CD\2,783-(本体\2,650-)


 故郷テキサスの大先輩ジョージ・ジョーンズをして「この若者はホンモノだ」といわしめたデビューから20年、トラディショナル・カントリーのともしびを守り続けるマーク・チェスナットの最新作。インディーでの3枚目となる今作も、スティールを前面に押し立てた正しいカントリー・スタイルに、ディープなバリトン・ヴォイスが心に沁みこんでくる、テキサス・ホンキー・トンクの王道を継承した「ホンモノ」に仕上げている。(宇野誠之)

THERE-005 ROWAN BROTHERS『Crazy People』CD\2,573-(本体\2,450-)


 寒い季節に暖かくなれる、これほんま、秀作です。ブルーグラス・カリズマ、ピーター・ローワンが弟ふたり、俳優でもあるローリンとクリス・ローワンとともに創ったノスタルジックで暖かいアメリカン・ミュージック。全編、オールディーズの雰囲気を漂わせながらのアコースティック・スウィングとカリプソ、そしてテックス・メックスのハッピー・ミュージック!! ジェリー・ダグラス、フラコ・ヒメネス、エドガー・マイヤー、サム・ブッシュ他。とても幸せになれる2002年発表の素晴らしいアコースティック・カントリー極楽作品。

SH-4053 RED STICK RAMBLERS『My Suitcase is Always Packed』CD\2,573-(本体\2,450-)


 ケイジャンとスウィング/ホンキートンクとのハッピーな出会いを聴かせるレッド・スティック・ランブラーズ、シュガーヒル・デビュー作『Made in the Shade』(SH-4038 \2,573-)につづく第2弾(バンドとしては5枚目)。ブルーグラスやオールドタイムでも知られるケビン・ウィマーとリンゼイ・ヤング(リード・ボーカル)のツイン・フィドルを中心に、チャス・ジャスタス(g)、エリック・フレイ(bs)、グレン・フィールズ(drums)の5人組。アメリカ南部ルイジアナのフランス系住民が伝えるケイジャンと、フランスやスペイン人と先住民や黒人らとの混血で生まれたクレオール文化とが出会ったストリングバンド音楽は、底抜けに騒々しくて熱くなる知られざる南部音楽だ。軽々とジャンルを超えて、アメリカ南部の土地が持つ熱気を吸い上げたような南部サウンドがとてもヒップだ。

WB-79928 EMMYLOU HARRIS『All I Intended to Be』CD\2,573-(本体\2,450-)


 エミルー・ハリス、5年ぶりの2008年作品は初期プロデューサー、ブライアン・エーハーンを迎えた意欲作。ケイト&アンナ・マッガーリグル姉妹との共作/共演2曲やオリジナル4曲のほか、マール・ハガードやパティ・グリフィン作品やトレイシー・チャップマンやビリー・ジョー・シェバーらのカバーでドリー・パートンやジョン・スターリングとのデュオ、またバックアップはこれまでエミーと関係の深い連中が顔を揃えている。

TL-24922 HANK WILLIAMS『Revealed:The Unrreleased Recordings』CD3枚組 \5,040-(本体\4,800-)


 廃棄寸前に救出された貴重極まりない音源をリリースするハンク・ウィリアムズの『Mother's Best』シリーズ第3弾は、再びCD3枚にピークを迎えた時期のハンクの絶唱を収めたボックス・セット。今回は各ディスクにサブ・タイトルをつけて、ヒット曲集、サザン・ゴスペルそしてリューク・ザ・ドリフターというテーマの元に集めたもの、そこに、各巻にそれぞれコンプリートなかたちで残された『Mother's Best』のプログラムを収録するという、贅沢な構成をとっている。最初のボックス・セット同様、ハンクのヒット曲の数々はもちろんだが、オフィシャルにはレコーディングしていない、ここでしか聴けない曲も多く含まれている。そしてコンプリート・ショウでは、ヒット曲やゴスペル、バンド・メンバーをフィーチュアしたインストなどをハンクの語りで進行していくという、当時のラジオ・ショウのティピカルなフォーマットにのったスムーズな運びが興味深い。全部で143曲発掘されたという『Mother's Best』、まさにお宝の名にふさわしい貴重なものである。(宇野誠之)
■日本のカントリー・アーティスト
TF-0005 福原照晃『古き佳きカントリーを唄う』CD\3,000-(本体\2,857-)

Dear Hearts and Gentle People/Cold Cold Heart/Love's Gonna Live Here//Wild Side of Life/Singin' the Blues/Oh Lonesome Me 他全20曲

 1960年代から同志社大学マジカル・プレイボーイズの花形シンガーとして知られる福原照晃の2008年作品。尾崎孝のスティールギター、萩野信彦のエレキ、岸本一遥のフィドル、奥沢明雄のアコギとハーモニーらとともに創ったタイトル通り、"Tennessee Waltz"をはじめ、ボブ・ウィルスからハンク・ウィリアムズ、ドン・ギブソン、バック・オウエンズなど、カントリー名曲20曲集。

BPCB-0055 COSMOPOLITAN COWBOYS『Second Country』CD\2,000-(本体\1,905-)


Orange Blossom Special/赤い川谷(Red River Valley)/Dirty Old Town/犬小屋ソング(Move It on Over)/Mr.Bojangles/ワゴンに乗れば/ばんじょーぼうい.

 着眼と発想が衝撃的なコスモポリタン・カウボーイズの2009年最新第2作。ハル宮沢の日本語詩と歌、パパふんじゃら(藤原弘昭)のフィドルとバンジョー、グラシャス坂井のマンドリンに、ベース、ドラムス、サックス、パーカッションといった重武装で曰く、「極東=場末のヒルビリーたちが奏でるカントリー&ナポリタン→J-カントリーの誕生か!? グラム・パーソンズ没後33年―(中略)―パンク〜ニュー・ウェーブ→フリージャズ→ラテン→パブロック……、30年になろうとする音楽遍歴の末に、巡礼者ハル宮沢はカントリー・ロックにたどり着いた」と。50〜60年代の日本ウエスタンとはまったく無縁なところから生まれた刺激的なバンドのスタジオ・ライブ作品である。 なお前作、I Saw the Light(奇跡のヒト)/泣きたいほどの淋しさだ/South of the Boder(国境の南)/ケンタッキー帰り/Hey Good Lookin'(いかしたクッキー)/Zangiri Rock/思い出のグリーングラスなど全13曲を収めたデビュー作『世界で一度も咲かない花』(BPCB-0054 \2,625-)もある。 日本カントリーの閉ざされた世界に、少しでも風穴を開ける若い彼らを応援しなくて、ドーする!!?

TRPCD-0603 石田新太郎&シティライツ『ウエスタン・スペシャルU』CD\2,500-(本体\2,381-)


Delta Dawn/Rose Garden/Silver Wings/Wildwood Flower/北風/テネシー・ワルツ/砂に書いたラブレター/My Bonnie/Country Roads/Top of the World 他全17曲
 2005年に発表された寺内タケシがプロデュースした懐かしの西部劇映画主題歌集『ウエスタン・スペシャル』(TRPCD-0601 \2,500-)につづく最新第2集は、リーダーでありスティール・ギター奏者石田新太郎の娘、石田美也と石田自身のボーカルをフィーチャーしたポップ・カントリー・ヒットと懐かしいウエスタン時代のヒット全17曲集。御大、寺内タケシも"Wildwood Flower"をはじめ、3曲でエレキを手にゲスト出演。日本語の訳詩やオリジナルを随所に混ぜながら手堅いバックといいギタリストに支えられたサウンドでのカントリー・スタンダード集。
映像ものお勧め作品
ARH-204D NEW LOST CITY RAMBLERS『Always Been a Rambler』DVD\3,255-(本体\3,100-、58分+30分、カラー+白黒、stereo, widescreen 16:9)

 DVDの冒頭でボブ・ディランが、「彼らの功績のひとつは、誰かの納屋の中だけに眠っていたカバーされない偉大な古い音楽を探し出したこと。彼らはそれらの曲にあたらしい命を吹き込み、オリジナルと同様に、その音楽は時代の試練に耐えたのだ」と語る。昨夏8月7日、75歳で亡くなったマイク・シーガーが率いたニュー・ロスト・シティ・ランブラーズのドキュメント作品。NLCRとマイク・シーガーがいかに偉大な業績を残したか……、昨年9月号から12月号まで、ムーンシャイナー誌で追悼特集が組まれている。いまさらながらアメリカのみならず、日本にも彼がいかに大きな影響を与えたか、ただただ頭の下がる思いだ。本DVD作はブルーグラスやカントリー、アメリカン・フォークなどに興味を持つ人、全員に見て欲しい、われわれの好きな音楽がどこから生まれたのかを知ることができる秀作DVDである。現在、アメリカのルーツ音楽が再び見直され、あたらしい方向性を示しはじめた今こそ、すべての始まりだったNLCR、そしてマイク・シーガーの精神をこのビデオを通じてもう一度、胸に刻んでおきたい。

DOLLY-1978 DOLLY PARTON『Live from London』CD+DVD2枚組\2,888-(本体\2,750-)


 アメリカン・ミュージック・アイコン、ドリー・パートンの新作は、自らのレーベル、ドリー・レコードからの2008年ロンドンでの最新ライヴをCDとDVDに収録した2枚組。"Coat of Many Colors"や"I Will Always Love You"などシグネチャー・ソングの数々から最新ヒット"Backwoods Barbie"まで、さらにはブルーグラス三部作からの"Little Sparrow""The Grass is Blue"と、ソングライターとしても超一流のドリーならではの多彩なレパートリーで楽しませてくれる。自家用ジェットで乗り込んでくるファースト・シーンから画面は一転、ドリーがステージに登場しただけで圧倒的な存在感に包まれる。子供の頃の思い出話など、軽妙なMCをはさみながら進行していくあたりの進行も鮮やかに、これがスターのショウだと実感させられるゴージャスなライヴを堪能できる。ジミー・マッティングリー(f)やデイヴ・タルボット(殆どリズム・ギター、ちょっとだけバンジョー)など、なじみのミュージシャンもサポートに徹して主役を盛り立てている。同内容の15曲だが、DVDはMCやインタヴューも含めた80分、CDは音楽だけに編集した60分のヴァージョンとなっている。そして、DVDにはサウンド・チェックのパフォーマンスやコーラス・メンバー、サポート・スタッフのインタヴューなどを収録した50分のボーナス映像がついている。(宇野誠之)
KOCH-4241 CHARLIE DANIELS & Friends『Preachin', Prayin', Singin'; Live from Nashville』DVD\2,888-(本体\2,750-)
 サザンロックのスーパースターとなったチャーリー・ダニエルズもブルーグラス出身。そんな彼が、ブルーグラスに戻り、親友のマック・ワイズマンと和気あいあいのブルーグラス・ゴスペル・ライブを繰り広げる2005年のセッション・コンサート。ゲストにアール・スクラッグスとゲーリーとランディの息子ふたり、そしてデル・マッカーリー。基本セットのバック・バンドには、ロニー・マッカーリー(m)、ロブ・マッカーリー(bj)、ジェイソン・カーター(f)、マイク・バブ(bs)のDMBに、ストリングダスターズのアンディ・ホール(d)と、2006年にジョン・コーワン・バンドで来日したティム・メイ(g)、コーラス隊としてザ・ホワイツ、観客の中には故ルイーズ・スクラッグスもいる。実にリラックスした笑顔が一杯の、楽しいコンサート映像である。

MP-0208 MAC WISEMAN『Bluegrass 1971 with Lester Flatt & Chubby Wise』DVD\2,573-(本体\2,450-、カラー47分)


 チャビー・ワイズ、テイター・テイト、ジョー・グリーンの強力トリプル・フィドルでキックオフされる"Wabash Cannonball"にはじまるマック・ワイズマン数々の当たり曲。シェナンドー・カッタップス(故ビリー・エドワーズ、ハーシャル・サイズモア、ジョン・パーマー、テイター・テイト、ゲストにハービー・ガバード)のパリパリに乾いたソリッドグラスに、マック絶頂期のすばらしい声を聴かせる。中ほどでは元気な頃のレスター・フラットがナッシュビル・グラス(ローランド・ホワイト、ジョッシュ・グレイヴス、ハスケル・マコーミック、ポール・ウォーレンにゲストのなんと!ハウディ・フォレスター!!ほか)を率いて登場……、もう堪りません!! その上、カールトン・ヘイニー(世界初のフェスを開いた興行師)が出てきてレスターとチャビーを呼び、オリジナル・ブルーグラス・バンド時代についてインタビューという、すごいオマケまでついた、まさしくブルーグラス界のお宝映像集!!

FGM-1013D CHRIS ELDRIDGE, ANDY FALCO, JOSH WILLIAMS『Guitarmageddon』DVD\3,990-(本体\3,800-)(1時間25分)


 次世代のブルーグラスを背負う若手ギタリスト、ジョッシュ・ウィリアムズ、パンチ・ブラザーズのクリス・エルドリッジ、ストリングダスターズのアンディ・ファルコ、3人でのジャムやソロというギター・バトル・ライブ集。また3曲で、マイク・バブ(bs)とコディ・キルビー(m)を迎えジョッシュがバンジョーに持ち替えてブルーグラスする。三人三様に凄いが、中でもクリス・エルドリッジのフレキシビリティがすばらしい。

MP-0108 DON RENO & RED SMILEY『Bluegrass 1963』DVD \2,573-(本体\2,450-)(白黒48分)


 あのフラット&スクラッグスのDVDシリーズに匹敵する超貴重映像、レノ&スマイリーの1963年のテレビ番組がDVD化である。なんと、スタンレー・ブラザーズのゲスト出演!! そしてまたまた、なんと1957年の結成間もないころの超お宝映像"I'm the Talk of the Town"も登場する。トラッドグラス・ファン必携のDVD!! 凄過ぎますです!!

FGM-1015D ROBIN KESSINGER, ROBERT SHAFER, MARK COSGROVE『Pickin' at Peaceful Bend』DVD\3,990-(本体\3,800-、カラー55分)


 3人のウィンフィールド全米フラットピッキン・ギター・チャンピオン、ロビン・キッシンジャー、ロバート・シェーファー、マーク・コスグローブが3様のギターを聴かせる楽しい2008年5月のライブ映像集。これまでのFGMシリーズ4作でのブルーグラス大会とは少し趣を変えて、ドック・ワトソン系列のフラットピッキン・ギター世界をスタンダード曲中心に見せ聴かせる1時間。3人ともルシアー、ボブ・トンプソン製ドレッドノートを快奏する。

VES-13082D DOC WATSON & DAVID GRISMAN『In Concert』DVD\4,148-(本体\3,950-)(70分)


 名作CD『Doc & Dawg』(ACD-25 CD\2,573-)のツアーを収録した素晴らしいコンサート・ビデオ。米国弦楽器界の巨人2人による深ーいアメリカン・トラッドの真髄を、素晴らしいマンドリンとギターのトーンと共に、ジックリお楽しみ下さい。

SHDVD-4805 V.A.『Country Bluegrass Homecoming, Vol.2』DVD\3,675-(本体\3,500-)(Dolby Digital 5.1 and Stereo、90分)


 ゴスペル・シンガーとして知られるビル・ゲイザーが企画制作、ブルーグラス/カントリーの新旧トップ・アーティスト、ビンス・ギル、ラルフ・スタンレー、ジョージ・ジョーンズ、ロンダ・ビンセント、ザ・グラスカルズ、マーティ・ステュアート、ドイル・ローソン&クイックシルバー、チェリーホームズ、デイリー&ビンセントらが見事なゴスペル・エンターテイメントを繰り広げる見ごたえ十分のメジャー製作DVD秀作。申し訳ありませんが、第1集は売り切れました。
■フラット&スクラッグス映像シリーズ
SHA-611D FLATT & SCRUGGS『The Best of Flatt & Scruggs TV Show, Vol.1』DVD\3,308-(本体\3,150-)

第一部 Jimmie Brown, the Newsboy/Brother I'm Getting Ready To Go/Georgia Buck/Pig in the Pen/Shortnin' Bread/Durham's Bull/Jesus Savior Pilot Me/Before I Met You/Feast Here Tonight//第二部 Just Ain't/John Henry (by guest Hylo Brown)/Lovesick and Sorrow (by guest Hylo Brown)/Don't Let Your Deal Go Down/Earl's Breakdown/I'll Never Be Lonesome Again/Precious Memories/A Hundred Years From Now/Down in the Valley/The Hollow Poplar.

 絶頂期のフラット&スクラッグスを目の前で楽しめ る究極のブルーグラス・エンターテイメント・ショウ。本作、第1巻は1961年8月と1962年1月の上記各30 分のマーサ・ホワイト製粉社提供のテレビ・ショウ。白眉は「新聞売りのジミー少年」や有名なフォークソング 「Down in the Valley」などでのレスター・フラットの上手さと流麗(スマート)さ、アール・スクラッグス は全編に笑みを浮かべながら軽やかに、そしてすごいことを弾いている。ふたりの表情と出てくる音の落差 に、すばらしいエンターテイメントとは別次元の、鬼気迫るミュージシャンシップを感じるのはわたしだけ じゃないだろう。とくにジョッシュとジェイクのレパートリーやハイロ・ブラウンのバックなどでのアー ルの自在なアドリブには開いた口がふさがらない…。半世紀を要してもなお誰にも真似の出来ない、レス ターとアールの絶妙なブルーグラス・アンサンブルは、文句なし、ブルーグラス・ファン必見である。

SHA-612D FLATT & SCRUGGS『The Best of Flatt & Scruggs TV Show, Vol.2』DVD\3,308-(本体\3,150-)


第一部 Polka on a Banjo/Go Home/Fireball Mail/Foggy Mountain Special/I Won't Be Hanging Around/We'll Meet Again Sweetheart/Walking In My Sleep/Are You Washed in the Blood/You Live in a World All Your Own/Dance All Night with a Bottle in My Hand//第二部 Foggy Mountain Breakdown/Wildwood Flower (with Mother Maybelle Carter)/The Liberty Dance (with Mother Maybelle Carter)/Homestead on the Farm/Have You Come To Say Goodbye/I Dreamed About Mama Last Night/Down, Down, Down/Durham's Bull/Down the Road/Over There.

 絶頂期のフラット&スクラッグスを目の前で楽しめるシリーズ8巻のうち、2007年発売の第2弾。1961年7月と8月放送の各30分、マーサ・ホワイト提供テレビ・ショウ。白眉は、ゲストに登場するマザー・メイベル・カーターとの共演。メイベルのインパクトと、誰にも真似の出来ないレスターとアールの絶妙なブルーグラスは文句なし、ブルーグラス・ファン必見。廃盤になってしまう前に、是非……。

SHA-613D FLATT & SCRUGGS『The Best of Flatt & Scruggs TV Show Vol.3』DVD\3,308-(本体\3,150-、白黒約1時間)


 フラット&スクラッグス映像シリーズの第三弾。本作の第1エピソードは1961年11月か12月の録画、第2エピソードは1962年1月の録画で、なななんと、当時7歳のリッキー・スキャッグスがゲストに出演するという超貴重映像!! のち80年代はじめにそのリッキー・スキャッグスがカバーしてナンバーワン・ヒットとなる"Crying My Heart Out Over You"や、たぶんレスター・フラットの大好きな"If I Should Wander Back Tonight"、アール・スクラッグスは"Home Sweet Home"とギターでの"Wildwood Flower"、"Foogy Mountain Special"、"Cumberland Gap"ほか全20曲。すべてのブルーグラス・ファンに見て欲しいお宝映像第3弾!!

SHA-614D FLATT & SCRUGGS『The Best of Flatt & Scruggs TV Show Vol.4』DVD\3,308-(本体\3,150-、白黒約1時間)


 1本目は録画時期不明、1曲目から超ホットな"Ground Speed"から、レスター得意のバウンシーな"I Know What It Means to Be Lonesome"、"Thinking About You"、"Nine Pound Hammer"、"Salty Dog"ほか9曲、レスター・フラットが堪能できるプログラム。2本目は1962年3月の録画、8才のランディ・リン・スクラッグスがゲストに登場、オートハープで"Wildwood Flower"を披露するほか、レスターの"Shady Grove"、"I'll Never Shed Another Tear"、"I Wonder How the Old Folks..."などに、セカンドボーカルのハイロ・ブラウンも2曲、アールは"Lonesome Road Blues"の全10曲の合計19曲。シリーズ第4弾!!

SHA-615D 『The Best of Flatt & Scruggs TV Show Vol.5』DVD\3,308-(本体\3,150-、白黒60分)


Earl's Breakdown/Storms Are on the Ocean/Girl I Love Don't Pay Me No Mind/Please Help Me I'm Falling/I'll Never Shed Another Tear 他全30track

 火を噴く"Eral's Breakdown"ではじまる1962年3月のショウと、"Roll in My Sweet Baby's Arms"ではじまる1961年7月のショウの30分番組が2本収められているシリーズ第5弾である。フラット&スクラッグスがもっとも成熟したアンサンブルを聴かせ、あの12月のカーネギーホール公演に向かいつつある時期、48才のレスター・フラットの絶妙な歌心と38才のアール・スクラッグスのゴールデン・トーンに、ジョッシュ・グレイブス、ポール・ウォーレン、ジェイク・ターロック、そしてカーリー・セクラーが作る見事なチームワークで、ストレイト・ブルーグラスから当時流行りのカントリー、ゴスペル、コメディー、フィドル&バンジョーなど、盛りだくさんのエンターテイメントを楽しませてくれる。世界中のブルーグラッサーがアンサンブルの手本にするフラット&スクラッグスなのだ。必見である!!

SHA-616D 『The Best of Flatt & Scruggs TV Show Vol.6』DVD\3,308-(本体\3,150-、白黒60分)


Flint Hill Special/We'll Meet Again Sweetheart/Keep on the Sunny Side/Katy Hill/Live and Let Live/Lonesome Road Blues/False Hearted Lover 他全18曲

 フラット&スクラッグスのお宝映像シリーズ最新第6弾は1962年5月の30分番組が2回分収録、タイトルバックもスタジオセットも山小屋風に一新、マイクのセッティングも変わってレスターのリズム・ギターがバシバシと、そのビートの強烈なこと……!!この1962年の12月にはカーネギーホール・コンサート、そして「じゃじゃ馬億万長者」のナンバーワンヒットがやってくる、そんな絶頂期のフラット&スクラッグスの日常的なTVショウが楽しめる。チューナーを隠さない"Flint Hill"につづくレスターの愛唱歌"We'll Meet..."はメロディーが"Thinking About You"に変わってしまっている、"Girl in the..."でアールがクロウハンマーを擬した奏法を初めて聴かせる、モンローは'B'なのにレスターは'F'の絶品"Live and Let..."……等々、さまざまな発見も楽しいお宝映像の第6弾。彼らファンはもちろん、当時のアメリカの田舎、その時代の空気がメチャクチャ美味しい…!!

SHA-617D 『The Best of Flatt & Scruggs TV Show Vol.7』DVD\3,308-(本体\3,150-、白黒約1時間) 


My Long Journey Home/Love and Wealth/On My Mind/Little Darlin', Pal of Mine/I Want to Be Loved/Dear Old Dixie/Black Mountain Blues/Before I Met You/Cumberland Gap/Down the Road/他全19曲

 いよいよ来ました、超々貴重な1950年代のフラット&スクラッグスが見られるフラット&スクラッグスTVショウのシリーズ第7巻である。まずは、凄いドライブとうねるリズムでぶっ飛ばす"Long Journey Home"からはじまる1960〜1961年の、おそらく、30分番組が完全な形で残っているものがなくなったのか?……未発表のホットな演唱の寄せ集め10曲。アメージングなバックアップも含め、レスターの素敵なボーカルとアールのゴールデン・トーン、そしてアンクル・ジョッシュ・グレイブス、ポール・ウォーレン、どの曲も完璧な("Dear Old Dixie"でのチョンボも含め…!?)アンサンブルと演唱が楽しめる。そしてこれまで発表された中でもっとも古い1956年!!……どうだろうこのエネルギーとリズム・ドライブ。42歳のレスターはD-18、32歳のタテユレするアールはあのボウタイ・インレイだし、そもそも右手の位置と形が違う!! そしてポールはやせているし、ジョッシュは歯が抜けているし!?ベースを弾いている、"Down the Road"や"Have You Come to Say Goodbye"はキーが"Bb"でカーリーが軽々とテナーを付ける、ケンタッキー・スリムのダンスのバックで軽くスウィングする"Dinah"なんぞを弾くなど……、あらたな発見が一杯だ。60年代、各人の上手さを増した余裕綽々のフォギー・マウンテン・ボーイズも凄いが、この時代の、そう私、高校時代に憧れたあの名盤『Foggy Mountain Jamboree』(COL-77627 CD\2,079-)のジャケット写真で見る彼らが、動画で見られるとは……、感激だ。よくもこんな、50年代のテレビ番組のフィルムが残っていたものだ。この第7巻のおまけに、これらフィルムの再生作業が紹介される。そのすばらしい仕事に敬意を表しましょう!!

SHA-618D 『The Best of Flatt & Scruggs TV Show Vol.8』DVD\3,308-(本体\3,150-、白黒約1時間)


Foggy Mountain Special/Flint Hill Special/Little Cabin Home on the Hill/Dim Lights Thick Smoke/Turn Your Radio On/Mountain Dew 他全21曲
 1950年代の超レア物『Vol.7』につづくフラット&スクラッグス、現在のところの最新DVDは、いよいよ最終シリーズに近づいたのか、1960〜61年のコンバイン物だ。『Vol.7』の特別編で紹介されたように、奇跡的に残されたこれらのフィルムがいかにダメージを受けていたか、それがここまで修復されての第8弾。レスターが歌いたかった"Little Cabin Home..."のとんでもないテンポ、それに"Six White Horses"のカッコいいギターさばき、アールの完璧なバンジョーとジョッシュの見事なドブロ(ムーンシャイナー2009年4月号「ブルーグラス・ドブロ誕生秘話」参照)、ブルーグラスの楽器三つ、バンジョーとギターとドブロの弾き方を規定した偉大な3人の天才/名人芸は惚れ惚れとする。もちろん、ポール・ウォーレンのフィドルと珍しいクロウハンマー・バンジョーとボーカル、カーリー・セクラーのロカビリーもどき、ジェイク・ターロックのパーカッシブなスラップ・ベース、そのほか、見所が満載だ。このシリーズ、全10巻が予定されているが、どれも、決して見逃すことのできない、ブルーグラス界最高のお宝映像である。全シリーズ、決してお買い逃しのないように!!
■バイオリン・ショップ映像シリーズ
 ナッシュビル・フィドラー御用達のバイオリン・ショップ、ここでオーナーの元トニー・ライス・ユニットのフレッド・カーペンターの主催の凄いコンサートが開かれる。50人も入れば一杯の小さなスペースで、普段着のミュージシャンが最先端/最高レベルのアコースティック音楽を聴かせる。
VSR-7375 V.A.『Andy Leftwich/ Bruce Molsky/ Aubrey Haynie/ Jim VanCleve; The Violin Shop Concert Series Vol.1』DVD\3,990-(本体\3,800-、77分)

Ride the Wild Turkey/Red Wing/Minor Swing/Florida Blues/Maiden's Prayer/Liza Jane/Roanoke/Drunkards Hiccups/Big Mon/Ragtime Annie 他全20曲

 マイク1本を立てただけのセットで、ジム・バンクリーブはアダム・ステッフィ(m)、クレイ・ジョーンズ(g)、ロン・スチュワート(bj)、ジェイソン・ムーア(bs)、スティーブ・ガリー(g)を伴って現代ブルーグラスの最先端ビートに乗って弾きまくる(ロニー・ボウマンが歌のゲスト)。オウブリー・ヘイニーはチャーリー・クッシュマン(bj)、アラン・バイビー(m)、ワイアット・ライス(g)、ケント・ブラントン(bs)をバックに有名スタンダード曲の最上ジャムを聴かせる(ボビー・ヒックスがゲストで"Cheyenne"!!)。アンディ・レフトウィッチ(マンドリンも)のバックはコディ・キルビー(g)とバイロン・ハウス(bs)を伴ってスウィングから新世代のオリジナルまで。ブルース・モルスキーはソロで芸術の域にまで達したオールドタイム・フィドルの真髄を聴かせる。フィドルのみならず、スリリングな各楽器のインタープレイなど、現在のブルーグラス・インストの世界に、まさに息を呑む秀作である。

VSR-8283 V.A.『The Violin Shop; Fiddle Masters Concert Series Vol.II』DVD\3,990-(本体\3,800-、75分)


Gentle On My Mind/Train 45/Cornbread Nation/Lee Highway Blues/Kissimee Kid/Where Is Love Now/Bonaparte's Retreat/Hop High/Red Apple Rag 他全20曲

 第1集とは趣きが違い、今回は4組のコンサートがランダムに並べられています。もう、どーしようもなくレベルの高いステュアート・ダンカン/ティム・オブライエン/ブライアン・サットン/デニス・クロウチ組みのストレート・ブルーグラス・マイナス・バンジョー、ダロル・アンガー/デビッド・グリア/マット・フリナー+ジェレミー・キテル/ローレン/ナット・スミスのグラシカルジャズ、リズ・キャロル/ジョン・ドイルのアイリッシュ、サラ&ショーン・ワトキンス妹兄/ルーク・ブラ/バイロン・ハウスの若者組み。フィドル/マンドリン/ギター/ベースの妙技をご堪能ください!!

VSR-9095 V.A.『The Violin Shop; Fiddle Masters Concert Series Vol.V』DVD\3,990-(本体\3,800-、85分)


Old Dangerfield/Black & White Rag/Wheel Hoss/Pallet on Your Floor/Sitting on Top of the World/Cherokee/Sugartree Stomp/Fiddle Patch 他全24曲

 フィドル・マスター・コンサート・シリーズの第3集は若手中心の意欲作。ほとんど知られていないこの若者たち、上手いというテク次元を通り越してその感性、若者だけが持つ新しい時代の感性に、見ていると体が硬直してしまう感じだ。ゲイブ・ウィッチャーはパンチ・ブラザーズの仲間ノーム・ピケルニーとグレッグ・ギャリソンにデビッド・グリアとマイク・コンプトンを率いて、ブルーグラス真髄の品格を保ちつつ新しい!! 15歳にしてすでにムーンシャイナー誌に何度も登場するアレックス・ハーグリーヴ、このジャズアドリブってガキのレベルじゃない!! かと思うとトミー・ジャレル狂の妹タチアナ・ハーグリーヴ=12歳と一緒にオールドタイム・グルーヴに平気に身をゆだねるなんて、どーなってる!? ケーシー・ドリーセンはフィドルと唄でトラッド曲をぶっ飛ばし、ダニエル・カーワイルはテキサス(コンテスト)フィドルの王道を完璧に演じ、ブリタニーとナタリーのハース姉妹はオールドタイム、そのナタリーのチェロとハネカ・カッセルはスコティッシュを……。いやはや、ものすごい音楽が堪能できるすごいコンサートです。2007年のIBMAコンベンションと並行して開かれたライブを収録した85分。オールドタイム/ブルーグラス/テキサス/スコティッシュ/ジャズ/スウィングどれも楽しめる、皆さんに、絶対のお勧めです。
教則ものお勧め
 下記のほか、教則に関しては演奏レベル/ニーズに応じて、ご相談ください。
RW-CTAB CLARENCE WHITE『The Essential Clarence White Bluegrass Guitar Leads』102頁Book+CD2枚組\6,930-(本体\6,600-)

 不世出の天才ギタリスト、クラレンス・ホワイトの教則本が兄、ローランド・ホワイトとその妻ダイアン・ボウスカの手によって完成された。クラレンスの奏法の基礎となったクロスピッキンを14曲、みっちり学べる秀作。14曲のオリジナル録音CDと、ローランドやミッシー・レインズ(bs)によるリズム・トラックのカラオケCDの2枚組、そして各曲ごとにスティーブ・ポティアとマット・フリナーによる詳細な技術解説と楽譜とタブ譜。なお、ローランドが書いたクラレンスや家族、そしてその音楽軌跡は、ムーンシャイナー誌3月号から10月号まで、8回の連載で翻訳されている。

MFD-0201 ジミィ赤澤『Enjoy Fiddling』DVD+Book\5,250-(本体\5,000-、1時間半、84チャプター)

Boil 'em Cabbage Down/Washington County/Walking the Dog/Kentucky Waltz/Break of the Day/Beaumont Rag/Sally Goodin'.

 関西大学ブルーグラス学部出身、23才でフィドルを弾きはじめ、現在では日本のトップ・フィドラーのひとりとしてブルーグラスやカントリーで活躍、宝塚ブルーグラス・フェスではマスター・ワークショップのフィドルを担当する「じみい」こと赤澤孝次郎が満を持して発表するフィドル教則映像+本。フィドルのボーイング(リズム)、コード(ダブルストップ)などを「カエルの歌」と「キャベツ」を例に初心者から中級者まで、これまで日本では系統だって教えられることのなかったフィドルのコツを見せてくれる。その後、上級者にも充分説得力のある上記有名曲で和声、Bナチュラルでの典型的なブルーグラス・フィドルほか、ワルツ、テキサス(コンテスト)フィドル、そしてホーダウンなどを教えてくれる。ホントの初心者から上級者、かなり高いプロ級レベルまで、フィドルからブルーグラス・フィドルの真髄を系統立てて解説/実践していく、はっきり言ってメチャ盛りだくさん、おなか一杯。オマケに"Orange Blossom Special"が大西一由、稲葉和裕、今井達也、吉田悟士のメンバーで収録されている。ブルーグラス・フィドルの壁に当たっている人に朗報、大お勧めの教則本+映像である。

RW-TAB ROLAND WHITE『Approach to Bluegrass Mandolin』CD2枚組+Book\6,090-(本体\5,800-)

 大好評ローランド・ホワイトのブルーグラス・マンドリン入門教則CD2枚組+60頁タブ本。「キャベツ」から"Jerusalem Ridge"までブルーグラス・スタンダードの全32曲、その暖かい人柄に包まれながら、とてもおいしいブルーグラス・マンドリンの本質を、初心者から中級者まで学ぶことができる。

TIM-1 EARL SCRUGGS『Three Finger Classics』Tab\1,050-(本体\1,000-)

 アール・スクラッグスのフラット&スクラッグス時代の全録音の可聴部分をバックアップを含めてオリジナルLP順にタブ譜化した小冊子。本作はマーキュリー録音の前半。この他、"TIM-2"はマーキュリー録音後半、"TIM-3"はアルバム『Foggy Mountain Jamboree』、"TIM-4"は『Kings of Bluegrass』の計4冊(各\1,050-)がある。スクラッグス虎の巻!
楽器、その他…
The Wade マンドリン

 素晴らしいミュージシャンでビンテージ・マンドリンの研究家として知られるトニー・ウィリアムソンが選ぶ現代の名匠10 人に選ばれた上田洋一氏の作品、取扱い開 始しました。
ビル・モンローがフロリダの理髪店で入手してからブルーグラスに無くてはならない存在となったギブソンF-5 スタイル・マンドリンの始祖ロイド・ロアのレプリカ、初期のデビッド・グリスマン、サム・ブッシュ等の愛器として知られるポスト・ロア・スタイル等、材料選びから彩色、細部の仕上げに至るまでこだわりぬいた逸品です。 詳細、納期はお問い合わせください。

   FW-5 Master Model \735,000- 税込み
   FW-5 Artist Model \630,000- 税込み
   FW-5N Master Model \735,00- 税込み
   FW-5N Artist Model \630,000- 税込み
( トーンプロデューサ、ピックガードはオプショ ンです。)
■フィドル& バンジョー特価販売
期間数量限定ですのでこの機会をお見逃しなきよう。

ガダニーニ・レプリカ・バイオリン \126,000-( 本体\120,000-)

 良質のオールド仕様のバイオリン、ガダニーニのレプリカ。メイド・イン・チャイナの工房物で同価格帯のバイオリンと比べるとかなりお値打ち品です。ラベルもオールド仕様です。ブルーグラス向きのダークでスイートな音色です。初心者の方には、このクラス位からのものをお薦めしたいと思います。

サバンナ・トラベル・バンジョー 定価\31,500 →特価\18,000-( 本体\17,143-) 

こたつのなかで、アウトドアとか最適のトラベルバンジョーです。オープンバック、ファイバースキンヘッド、24 フック、ショルダーバッグ付き。
輸入雑誌
(以下の3誌は英語版で、共にバックナンバーも豊富に取り揃えています。気になるアーティスト等の特集等についてはお問い合せ下さい。…調べる&知るの面白さをいかがですか)
■バンジョー・ニューズレター誌
 世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載(ウェブサイトから「MP3」で音源入手可!!)、バックナンバーもお問い合せ下さい。探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探します。収蔵曲のCDやDVDなども在庫していますので、お問い合わせください。

BNL-09/12 2009年12月号 \525-

 トム・アダムズによるティム・カーターのインタビューなどの特集ほか、タブ譜はアール・スクラッグス"When the Angels Carry Me Home"、ベラ・フレック"Melody of Rhythm, Movement 1"、ドン・ストーバー"Black Diamond"、トム・アダムズ"The Chipmunk Song"か、12月らしく"We Three Kings"や"Auld Lang Syne"、ボブ・カーリンのビートルズをクロウハンマーで"Things We Said Today"や「バッハのガボット」なども。初心者から上級者まで、あらゆるバンジョーの話題とともに、米国先端バンジョー情報とクロウハンマーを含む5弦バンジョー奏法満載。

BNL-09/11 2009年11月号 \525-

 ドイツ/ヨーロッパのブルーグラス・バンジョー・パイオニアのひとり、ルディガー・ヘルビッグのカバーストーリーとタブ譜、レックス・マギーとライアン・キャバノウに影響を受けた新世代奏者アンディ・ソーンの特集ほか、フレッド・ゲイガー"Cherokee"、ドン・レノ奏法"Golden Slippers"、ピーター・ワーニック"Church Street Blues"、トム・アダムズ"Too Late to Walk the Floor"、初心者はP.P.M.の"Puff the Magic Dragon"ほか。


BNL-09/10 2009年10月号 \525-

 DCエリアの凄腕マーク・ディレイニーのカバーストーリー(ムーンシャイナーの闘魂バンジョーでは4月号特集)とタブ譜は"Black Diamond"、フレッド・ゲイガー"Cherokee"、トム・アダムズ"Herat of Scotland"、イアン・ペリー"Whiskey Before Breakfast"、マイク・シーガー"Last Night When Willie Came Home"ほか。

BNL-09/09 2009年9月号 \525-

 ビル・エマーソン表紙とインタビューとタブ譜"Sweet Dixie"他、マイク・シーガー追悼、ロジャー・シミノフ「ブリッジと弦についての科学的考察」、バンジョー製作家のウォーレン・イェーツとプルカ・バンジョーなど特集とタブ譜は、フレッド・ゲイガー"Persian Rag"、トム・アダムズ"Let Me Rest at the End of My Journey"、ベラ・フレック"Dear Old Dixie"、初心者Dチューニング"John Henry"、ジャック・ベイカー"Wildwood Flower"、カイル・クリード"Sugar Hill"ほか。
■フラットピッキン・ギター・マガジン誌
 隔月刊の掲載全タブ譜対応CD付きフラットピッキン・ギター誌。ブルーグラスからスウィング/ジャズまで。一冊でさまざまな奏法が学べる。バックナンバーはお問い合わせください

FGM-13.6 Flatpicking Guitar Magazine「2009年9〜10月号」CD付きBook\2,625-(本体\2,500-)

 最新号9/10月号は、カーティス・ジョーンズ"John Hardy"ほか、初心者"Little Cabin Home on the Hill"、テキサス・リズム"Sally Goodin"、ジョン・カーリニ"Lady Be Good"、ブラッド・デイビス"9 Pound Hommaer"、スティーブ・カウフマン"Cuckoo's Nest"、ジョージ・シャフラー"Stone Wall & Steel Bars"、ジョン・ミゲーン"I Found a New Baby"ほか、さまざまなフラットピッキン・タブ+音源満載。

FGM-13.5 Flatpicking Guitar Magazine「2009年7〜8月号」CD付きBook\2,625-(本体\2,500-)

 7/8月号は、ゲーリー・クックの"Grandfather's Clock"ほか、"Faded Love"のD6/9をキーにしたウエスタン・スウィングのコードアレンジ、E7-A7へのテレキャスター・リック、若手アダム・ヘーガー紹介と"Whistling Rufus"、ソフィア・ジョンソンと"East Raging River"ほか、タブ譜はスティーブ・カウフマン"Soldier's Sorrow"、ビル・エバンスの"Midnight in Rosine"、ジョージ・シャフラーの"Stone Walls and Steel Bars"リードとバック、"St. Anne's Reel"のバリエーション、ジョン・ミゲーンの"I Found a New Baby"、初心者向け"I'll Fly Away"等々。

 上記ほかの現在庫バックナンバーは以下の通り。
●FGM-10.5「2006年6/7月号」●FGM-11.2「2007年1/2月号」●FGM-11.4「2007年5/6月号」●FGM-12.3「2008年3/4月号」●FGM-13.1「2008年11/12月号」●FGM-13.2「2009年1/2月号」。なお、在庫切れ中のバックナンバーは取り寄せますので、お知らせください。
■ブルーグラス・アンリミテッド誌
 米国の最大のブルーグラス月刊専門誌。お探しの記事などバックナンバーもお問い合わせください。

BU-10/01 最新2010年1月号 \840-

アパラチアの伝統を伝える「テネシー・フォール・ホームカミング」の特集カバーストーリーほか。オールド・ドミニオン・バーン・ダンスのフォト・アルバム。2010年フェスティバル・スケジュールなど、アメリカ・ブルーグラス情報満載の100頁。

BU-09/12 2009年12月号 \840-

 サム・ブッシュのカバーストーリー"Looking for That Joyful Noise"と、ドーターズ・オブ・ブルーグラスを率いるローレイン・ジョーダン、トム・モーガンの「最初のF5コピー?」、そのほかさまざまなコラムで米国ブルーグラス情報満載の60頁。

BU-09/11 2009年11月号 \840-

 スティープ・キャニオン・レンジャーズのカバーストーリー、初のIBMA最優秀マンドリン奏者となったジェシー・ブロック、ビル・モンローのマンドリン・ヘッドストックの行方は?ほかの64頁。

BU-09/10 2009年10月号 \840-

 スティーブ・マーティンのカバーストーリーほか、20年目を迎えるIBMAアワード・ショウを振り返る、スウェーデンの若手バンド「G2」、1963年開設のナッシュビルの名門ヒルトップ・スタジオ、2010年ブルーグラス・タレント名簿ほかの100頁。
■オールドタイム・ヘラルド誌
 内容の濃いオールドタイム音楽専門誌。アメリカン・トラッド音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。

OTH-1201 最新2009年10月/11月号 \1,260-

 マイク・シーガー追悼、オールドタイム・バンジョー奏法のトレンドB、アラスカのオールドタイム今昔、マーク・キャンベル・インタビューなどの特集に、米国伝承音楽の情報満載。

OTH-1112 2009年8月/9月号 \1,260-

 オールドタイム・バンジョー奏法のトレンドA、クレイトン・マクミッチャンとも録音したキャスパー・マローン(1909-2005)、カナダのトロントのオールドタイム・シーンなどの特集。

OTH-1111 2009年6月/7月号 \1,260-

 リリー・メイ・レッドフォードとクーン・クリーク・ガールズのカバーストーリー、レイ・アルデンによる最新オールドタイム・バンジョー・トレンド、フィドラーのカーシー・シスコなどの特集。
月刊『ムーンシャイナー』
 1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、26年目です。

■定期購読:1年¥6,000-半年¥3,300-

 お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。

■ムーンシャイナー・ファイル:\840-

ムーンシャイナーの一年分12冊を傷をつけずにファイルできるコクヨ製ロゴ入り特製フォルダー。

■バックナンバー:各¥525-。

 下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。

MS-2703 最新2010年1月号(通巻315号)\525-

 アール・スクラッグス「渾身とテクニカル・イッシュー」、そして「2010年、あたらしいブルーグラス世代へ」と題するブルーグラス60余年の三世代考察、サム・ブッシュの最新作から"The Ballad of Stringbean and Estelle"の物語、クリスティーズお宝狂想曲、佐々木仁の日本初のオールドタイムLP「マウンテン・ランブラーズ」物語、ウィンターグラス・フォト・リポート、お帰りなさいカレッジ・ブルーグラス「オザーク・マウンテニアーズ、ウェイファーリング・ストレンジャーズ、ブルー・マウンテン・ボーイズU」、ジェシー・ベイカーほか、日米ブルーグラス情報満載。

MS-2702 2009年12月号(通巻314号)\525-

 ハリウッド・セレブ!!スティーブ・マーティンのカバーストーリー「1960年代へのカムバック」、2009年末ブルーグラス決算拍書、ブッチ・バルダサリ追悼、麻田浩のマイク・シーガー追悼C、北村謙『Banjo ひとり旅』CD制作記、中村まりインタビュー後編、巨匠ベラ・フレックなどの特集ほか。

MS-2701 2009年11月号(通巻313号)\525-


 最新ムーンシャイナー誌11月号はサム・ブッシュのカバーストーリー、IBMAアワード・ショウのリポート、ケニー・スミス・インタビュー、中村まりインタビュー、三井徹のマイク・シーガー追悼B、マーク・ニュートン来日特集ほか。

MS-2612 2009年10月号(通巻312号)\525-

 10月号はアダム・ステッフィのカバーストーリー、名誉の殿堂入りザ・ディラーズ、島田耕のマイク・シーガー追悼A、安川直樹vs内田昭弘「オールドタイム・フィドル」、箱根フェス人気投票#1「東北大学、雑貨屋フレイヴァー」、クラレンス・ホワイト物語G最終回などの特集ほか。

MS-2611 2009年9月号(通巻311号)\525-

 マイク・シーガー追悼、ブルーグラス・フィドルの原点「チャビー・ワイズ/ベニー・マーティン/ハウディ・フォレスター」ほか。
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