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B.O.M.Newsletter #368web    2011年6月9日
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INDEX

第40回宝塚ブルーグラス・フェスティバル
今月の注目入荷作品
ブルーグラス新入荷
ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
B.O.M.特選コーナー
ブルーグラス/オールドタイムお勧め作品
インスト新入荷
各楽器別お勧め再入荷作品
オールドタイム&フォーク新入荷
カントリー新入荷
カントリー発掘、編集モノ新入荷
映像ものお勧め作品
教則もの新入荷
教則ものお勧め
楽器、その他…
輸入雑誌
月刊『ムーンシャイナー』
B.O.M.ご利用方法


 東日本大震災から3ヶ月がたちました。まだまだ、大変な人たちがたくさん、悲しみの中にいる人もたくさん。でも時は過ぎ、季節は巡ってきます。

今年、宝塚ブルーグラス・フェスは40年目、参加してくれる皆さんのお陰で第40回を迎えます。われわれはただ、ブルーグラスだけの場所を確保することを続けてきただけで、演奏し、楽しんでくれたのは皆さんです。40年経っても同じ姿勢で夏フェスに臨みます。今年もよろしくお願いします。

【第40回宝塚ブルーグラス・フェスティバル】

●8月4日(木)夕~8月7日(日)昼

●三田アスレチック・クリークサイド・ステージ

(昨年から小川沿いの木陰に移り、お昼間も過ごしやすいです。椅子の持込をお勧めします)

〒669-1141 兵庫県三田市波豆川281 079-569-0024

●参加費:¥3,500-(4日間通用、高校生以上)

●宿泊、キャンプ、タープ設営、ロッジ、バンガローなどは別料金。お問い合わせは上記アスレチック

●今年も神戸大学ブルーグラスが、飲食に関する模擬店を開きます。ご利用ください。

●出演バンド:7月1日~15日にB.O.M.サービスまで会場到着日をお知らせください。なお、土曜日の出演時間指定はできません。また土曜プログラムが午前1時を過ぎれば、日曜日午前中の出演になることがありますので、ご理解ください。

●お問い合わせは、B.O.M.サービスまで

info@bomserv.com、0797-87-0561 fax 0797-86-5184

◆ムーンシャイナー最新6月号は40年前のビーンブロッサム・フェスでのビル・モンローとレスター・フラット仲直りの瞬間をカバーに、ビルとレスターの確執と和解の知られざる物語りほか、ヘイゼル・ディッケンズ追悼、ホンキートンク・カントリーとは何か?、レオナ徳武デビュー『A New Peace within』アルバムと日本ツアー、マールフェス2011「ドック・ワトソン・ライブ・リポート」、茨城「万丈童子」5周年と復興へ、本間正敏のIBMA-WOBリポート⑦、岩手「小岩井フェス」リポートほか、日米ブルーグラスの話題満載。

月刊ムーンシャイナー定期購読は1年間(12冊)

¥6,000- 半年間(6冊)¥3,300-。単冊は¥525-ですが、ぜひとも年契をお願いします。購読開始希望月をお知らせください、早速お送りします!!

今月の注目入荷作品
RUR-1081 AUDIE BLAYLOCK & REDLINE『I'm Going Back to Old Kentucky (A Bill Monroe Celebration)』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

オウディ・ブレイロックの最新作は入魂のビル・モンロー曲集。ブルーグラス新入荷参照

RCSI-1034 LARRY CORDLE『Pud Marcum's Hangin'』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ラリー・コードルの最新作は、1887年に絞首刑に処せられたパッド・マーカムの物語をテーマに創られた秀作。ブルーグラス新入荷参照

RCD-59496 THREE RING CIRCLE『Brothership』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

スーパーピッキン・インスト・トリオ、アンディ・レフトウィッチ(m,f)、ロブ・アイクス(d)、デイブ・ポメロイ(bs)によるスリー・リング・サークルの最新第2作である。インスト新入荷参照

GT7-2207 STANLEY BROTHERS『Early Starday-King Years, 1958-1961』CD4枚組¥4,725-(本体¥4,500-)

スタンレー・ブラザーズの初期スターデイ/キング録音全集109曲。ブルーグラス発掘新入荷参照

SF-40090 V.A.『Anthology of American Folk Music』CD6枚組¥9,450-(本体¥9,000-)

1950年代後半以降のアメリカ音楽界に計り知れない影響を与えた究極の逸品再入荷! B.O.M.特選「フォーク」コーナー参照。

VAN-79711 COUNTRY GENTLEMEN『Complete Vanguard Sessions』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1973年と74年、カントリー・ジェントルメンがバンガードに遺した録音全曲集。ブルーグラスお勧め作品のブルーグラス・マスターズ参照。

HOTR-4151 GEORGETTE JONES『Slightly Used Woman』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ジョージット・ジョーンズ、そうジョージ・ジョーンズとタミー・ワイネットの娘、初のフルアルバムである。カントリー新入荷参照

BACM-337 SKEETER DAVIS『Lost to a Geisha Girl』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

スキーター・デイビス、ソロデビューの1957年から1960年までの初期シングルから集められた27曲集。カントリー発掘新入荷参照

ブルーグラス新入荷
RUR-1081 AUDIE BLAYLOCK & REDLINE『I'm Going Back to Old Kentucky (A Bill Monroe Celebration)』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

I'm Going Back to Old Kentucky/You'll Find Her Name Written There/In Despair/On the Old Kentucky Shore/Out in the Cold World/When the Golden Leaves Begin to Fall/My Little Georgia Rose/Mighty Dark to Travel/Cry Cry Darlin'/I Was Left on the Street/Lord Lead Me On/Tall Timber.

ビル・モンロー曲集で一番難しいのは選曲だろう。それによって、アーティストの高を量られかねない。ということで、オウディ・ブレイロックがビル・モンローに捧げた最新作の全曲を書き出しておいたが、いかがだろう。この気合の入り方で、アルバムへの期待が高まるというモンです、ね!! さらに、"...Old Kentucky Shore"のデュオはデル・マッカーリーとともにモンロー/マーティンを、"Mighty Dark..."ではボビー・オズボーンとモンロー/フラットを再現、そしてジェイソン・カーターとグレン・ダンカンを招いて"Tall Timber"ほか3曲でトリプル・フィドル、そしてマンドリンには全曲ロニー・マッカーリー。がしかし、それ以外は自身のツアーバンド、パトリック・マカビニュー(f)、ラス・カーソン(bj)、リード・ジョーンズ(bs)のレッドラインがバッチリ固めている。若いみんなが、上手い!!

RUR-1079 BILL EMERSON『Eclipse』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

New San Juan/Jesse James/Chilly Winds/Don't Come Around/Espanol/Poor Rebel Soldeir 他全14曲

とにかく整った、華麗なスリーフィンガーが身上、「玉が転がるような……」といった表現がぴったり、1938年生まれ73歳のビル・エマーソン最新バンジョー・アルバムの登場だ。1957年のカントリー・ジェントルメン創立メンバーであり、その後ジミー・マーティンのサニー・マウンテン・ボーイズから、クリフ・ウォルドロンとともにニューグラスの端緒を披露、1971年からは再びカントリー・ジェントルメンで活躍した後1973年、米国海軍軍楽隊のブルーグラス・バンド、カントリー・カレントで活躍、20年間を務め年金生活に入るとともに退役、2007年からスウィート・ディキシー・バンドを率いて2枚の優れたバンド作品を発表している。本作はマーシャル・ウィルボーン(bs)とリン・モリス"Jesse James"、トム・アダムズ(g) "Poor Rebel Soldier"、フィドラーでもあるジェニー・オバート"Don't Come Around"の歌物3曲のほかは、10曲がエマーソンのオリジナル・インストとラルフ・スタンレーのバンジョーインスト1曲の全14曲という構成で、老いてなお盛んな創作意欲、そして変わることのない流麗なフィンガーピッキンがすばらしい。マンドリンにはアグレッシブな若いクリス・ヘンリーと老練なジミー・グドロー。クリスのアグレッシブさがいいぞ!

RCSI-1034 LARRY CORDLE『Pud Marcum's Hangin'』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Justice for Willy/Hello My Name is Coal/Uncle Bob Got Religion/Angels on his Shoulder 他全12曲

1983年、幼なじみのリッキー・スキャッグスが取り上げた"Highway 40 Blues"が全米ナンバーワン・ヒットとなり、音楽キャリアをスタートさせたラリー・コードルの最新アルバム第7作。初めてバンド名、ロンサム・スタンダード・タイムを冠しないラリー・コードルの最新作は、1887年に絞首刑に処せられたパッド・マーカムの物語(どうも冤罪だったらしい)をテーマにしたコンセプト・アルバム。スティーブ・トーマス(g,m,f)、カール・ジャクソン(g)、クレイ・ヘス(g,m)、ランディ・コーアズ(d)、シャド・コッブ(f)ほかの超ベテランたちにデル・マッカーリー、ロニー・ボウマンらのハーモニーで、リッチで品のいいアコースティック/ブルーグラス・サウンドをバックに、自身の出身地ケンタッキー州ローレンス郡(現在もドライ・カウンティ=酒類販売禁止郡)で1886年に起きた殺人事件の結末と翌1887年に3000人もの見物人を集めた東ケンタッキー最後の公開処刑をテーマにストーリーテラーの本領発揮だ。最後の曲"America, Where Have You Gone"では、「この国を強くした古き良きアメリカの価値観はどこへいったのか?」とキリスト教保守派の代弁で締める。その主張はともかく、さすがジョージ・ストレイトとアラン・ジャクソンの大ヒット曲"Murder on Music Row"をモノにしたラリー、非常にレベルの高い音楽とオリジナルソングが見事だ。

MR-1290 LEONA『A New Peace Within』CD ¥2,573-(本体¥2,450-)

Little Cabin Home on the Hill/Close By/Cherokee Shuffle/Roly Poly/Soldier's Joy 他全12曲

2009年にETSU(東テネシー州立大学)を卒業した徳武レオナのデビューCDアルバム。「テネシー州に住んで六年目になりました。ようやく念願のアルバムを完成させることができました。『ありのままの私』の音楽をお届けいたします」と、レオナがライナーに書いているように、自分の周囲の仲間たちと、六年間のさまざまな思いを形にしたもので、フィドルのオリジナル・インストが3曲、夫でもあるバンジョー奏者、J.P.マシスとのオリジナル・ボーカル曲が3曲、そしてモンロー/フラット/スタンレーのスタンダードにトラッドフィドルチューンが2曲に、レオナの18番"Roly Poly"の全12曲。J.P.のパワー・バンジョーと、ジョン・スーツまたはアーロン・ジャクソンのギターとマンドリン、ボビー・オズボーンJr.のベースに、さすが大人の音を聴かせるレオナのお父さん、ドクターKこと徳武弘文が3曲でゲスト。デビューアルバムらしい、ちょっと硬さはあるけれど、生まれも育ちも東京のお嬢さんがアパラチアの山中で6年間、頑張った「ありのまま」が収められている。

RUR-1076 GRASSTOWNE『Kickin' Up Dust』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Blue Rocking Chair/I Don't Worry About You Anymore/Old Time Way/Run/Waves of Sorrow 他全12曲

クイックシルバーやマウンテンハートの一時代をリードしてきたスティーブ・ガリー(g)の強力ボーカルをメインに、アラン・バイビー(m)と、見るからに20代そこそこといったジャスティン・ジェンキンズ(bj)、アダム・ヘインズ(f)、キャメロン・ケラー(bs)らの若いスーパーピッカーたちがテンション一杯ドライブかけまくりのヘビー級メインストリーム・ブルーグラスを演じる。創立メンバーのドブロ、フィル・レッドベターが病気療養のため、5人編成となったグラスタウンのホットな最新作。メチャクチャメリハリの効いたビートとボーカルにパリパリのマンドリン/バンジョー/フィドルが絡むスリルは、ナンツーカ20世紀のアメリカのエネルギー=蒸気機関車を思わせる明快さだ。さすが南部!!

ブルーグラス発掘&編集モノ新入荷
GT7-2207 STANLEY BROTHERS『Early Starday-King Years, 1958-1961』CD4枚組¥4,725-(本体¥4,500-)

ビル・モンロー、そしてフラット&スクラッグスと並び称せられるブルーグラス音楽スタイルをセットした御三家、スタンレー・ブラザーズの初期スターデイ/キング録音全集の第一弾全109曲集が化粧箱入りのボックスセットからジュエルケースの4枚組となって再発売である。これで先に再発されていた全集後編『King Years 1961-65』(GT7-2180 特価¥4,725-)の全111曲とともに、キング/スターデイ録音のスタンレー・ブラザーズの全録音220曲が完全に揃うことになる。"Love Me Darling Just Tonight"、"How Mountain Girls Can Love"、"Think of What You've Done"……、「ハッピーな曲を悲しく、悲しい曲をより辛く」歌うといわれるカーター・スタンレー。貧しく厳しいアパラチアの陰影を引き摺った41年の短い生涯だったのかもしれない。
 1966年に他界したカーター・スタンレーという稀有のボーカリストの生涯公式録音は上記2組のキング全集のほか、地元のリッチ・R.トーン・レーベルの全14曲集『Earliest Recordings: Complete Rich-R-Tone 78s, 1947-1952』(ROU-1110 ¥2,573-)、コロムビア時代の全22曲集『Complete Columbia Recordings, 1949-1953』(COL-53798 ¥2,079-)、そしてマーキュリー時代の全48曲集『Complete Mercury Recordings』(B000053402 2枚組¥3,675-)が揃う。ムーンシャイナー誌4月号と5月号連載のスタンレー・サウンド特集とともにお楽しみください!!

B.O.M.特選コーナー
■フォークとは何か?
 毎春恒例になってきた「ブルーグラスとは何か?」を探るシリーズ、今年はブルーグラスの周辺ジャンルについてさまざまな切り口から攻略をはじめています。まずムーンシャイナー誌4月号特集、ディラン→ランブリング・ジャック→ガスリーの系譜の先に存在するアメリカの本来的なフォークソングとは、以下のアルバムで聴くことができる。
SF-40090 V.A.『Anthology of American Folk Music』CD6枚組+96頁冊子¥9,450-(本体¥9,000-)

 1952年にフォークウェイズ社が2枚組3巻LPとして発表、その後1960年代のフォーク・リバイバル、そして90年代のロック界に吹き荒れたアンプラグドなどの源泉となった極めて重要な全集アルバムの復刻である。ハリー・スミスという、エキセントリックなボヘミアンでもあったというコレクターが1926年から1932年までの78回転SP盤を復刻、多くの若者にブルースや初期カントリー(オールドタイム音楽)の存在を知らしめた歴史的作品で、本作は1997年にオリジナル通りのLPボックスサイズと装丁で再発売されたCD6枚組でLPと同じ全84曲とハリー・スミスによるオリジナルのライナーノーツのコピーが収められ、さらにあたらしく96頁の冊子が収められている。われわれ第2世代のブルーグラッサー、たとえばジェリー・ガルシアをはじめデビッド・グリスマンやピーター・ローワンなど、フォーク・リバイバルの初期を知る人間にとってはまさしく自分の音楽の出自を知る貴重なバイブルであり、このLP2枚組3巻とニュー・ロスト・シティ・ランブラーズとが自分たちの音楽の源泉であった。オールドタイムやブルースはもちろん、ケイジャンやジャグバンド、セイクレッドハープほか、戦前に録音された「アメリカン・フォーク」と呼ぶに相応しい録音が集められている。ムーンシャイナー誌4月号で特集の「フォークとは何か?」、その答えがここにある。冊子の最後に引用されているハリー・スミスの言葉「わたしの夢が実現されたのを見ることができ嬉しい限りだ。わたしはアメリカが音楽を通して変化するのを見届けた」とあるように、この作品が主要ラジオ局から聴こえるプロが創った耳障りのよいポピュラー音楽とは違う音楽の存在、すなわちアメリカの若者に手作りの奏法と自分の言葉で音楽を表現することを教えたがゆえにディランを生み、はるかイギリスにまでスキッフルを通じてビートルズを動かしたがゆえに1960年代以降の音楽を生んだ、……これがその源泉なのである。アメリカ音楽、否、世界のポピュラー音楽の歴史に興味ある人は必携のお宝作品である。

SF-40093 V.A.『Classic Old Time Music』CD¥2,318-(本体¥2,250-)

アフリカ系アメリカ人のバンジョーと、アングロ系アメリカ人のフィドルが出会って生まれたアメリカ独自の伝統音楽、ストリングバンド(弦楽団)に焦点を当てたスミソニアン博物館所蔵のフォークウェイズ録音29曲集。ライナーに曰く、「グレイトフルデッドの"Don't Let Your Deal Go Down"やボブ・ディランがクラレンス・アシュレイから学んだ"Little Sadie"など、もっとも尊敬されるルーツ・アーティストたち」の録音――ドック・ボッグスからメイベル&サラ・カーター、クラレンス・アシュレー、サム&カーク・マギー、ロスコー・ホルカム、J.E.メイナーズ、ウェイド・ウォード、フランク・ボード&トミー・ジャレルらのオールドタイマーから、ニュー・ロスト・シティ・ランブラーズからアイロン・マウンテン・ストリングバンド、オールド・リライアブル・ストリングバンド、レッド・クレイ・ランブラーズ、アンディ・ケイハンらのニュータイマー!?まで、さまざまなオールドタイム・ストリングバンド音楽が堪能できるベスト集である。

SH-3952 TIM O'BRIEN, DIRK POWELL, JOHN HERRMANN『Songs from the Mountain』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

そして現在、最高のミュージシャンによるオールドタイム入門としてさまざまな典型パターンを一望するベストセラー大傑作。フィドル・チューン、バラッドからフォスター、そしてサザン・ホワイト・ゴスペル"Angel Band"まで、アパラチアと南北戦争を描いた大ヒット大河小説&映画『コールド・マウンテン』(ニコール・キッドマン主演)の物語に沿って組み上げられた「これがオールドタイム(アパラチアン・フォーク)音楽だ!!」の決定版!!

■カウボーイ~ウエスタン・スウィング
ムーンシャイナー誌5月号特集、オールドタイム/ヒルビリー(フォーク音楽)からジミー・ロジャーズを経て、カウボーイソングやウエスタン・スウィングに至るカントリー音楽史のはじまりぃ……。
JSP-7704 JIMMIE RODGERS『1927-1933』CD5枚組¥5,775-(本体¥5,500-)

「カントリー音楽の父」と呼ばれるジミー・ロジャーズ(1897-1933)、1927年のブリストル・セッションではじまった生涯録音を年代順に109曲。ベア・ファミリー社の145曲、6枚組(BCD-15540 ¥16,500-=シビアなファンにはお勧め!!)には及ばないものの、それほどのファンではない人たちには絶好の廉価大全集である。アメリカ初、レコードを通して人気を博した「シンガーソングライター」といえるオリジナリティと、ルイ・アームストロングやアル・ハインズらとのジャズやハワイアン・バンドとの共演など、アメリカ大衆音楽の要素を素早く取り入れる姿勢など、現在のカントリー音楽のみならず、ロックを含めたアメリカンポップ音楽隆盛の礎であることは間違いない。代表43曲の譜面とコードが記載された楽譜『Jimmie Rodgers Memorial Song Book』(HL-306296 ¥2,625-)もある。

ROU-0329 SKIP GORMAN『A Greener Prairie』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Blue Mountain/Here to Texas Ranger/Yellow Rose of Texas/Wandering Cowboy/Cattle Call 他全17曲

カウボーイ・ソングをアパラチア経由のケルト系音楽と捉えたカウボーイ・シンガー、スキップ・ゴーマンの1994年秀作。フィドルやバンジョーを有効に使いながら、B級西部劇でイメージづけられた架空のカウボーイソングではない、19世紀から20世紀にかけての実際のトラディショナル曲中心のカウボーイソング集。1996年の第2作『Lonesome Prairie Love』(ROU-0359 ¥2,573-)もある。ちなみスキップ、ビル・モンロー・スタイル・マンドリン奏者としての評価も高い。

WB-46497 RANGER DOUG『Songs of the Sage』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Singing in the Saddle/Hurry Sunrise/Night Riding Song/Idaho Moon/Welcome to the West 他全12曲

カウボーイ・コーラス・グループ、ライダーズ・イン・ザ・スカイを率いるレンジャー・ダグこと、ダグラス・グリーンが1997年に発表した珍しいソロ・アルバム。B級ウエスタン映画でイメージづけられた架空の西部ロマンチシズムを「これでもか!」と楽しませてくれるすばらしいアルバムだ。最新ウエスタン・スウィングのハイセンスなアレンジ、メチャ美しいギターにフィドルやトランペット、クラリネットなど、現代技術の粋を集め、ノスタルジー一杯に演じた「ウエスタン」秀作。元ビル・モンローのブルー・グラス・ボーイにしてカントリー音楽研究家でもあるダグ、入魂の全曲オリジナルである。

STR-4 JOSH HEDLEY『A Tribute to Bob Wills』CD-R¥2,573-(本体¥2,450-)

Take Me Back to Tulsa/Bring It On Down To My House/Faded Love-Maiden's Prayer Medley/Roly Poly/Cherokee Maiden/Right Or Wrong 他全12曲

1930年代にボブ・ウィルスらによってストリングバンドと、当時隆盛をはじめたスウィングの融合が成され、現在カントリー音楽の技術的基礎であるウェスタン・スウィングが生まれた。本作は、幼い頃からボブ・ウィルスのウェスタン・スウィングを聴いて育った弱冠15歳のフィドラー&シンガー、ジョッシュ・へドレーのウィルス・トリビュート2001年作品。バディ・スパイカーのプロデュース、そしてナッシュビル・スウィング・バンドのバックアップで、のびのびと唄い演奏している。"Faded Love Medley"などのバディとのツイン・フィドルあたりに、流石バディが目をかけているのも納得の、光るものを感じさせている。こうしてボブ・ウィルスのウエスタン・スウィング伝統は受け継がれていく。なお、ボブ・ウィルス物ではDVDドキュメント画像『Fiddlin' Man Life and Times』(VV-2354D ¥3,308-)の在庫がある。

■ホンキートンクとは何か?
ムーンシャイナー誌6月号特集、カントリー音楽の本流といえば「ホンキートンク」サウンド。その語源からアーネスト・タブの登場、そしてハンク・ウィリアムズとビル・モンローの逸話などを特集している。「ホンキートンク」の王道は、これら以下のアルバムで聴くことができる。
JASMD-3535 HANK WILLIAMS『His Greatest Hits, Vol. 1 - Honky Tonkin'』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

ホンキートンク・カントリーのイメージを決定づけたのはやはりこの人、ハンク・ウィリアムズだろう。アルバム・タイトル"Honky Tonkin'"から、"I Saw the Light"、"Lovesick Blues"、"Blues Come Around"、"A Mansion on the Hill"、"Six More Miles"ほか、"I'm a Long Gone Daddy"まで、ハンクの超有名ヒットとは一線を画したシビアな選曲によるベスト25曲集である。同様の選曲による第2集『His Greatest Hits, Vol. 2 - Long Gone Lonesome Blues』(JASMD-3536 ¥2,079-)もある。ある種、破滅的な生き方に共通性のあったビル・モンローの烈しさと重なる、抑えがたい衝動をハンクからは感じる。

SHA-602D MARTY ROBBINS & ERNEST TUBB DVD¥3,308-(本体¥3,150-)(60分)

1954~1956年、"Singin' the Blues"ほかのマーティ・ロビンズ12曲と、"Walking the Floor Over You"ほかのアーネスト・タブ14曲の合計26曲、カントリー音楽が最もカントリーらしかったといわれるホンキートンク全盛時代、現在ではクラシック・カントリーと称される最高の一瞬が収められた貴重な35mmフィルム『Country Classics』からの作品。同シリーズとしてほかに、『Webb Pierce & Chet Atkins』(SHA-601D ¥3,308-)、『Jim Reeves & Ray Price』(SHA-603D ¥3,308-)がある。

JASMD-3568 WEBB PIERCE『It's Been So Long』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

1952年12月7日、グラディ・マーティン、ショット・ジャクソン、トミー・ジャクソン、ライトニング・チャンスといったメンバーで録音された、実にホンキートンクらしいタイトルの1曲目"Back Street Affair"からはじまるウェッブ・ピアス(1921-1991)の24曲集。最大のヒット"In the Jailhouse Now"(1955)や"Slowly"(54)ほか、最初のナンバーワンヒット"Wondering"(52) から"There Stands The Glass"(53)、"Love, Love, Love", "I Don't Care"(55)ほか、最後のナンバーワンヒット"Why Baby Why"(56)まで、多くのヒット曲を収めたベスト盤。のちにウエストコースト・カントリーロックのアーティストらを席巻したヌーディ・スーツの元祖でもある。クラシック・カントリーの大御所だ。DVD画像として『Webb Pierce & Chet Atkins』(SHA-601D ¥3,308-)もある。

PATUX-212 TRAVERS CHANDLER & AVERY COUNTY『State of Depression』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

そしてブルーグラス界には無名だけど、まだこんな人がいるんだ!!という驚きと喜びを届けてくれるすばらしいトラッドグラス、トラバーズ・チャンドラー&エイブリー・カウンティがいる。アメリカの底辺に生きる人/負け犬たちへの感情を込めた、ホンキートンク・カントリーとアーリー・ブルーグラスが同じ舞台で聴かれていた時代の雰囲気をそのまま再現する彼ら。アダム・ポインデクスター(g)とブレイク・ジョンソン(bs)の良く練られたハーモニーに、トラバーズ自身のマンドリンがアーリー・ブルーグラスのバンド・エネルギーを支え、オールドタイムからジャズ/ニューグラスまでをこなす若いパンクな才人ネイト・リースのフィドルが見事に感情過多のすばらしいブルーグラス魂を表出ながら、マーク・ディレイニーの超ユニークなバンジョーがトラッドグラスの型を整えていく。ダニー・ペイズリーがライナーノーツで書いているように、「このアルバムは純粋なボルティモアの安酒場(ホンキートンク)だ!」という通り、アパラチアの山奥から都会に出てきた労働者たちが、故郷の響きと苦しい生活への共感を生む詞に、一時の癒しを求めて集う場所。そんな所も20世紀中にほとんど姿を消したけれど、トラバーズのような人がまだいる。ブルーグラスが持つ本来のエネルギーは決してなくならないだろう。これはホンキートンク・ブルーグラスだ。

■ヘイゼル・ディケンズ追悼
ムーンシャイナー6月号では、4月22日に他界したヘイゼル・ディッケンズ追悼を特集。女性がブルーグラスをするという、さまざまな意味での障害を乗り越えたパイオニアの姿が少しでも伝わればと願います。凄い女性シンガーでした。
SF-40065 HAZEL & ALICE『Pioneering Women of Bluegrass』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ヘイゼルとアリスというふたりの女性デュオがブルーグラスに挑戦することに、ビル・モンローは喜びサポートを惜しまなかったことはここに収められている"The One I Love Is Gone"を聴けばいい。この名曲はモンローが彼女たちに提供したものだ。それは彼女たちの保護者でもあったラルフ・リンズラーやマイク・シーガーらの説得にもよるところが大きいという。そんな濃いモンロー精神を体現しようと集まったチャビー・ワイズ(f)、デビッド・グリスマン(m)、ラマー・グリア(bj)らと残した26曲。どれもこれもアパラチアの深い悲しみをモンロー音楽の手法を通して表現された大秀作である。

■バリンジャー・ファミリー/クラスター・プラッカーズ
 5月末から来日公演したバリンジャー・ファミリー・バンド、多くの人が予想外に「とても良かった」と感じたようだった。スウィングからビートルズ、マット・フリナーのシュアーなアール・スクラッグス・スタンダードの数々やイーサンのスーパーマンドリンと大人びたスウィングギター、デール父さんのトラッド等々、なにより、あのクラスター・プラッカーズを髣髴させる「歌うのが大好き!」といったクリスの楽しそうな姿が大受けだった。ということで、フォノジェニックな女性ボーカルがブルーグラスにぴったしハマったプラッカーズの在庫作品をまとめて紹介しておこう。
CP-8901 CLUSTER PLUCKERS CD¥2,880-(本体¥2,750-)

I Wonder Where You Are Tonight/Woman In Love/Life's Railway to Heaven/I Still Miss Someone/Will You Miss Me/Darlin' Cory/Farther Along 他全10曲

日本人の琴線に触れるブルーグラス!?で人気を博したクラスター・プラッカーズ1989年、20年前のデビュー作。とにかく歌うことが好きな女の子ふたり、マーガレットとクリスにナッシュビル・アンダーグラウンドの名ピッカーたち、リチャード・ベイリー(bj)、ブレイン・スプラウス(f)、デール・バリンジャー(bs)、そしてキーマンの音作り職人マーク・ハワード(g)。LP時代の作品で曲数は少ないが、有名ブルーグラス曲をサラッと、フツーの美しい音楽にしている名作だ。

CP-9202 CLUSTER PLUCKERS『Just Pluck It』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

Nagasaki/Sheik of Araby/Ain't Misbehavin'/Roly Poly/Wayfaring Stranger/Peach Pickin' Time In Georgia/I Can't Help It If I'm Still In Love with You/Would Jesus Wear a Rolex 他全14曲

スウィング系のレパートリーを中心に、カントリー名曲を配した1992年の第2作。マーガレットがチェット・アトキンスと書いたキリスト教右派牧師への批判なども含んだ明るく楽しいエンタメ作品。

■ビル・モンロー生誕100年、センテニアル!!
 1911年9月13日、ケンタッキー州ロジーンに生を享けたウィリアム・スミス・モンロー、「ブルーグラスの父」、今年はその生誕100年だ。ビル・モンローの音楽を伝える、さまざまなお奨め作品を、1年にわたって紹介している。
MVDV-4577 & BOOK-27 BILL MONROE『Father of Bluegrass Music』DVD +BOOKセット特価 ¥3,675-(本体¥3,500-)

今年生誕100年を迎えるビル・モンロー(1911-1996)がすべてを語る必携名作DVD。 故ジョン・ハートフォードとのモンロー農場でのインタビューを軸に、レスター・フラット、エミルー・ハリス、ポール・マッカートニー、オズボーン・ブラザーズ、ドリー・パートン、リッキー・スキャッグス、マーティ・ステュアート、そしてデル・マッカーリー/ビル・キース/チャビー・ワイズのブルー・グラス・ボーイズ・リユニオンなどの超貴重な演奏、ジェリー・ガルシアやロイ・エイカフのインタビューなど、日本語/英語併記の完全対訳本とともに、20世紀の偉大なアメリカ音楽家の生涯を再訪しましょう。感動です!! 必見必携のDVD&対訳本セット!!

SF-40063 BILL MONROE『Live 1956-1969; Off the Record Vol.1』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ビル・モンローの、不遇時代からフォークリバイバルとともに若者たちからブルーグラスの父と尊敬されはじめる頃、もっとも尖っていた1960年代の凄まじい75分ライブ全27曲集。ピーター・ローワン、デル・マッカーリー、ビル・キース、ローランド・ホワイト、ヘイゼル・ディッケンズや超貴重な兄、チャーリー・モンローとの歴史的モンロー・ブラザーズ・リユニオンほか。この抑え難い衝動、そのエネルギーと内に秘めた寂寥感、ブルーグラスのある本質である。この熱とエネルギーこそ民衆音楽の魂だ。ビル・モンロー音楽を芸術の域に認めさせた最大の功労者、故ラルフ・リンズラーが制作編集した入魂の「生(ライブ)」なビルモン!!

SF-40064 BILL MONROE & DOC WATSON『Live Duet Recordings 1963-1980; Off the Record Vol.2』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

こんな録音が残っているって!!やっぱりレコード(記録)は偉大だ。生誕100年を迎えている「ブルーグラスの父」ビル・モンローがオールドタイム/フォークの大御所で、今年88歳の米寿を祝ったドック・ワトソン(ムーンシャイナー3月号で米寿記念特集と6月号で今年のマールフェスでのドック・ワトソン追っかけリポート)とモンロー・ブラザーズの再現をしてみせる!! ふたりがマンドリンvsギター・バトルを展開、そのラフな1音ずつに込められたスピリット、リズムに秘められた衝動、われわれが何故この音楽を愛し続けるのか、覇気に溢れたふたりの偉人が教えてくれる超貴重な全17曲。

ブルーグラス/オールドタイムお勧め作品
■最近紹介した話題のアルバムたち……
RCSI-1033 IVAN ROSENBERG & BILLY CARDINE『The Donkeys』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Banjo a Trios Minu Uno/No Ash Will Burn/Far in the Wind/Don't Look Rough and Rocky 他全10曲

バンジョー・ファン愕然! スリーフィンガー(ビリー)とクロウハンマー・バンジョー(アイバン)のメチャ格調高い東洋マウンテンな美しいツイン・バンジョー・インストではじまる、ともにドブロ奏者でもあるアイバン・ローゼンバーグ(左チャンネル)とビリー・カーダイン(右チャンネル)の大秀作品が再び入手可になった。新世代のドブロを代表するビリーがアイバンとふたりで、チャトランギ(Chaturangui)も含む、弦をスライドするいう奏法のさまざまな可能性を聴かせてくれる。ビルのバンド、ビスケット・バーナーズ(ここのオデッサ・ジョーゲンソンは現在ベアフットで人気の女性シンガー/フィドラー)のギタリスト、ダン・ブレッツが趣味の良い音を聴かせてくれ、同バンドのベーシストでビリーの妻でもあるメアリー・ルーシー"No Ash Will Burn"はメロディの捉え方を変えて聴かせてくれ、同バンド最初のボーカル、シャノン・ウィットワース"Don't Look Rough and Rocky"が素敵にスモーキーな女性ボーカルを聴かせてくれる。限りない可能性を持つスライドギター、ドブロのあたらしい世界、そして29歳、バージニアからノースカロライナのブルーリッジに沿ってボストン生まれのセンスであたらしいアパラチア音楽の形を提示しはじめたビリー・カーダイン、ムーンシャイナー誌で近々特集予定だ。

AMB-027 LOUIE SETZER & Appalachian Mountain Boys『Wish I Were There』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Take Me In Chain/You'll Find Her Name Written There/Hit Parade of Love/Mr. Engineer 他全16曲

すばらしい!!トラッドグラスとブルーグラス楽器のインプロバイズが見事に融合、現代の北部ブルーグラスの大秀作ではないだろうか!? ルーイ・セッツァーについてはムーンシャイナー2007年2月号でも「模倣こそは追従のもっとも真摯なかたち」(MS-2404 ¥525-)という特集をしたほど、ジミー・マーティンの臭みを見事に昇華、「ハード・ドライビング・ホンキートンク・ブルーグラス」を目指すという彼と、ボブ・ハリスのリードギターとロブ・ヘットのフィドルのふたりが自在に繰り広げる強烈なインプロバイズがメチャクチャ面白い(ナッシュビルのお利巧さんたちはここまでやってくれないよ!)。もちろんバンジョーとマンドリンも調子に乗って反応していく面白さ。ほぼ全曲がデル・マッカーリーやマック・ワイズマン、カンジェンほかの隠れた名曲を中心にしたカバー。そうそう、ルーイは1970年代以降のマーティン・ギターの出荷責任者で、「ルーイがマーティンだというまで、マーティンじゃない」というCMで知られた1948年生まれ、団塊の世代ど真ん中の今年63歳!! きっとあなたのマーティンもルーイの証明付かもしれませんよ……!? 楽しさ一杯のチョーお奨め作品!!

SKFR-2021 CHERRYHOLMES『Ⅳ; Common Threds』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

5月7日のバージニア州ゲイラックスでのフェスを最後に解散した、究極のファミリーバンド、チェリーホームズ、今年度のグラミーにもノミネートされた最後の2010年作品。バンド結成10年でこんなにものすごい作品を創る、現在の米国ブルーグラス界のすごさが凝縮したような作品。子供をひとり亡くしたことで窮地に追い込まれた家族を立て直すためにブルーグラスをはじめたシロート集団、チェリーホームズ一家、マッチョな父ジェリー(bs)、張り切り母さんサンディ(m)、そして溢れかえる才能に恵まれた4人の子どもたち。長女シアはバンドの看板リード・ボーカルと超ソリッドなバンジョー、長男B.J.の超絶フィドル、次男スキップのハイテク・ギター/マンドリン、次女モリー・ケイトの見事な左利きフィドル……、それらどれもが機能的に組み合わさり10年間、家族だけでここまで完成されたサウンドが創れるものかと、驚きを通り越してあきれ返る。2005年にはブルーグラス界最高の栄誉、IBMAアワード最優秀エンターテイナーを獲得した奇跡のファミリーバンド、チェリーホームズの完結作! まぁ、みなさん、聴いてみなはれ!!!

ROU-0662 LARRY SPARKS『Almost Home』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Blue Mountain Melody/Momma's Apron/Send Me the Pillow You Dream On/Sombody Touched Me 他全12曲

1964年、16歳でスタンレー・ブラザーズのリード・ギタリストとなり、1966年のカーター・スタンレーという偉大なシンガーの死によってそのあとを継いでラルフ・スタンレー&クリンチ・マウンテン・ボーイズを支えたラリー・スパークスは45年間、自身のロンサム・ランブラーズを率いて一筋に自分の歌を歌いつづけてきた。そのギターと同様、バンドは激しくドライブし、決して美しく収めようとするのではなく、むき出しの感情をぶつける。その「生」のブルーグラスは、多くの人にデル・マッカーリーと並ぶ第一世代からの正統ブルーグラスの継承者として、現在ブルーグラスの「宝」と呼ばれる。息子のラリー・D.スパークスのベースにタイラー・マリンズ(bj)、カール・バーグレン(m)というメンバーに、ロン・スチュワートのフィドルとドン・リグスビーまたはジェフ・ブラウンのテナーの最新作。その身のこなしやギターの扱いまでもがカーターそっくりというラリー、女性の涙を狙う新曲を軸にハンク・ロックリンの名曲ほか、田舎の歌(本来のカントリーソング)の王道を聴かせてくれる。 なおムーンシャイナー4月号でカーター・スタンレー、5月号ではカーター後、ラリーからはじまり、ロイ・リー・センターズやキース・ウィットリーに引き継がれていく「ハッピーな歌を哀しく、哀しい曲をより悲しく歌う」クリンチ・マウンテン・ボーカルの流れを紹介している。

SH-4062 SARAH JAROSZ『Follow Me Down』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Run Away/Annabelle Lee/Ring Them Bells/My Muse/Floating in the Balance/Gypsy/Peace 他全11曲

 ものすごい19歳、サラ・ジャローズの最新第2作は2009年のデビュー作『Song Up in Her Head』(SH-049 ¥2,573-、お勧めだよ!!)から2年、米国最古の由緒ある音楽学校、ニューイングランド・コンサーバトリーに通いながらキャリアを積んで、すごい成長ぶりだ。そのボーカル、マンドリンにはますます磨きがかかり、バックアップにはショーン・コルビン、ダレル・スコット、ジェリー・ダグラス、ベラ・フレック、ビクター・クラウス、ステュアート・ダンカン、そしてパンチ・ブラザーズまでが名を連ね、みんなの期待度が分かろうというもの。ツアーをともにする天才フィドル少年アレックス・ハーグリーブスやチェロのネサニエル・スミスもきっちりと参加。ディラン"Ring Them Bells"とレディオヘッドの"The Tourist"の2曲以外は9曲の瑞々しいオリジナル。前作同様、自分の視線からのメッセージをストレートに表現する新世代のアコースティック音楽だ。 もうひとり19歳、シエラ・ハルの先月紹介した最新作『Daybreak』(ROU-0658 ¥2,573-)で聴かれる素直なブルーグラスとは見事な対照を成す陰影に富んだアコースティック作品だ。ともにブルーグラスから生まれた天才少女ふたり、女性アーティストとして好対照ながら、それぞれに確実な階段を登っていく様子を追いつづけるのも楽しみだ。

MH-12952 BALSAM RANGE『Trains I Missed』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

The Other Side/Callin' Caroline/East Virginia Blues/Gonna Be Movin'/Memory of You 他全12曲

ムーンシャイナー最新6月号ブルーグラス・ソング・チャートでタイトル曲が第1位獲得!! リッキー・スキャッグスのお気に入りバンジョー奏者として知る人には知られたマーク・プルエットほか、ノース・カロライナ産の強烈なローカル・ミュージシャンたちの凄いテク、凄いこと!! そしてバンド・サウンドを強く意識したアグレッシブなアレンジと、アルバム発表ごとにブルーグラス・アンリミテッド誌の全米チャートの上位に常連するバルサム・レンジの最新作。ブルーグラス楽器、リズム、メロディなどの特長をデフォルメ/美味しいところを強調して、ニューグラスとカントリーロックなどの経験に裏打ちされた節で快調な現代ブルーリッジ系ブルーグラスを聴かせる。プルエット以外の全員が歌えるという強味もすばらしい。

REB-1838 BIG COUNTRY BLUEGRASS『The Boys In Hats & Ties』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Black Mountain Special/Prodigal/Lonely Old Man/Foggy Old London/Wreck on the Highway 他全15曲

ジェフ・マイケル(f)のボーカルを中心に、デリケートなセンスのビッグサウンドを聴かせるリンウッド・ランスフォード(bj)、トミー・セルズ(m)、テレサ・セルズ(g)、ジョニー・ウィリアムズ(g)、アラン・メスティン(bs)、バンド結成から20年以上を経たバリバリの正統派ブルーリッジ・ブルーグラス。タイトル曲(トム・T.ホールと2~3月に来日したドン・リグスビー作曲)ではアーリー・ブルーグラス時代に小粋な「帽子とネクタイ」でアパラチア地方を席巻した第一世代ブルーグラスに敬意を表し、なんとムーンシャイナー誌3月号のブルーグラス・ソングチャート第1位!! アルバムも3位。……やっぱブルーグラス、アメリカでもこういうバタ臭いアパラチア物が受けるんだ!? カレン・ギャリーンやロイ・マクミランらブルーリッジ系重鎮、クリス・ワーナーやアル・ロビンソンらのジミー・マーティン系、そしてロイ・エイカフで有名な"Wreck on the Highway"など、トラッドグラス選曲も秀逸。近年のブルーグラス、中途半端じゃないバリバリのローカル、ホンモノを感じさせるアパラチアン・ソウルが受けるのだ。

RCSI-1031 HARTFORD/RICE/CLEMENTS CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Bound To Ride/If I Should Wander Back Tonight/My Baby's Gone/Sweet Sunny South/We Can't Be Darlings Anymore/Love Please Come Home 他全13曲

故ジョン・ハートフォードとギター奏法とバイオリン奏法を根底から揺るがした革命児ふたり、トニー・ライスと故バッサー・クレメンツ、このブルーグラス偉人3人が1988~90年にかけて遺した録音集。フラット&スクラッグスとベニー・マーティンを核にルービンズやトラッド名曲など、彼らのアイドルたちの曲をカバーするスタジオ録音の発掘である。バックアップは故ロイ・ハスキーJr(bs)、プロデュサーでもあるマーク・ハワード(m)のふたり。あくまでも私蔵だったはずの非公式な2トラック録音だからこそ聴き取れるさまざまな「生」の感覚や「音」がビビッドに楽しめるお宝アルバムである。

RUR-1072 BOBBY OSBORNE『Memories』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Mountain Fever/Rocky Top/Pain in My Heart/Ruby/Memories/Man from Rosine/Memories of Yeasterday/Up This Hill and Down/Bobby Van Waltz 他全14曲

ボビー・オズボーン今年80歳、ブルーグラス第一世代の偉大なマンドリン奏者/シンガーの最新作は、ラッセル・ムーアやパティ・ラブレス、デビッド・グリスマンやロニー・マッカーリー、サミー・シーラーやオウディ・ブレイロック、そしてなんと!!三味線の国本武春らをゲストに迎え、充実のオズボーン節炸裂、60周年記念作品である。1949年にロンサム・パイン・フィドラーズで発表した自作の"Pain in My Heart"から、出世曲"Rubeeeeee"、そしてテネシー州歌にもなった"Rocky Top"をはじめ代表曲がズラッと、グレン・ダンカンの最新アレンジで新バンド、ロッキー・トップ・エクスプレスを引っ張っていく。第一世代にある種共通の音楽に対する抑えがたい衝動が堪能できる秀作である。

RCSI-1032 TERRY BAUCOM『In a Groove』CD¥2,363-(本体¥2,250-)

Do You Wrong Kind of Girl/Good Time Mountain Man/Open Up Your Heart/I Wish You Knew 他全12曲

1980年代以降のバンジョー・ビートをリードしたテリー・バウカムが豪華ゲストを網羅、ブルーリッジ系ブルーグラスの真髄を聴かせる。基本バンドはテリーのほか、アダム・ステッフィ(m)、ジェイソン・カーター(f)、ワイアット・ライス(g)、バリー・ベイルズ(bs)というIBMAアワード受賞者ずらり。そしてボーカルは、ポール・ウィリアムズ本人による"Steppin' Stones"をはじめ、話題のクリス・ステイプルトン(元スティールドライバーズ)やジェイミー・デイリー(デイリー&ビンセント)をはじめ、ギブソン・ブラザーズ、ジョン・コーワン、ラッセル・ムーア、ロー・ボウマン、ルー・リード、ドン・リグズビー、そしてドイル・ローソン&クイックシルバーのオリジナル・メンバー4人による録音など、お楽しみがいっぱい!! インストは1曲だけだが、聴き応え十分、さすが、ブルーグラスDJとして辣腕をふるう奥方=シンディとともに二人三脚で創り上げた楽しさいっぱいのブルーグラスだ。

ROU-0659 MICHAEL CLEVELAND & FLAMEKEEPER『Fired Up』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Dixie Special/Big Wide Strum/I'm Gonna Ride Taht Steamboat/Goin Up Dry Branch/Slowly 他全14曲

2007年から4年連続IBMA最優秀インストバンドに輝く彼ら、これでもか!のストレートブルーグラス・ボーカル最新作品。超スピードの1曲目からブギウギ調の2曲目、3曲目にはフォービート・シャッフル・カントリー調オリジナル、そしてフラット&スクラッグス名盤『Hear the Whistle Blow』に収められた4曲目、そしてバディ・スパイカーが1966年にジミー・マーティンと録音した隠れた名演インストの5曲目……ほか。バンジョーには現在はドイル・ローソンのクイックシルバーに移った10代のスクラッグス/レノ流ジェシー・ベイカー(ソロ『Yes, Sir!』は必聴!)、マンドリンがジェシー・ブロック(2009年IBMA最優秀マンドリン!)、マーシャル・ウィルボーン(2009~10年IBMA最優秀ベース奏者)、そしてギターに転向したトム・アダムズ、「ブルーグラスらしさ!」という同じゴールに向かってバンドがまっしぐらなのが快感だ。なお今夏、トム、ジェシー、マーシャルの3人が新バンド立ち上げをアナウンスした。……何があったんだろう!?

RUR-1073 V.A.『All-Star Jam: Live at Graves Mountain』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

More Pretty Girls Than One/Hold Whatcha Got/Ground Speed/Once More/When I Stop Dreaming/Home Sweet Home/Roll In My Sweet Baby's Arms 他全12曲

ワシントンDCの南バージニア州グレイブス・マウンテンで毎年開かれるマーク・ニュートン主宰のフェス。ロンサム・リバー・ボーイズ、ルー・リード&カロライナ、オウディ・ブレイロック&レッドライン、クロウ・ブラザーズらに、特別ゲストとしてサード・タイム・アウトのラッセル・ムーアやカール・ジャクソン、ウェイン・ベンソン、女性ボーカルのキャリー・ハスラーらを招き、全曲スタンダード曲にして特別企画のジャムとして構成されたフェス・ライブ。……ルーとラッセルのすごいハーモニーを得たオウディとか、そのすばらしい呼吸を持ったバンジョーを2曲披露するカールとか、はみ出しそうになるウェインとか、立場上重鎮としてサウンドをキープしようとするサミー・シーラーとか……、ライブならではのスリルや意外性が楽しめる。

5SP-08003 ALICE GERRARD & MIKE SEEGER『Bowling Green』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

St.Louis Blues/Sugar Baby/Dear Companion/In My Dear Old Southern Home/Coal Miner's Blues/Victory Rag/Sunny Side of Life/Flatwoods 他全26曲

オールドタイムが現在も健在である最大の功労者であるマイク・シーガーが、同志でもあるアリス・ジェラードと遺した1980年のLPアルバム全14曲と、1970年の日本ツアーのライブ7曲、そして1979年のトミー・ジャレルとのトリオが2曲ほかの全26曲、アリスとマイクのふたりが創り上げた録音をまとめた唯一のアルバムとして2008年に発表されたもの。2009年8月、75歳で他界したマイク・シーガーが、おそらく自身の足跡の中でも、ニュー・ロスト・シティ・ランブラーズとならび重要なパートナーだったアリス・ジェラードとの貴重な記録を形に遺したかったのか……? 日本ツアーのライブ(函館から2曲と東京5曲)では、司会の麻田浩の紹介も聞ける。ムーンシャイナー誌2009年9月号から12月号までマイク・シーガー追悼特集(12月号では麻田浩さんの「1970年11月15日~12月15日」日本ツアーの思い出あり)があります。われわれは40年前、とんでもなくすばらしいアパラチアを見たんだ!!

■初心者歓迎コーナー
各ジャンルのハズレなし、秀作とされるCDアルバムを、新旧取り混ぜて紹介しています。これらを聴き込んでいけば、あなたもこれらアパラチア系音楽のすばらしさに、きっとのめり込みます!
●ブルーグラス入門
SH-9202 V.A.『Legacy: A Tribute to the First Generation of Bluegrass』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

第2世代のスーパーピッカーたちでもあるシュガーヒルのアーティストたちが第1世代のブルーグラス御三家、ビル・モンロー、フラット&スクラッグス、スタンレー・ブラザーズをカバーした名曲15曲集。バイロン・バーライン&ビンス・ギル、リッキー・スキャッグス&トニー・ライス、ドック・ワトソン、サム・ブッシュ&ジェリー・ダグラス、セルダムシほかが御三家のスタンダードを料理する。

●オールドタイム入門
SH-4019 RILEY BAUGUS『Long Steel Rail』CD¥2,513-(本体¥2,450-)

見るからにホンモノのアパラチア人という雰囲気のライリー・ボーガス。ノースカロライナの山々が持つ神秘的なエネルギーをそのクロウハンマー・バンジョーとボーカルに乗せ、ティム・オブライエン(g,m)、ダーク・パウエル(g,f)、ジョー・スリフト(f)らのサポートのもと、現在最良のオールドタイム作品としてシュガーヒルが2006年に発表した作品。選曲やアレンジに工夫を加えて、あくまで伝承を逸脱することなく幅広い層にも聴かせることのできるオールドタイム入門作にもなっている。アカデミー受賞映画『コールド・マウンテン』でサントラを務めたクロウハンマー・バンジョー奏者ライリー、アパラチア伝統の本物、ピュアなオールドタイム作品です!!

●カントリー入門
SKFR-1002 RICKY SKAGGS & FRIENDS『Big Mon; The Songs of Bill Monroe』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

メジャーシーンで功遂げ名を成したリッキー・スキャッグスが2000年に友人たち、ブルース・ホーンズビー、ドリー・パートン、ディキシー・チックス、スティーブ・ウォリナー、ジョン・フォガティー、ドワイト・ヨーカム、パティ・ラブレス、ジョーン・オズボーンほか各界セレブに、サム・ブッシュ、ベラ・フレック、ステュアート・ダンカンほか、手当たり次第の凄腕ミュージシャンを集め、くんずほぐれつの大演奏会。演奏スタイルはブルーグラスからカントリー、ロック、ジャムバンドまで……、モンローソングを、さすがのヒトが歌うと、やっぱり凄い!! モンローとメジャーの両方を知るリッキー、さすがの選曲/人選に唸らされる。今回は再発盤(Ryric Street Records/Ricky Skaggs and Friends Sing the Songs of Bill Monroe)で入荷している。なおオリジナル版ジャケットはこちら。

■トラッドグラス
SH-3926 JOHN DUFFEY『Always in Style』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ビル・モンローが亡くなったショックから3ヶ月後の1996年12月10日、62才の若さでジョン・ダッフィが急逝、あれから15年だ。1957年のチャーリー・ウォーラーらとのカントリー・ジェントルメン結成は、サム・ブッシュをして「ニューグラスの父」と言わしめる偉大なブルーグラッサーだ。……がしかし、1曲目スタンレーの"Let Me Be Your Friend"からレスター・フラットの"The Old Hometown"、モンローの"Rose of Old Kentucky"をはじめ、18番の感動バラッド"Long Black Veil"や"Willie Roy"などから、最後の21曲目"Life Is Like a Mountain Railroad"まで、ニューグラスどころか、トラッドグラスの権化だったジョン。ジョンの名前が冠された唯一のソロ・アルバムだというのも、チームプレイヤーのジョンらしい。

RME-0700 LESTER & MIKE『Jump, Shout and Stomp』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

デイブ・タルボットのゴールデントーン・バンジョーと才人シャッド・コッブのアメージング・フィドルを軸に、マーティ・ステュアートのマンドリンやヒルビリーギターの名手ケニー・ボーン、そしてスラップベースのケント・ブラントンら、ナッシュビルの曲者たちがバックを務め、カントリー・ジェントルメンで知られる"This Morning at Nine"を1曲目に、ロイ・エイカフなどに代表される忘れ去られたヒルビリー・スタイルのシャウト・ボーカルでぶっ飛ばしてくれるレスターとマイクのアーミステッド親子の大秀作。カーター・ファミリー、エディ・アーノルド、ドン・ギブソン、ルービンズ、クロード・ブーン、ジミー・デイビスら、カントリーやブルーグラスというジャンルが分離する前、マウンテンとか、ヒルビリーと呼ばれた1930年代の唱法が極上のアコースティック・サウンドと共に蘇える。

RHY-1042 AUDIE BLAYLOCK & REDLINE『Hard Driving Bluegrass』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

「ハード・ドライブ」と米国では形容されるエネルギーを前面に、1950~60年代のブルーグラス名曲を現代によみがえらせるオウディ・ブレイロックの2009年作は、ジミー・マーティンとボブ・オズボーンの"You'll Never Be the Same"やレッド・アレンの"Send Me Your Address from Heaven"、"My Blue Eyed Darling"をはじめ、これでもか!と言わんばかりの渋いトラッドグラス名曲揃い。絶え間なくロールするバンジョー(エバン・ウォード)とアグレッシヴなフィドル(パトリック・マカビニュー)はともに10代、ソリッドなリズムをキープする20代前半のジェイソン・ジョンソン(m)とマット・ウォーレス(bs)の若者たちとともにバンドサウンドで勝負する快作である。ムーンシャイナー2009年2月号特集。

VAN-77004 KENTUCKY COLONELS『Long Journey Home』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

1964年のニューポート・フォーク・フェスに登場したケンタッキー・カーネルズ、ローランド(m)&クラレンス・ホワイト(g)、ビリー・レイ・レイザム(bj)、ロジャー・ブッシュ(bs)、多くの耳目がクラレンス・ホワイトのギターに注がれるが、まぎれもなく彼らは1960年代最強の若手トラッドグラス・バンドであり、本作はすばらしいゴスペル・カルテットも含めそのホットな無敵ライブ盤である。また6曲のドック・ワトソンとクラレンスのギターワークショップ、2曲のローランドとクラレンスによるブラザーデュオ、そして4曲のビル・キースのバンジョー・インストへのバックアップが含まれている、……とんでもない歴史的なお宝アルバムでもある。

LAV-1032 GERALD EVANS & PARADISE『Headin' Home』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ポールとジョー・マリンズ親子のトラディショナル・グラスをはじめ、ゴーインズ・ブラザーズやデイブ・エバンス、ワイルドウッド・バレイ・ ボーイズなどのフィドラーとして知られるジェラルド・エバンスのバンド、パラダイスの2003年作品。トラッドグラスの真髄を突くローカル・ブルーグラスの良さを堪能できる作品に仕上げている。15才のアイバン・ウォード(bj)や23才のデュエイン・スパークス(g)ら、若手を集めて、オハイオ・ブルーグラス と呼ばれるちょっとモダンでしかも泥臭さのあるソリッドグラスを聴かせてくれる。ジェラルドは2010年4月10日、50歳の若さで永眠した。廃盤につき、売り切れゴメン!!

■ニューグラス
SH-4017 CHRIS THILE『How to Grow a Woman from the Ground』CD¥2,573-(本体¥2,450-、歌詞付)

2006年発売の衝撃作品。2008年にパンチ・ブラザーズとして登場する2年前、彼らの考えるブルーグラスに正面から取り組んだ21世紀の若者ブルーグラスを象徴するような才能と魂が詰まった大秀作。当時、ほぼ全員が25才、ブルーグラスの未来を背負っていくスーパーピッカーらによるキョーレツなスタジオ・ライブ、一発録り。その後のメジャー、ノンサッチから2枚、パンチ・ブラザーズでのアルバムとともに、70年代のミュールスキナーやオールド&イン・ザ・ウェイに匹敵するインパクトを持つ、必聴の歴史的なブルーグラス名盤である。

GC-8108 GREENCARDS『Movin' On』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ニューグラス・スピリットを継承し、イギリスとオーストラリア出身というケルトの香りをふりかけ、ポップな女性ボーカルでブレイクを狙うザ・グリーンカード2003年の自費制作デビュー作。ギリアン・ウェルチからジョン・ダッフィ曲まで、パット・フリンをギターにマンドリンのスーパーピッキンが快感!! 廃盤、売り切れゴメン!

SH-4055 SAM BUSH『Circles Around Me』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

「ブルーグラスの父」ビル・モンローと並ぶブルーグラス・セレブ、「キング・オブ・ニューグラス」と称されるサム・ブッシュ。今年のグラミー賞にも最終ノミネートされたこの最新作はカントリー・ジェントルメン名曲から、知られざるレッド・アレン曲、デル・マッカーリーをテナーに迎えたモンロー2曲、そしてニュー・グラス・リバイバル中期とデビュー・アルバムからのカバー2曲等々、待ってました!!のブッシュ流ブルーグラス。2006年の前作『Laps in Seven』(SH-4013 ¥2,573-)までニューグラスの先頭を走りつづけ、70年代以降のブルーグラスをそのエネルギーで背負ってきたサム・ブッシュ、ちょっと立ち止まってブルーグラスを振り返った秀作。なおサムの昨秋、IBMAでの基調講演「ビル・モンロー生誕100年に……」をムーンシャイナー誌1月号と2月号で完全収録(各¥525-)しています。初のDVD作品『On the Road』(SH-4023D ¥2,888-)もカッコいいぞ!!

■ブルーグラス・マスターズ
そのキャリアで地位の確立した巨匠たち。
SF-40158 LILLY BROS. & DON STOVER『Bluegrass at the Roots; 1961』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

In My Dear Old Southern Home/Banks of the Ohio/Where Is My Sailor Boy/Little Annie 他全18曲

1961年に、故マイク・シーガーのプロデュースで発表されたトラッドグラス超名盤『The Lilly Bros & Don Stover』。ビーとエバレットのリリー兄弟のデュエットを軸にダウンホームなバンジョーとフィドルがアーリー・ブルーグラスの熱さを伝える。オリジナルに2曲の未発表を加え音質をリマスター、24頁に及ぶライナーノーツ付。2002年にIBMA名誉の殿堂入り(ムーンシャイナー誌02年11月号参照)、IBMAアワード・ショウのフィナーレで弟子とも呼べるビル・キースやピーター・ローワンらに囲まれてビーとエバレットが"Little Annie"を懸命に演じ唄った光景が忘れられない……。ビーはその3年後、2005年に83歳で逝った。エバレットは昨秋のIBMAのWOBでも元気な姿を見せてくれたよ。

JJ-14424 JIM & JESSE『The Old Country Church』CD-R¥2,573-(本体¥2,450-)

Old Country Church/Kneel at the Cross/Rock of Ages/Lord, I'm Comimg Home/Swing Low, Sweet Chariot/Are You Washed in the Blood? 他全12曲

ジム&ジェシー、1964年のブルーグラス・ゴスペル名盤のCD化である。60年代の学生ブルーグラスがこぞって取り上げたタイトル曲ほか、"Kneel at the Cross"、"Rock of Ages"、"Lord, I'm Comimg Home""Swing Low, Sweet Chariot"、"Are You Washed in the Blood?"など、全曲聴きなじみのゴスペル名曲ばかり。兄弟ともに30代の全盛期、名手アレン・シェルトン(2009年11月末に他界、ムーンシャイナー誌2010年2~3月号追悼特集参照)の端正なバンジョーとともに、ジェシーのバリトン・ボイスに透き通るようなジム(2002年に他界)のテナーが清楚なブルーグラス・ゴスペルを聴かせる。

JJ-18422 JIM & JESSE『Berry Pickin' in the Country』CD-R¥2,573-(本体¥2,450-)

1965年11月発表のジム&ジェシー大名盤CD化!! あの「ベリーピッキン」、そう、チャック・ベリー(本人がライナー!)のロックンロールを見事に品良く、誰にも真似のできない独特のジム&ジェシー・サウンドに焼き直してしまった彼らのセンスに脱帽。ジェシーのジェントルマン然としたリード・ボーカルに、ジムの突き刺さるようなテナー、そして2009年末亡くなったアレン・シェルトン(ムーンシャイナー2010年2~3月号追悼特集)の見事なバンジョーがジェシーのマンドリンとともにチャック・ベリーのダウンピッキンを再現、ジム・ブロックの縫うような上品なフィドルが間を埋め、リズムには鉄壁のライトニング・チャンス(bs)とバディ・ハーマン(snare drum)。1960年代、フラット&スクラッグスを筆頭に、オズボーンズやレノ&スマイリーら第一世代ブルーグラスが時代とともに大衆エンターテイナーを志向していった中から生まれた大名盤である。

GT7-2145 BILL CLIFTON『Bluegrass Sound of Bill Clifton』CD¥1,260-(本体¥1,200-)

1962年3月に発売されたビル・クリフトンLP3枚目の名作がオリジナルのままCD化である。"All the Good Times..."や"Gathering Flowers..."、そして「Em」に落ちるコード進行が当時新鮮だった"You Don't Think About Me (When I'm Gone)"や"Girl I Left in Sunny Tennessee"など、あの懐かしい12曲が、あの明るいボーカルとともに還ってくる。1960年代にブルーグラスを聴きはじめた人たち、その多くが大学生だった人たちにとって、当時はアパラチア育ちではない、しかも大卒のインテリ!?の数少ないアーティストだったビル・クリフトンの音楽は、その生き方とともに大きく心に残る一枚だろう。今年4月に80歳を迎えるビル、今も元気で敬愛するカーター・ファミリーの土地にいる。

RTR-001 COUNTRY GENTLEMEN REUNION BAND『Adcock, Gaudreau, Waller & Gray』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

エディ・アドコックとトム・グレイの、いわゆる「クラシック・カントリー・ジェントルメン」でブルーグラスの一時代を築いたふたりと、故ジョン・ダッフィの後釜として1969年に新生カンジェンを支えたジミー・グドロー、そして父チャーリー・ウォーラーの遺志とギターを継いで現在カントリー・ジェントルメンを率いるランディ・ウォーラーが組んだリユニオン・バンドの2008年デビュー作。エディ、トム、ジミーが認めただけあって、チャーリーの息子のランディがなかなかよくて、懐かしさいっぱいのいい演奏を聴かせてくれるんですよ。

VAN-79711 COUNTRY GENTLEMEN『Complete Vanguard Sessions』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

日本では1960年代、リアルタイムで大学生に旋風を巻き起こしたジョン・ダッフィとエディ・アドコックのいたカントリー・ジェントルメンが人気だが、米国で彼らがもっとも高く評価されたのは、ブルーグラス・フェス時代のはじまりというタイミングでもあるが、1970年代初期、来日したビル・エマーソンとドイル・ローソンを配した時期である。本作はそのエマーソンのジェントルメン時代最後の1973年作品『Country Gentlemen』と、74年にリッキー・スキャッグスとジェリー・ダグラスを加え、ジェイムズ・ベイリーをバンジョーに配した『Remembrances & Forecasts』の2枚全曲をCDに収めたバンガードに遺した録音全24曲集。ラルフ・スタンレーを離れて、自立をはじめたリッキーと、右も左も分からないルーキー、ジェリー・ダグラスのふたりが初々しい!! カントリー・ジェントルメンの人気は、ビル・エマーソンが目指した、チャーリーの"House of the rising sun"や"Catfish John"、"The City of New Orleans"や"Paradise"など、口当たりのよいポップグラスだったんだ。

インスト新入荷
RCD-59496 THREE RING CIRCLE『Brothership』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Brothership/Just a Rumor/Anthem/A Day in Bolinas/A Go Go/Wildflowers/B Funky 他全11曲

至るところにスーパーピッキンが聴けるお楽しみインスト・トリオ、アンディ・レフトウィッチ(m,f)、ロブ・アイクス(d)、デイブ・ポメロイ(bs)によるプロジェクト、スリー・リング・サークルの2006年デビュー作につづく最新第2作である。リッキー・スキャッグス・バンドの若き凄腕フィドラー、アンディがここではマンドリンを弾きまくり、ブルーグラス・ハイウェイのロブがスライドしまくり、ナッシュビルの超ベテラン・ベーシスト、デイブ・ポメロイがファンキーなリズムを刻むインスト・トリオ。トム・ペティ名曲"Wildflower"にはジョン・ランドール・スチュワートをボーカル・ゲストに迎えたほか、ラルフ・タウナー"Anthem"、ジョン・スコフィールド"A Go Go"の3曲以外はメンバーのオリジナル。マンドリンとドブロというメロディ楽器を、歌うベースがリズムのみならず、しっかりとした方向付けをしていくダグラス/バレンバーグ/マイヤーのトリオと同様、まったく新しいアコースティック・アンサンブルを楽しませてくれる。

各楽器別お勧め再入荷作品
(楽器奏法や教則、またCDに関してはミュージシャン歴豊富なスタッフがアドバイス、また楽器につきましては、本体やパーツなど、各種取り扱っています。お気軽にお問い合わせください)
■マイク・スコット有名スタンダード・シリーズ
ジム&ジェシーで活躍した正統派スリーフィンガー・スタイリスト、マイク・スコットが観光地のお土産BGMシリーズとして録音したインスト・シリーズ。だが、超一級ブルーグラス・サイドマンたちが気取らずに参加するインスト・シリーズでもある!!
MSM-1330 MIKE SCOTT『Smoky Mountain Bluegrass』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Goodbye Liza Jane/Lonesome Road Blues/Home Sweet Home/Bully of the Town/Turkey in the Straw/Tennessee Waltz/Alabama Jubilee/Red Wing/Roll in My Sweet Baby's Arms/Careless Love/When You're Smiling/Dear Old Dixie.

以上、超有名スタンダード12曲をマイク・スコットのバンジョーを中心に、ブライアン・サットン(g)、アダム・ステッフィ(m)、オーブリー・ヘイニー(f)、ロブ・アイクス(d)、ベン・アイザックス(bs)が、自由に楽しくスタジオ・ジャムを繰り広げるといった企画モノ。どーよ!?……アルバムとしての芸術的価値はさておき、これほど楽しいジャムを眺めない手はないぞ!! リスナーにはとっても美味しい、そしてプレイヤーにはとても参考になる企画作品。

MSM-1350 MIKE SCOTT『Sunday Bluegrass』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Will the Circle Be Unbroken/Old Country Church/What a Friend We Have in Jesus/When the Angels Carry Me Home/Where the Roses Never Fade/Precious Memories/I'll Fly Away/Pass Me Not/Swing Low Sweet Chariot/Where the Soul Never Dies/I Saw the Light/Victory in Jesus.

上記超有名ゴスペル・スタンダード12曲を、同上のメンバーが楽しくスタジオ・ジャムを繰り広げるといった企画インスト集。

MSM-1209 MIKE SCOTT『Foggy Mountain Breakdown』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Blackberry Blossom/Grandfather's Clock/Foggy Mountain Breakdown/Sweet Georgia Brown/Sally Ann/Cripple Creek/Limehouse Blues/Sally Goodin/Fireball Mail/Soldier's Joy/Soimebody Touched Me/Farewell Blues/Cumberland Gap/Train 45.

上記有名スタンダード14曲を、スコット・ヒューストン(g)、ジャッキー・ミラー(f,m)、ジム・ブキャナン(f)、ロブ・アイクス(d)、ダーリン・ビンセント(bs)に曲によってハンマーダルシマにクレイグ・ダンカンとスコット・ミラーを迎えた企画インスト作品。

RUR-1075 V.A.『Blue Moon of Kentucky: Instrumental Tribute to Bill Monroe』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Uncle Pen/Bluegrass Breakdown/Footprints in the Snow/Blue Moon of Kentucky/John Henry/Kentucky Waltz/My Rose of Old Kentucky/Bill Cheatham/Road to Columbus/Molly & Tenbrooks/Precious Memories/Old Joe Clark/Lonesome Road Blues/Jerusalem Ridge/Crying Holy/Gold Rush/I Saw the Light/Swing Low Sweet Chariot.

大阪のウェイド・マンドリンのビル・モンロー・レプリカF5をジャケットにした本作は同タイトルのマイク・スコット版で紹介した12曲に、ほかのシリーズ作品からあらたに6曲を追加した1時間超の全18曲、ルーラル・リズム社がビル・モンロー生誕100年企画の第一弾としてリセット発表したビル・モンロー名曲やレパートリーのインスト版。ここでのモンロー基本セットはマイク・スコット(bj)、マイク・コンプトン(m)、ブライアン・サットン(g)、オーブリー・ヘイニー(f)、ベン・アイザックス(bs)。

ブルーグラスがフォークやカントリーと一線を画す最大の理由、息詰まる楽器=アコースティック・アンサンブルの面白さ/楽しさを詰め込んだ嬉しい企画作品。各人それぞれの楽器の「歌い方」が、リスナーにはとても聴き応えあり、プレイヤーには参考になる、とても楽しいお勧め作品です。

■ギター
JASMD-3556 HANK SNOW『Plays Guitar, Instrumental Side of Hank』CD¥2,079-(本体¥1,980-)

カントリーシンガー、ハンク・スノウ(1914-1999)がマーティンD-28バリバリの硬質トーンで質実剛健なギターインストを聴かせる11曲と、カリプソやルンバなど独自のサウンドを創った1950年代から1960年代、主にチェット・アトキンスとの二人三脚で生まれたさまざまな録音26曲集。ジミー・ロジャーズをアイドルにデビューしただけあって、そのキャリアを通してハンク・スノウがカントリーの中でアコースティック・ギターを重要視していた姿勢が良く分かる。現在のフラットピッキンと比べるとシンプルだが、その分、掛け値なしのギター間奏が心地よく響く。

DREAD-0201 DAVID GRIER『I've Got the House to Myself』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

デビッド・グリアの02年自費制作盤。"Turkey in the Straw"や"Black Mountain Rag"、"Bill Cheatum"、"John Henry"、"Arkansas Traveler"、"Sally Gooden"他、超有名スタンダードを中心に、ギター1本だけのソロで聴かせる素晴らしいフラットピッキン・ギター世界。ジャンルを超えてギター・ファン必聴。すごいギターピッカーが一杯いるが、わたしには、まだ彼が一番かな……!?

MFG-001 V.A.『My Favorite Guitar Sampler』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

トニー・ライス/ビンス・ギルの後釜としてブルーグラス・アライアンス、そののち故マール・ワトソンの代わりにドック・ワトソンのサイドマンを長年勤めたジャック・ローレンス。リッキー・スキャッグスのケンタッキー・サンダーで注目され、現在はシエラ・ハルのギタリストとして活躍するクレイ・ヘス。そのふたりのギターを中心に、コリーとジャロッドのウォーカー兄弟やベス・ローレンスらの若者、ベテランのスティーブ・トーマス(m,f)らがサポートするアルバム。仕掛け人であるジョン・ギャロンのギターに対する愛情が溢れた楽しい作品になっている。

■バンジョー
(ムーンシャイナー連載のチチ松村「バンジョー祭り」、世界のバンジョー音楽をお見逃しなく!!)
VAN-79706 EARL SCRUGGS『Classic Bluegrass Live 1959-1966』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

アール・スクラッグスがいかに偉大なバンジョー奏者であるか、あの驚異の10枚シリーズDVDでつくづく思い知った諸君!!……アールがバンジョーを歌うがごとく扱える理由、もうお分かりと思う。そう、彼には「鳴り止まないメロディ」が体の中を駆け回ってるんです。それを右手指先のホント先端、メタルのピックの1点に集中して楽器に埋め込めばいいんです。分かります?この表現で……!? これはアールがニューポート・フォーク・フェスに残した貴重なライブ録音集を1枚のCDにまとめたもの。1959年にハイロ・ブラウンを伴って単身参加した8曲(これが凄い)、翌60年にレスター・フラットとバンドを伴った4曲、そして同じく66年の6曲の全18曲(ただし"Girl in the Blue Velvet Band"以外はこれまでにさまざまな形で発表済)。アールのライブ、そのトーン、タイミング、そしてミスにいたるまで、アールの音楽に対する感性が痛いほど読み取れる…はず、だよ。

GT7-2151 ALLEN SHELTON『At His Best, Bending the Strings and Other Great Instrumentals』CD¥1,365-(本体¥1,300-)

2009年11月21日他界したバンジョー奏者、アレン・シェルトンを悼んで2010年に発表されたスターデイお宝録音10曲集。もちろん、あのチューナー多様の大名曲"Bending the Strings"をはじめ、2曲のジム・イーンズでの初期録音を除いてジム&ジェシーとの70年代のアテイラム録音をメインにした名録音集。ドブロ・バンジョー曲が4曲含まれる10曲だが、端正なスクラッグス・スタイルのスリーフィンガーにドン・レノ的な選曲/メロディセンスを加味、ブルーグラス・バンジョーの歴史に名を残す偉大なアレン・シェルトンのノウハウが楽しめる。ムーンシャイナー2010年2月号に追悼特集「シェルトンのヒ・ミ・ツ」、3月号に典型的なシェルトン・ロールをタブ譜などで紹介した「シェルトン美学」などの特集もご参照ください。

COMP-4386 NOAM PIKELNY『in the maze』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

2006年9月にジョン・コーワン・バンドで来日、現在はパンチ・ブラザーズで活躍するバンジョー奏者、ノーム・ピケルニーの2004年デビュー作。パンチでは完全に新世界を構築したノーム、本作ではベラ・フレック以降のテクニックとタッチ、マット・フリナー(m)、デビッド・グリア(g)、ゲイブ・ウィッチャー(f)、トッド・フィリップス(bs)という申し分ないバックで自分の世界を探求中の秀作。

PATUX-196 JESSIE BAKER『Yessir!』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

ドン・レノの音ツカミと、絶頂期アール・スクラッグスを思わせるロールの安定感を兼ね備えた18歳、ジェシー・ベイカー。今年、マイケル・クリーブランドのフレームキーパーからシエラ・ハル&ハイウェイ111を経由してドイル・ローソン&クイックシルバーで活躍中、火を噴いている。レノ、スクラッグス、そしてモンローのおいしい選曲で、基本バックはマイケル・クリーブランド(f)、デビッド・マクラフリン(m)、ダドリー・コンネル(g)、マーシャル・ウィルボーン(bs)。昨今の若者ブルーグラス、一方にクラシック界まで足を伸ばす超絶テクニシャンがいるかと思えば、こうしてわれわれおじさん達以上にディープに先人の偉業を尊敬し掘り下げる者がいる。ブルーグラスは不滅だぁーッ!! 超お薦めブルーグラス・バンジョー2009年作品!!

■マンドリン
DGR-001 JUSTIN MOSES『Dusty Roads』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

驚くべきマルチプレイヤーぶりで、現在もっともホットなミュージシャンとして話題のジャスティン・モーゼズが20代前半の2006年に発表した唯一のソロ作品。マンドリン・インストがメインだが、全12曲中7曲はボーカルやハーモニーも含んですべて自分ひとりの録音というスーパーマルチプレイヤー。2000年、ブルー・ムーン・ライジングに参加、2005年にシエラ・ハルのハイウェイ111の創立メンバーとして活躍、ニューファウンド・ロードなどを経て2009年のダン・ティミンスキ・バンドに参加。現在はリッキー・スキャッグスのケンタッキー・サンダーのバンジョー奏者として活躍中。要注意人物です!

ROU-0338 EVAN MARSHALL『Lone Arranger』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

F-5マンドリンで弾くクラシックからスタンダード、スウィング、カンツォーネ……、「ウィリアム・テル序曲」からどの曲も、圧倒的なテクニックとフラットマンドリンらしいトーンで聴かせるすばらしいマンドリン・ソロ・アルバム。メロディとベースやコードを同時に弾き、1本のマンドリンだけで世界を創り、現在のデイブ・アポロンという異名も頷ける才人。1994年から2003年まで、アナハイムのディズニーランドのゴールデン・ホースシュー・サルーンでビリー・ヒル&ヒルビリーズというコメディーバンドで活躍もしていた。

COMP-4351 MATT FLINNER QUARTET『Walking on the Moon』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

いやはや5月末に来日したふたりのマンドリン・スーパーピッカー、若いイーサン・バリンジャーも凄かったけれどやっぱマット・フリナー、トーンとタイミングが絶妙でしたねぇ。この2003年作品は自身のカルテットで、スティングのタイトル曲やスタンダードの「キャラバン」のカバー他、自身のオリジナルなどを、エレキとエレベにドラムスを加えたファンク・ビートに乗って、見事にアコースティック・マンドリンが冴える。……そう、マーシャル系トーン美学にブッシュの不良性を加えて、出てきた音は上品なファンク・ジャズといった趣きの秀作。

■フィドル
SH-4054 JEREMY GARRETT『I Am A Stranger』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

今年のグラミー賞にもノミネートもされた若手のトップランナー、インファマス・ストリングダスターズのフィドル/ボーカルを担当するジェレミー・ギャレットがライブ会場でのみ発売する限定2009年作品。10代のスーパーフラットピッカーとして知られるジェイク・スタージェル(ラベル・シスターズ/グリーンカーズ)や、トップクラスの女性バンジョー奏者ジュリー・エルキンズ(ケーンズ・リバー)にショーン・レーン(m)、デニス・クロウチ(bs)を基本セットにした爽快なオリジナルや、ギターにクリス・シャープを配したフラット&スクラッグス・カバーにはアビゲイル・ウォッシュバーンがカーリー・セクラー役を務めマイク・コンプトンやネッド・ルベレッキ(bj)、マイク・バブ(bs)が重たいF&Sサウンドに挑戦ほか、ハンク・トンプソンやU2のカバー、そしてフィドル弾きながら同時にソロで歌うオールドタイミーな幼児体験を披露するなど、自身のオリジナル・ソングを中心にバラエティに富んだ、若いモンもなかなかやるやんけといった作品。フィドル・アルバムではないが若いフィドラーが自分の声で唄い、かつ弾くフィドルが同じ呼吸であることに気付きたい……。ジェレミー・ギャレット、すばらしい才能だ。

COMP-4334 FIDDLERS 4 CD¥2,573-(本体¥2,450-)

永遠のフィドル小僧、ダロル・アンガーが、オールドタイムのブルース・モルスキー、ケイジャンのマイケル・ドゥーシェ、そして当時クルックドスティルのラシャッド・イグルストンのチェロというトップ・アーティストで編成したカルテット。それぞれのフィドル・スタイルが持つリズム・グルーヴを描きながら、4曲のボーカルを配し、ダロルのバーサタイルなアレンジか楽しめるアメリカン・フィドル、2003年グラミーノミネート秀作である。

PATUX-177 NATE LEATH + FRIENDS『Rockville Pike』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

天才フィドラー、ネイト・リースの2009年作は、話題の「ニュー・オールドタイミー」を担う10~20代前半の若いスーパーピッカーたち――ふだんは前衛グラスやジャズで遊ぶ彼ら――の本気オールドタイム。12歳の天才少女タティアナ・ハーグリーヴス(f)、18歳の「女ティム」サラ・ジャーロズ(bj)、バークリー音楽院でラップグラスするエリック・ロバートソン(m)ら若者たちにベテランのダニー・ナイセリー(g)、マーク・シャッツ(bs)らが基本セット。伝統ストリングバンド精神を咀嚼しつつ、ギリアン・ウェルチ作品や有名トラッド曲を並べ、アルバムとしての面白さも音楽の質と同時に満足させてくれるストリングバンド音楽大秀作。

■ドブロ
PATUX-210 DARREN BEACHLEY & LEGENDS of the POTOMAC『Take Off』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

カントリー・ジェントルメンからセルダム・シーンに至る米国首都ワシントン周辺のブルーグラスを表わす言葉「DCグラス」。2010年春デビューしたダレン・ビーチリーとリジェンド・オブ・ポトマック。マイク・オールドリッジ(d, steel g)とトム・グレイ(bs)という「DCグラスの顔」を据え、かつてブルーグラス・カーディナルズやカントリー・ジェントルメンですばらしいテナーを聴かせたベテランのノーマン・ライト(m)、そしてユニークな奏法で知られるマーク・ディレイニー(bj)。昨年までドイル・ローソン&クイックシルバーでリード・ボーカルとして活躍したダーレン・ビーチリーが「DCグラス」伝統のモダンなブルーグラスを聴かせる。懐かしいセカンド・ジェネレーションの名曲"Miss You Mississippi"をはじめ、ルービン・ブラザーズ、バック・オウエンズらのカントリーや、新進ライターのポーラ・ブリードラブ/ブラッド・デイビスのコンビによる4曲を取り上げるなど「DCグラス」らしいさわやかなサウンドを聴かせる。昨秋引退を表明したマイク・オルドリッジにとって最後のツアーバンドのアルバムとなる。

オールドタイム&フォーク新入荷
DTR-001 BRAD LEFTWICH & HOGWIRE STRINGBAND『Rascal Fair』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Rabbit in the Lowland/Sally Johnson/Shout Lula/Let Me Fall/Sun's Gonna Shine 他全16曲

古いラウンドピーク・スタイルのフィドルとバンジョーを現在に伝える導師、ブラッド・レフトウィッチのオールドタイム・ストリングバンド、ホッグワイアーの最新デビュー作。16曲中、歌物が11曲とフィドルチューンが5曲、ブラッドのフィドル、パートナーのリンダ・ヒギンボサムのバンジョーとバンジョーウクレレ、元パンクロッカーというジョエル・レンシュのリズムギター、そしてマリエル・アベルのベースで、オールドタイム・ストリングバンドの命でもあるダンサブルなリズムに乗って、タイトなハーモニーを聴かせる現代オールドタイムの秀作だ。ブラッドにはラウンドピーク・スタイルのフィドル教則Book+CD『Old Time Fiddle Round Peak Style』(MB-20485BD ¥4,095-)、とバンジョー教則Book+CD『Round Peak Style Clawhammer Banjo』(MB-96660BD ¥3,885-)がある(教則新入荷参照)。

MDCL-1515 LONESOME STRINGS & MARI NAKAMURA『Folklore Session』\3,150-(本体\3,000-)

 オリジナリティ溢れるバンジョー・スタイルで、日本の音楽シーンで最もアクティブにブルーグラスやバンジョー音楽の啓蒙、発信を続ける原聡(bj)が参加、桜井芳樹(g)、田村玄一(steel guitar)、松永孝義(bs)という個性的で卓越したミュージシャンによるロンサム・ストリングスはオールドタイム・ストリング・バンドにインスパイアされながらも独自の解釈によるユニークなサウンドでミュージシャンから強く支持されている。今回の作品はアメリカン・フォークやブルーグラス他、アメリカン・ルーツ音楽に根ざした英詞のオリジナルを歌うユニークな女性シンガー、中村まりとのコラボレーションによるアメリカン・トラッド・カバーと2曲のオリジナル。グリスマン&ガルシアやクルックド・スティルに見られるように"The cuckoo Bird""Man of Constant Sorrow""Fishin' Blues"等、60年代のフォーク・リバイバルの時に再発見された名曲の数々を原曲にリスペクトを払いながら今に甦らせる手法は見事。
GT7-2205 J.E.MAINER & HIS MOUNTAINEERS『20 Original King Recordings』CD¥1,365-(本体¥1,300-)

ブルーリッジのど真ん中、ブルーグラス/オールドタイムの温床ノース・カロライナ州ウィバービル出身で弟のウェイド(現在104歳)とともに1933年にデビューしたJ.E.メイナー(1898-1971)、彼のバンド、マウンテニアーズはアパラチア地方のストリングバンドが体裁を整えながらブルーグラスに向かう一歩手前、いわゆる「プリ・ブルーグラス」のストリングバンドである。本作は1946年の24曲と1961年に16曲、キング・レコードのために録音した全40曲から"Run Mountain"や"What'll Do with the Baby-O"ほかの全20曲。

カントリー新入荷
HOTR-4151 GEORGETTE JONES『Slightly Used Woman』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

The Race Is On/I Don't Wanna Play House/Send Me No Roses/Precious Memories 他全12曲

ジョージット・ジョーンズ、「カントリー音楽界のプリンセス」と呼ばれるのも仕方ない、なにせジョージ・ジョーンズとタミー・ワイネットの娘なのだ。両親がともにカントリー音楽名誉の殿堂のメンバーという彼女のデビュー・アルバムである。母タミーが書いたタイトル曲ほか、父母の曲やキティ・ウェルズなどに、父ジョージと自作の"You and Me and Time"でデュエットも。ポール・フランクリン(steel g)をはじめ、デイブ・ポメロイ(bs)、ブレント・メイソン(eg)らのナッシュビル・ミュージシャンにレジー・ルーファー(f)やジャスティン・トレビノらハーツオブテキサスの常連らで手堅いサウンドを創っている。偉大すぎる父母だが、日本の「親の七光り」的な他人の目を気にしなくていい米国、あっさりとした声質の通り、のびのびと育って欲しい。それにしてもジョージとワイネットを合わせた名前、ジョージットというのも分かりやすいアメリカ的なのか……!?

HOTR-4152 TONY BOOTH『Other Side of Love』CD¥2,573-(本体¥2,450-)

Don't Call Me from a Honky Tonk/An Eye for An Eys/Twice the Speed of Love/Kickin In 他全12曲

その名もハート・オブ・テキサス・レコードから、フォービートに載った典型的なホンキートンク・カントリーで渋いバリトン・ボイスを聴かせるトニー・ブース。1968年にバンドを結成し、ラスベガスやL.A.のパロミノ・クラブのハウスバンドなどで活躍の後、1970年にマール・ハガードのカバー"Irma Thompson" で初ヒット、1972年には"The Key's in the Mailbox" やドリス・デイのカバー"Secret Love"などでヒットを飛ばすも、その後はヒットに恵まれずメインストリームには縁がないものの、レイ・プライスを思わせる歌唱力でホンキートンク・カントリーの王道を聞かせてくれる。

カントリー発掘、編集モノ新入荷
BACM-330 LULU BELLE & SCOTTY『The Sweethearts of Country Music』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

That's Only Half of It/Shenandoah Waltz/I'd Rather Live by the Side of the Road/Precious Memories/Kicking Mule/Banjo Sam/Remember Me 他全28曲

ブルーグラス/オールドタイム/カントリー音楽の故郷ノースカロライナのブルーリッジ出身のふたり、『カントリー音楽界の恋人たち』と呼ばれたルル・ベル&スコッティ。本名マートル・エレノア・クーパー(1913-1999)とスコット・グリーン・ワイズマン(1908-1981)、1934年に結婚したおしどりデュオ!?は、毎週2千万人がチューナーを合わせたというシカゴWLS局の番組「ナショナル・バーンダンス」で人気を博し、バンジョー奏者でもあったスコッティを相方に、コミカルなキャラクターながら気の効いたジョークが役回りのルルベルは1938年に、全米雑誌『ラジオ・ガイド』で、カントリー出身者としては珍しく、もっとも人気のある女性ラジオ・スターにも選ばれたという全米的人気者となった。スコッティは、バスコム・ラマー・ランスフォードの"Mountain Dew"にあたらしいバースをつけて大ヒット(バスコムと著作権は分け合った)させたほか、大分の人気ギター/ベース男女デュオ、レモンスライスのデビュー作のタイトル曲にも選ばれた"Remember Me"という名曲、そしてハンク・ウィリアムズの"Cold Cold Heart"以前にポピュラーとクロスオーバーした最初の曲といわれる名曲"Have I Told You Lately That I Love You?"(1945)などを書いている。"Have I Told..."はビング・クロスビーやトニー・ベネットをはじめ、エルビス・プレスリー、リッキー・ネルソン(ポップチャート29位)からリンゴ・スターまでがカバーしている名曲。またロッド・スチュワートに同名異曲があるが、発想法は同じだ。「最近、『愛してる』って言ったっけ?」という、実にストレートな問いかけ通り、アメリカ的理想のカップルを盛り上げる1940年代サウンド。本作に収録されている録音は1940年代後半と思われるFMレコーディング社やTru Tone社、1950年のロンドン、1950~1952年のマーキュリーなどから集められている。スティールギターを伴ったり、スコッティのバンジョーをフィーチャーしたものから、中にはオーケストラを従えたものまで、ブルーリッジ出身の音楽センスが聴き取れるスコッティのオリジナルを中心にした全28曲(最後の2曲は1933年の貴重なWLSバーンダンス10周年記念ライブより……翌年にモンロー・ブラザーズを結成するビル・モンローがダンサーとして出演していた可能性大か!?)。

BACM-323 V.A.『Country Gospel Vol.1』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

これまで発掘/研究が遅れていたという1950年代の無名アーティストのカントリー・ゴスペル25曲を集めた貴重な第1集。最初のホワールウィンド・エバンジェリスツから二番手サンシャン・ボーイズ・カルテットなど、1950年代半ばの録音では白人ゴスペル・グループにもかかわらず黒人ゴスペルの強い影響がうかがえ、世に言われるプレスリーの発想はすでに、教会の中ではフツーに行われていたのか?などと思わせてくれる。教会という、人々の魂がある意味において剥き出しとなる環境では、白人と黒人といった人種環境よりも、直線的な音楽のインパクト、より強烈なビートや叫びに大衆は反応するのだろうか? クィーン・シティ・セークレッド・カルテットのブルーグラスではすばらしいバンジョーが堪能できたり、さまざまな1950年代、白人のサザン・ゴスペルが堪能できる珍しいコンピレーションである。

BACM-337 SKEETER DAVIS『Lost to a Geisha Girl』CD¥2,888-(本体¥2,750-)

He Left His Heart with Me/Set Him Free/Wishful Thinking/I Can't Help You I'm Falling/My Last Date with You/Under Your Spell Again/Let Those Brown Eyes Smile At Me/Just When I Needed You/Your Cheatin' Heart 他全27曲

1963年の世界ヒット"The End of the World"であまりに有名なスキーター・デイビス、1957年から1960年の録音27曲集である。本名メアリー・フランセス・ぺニック(1931-2004)は、ケンタッキー州の東北部ドライリッジの出身で、子供のときから元気な賑やかな子供で、おじいちゃんにスキーター(蚊=モスキートの略)というあだ名をもらった。16歳のとき、デキシー・ハイツ高校で出会ったベティ・ジャック・デイビスと『デイビス・シスターズ』という架空の姉妹デュオを名乗り、1949年にラジオデビュー、1952年にRCAレコードと契約、チェット・アトキンスをフィーチャーして1953年に "I Forgot More Than You'll Ever Know"が大ヒット(カントリーは8週1位、ポップでも18位。そのB面の"Rock-a-Bye Boogie"は、プレスリー登場以前のロカビリー前哨曲として評価が高い)。しかしその曲がチャート登場2週間前の53年8月、ふたりは大きな自動車事故に会いベティ・ジャックが亡くなりスキーターは重傷を負う。そののち、ベティの妹ジョージアとともにデイビス・シスターズをつづけるが、大きなヒットを生むことなく1956年に解散。翌年ソロとしてハンク・ロックリンのヒット曲"Geisha Girl"(1957)のアンサーソングとして発表された本作タイトルでもある"Lost to a Geisha Girl"が1958年、チャート15位まで上り、スキーター初のソロヒットとなっている。その後もアンサーソングなどで小ヒットを重ね、カントリーシンガーとしてブレンダ・リーやパッツィ・クラインの後塵を拝しながら1963年、"The End of the World"で大ブレイクで広く知られる。本作は1957年から1960年の初期シングルから集められた27曲集、スキーターのなんともいえないヒルビリー女性独特の唄い回しと同時に、チェット・アトキンスが主導した「ナッシュビル・サウンド」のあの手この手が楽しめる作品となっている。また、デイビス・シスターズを意識した初期オーバーダブ技術によるヒルビリーデュオも堪能できる。ちなみに、スキーターはのちにアルバム『I Love Flatt & Scruggs』を作ったり、ビル・モンローの晩年には友人としてずいぶんと力になったと聞くブルーグラス・シンパでもあったようだ。

映像ものお勧め作品
MP-0510 LESTER FLATT & NASHVILLE GRASS『Vintage Video』DVD¥2,573-(本体¥2,450-)

Durham's Bull/Will Yo Be Loving Another Man/Footprints in the Snow/Six White Horses/Little Cabin Home on the Hill/Used to Be 他全21曲

1968年にフラット&スクラッグスとして来日したときは体調が悪かったというレスター・フラット、3年後のここでは元気ハツラツ、ボーカルはもちろんそのギター/MC/身のこなし……レスター・ファンのお宝映像だ。69年にアール・スクラッグスとコンビ解消、アンクル・ジョッシュ(d)とポール・ウォーレン(f)、ジョニー・ジョンソン(bs)というフォギー・マウンテン・ボーイズにハスケル・マコーミック(bj)とローランド・ホワイト(m)が加わったナッシュビル・グラスを悠々と率いて、その類まれなステージ・パフォーマンスを見せてくれる71年夏の野外ライブ。信じられないスピードとドライブのかかった曲に、強烈にレイドバックするレスターのボーカルの妙がたまらないぞ!! バックは絶対にミスしないジョッシュの凄さ、何でそんな指使いをするねん!?ポール、近年ではめったに聴けないパリパリに乾いたハスケル快調バンジョー、そしてローランド・チーチー・ホワイトのケンタッキーカーネルズ流ブルーグラスが炸裂!!! 文句なしにレスター・フラット三昧ができる、フラット&スクラッグス・シリーズDVD10巻につづくファン必携の感動映像!である。

CW-TTJ1D THE TIME JUMPERS『Jumpin' Time』DVD¥3.308-(本体¥3,150-)(2時間)

ナッシュビルのステーション・インで毎週月曜日に繰り広げられる懐かしいカントリーウェスタンからカウボーイ&ヒルビリー・ジャズの大セッション、タイム・ジャンパーズの超ハッピーライブ映像。ナッシュビルの超一流セッションマンが、ただ楽しみのために集まって」創る音楽には、たっぷりと愛情がこもっている。ケニー・シアーズ、オウブリー・ヘイニー、ジョー・スピービーのトリプル・フィドルを軸に、キャロライン・マーティンとドーン・シアーズの女性ボーカルとハーモニー、とにかく楽し正味2時間28曲のスウィング・タイム。毎週、彼らのポケットには数千円…、それでも彼らがライブをつづける理由は見れば、聴けば分かる。ゆったりと座って、ハッピーなエンタメをお楽しみ!!

MP-0410 V.A.『Pioneers And Legends of Bluegrass』DVD¥2,573-(本体¥2,450-)

Mule Skinner Blues/Rawhide(Bill Monroe)/Folsom Prison Blues/Shuckin' the Corn(Lester Flatt)/That Silver Haired Daddy of Mine/Tis Sweet To Be Remembered 他(Mac Wiseman)/Are You Washed in the Blood 他(Lewis Family)/Hard Hearted/Paradise/Cotton Mill Man(Jim & Jesse)/500 Miles/I'll Stay Around(Bluegrass Alliance) 他全15曲

ブルーグラス界でさまざまな事件のあった1971年夏(ムーンシャイナー誌1月号と2月号のサム・ブッシュ演説参照)、19歳のサム・ブッシュと20歳のトニー・ライスのブルーグラス・アライアンス2曲をはじめ、まだ元気で、少しお茶目な表情を見せていた晩年のビル・モンローとブルー・グラス・ボーイズ、レスター・フラットは同時に発売されたDVD『Vintage Video』(MP-0510 ¥2,573-)と同じ1971年、ガーランド・シュッピング(bj)やジョー・メドウズ(f)をともなったジム&ジェシーらがそれぞれ2、3曲ずつ収められたお宝映像集!!

MVDV-4577 & BOOK-27 BILL MONROE『Father of Bluegrass Music』DVD +BOOKセット特価 ¥3,675-(本体¥3,500-)

今年生誕100年を迎えるビル・モンロー(1911-1996)がすべてを語る必携名作DVD。 故ジョン・ハートフォードとのモンロー農場でのインタビューを軸に、レスター・フラット、エミルー・ハリス、ポール・マッカートニー、オズボーン・ブラザーズ、ドリー・パートン、リッキー・スキャッグス、マーティ・ステュアート、そしてデル・マッカーリー/ビル・キース/チャビー・ワイズのブルー・グラス・ボーイズ・リユニオンなどの超貴重な演奏、ジェリー・ガルシアやロイ・エイカフのインタビューなど、日本語/英語併記の完全対訳本とともに、20世紀の偉大なアメリカ音楽家の生涯を再訪しましょう。感動です!! 必見必携のDVD&対訳本セット!!

RCSI-1028D RIDERS IN THE SKY『Live in Concert: 30 Years "The Cowboy Way"』DVD-R¥2,888-(本体¥2,750-、カラー1時間10分)

Back in the Saddle Again/Cool Water/Rawhide/Clarinet Polka/Toy Story Medley/Honeysuckle Rose/Orange Blossom Special/Cattle Call 他全20曲

1977年11月、当時絶滅の危機にあった「カウボーイ・ソング」を歌うエンターテイメント・グループというアイデアで結成されたライダーズ・イン・ザ・スカイ。その後30年間、全米CBSネットのテレビ番組や、トイ・ストーリーの"Woody's Roundup"、そして2度のグラミー受賞など、数々の高い評価を受ける彼ら、レンジャー・ダグ(g)のほか、原子物理学博士号を持つフィドラー、ウッディ・ポール(ポール・クリスマン)と、ベーシストのトゥー・スリム(フレッド・ラボア)、そして1989年から加わったジョーイ・ミスクリンのアコーディオンの4人組。スウィングギーなリズムやヨーデル、トリオやカルテット・ハーモニー等々をバランスよく聴かせる彼ら、30年間メンバー交代なしのチームワークは伊達じゃない。それぞれにキャリアを持ったインテリらしく、そのコメディ・ルティーンも実に洒落ている。通算5449回目というこの日のコンサートも全編、品のいいエンターテイメントでノスタルジックで美しいウエスタン音楽を楽しませてくれる秀作。

VSR-7375 V.A.『Andy Leftwich/ Bruce Molsky/ Aubrey Haynie/ Jim VanCleve; The Violin Shop Concert Series Vol.1』DVD¥3,990-(本体¥3,800-、77分)

Ride the Wild Turkey/Red Wing/Minor Swing/Florida Blues/Maiden's Prayer/Liza Jane/Roanoke/Drunkards Hiccups/Big Mon/Ragtime Annie 他全20曲

ナッシュビルのフィドラー御用達ショップ『バイオリン・ショップ』にマイク1本を立てただけのセットで、ジム・バンクリーブ、オウブリー・ヘイニー(ボビー・ヒックスがゲストで"Cheyenne"!!)、アンディ・レフトウィッチがそれぞれにトップ・ミュージシャンをバックにブルーグラス・フィドルを聴かせ、ブルース・モルスキーはソロで芸術の域にまで達したオールドタイムを聴かせる。フィドルのみならず、スリリングな各楽器のインタープレイなど、現在のブルーグラス・インストの世界に、まさに息を呑む秀作である。 このフィドル・マスター・コンサート・シリーズはほかに2本、ステュアート・ダンカンやダロル・アンガーほかの『Vol.2』(VSR-8283 ¥3,990-)と、ゲイブ・ウィッチャー、ケーシー・ドリーセン、アレックス・ハーグリーブスら若手を中心にした『Vol.3』(VSR-9095 ¥3,990-)がある。シリーズ3本ともフィドラーもちろん、楽器に興味ある人は必見、どれも驚きの連続です!!

教則もの新入荷
MB-20485BD BRAD LEFTWICH『Old Time Fiddle Round Peak Style』128頁Book+CD¥3,885-(本体¥3,700-)

トミー・ジャレルをはじめ、多くの偉大なフィドラーやバンジョー奏者を生んだバージニアとの州境近く、ラウンドピークと呼ばれる地方の奏法の伝承者、ブラッド・レフトウィッチがクロウハンマー・バンジョーにつづいて発表したすばらしいオールドタイム・フィドル教則本である。有名フィドル・チューンやバラッドなど83曲の楽譜とボーイングを含めたタブ譜、そして音源が揃っている。各曲の解説や歌詞なども興味深い。 なお、ラウンドピーク・スタイルのクロウハンマー・バンジョー、70曲を収めたブラッドのベストセラー教則Book+CD『Round Peak Style Clawhammer Banjo』(MB-96660BD 104頁¥3,885-)も在庫している。またブラッドのバンド、ホッグワイアーの最新CD『Rascal Fair』(DTR-001 ¥2,573-)も発表されたばかりだ(オールドタイム新入荷参照)。

教則ものお勧め
下記のほか、教則に関しては演奏レベル/ニーズに応じて、ご相談ください。
BP-1 Banjo Package『復刻版 Vol.1: 1975 Nov.~1977 Oct.』Book¥5,565-(本体¥5,300-)

1970年代、ジューンアップル誌と並んで日本ブルーグラスの情報発信雑誌だった『バンジョー・パッケージ』誌。その創刊号(75年11月号)から通巻24号(77年10月号)までを完全復刻。まるで電話帳、32mmにも及ぶ厚みになる当時のバンジョー情報満載!懐かしい当時の広告、膨大なTAB譜!そしてあの名前、この名前……。残部些少につき、売り切れゴメン!!

FGM-1012D BRAD DAVIS『Flat Pick Jam, Vo.4』DVD¥3,308-(本体¥3,150-)

Flowers of Edinburgh/Shady Grove/John Henry/Texas Gales/Home Sweet Home/Crazy Creek/Leather Britches/Cotton Patch Rag/Eighth of January/Flop-Eared Mule.

アール・スクラッグス&フレンズやサム・ブッシュ・バンドなどのギタリストで知られるブラッド・デイビスのフラットピッキン教則ギター・ジャム・シリーズ映像第4弾。各曲スロー/スロー・ミディアム/ミディアム・ファースト/ファーストと4段階のスピードで有名スタンダード・チューンでジャムの相手をしてくれる実戦版。初心者から上級者まで、リズムとリードの双方が訓練でき、アドリブのエッセンスも感じ取れます。

ACU-RBD RON BLOCK『A Fresh Look at Bluegrass Banjo』DVD2枚組+Tab¥7,875-(本体¥7,500-、3時間半)

シビアな上級バンジョー弾き必見! ウェアリー・ハーツからアリソン・クラウスのバンジョー奏者として18年、知る人ぞ知る「哲学的」なバンジョーを聴かせてくれるロン・ブロックが、そのバンジョーの秘密、重みを語り、かつすべてを見せてくれるバンジョーレッスンである。各曲ごとのレッスン前の60分に及ぶ「バンジョーに対する」基本姿勢(テクニック)は英語で解説されるもどかしさはあるが、長年バンジョーを弾いている人には通じるはずの見所だ。デモ演奏にはシエラ・ハル、ケニー・スミス、ザック・マックラムがバックアップ。ハートフォード曰く、"Space between the notes!"……、あたらしいレベルの感性を磨いてみませんか!?

ACU-ASD ADAM STEFFEY『My Approach to Bluegrass Mandolin』DVD2枚組¥7,875-(本体¥7,500-、4時間20分)

現在最高のマンドリン奏者のひとり、アダム・ステッフィが彼流儀の「マンドリンの弾き方」を教えてくれる2枚組教則DVD。まずケニー・スミス(g)とバリー・ベイルス(bs)とのトリオで演じられ、技術的な解説(一音ずつ、基本的には初心者にもついていける丁寧さ)、それから通常スピード、そしてスローの左指と右ピッキンのスプリット画像。ETSU卒業後、ロンサム・リバー・バンドからアリソン・クラウスのユニオン・ステーション、マウンテン・ハートで新しいブルーグラス・アンサンブルを創ってきた華麗なマンドリン・スタイルをどーぞ!!

楽器、その他…
RF-1 『ルーベン・フィドル』 定価\105,000→\89,250(本体\80,000) 

日本を代表するフィドラー、Jimmy赤澤お薦めブルーグラス向きセットアップに特化したフィドルが登場。Reubenフィドルは、フィドルとしての細かなチューンナップから、バイオリン工房に指導をして、ブルーグラス、オールドタイム独特のダークでスイートなトーンを実現。多くのフィドラーが使用するダダリオ・ヘリコア弦やウィットナーのアジャスタブル・テールピースも標準装備。
音のバランス、音量、ホールド感など既に高い評価を得ている。初回入荷分即完売、今回からなんとカーボン製の弓が付いて来ます。初心者にはまたとないお勧めセットとなります。なんちゃってフィドラーの方々にもお勧めします。エボニーフィッティング、アンティックフィニッシュ、ケース、弓、ロジン付き
WADE F-5 MASTER MODEL MANDOLIN #2002& #2005 各¥472,500-(本体¥450,000-)

Co-Mandoというマンドリン専門サイトで、Tony Willamson(ロアーの研究家、プレイヤー、ディーラーとして有名)が推薦するTop10製作家に選出された上田 洋一(Yoichi Ueda)によるWADE MANDOLIN、F-5マスターの初期モデルが2台、委託で売りに出ました。ロイド・ロアを強く意識したスペックでトーンとバランスを向上させるために初期のギブソン社で採用されたヴァージトーンを装着、イングルマン・スブルース・トップ、カーリー・メイプル・サイド&バックエボニー指板。スプリット・バーニッシュ仕上げ。ビンテージ・ギブソンを髣髴させる外観と音色、弾き易さ、是非一度、試奏して確かめてください。

BU-ST 『ブルーグラス・アンリミテッド社のバンパー・ステッカー』各\315-(本 体\300-)

 30年以上に渡り、ベストセラーを続けていますブルーグラス・アンリミテッド社のバンパー・ステッ カー全6種類が揃いました。紺地に白字で鮮やかなブルーグラス・スローガンが書かれたシンプルなも の。29cmx7cmの横長。スローガンは以下の通り。

●I LOVE BLUEGRASS

●BLUEGRASS MUSIC FINGER PICKING GOOD

●BLUEGRASS MUSIC HEARIT, PLAY IT, LOVE IT!

●MY GRASS IS BLUE

●HAVE YOU HUGGED YOUR BANJO TODAY?

●CLEAN UP AIR PORLUTION PLAY BLUEGRASS MUSIC
輸入雑誌
(以下の4誌は英語版で、共にバックナンバーも豊富に取り揃えています。気になるアーティスト等の特集等についてはお問い合せ下さい。…調べる&知るの面白さをいかがですか)
■フラットピッキン・ギター誌
隔月刊の掲載全タブ譜対応CD付きフラットピッキン・ギター誌。ブルーグラスからスウィング/ジャズまで。一冊でさまざまな奏法が学べる。
FGM-15.3 最新「2011年3~4月号」CD付きBook¥2,625-(本体¥2,500-)

フィドル・チューン特集号第2弾! アプローチとして"Old Joe Clark"をローポジ、ハイポジ、ダブルストップ、クロスピッキン、ブース、トニー・ライス、シンコペ等々、さまざまな手法で弾いてみるところから同曲を完全攻略のほか、"Alabama Jubilee"、"Angeline the Baker"、"Big Sandy River""Catle in the Cane""Devil's Dream""Farewell Blues""Fisher's Hornpipe""Liberty""Reuben""Sally Goodin""St. Anne's Reel"ほか全18曲、おなか一杯の92頁!! なおフィドル・チューン特集号第1弾は、「2009年5~6月号」(FGM13.4 ¥2,625-)。

■バンジョー・ニューズレター誌
世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載(ウェブサイトから「MP3」で音源入手可!!)、バックナンバーもお問い合せ下さい。探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探します。収蔵曲のCDやDVDなども在庫していますので、お問い合わせください。
BNL-11/05 最新2011年5月号 ¥525-

昨年来日、今春アルバム『In a Groove』(RCSI-1032 ¥2,573-)を発表したばかりのテリー・バウコムをカバーストーリーに、タイトル曲"In a Groove"のタブ譜ほか、バックアップは先月に続き"Blue Ridge Cabin Home"(J.D.クロウのブルーグラス・アルバム・バンドでのリードコピー付)、ビル・エバンスの"Blue Ridge Cabin Home"と"Your Love Is Like a Flower"における発展解説、初心者は"Clinch Mountain Backstep"、トム・アダムズ"Hillbilly Twist"、ほか、オールドタイム・クロウハンマーはフレイト・ホッパーズのフランク・リー特集、そしてバンジョーに関するさまざまな話題満載44頁。

■ブルーグラス・アンリミテッド誌
米国の最大のブルーグラス月刊専門誌。お探しの記事などバックナンバーもお問い合わせください。
BU-11/06 最新2011年6月号 ¥840-

ドイル・ローソンとクイックシルバーをカバーストーリーに、TVシリーズのアンディ・グリフィス・ショウ(邦題「メイベリー110番」)とディラーズやグラスカルズ、ミネソタのマンドリン/ギター製作家ロイド・ラプラント、オーストラリアのフィドラー、ドナル・ベイラー、昨年のIBMA最優秀イベント獲得したポダンク・ブルーグラス・フェスなどの特集ほか、広告や写真も楽しめる米国ブルーグラス情報満載の82頁。

■オールドタイム・ヘラルド誌
内容の濃いオールドタイム音楽専門誌。アメリカン・トラッド音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。
OTH-1210 最新2011年4月/5月号 ¥1,260-

ボブ・カーリンが調べ上げたエルギン・ハワイアン・ギター・クラブの歴史物語、ケンタッキーの女性バラッド・シンガー、アディ・グレアムの物語ほか、伝承音楽の情報満載の58頁。なお冒頭、東日本大震災に関して、世界中のオールドタイム音楽コミュニティとはオールドタイムとブルーグラス音楽でつながっている日本のミュージシャンとファンに日本語と英語で暖かいメッセージが贈られている。

月刊『ムーンシャイナー』
 1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、28年目です。

■定期購読:1年¥6,000-半年¥3,300-

お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。

■ムーンシャイナー・ファイル:¥840-

ムーンシャイナーの一年分12冊を傷をつけずにファイルできるコクヨ製ロゴ入り特製フォルダー。

■バックナンバー:各¥525-

下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。

MS-2808 最新2011年6月号(通巻332号)¥525-

40年前の6月20日、ビーンブロッサム・フェスでのビル・モンローとレスター・フラット仲直りの瞬間をカバーに、ビルとレスターの確執と和解の知られざる物語りほか、ヘイゼル・ディッケンズ追悼、ホンキートンク・カントリーとは何か?、レオナ徳武デビュー『A New Peace within』アルバムと日本ツアー、マールフェス2011「ドック・ワトソン・ライブ・リポート」、茨城「万丈童子」5周年と復興へ、本間正敏のIBMA-WOBリポート⑦、岩手「小岩井フェス」リポートほか、最新米国ブルーグラス・チャート、チチ松村のバンジョー祭り、成田勝浩のロンサム・エアポートなど連載コラムとニュース、レコードレビューなど、日米ブルーグラスの話題満載。日米ブルーグラスの話題満載。

MS-2807 2011年5月号(通巻331号)¥525-

先日来日したバリンジャー・ファミリーバンドをカバーストーリーに「ブルーグラス・ファミリーについて」ほか、スタンレー・サウンド後編「歴代リードボーカリスト列伝」、2011年版ブルーグラスとは何か②「カントリーミュージックを考える①」、東日本大震災義援ETSUコンサート・リポート、本間正敏のIBMA-WOBリポート⑥マイケル・クリーヴランド&フレームキーパー、アメリカ歴史「南北戦争」、アール・スクラッグス・バンジョー製造年の新説、レジェンド「東 理夫」、天野恵司さん追悼。

MS-2806 2011年4月号(通巻330号)¥525-

スタンレー・ブラザーズのカバーストーリーで「スタンレー・サウンド前編=カーター・スタンレー」、真保 孝のラルフ・スタンレー初来日から40年、ディラン/エリオット/ガスリー「フォークとは何か?」、宮崎勝之インタビュー、本間正敏のIBMA-WOBリポート⑤、丹沢ブルーグラス米国道中最終回、亀田浩史のウィンターグラス2011、アメリカ歴史「南北戦争の歌②」、東日本大震災について……ほか、日米ブルーグラス情報満載の44頁。

MS-2805 2011年3月号(通巻329号)¥525-

今月88歳の米寿を迎えたドック・ワトソン特集、5月に来日予定のスーパーピッカー、マット・フリナーのカバーストーリーほか、最適なブルーグラス・ギターの条件後編、2010年ブルーグラス総括、本間正敏のIBMA2010「WOBリポート④」、丹沢ブルーグラス「ビーンブロッサム・フェス」、アメリカ歴史概論XII「南北戦争の歌」、大分ブルーグラス・ナイト、奈良ブルーグラス・ナイトほか、日米ブルーグラスの話題満載です。

MS-2804 2011年2月号(通巻328号)¥525-

女性シンガー・クロウハンマー奏者アビゲイル・ウォッシュバーンのカバーストーリーほか、サム・ブッシュの「IBMA基調講演、ビル・モンローを語る後編」、グラミー賞の実態、ブルーグラス・ギターの条件前編、ラグパパス・ジャグバンド、本間正敏のIBMA2010「WOBリポート③」、丹沢ブルーグラス「ビーンブロッサム訪問」、アメリカ歴史概論XI「南北戦争」ほか。

MS-2803 2011年1月号(通巻327号)¥525-

最新1月号はサム・ブッシュのカバーストーリー「IBMA基調講演、ビル・モンローを語る前編」ほか、新春ブルーグラス大学生サーベイ第一章、宮崎勝之&古橋一晃『Woody Talkin'』、バンジョー・プロジェクトを救え!!、本間正敏のIBMA2010「WOBリポート②」、丹沢ブルーグラス「IBMM訪問」、アメリカ歴史概論Ⅹ「南北戦争」ほか、日米ブルーグラスの話題満載です。

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