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    B.O.M.Newsletter #396web   2013年10月10日


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INDEX

 今月の特選作品
今月の注目作品
ブルーグラス新入荷
 B.O.M.特選コーナー
 ブルーグラスお勧め作品
インスト新入荷
各楽器別お勧め作品
オールドタイム&フォーク新入荷
オールドタイム/フォークお勧め作品
カントリー新入荷
カントリー発掘、編集モノ新入荷
 カントリーお勧め作品
映像ものお勧め再入荷作品
教則ものお勧め
楽器、その他……
 輸入雑誌
月刊『ムーンシャイナー』
 B.O.M.ご利用方法


 ◆ついに通巻360号、創刊30周年を無事クリアした月刊ムーンシャイナー、最新10月号(\525-)は、IBMA名誉の殿堂入りをしたトニー・ライスのカバーストーリー、現在の抱える問題の根底にあると思われる少年時代を掘り下げてみた。そのほか、1958年に結成されたイースト・マウンテン・ボーイズがIBMA特別功労賞を受賞するにあたって彼らの年表と紹介、そして日本の戦前・戦後における「洋楽」の受容についての特集記事、中学生ソフィア美玲キャタリナの「ウィザー・フィドル・コンテスト」参戦記、ハゥトゥプレイ・ブルーグラス#4「続アールの日」、最新トラッドグラス事情「レベル・レコード編」、コンサートリポート「mareka & Junji vs 三津谷組」、カーター・ファミリーとボブ・ディラン、東北大「荒川善行」、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Dほか、日米ブルーグラス情報満載!!
 月刊ムーンシャイナー定期購読は1年間(12冊)\6,000- 半年間(6冊)\3,300-。単冊\525-(送料\76-)。定期購読は購読開始希望月をお知らせくだされば早速お送りします!! また情報提供、そしてご自由なテーマでのご寄稿など……、なにとぞムーンシャイナーにご協力を、よろしくお願いします!

◆只今、商品ご注文いただいた方に、ノース・キャロライナ州シェルビーで間もなく(2014年1月11日)オープンするアール・スクラッグス・センターのステッカーをプレゼント中。追加入手しましたが無くなり次第、終了しますので悪しからずご了承ください。
 ■全国イベント・カレンダー
 以下、ムーンシャイナー誌に寄せられたイベントです(個別バンドのライブ=ツアー/来日/企画物以外=は誌面にて)。BOMの標語は、「Buy Studio Releases! ...and Go to Live Shows!!」。……日本ブルーグラス・コミュニティを元気に、楽しく...!! 所得税を払わなくてよい米国籍の大手通販より、所得税を払いたい日本企業をよろしく、ね!!

◆TARO & JORDAN
 マンドリンとギターのスーパーデュオが再来日!
10月12日(土)東京・西麻布、新世界(03-5772-6767)。開演19時、前\3500-当\4000-。北欧系ストリングバンド、Drakskip(ドレクスキップ)との競演
10月19日(土)東京・恵比寿ガーデンホール「マーティンクラブ Rebirth Tour 2013」にゲスト出演
10月23日(水)東京・西麻布、新世界(03-5772-6767)。「新世界3周年スペシャル TARO & JORDAN ワンマンライヴ」開演20時、前\3000-当\3500-。
総合(問)アン http://www.ann-grassroots.com/

◆10月18日(金)神奈川「有田純弘Gypsy Jazz Ensemble」川崎、JR南武線駅「武蔵溝ノ口」駅、洗足学園音楽大学 シルバーマウンテン1F。18:30開演、\2,000-。有田(g)、手島大輔(g)、定村史朗(f)、山田拓斗(f)、ブンレント・ナッシー(bs)。(問)avenue_b@nifty.com

◆10月18日〜21日(金〜月)ハワイ・オアフ島「ブルーグラス・イン・ザ・コオラウ(Bluegrass in the Ko'Olaus)」植物公園。ハワイ恒例のブルーグラスキャンプ(問)早川 治 hayakawao001@gmail.com

◆10月19〜20日(土、日)岐阜「第4回多治見マウンテンタイム・フェス」多治見、三の倉市民の里「地球村」。参加費\3500-(雑魚寝部屋、風呂他施設利用料込み)。安川直樹naoworks@h2.dion.ne.jp、0584-45-2176

◆10月20日(日)徳島「第18回徳島ブルーグラスライブ」徳島、ライブハウス寅家088-677-3233。12時。(問)藤本090-3785-2878

◆10月27日(日)大阪「第25回ハーベストの丘ブルーグラス・フェス」堺、ハーベストの丘。公園ステージにて!(問)塩田090-4764-3564、js3ohh@mahoroba.ne.jp

◆ブルーサイド・オブ・ロンサム関西 2-Days
ミニアルバムを発表し米国フェス出演したばかり
11月2日(土)京都、ホンキー・トンク(075-701-8015)でワンマンライブ。20時 ¥2500-
11月3日(日)神戸、シルクロード(078-371-6747)で、「2013寄り道の旅LIVE」にゲスト。19時、前売\2500-

◆11月22日(金)東京「<BGスペシャル>ジミー赤澤ショー」ロッキートップ03-3571-1955。笹部益生(g)、ジョン藤村(bs)。ゲスト:むらいしんいち(bj)

◆11月30日(日)神奈川「第36回ビッグマウンテン・オープリー」伊勢原市民文化会館小ホール。11時45分開演16時終演、無料。http://www2h.biglobe.ne.jp/~foj/BMO.htm
 今月の特選作品
  BOOK-51 Andrew Vaughan『JOHN HARTFORD: Pilot of a Steam Powered Aereo-Plain』Book+CD\5,145-(本体\4,900-)

 すばらしい!ジョン・ハートフォードの半生、つまり1971年の重要なアルバム『Aereo-Plain』に至るまでを、すばらしい写真と文、レイアウトで綴った112頁A4変形版、アンドリュー・ボーン著のハードカバー上製本。ハートフォードファンは有無を言わず必携だ! オマケのCDは1994年7月12日、ナッシュビルのライマン公会堂で、バッサー・クレメンツとタット・テイラー、そしてトニー・ライスを従えたコンサートライブを収めたもの。1953年のある日、ラジオから聴こえてきたフラット&スクラッグスの“Dear Old Dixie”、そのレスターのドライブに、アールの殺気立ったバンジョーを聴いた途端、「なんなんだ!これは!!」と……、そののちの多くの人が経験する人生の転機を、世界で最初に得た1937年生まれグループのひとり、それからほぼ20年間、天才的な仕事を残したジョン・ハートフォードを見事にまとめあげた大秀作。英語なんて、読まなくていい、この素晴らしい写真の数々を眺めているだけで、あなたはジョンの人生を共有できる。ハートフォードヘッド有無を言わず必携の一冊である!!
 今月の注目作品
 (主な新入荷を中心に、話題作品のダイジェスト。詳しいアルバム紹介は各項目のコーナーにて)
  COMP-4616 NOAM PIKELNY『Plays Kenny Baker Plays Bill Monroe』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ナ、な、ナ、な、何―つぅ……すごい、現在最高のテクニシャンのひとりが、こんな発想のアルバムを出すんだ、ノーム! ビル・モンロー作の有名インストをケニー・ベイカーがカバーした1976年のブルーグラス史上に残る名盤をそのまんまカバーするという、よほどの自信がないとできない大挑戦。ノームのバンジョーのほか、ステュアート・ダンカン(f)、ロニー・マッカーリー(m)、ブライアン・サットン(g)、マイク・バブ(bs)の面々。で、結果は……、インスト新入荷参照。
  JBB-2013 TERRY BAUCOM『Never Though of Looking Back』CD\2,573-(\2,450-)

 強力です! 基本バンドにサム・ブッシュ(m)、ジェリー・ダグラス(d)、オウブリー・ヘイニー(f)、ワイアット・ライス(g)、スティーブ・ブライアン(bs)という超豪華メンバーを揃えた、1980年代以降のバンジョー奏法に大きな影響を与えたテリー・バウコムの最新作。ボーカル隊にはサムの超ご機嫌な2曲のほか、ジョン・カウワン、マーティ・レイボン、ラリー・コードル、ティム・スタッフォード、ジョン・ランドールほか。圧倒的なサムのセンスとジェリーの別格とともにこのメンツ、期待通りに楽しませてくれる。ブルーグラス新入荷参照。
  BSOL-001 BLUESIDE OF LONESOME『Let Us Travel, Travel On』CD\1,000-(本体\952-)

 坂本愛江と笹部益生(g)、そして若手フィドラー手島宏夢(f)のボーカルをフィーチャー、加藤保久(m)、早川流吉(bj)、手島昭英(bs)の関東ベテランブルーグラスがフォロー、10月はじめにオクラホマ州ガスリーで開催されたオクラホマ・インターナショナル・ブルーグラス・フェスに参加したブルーサイド・オブ・ロンサム、渡米に合わせて発表した6曲入りミニ・アルバム。ブルーグラス新入荷参照。
  NONE535360 CHRIS THILE『Bach: Sonatas & Partitas 1』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ヨーヨー・マとのブルーグラスアルバムにつづくブルーグラス・バンド、パンチ・ブラザーズのマンドリン奏者クリス・シーリの最新作は、マンドリンソロによるバッハのソナタ(独奏曲)とパルティータ(変奏曲)16品。ただただスゴイ、あらゆる壁を無くす音楽家である! インスト新入荷参照。
  RUR-1095 VARIOUS ARTISTS『God Didn't Choose Sides』CD\2,573-(\2,450-、歌詞付)

 南北戦争をテーマに、新たに作られた曲をラッセル・ムーア、ロンサム・リバー・バンド、デイル・アン・ブラッドリー、スティーブ・ガリー、ロニー・ボウマン、マーティ・レイボンなど、13組のブルーグラス・アーティストが取り上げた企画アルバム。基本バンドは、ロン・スチュワート(bj,f)、アダム・ステッフィ、アラン・バイビー(m)、ティム・スタッフォード(g)、ジャスティン・モーゼズ(d)、マーク・フェイン(bs)ら、第一線ミュージシャンたち。ブルーグラス新入荷参照。
  CR-021 JOHN REISCHMAN & JOHN MILLER『Road Trip』CD\2,573-(本体\2,450-)

 2001年に現在の多治見フェスの前身である時山フェスに参加したこともあるジョン・ライシュマン(m)とジョン・ミラー(g)のコンビによる三作目。ロイド・ロアーの卓越した音色を引き出すライシュマンとミラーの様々なリズムに対応する懐の深いフィンガーピッキン・ギターが秀逸なハイレベルなアコースティックデュオ作品。インスト新入荷参照。
  OR-1482 DARIN & BROOKE ALDRIDGE『Flying』CD\2,573-(\2,450-)

 カントリー・ジェントルメン最晩年のチャーリー・ウォーラーを支えたダリン・オルドリッジの素晴らしいマンドリンとビンス・ギルを髣髴させる甘いテナー・ボイス、妻ブルックの圧倒的歌唱力でのポップなボーカル、そこにソングライターとしても知られる新メンバーとして加わったベッキー・ビューラー(f)のハーモニーは圧巻。超一級ミュージシャンたちのブルーグラスピッキンを軽いドラムスで全編を覆い、メチャ素晴らしいアコースティックポップに仕上げたタイトル通りウキウキと飛んでいきそうなハッピー作品。ブルーグラス新入荷参照
  RUR-1113 MIKE SCOTT & FRIENDS『Home Sweet Home』CD\2,573-(本体\2,450-)

 10月はじめにクレイグ・ダンカンやビリー・スミスらと来日した元ジム&ジェシーのバンジョー奏者マイク・スコット。ビル・モンローソングをインストにしたヒット作『Blue Moon of Kentucky-- Instrumental Tribute To Bill Monroe』(RUR-1075 \2,573-)につづいて、「南北戦争時代」の曲集、すなわちアメリカン・スタンダードを、アダム・ステッフィ、オウブリー・ヘイニー、ティム・スタッフォード、ロブ・アイクス、ベン・アイザックスらと、本来観光地のお土産げ向けに発売されたものの再編集作品。インスト新入荷参照
  TSQ-2851 V.A.『Imagination Anthem Volume 6 - Origins of American Primitive Guitar』CD\2,573-(本体\2,450-)

 1920〜30年代の白人・黒人ギタリストによるオールドタイム/ブルース・ギターインストにスポットを当てたコンピレーション作品。アメリカンギターの原点に旅しませんか? インスト新入荷参照
  OTCR-006 PIRATES CANOE『Three』CD\1,000-(本体\952-)

 京都の三人組女子と三人組男子の六人組によるアメリカーナ/ニューグラスのフルバンドによる最新第三作。マンドリン、フィドル、ギター、ドブロというブルーグラス系楽器にベースとドラムスでリズムを固めたシュールなフォークロックバンドといったところだが、前二作と比べて全員、恐ろしく成長、バンドの音楽主張も明確な素晴らしい作品に仕上がっている。オールドタイム・フォーク新入荷参照
  AC-1910702 ALAN JACKSON『The Bluegrass Album』CD\2,573-(本体\2,450-)

 カントリー音楽の帝王とも呼ばれるアラン・ジャクソン、いよいよブルーグラス・アルバムに挑戦。サミー・シーラー、アダム・ステッフィ、ティム・クロウチ、ロブ・アイクスらにロニー・ボウマンとドン・リグスビーのハーモニーなど。ステーション・インでのアルバムリリース・パーティーに次いでカーネギーホールでブルーグラスコンサートと、さすがのセレブ、超メジャー。バックメンバーもホクホク...!? ブルーグラス新入荷参照
  WB-535880 RANDY TRAVIS 『Influence #1:The Man I Am』CD\2,573-(本体\2,450-)

 1980年代、リッキー・スキャッグスらとネオカントリーというあたらしいブームを支えたカントリーのトップスター、ランディ・トラビスの21枚目のアルバムはマール・ハガード、ジョージ・ジョーンズ、レフティ・フリーゼル等々、自身が影響を受けた先人たちのカバー集。カントリー新入荷参照
 ブルーグラス新入荷
  JBB-2013 TERRY BAUCOM『Never Though of Looking Back』CD\2,573-(\2,450-)

Carry Me Back To Carolina/Martha White, Lester and Earl/No One But My Darlin'/Please Take Me Home/Long Enough To Make Me Blue/Short Order Time/Just Ain't/I'm Sorry Too/I've Been Around Enough To Know/You Live In A World All Your Own/What'll I Do?/I'll Be Going Home. 全12曲

 何と言っても一曲目からサム・ブッシュ独特のメロディーの創り方が全編に渡って快感!久々のブッシュ節マンド全開(リズムチョップも全編で曲の流れに見事)、サムも完全にシラブルで弾くのだとつくづく感じいる(ムーンシャイナー誌「ハゥトゥプレイ・ブルーグラス」シリーズ参照)。またサムがリードを歌うフラット&スクラッグスの小ヒット名曲“Just Ain't”のご機嫌なこと! ジェリーのドブロからジョッシュ・グレイブスの魂と弾き方ノウハウのイロハが溢れ出ているぞ(わたしが高校生のときに歌詞を覚えた懐かしい曲、誰の選曲か?テリーなら褒めてあげるぞ……でもこの曲でしか使ってないアールの珍しいバックアップフレーズはフォローしてないんだ)!チョッと全編でバンジョーがうるさいけど、ま、主人公だから我慢できる……なんて、主役そっちのけで申し訳ないけど、この作品、何と言ってもそれ、サムとジェリーの全編参加でしょ!!? 「昔を振り返るなんて、思っても見なかった」というタイトル通り、ジェリー・ダグラスとスティーブ・ブライアント(ebs)というふたりに、アルバムの売りと思われる2曲目“Martha White, Lester and Earl”にウェス・ゴールディングの曲を持ってくるという、リッキー・スキャッグスだけが参加を見送ったブーンクリーク時代回顧作品ともいえそうな楽しいアルバム。サムとジェリーの凄さはもちろん、ジョン・カウワンの歌うモンローソング“No One But My Darlin'”のハイロンサム加減など、70年代ミュージシャンのブルーグラス本領発揮だ。バルサム・レンジのフィドラーでもあるバディ・メルトンが3曲、素晴らしいブル―グラスボーカルを聴かせるほか、元ナッシュランブラーズのジョン・ランドール・スチュワートや、元キャデラックスカイのデビッド・メイフィールドらも素晴らしいボーカルで貢献、カントリーボーカルが鼻に付く(個人的好みで失礼)がマーティ・レイボンも目玉曲“Martha White, Lester and Earl”でグッとくるモノ語りと渋いのどを聴かせる。テリーの人脈とともに、本作のコンセプトがサムとジェリーのブルーグラスアルバムへのフル参加という幸運を招いたのか、うがち過ぎの上から目線はさておいて、70年代おじさんには嬉しい秀作である。
  AC-1910702 ALAN JACKSON『The Bluegrass Album』CD\2,573-(本体\2,450-)

Long Hard Road/Mary/Wild And Blue/Appalachian Mountain Girl/Ain't Got Trouble Now/Blue Ridge Mountain Song/Tie Me Down/There Is A Time/Blue Side Of Heaven/Let's Get Back To Me And You/Way Beyond Blue/Knew All Along/Blacktop/Blue Moon Of Kentucky 全14曲

 ビルボード初登場でブルーグラス部門で1位、そしてカントリー部門では2位という……ま、当然と言えば当然の高い評価を得たカントリー界の帝王!?が初めて挑んだブルーグラス作品。8曲のオリジナルもブルーグラスというコンセプトを理解した真摯なつくりで、自身のバンドのブルーグラス担当スコット・コニーのギターをフィーチャー。またサミー・シーラー(bj)、アダム・ステッフィ(m)、ティム・クロウチ(f)、ロブ・アイクス(d)、ティム・ディッシュマンら、どの曲もバックミュージシャンとシンガーとしての自分の距離を平等に取り、通常のブルークラス作品よりもミュージシャンの出番をたっぷりとって……カントリーのメガスターという色眼鏡(カントリーの場合、何と言ってもやはりシンガーひとりがスターである)を外して聴かないといけないと反省。近年発表したゴスペルアルバム『Precious Memories』の2枚と同様、素のアラン・ジャクソンが聴けるのかもしれない。パックボーカルにはドン・リグスビーとロニー・ボウマンらを配し、どーやらロンサムリバーバンドのブルーリッジ系ブルーグラスを念頭に、しかしティム・クロウチの素晴らしいハイロンサムフィドルとサミーの抑えたスリーフィンガーが全体に落ちついた大人のトラッドグラスサウンドにしている。ブルーグラス・スタンダード曲はディラーズの名曲“There Is A Time”とモンローソングの極めつけ“Blue Moon of Kentucky”(全編をワルツのままに、このアルバムに対する思いとメンバー紹介をする5分40秒)でキマリ!! さすが一ジャンルを代表するシンガー、ブルーグラスのミュージシャンやファンのツボを捉えた秀作に仕上げている。
  BACM-417 PAUL & ROY 『Tennessee River Boys』 CD \2,573-(\2,450-)

フラット&スクラッグスと同時期にマーキュリーに録音を残していたというポール&ロイとテネシー・リバー・ボーイズの14曲と、60年代にカーティス・マクピーク(bj)とベニー・ウィリアムス(g)が同バンド名義にて60年代にカンバーランド・レーベルに残したLPからの10曲が収められている。ポール&ロイはバンジョーこそ入ってないが、マンドリンをフィーチャーしたアーリー・ブルーグラスという趣で、チャーリー・モンロー、ロンサム・パイン・フィドラーズやジョニー&ジャック、ジミー・マーチンに相通じるサウンドが魅力。後半は元ブルーグラス・ボーイズでマルチ・プレイヤーとしてブルーグラスとカントリー両分野で活躍したベニー・ウィリアムス(f,g,v)と華麗なバンジョー・ロールでアール・スクラッグスの影武者としても知られるカーティス・マクピーク(bj)による、マンドリン抜きでドブロをフィーチャーして、ビル・モンロー曲と有名ゴスペル曲を取り上げたスタンダード・ブルーグラス集。(ムーンシャイナー誌レビューより)
  BSOL-001 BLUESIDE OF LONESOME『Let Us Travel, Travel On』CD\1,000-(本体\952-)

Let Us Travel, Travel On/Please Help Me I'm Falling/Steamboat Whistle Blues/Old Dangerfield/Pathway Of Teardrops/Cryin' Holy Unto The Lord 全6曲

 現在の関東を代表するブルーグラスバンドのひとつ、ブルーサイド・オブ・ロンサムが10月はじめの渡米に合わせて発表した6曲入りデビューミニアルバム。関東ブルーグラスの大ベテラン、笹部益生(g,v)、加藤保久(m,v)、早川流吉(bj,v)、手島昭英(bs)の4人に、手島の息子で若手フィドラーとして頭角を現している手島宏夢(f,v)が参加、オールドタイムのブラザーデュオからブルーグラススタンダード、そしてニューグラスとしても評価の高いモンローインストからジョン・ハートフォードまで、フレッシュなブルーグラスサウンドに、日本カントリー界の歌姫、坂本愛江が加わり、オズボーンばりのカントリーアレンジやハーモニーなど、飽きさせないレパートリーで人気といい、このデビュー作でもそんな様々な切り口をショウケース風に聴かせてくれる。演奏技量も歌唱力も安定しているのだが、スタジオのマイクの前という勝手が違うのだろうか?ライブで見聞きするベテランの彼らの快活さがキンチョーに転じているのがカワイイ……。人のことは言えないのだが、とにかくレコードとは、こなした数とミキシング、とくに近年の録音はライブとは別モノ。とはいえ、日本のベテランブルーグラッサー、ここにあり!というストレートなブルーグラス作品だ。
  RUR-1095 VARIOUS ARTISTS『God Didn't Choose Sides: Civil War True Stories about Real People』CD\2,573-(\2,450-)

I'm Almost Home (Steve Gulley)/A Picture of Three Children (Russell Moore)/The Legend of Jennie Wade (Lonesome River Band )/Christmas In Savannah (Dale Ann Bradley)/Providence Spring (Tim Stafford)/Old John Burns (Rickey Wasson)/The Lady In Gray (Ronnie Bowman)/Last Day At Vicksburg (Bradley Walker)/Rebel Hart (Brad Gulley)/Carrie's Graveyard Book (Carrie Hassler)/The River Man (Dave Adkins)/God Didn't Choose Sides (Marty Raybon)/There Is A Fountain (Dale Ann Bradley, Steve Gulley, Don Gulley, Vic Graves) 全13曲

 現在ブルーグラス主流の第一線ミュージシャンとボーカリストたちによる書き下ろし企画物語り集『神は敵味方を別けない、南北戦争における庶民の真実』。バックアップの基本バンドにはボックスカーズのロン・スチュワート(bj,f)とアダム・ステッフィ(m)、ブルーハイウェイのティム・スタッフォード(g)、ドイル・ローソンのクイックシルバーではバンジョーを担当するマルチプレイヤーのジャスティン・モーゼズ(d)、リッキー・スキャッグスのケンタッキーサンダーからマーク・フェイン(bs)、そしてグラスタウンのアラン・バイビー(m)ら。そしてボーカルにはラッセル・ムーア、デイル・アン・ブラッドリー、スティーブ・ガリー、ロニー・ボウマン、マーティ・レイボン、なぜかIBMAアワードで奇跡!?を見せられたトニー・ライス(ムーンシャイナー11号にご期待!?)をほうふつさせるリッキー・ワッソンほか、ロンサム・リバー・バンドはバンドとして参加している。そののちの第一次と第二次、二度の世界戦争の犠牲者の合計50万を上回る60万人を失ったという南北戦争(1861-1865)がいかに米国にとって大きな出来事か、そしてその戦いの多くがメイソン・ディクソン線より南、すなわちブルーグラスの故郷で行われたかを知れば、南北戦争とブルーグラスやアパラチアが結びつくだろう。
 発売元のルーラルリズム・レコードはサイトを設け、一曲ごとの解説のほか、13曲中8曲にはそれぞれのビデオを制作、曲の背景をソングライターが語っている。ビル・モンローが後進に説きつづけたブルーグラスソングの真髄「トゥルーソング」の捉え方のひとつであろう。http://www.goddidntchoosesides.com/
  MFR-130610 JEFF BROWN & STILL LONESOME『Blue Side of Me』CD\2,573-(本体\2,450-)

These Old Blues/Blue Side of Me/Little Country Town/Hickory Switch/The Water and the Mud/Virginia I Hear You Calling Me/Last Day At Gettysburg/These Ole Mountain Ways/Come To Me/Coal Mining Town/Weary Pilgrim Welcome Home/Lonesome Fugitive. 全12曲

 かつて自身のボスだったラリー・スパークスのスタンダード“These Old Blues”を一曲目に、マール・ハガード名曲“Lonesome Fugitive”を倍テンポで爽やかに!?ハーモニーを決める12曲目まで、トニー・ライス風ギターと素晴らしいベースリズムとラインに乗って全体的に端正なブルーグラスを聴かせるジェフ・ブラウンとスティルロンサム。バージニアの濃いブルーグラスルーツで育ったジェフ(g)、15歳の息子オースティン(bs)、14歳でバッサー・クレメンツやオウブリー・ヘイニー、ダニエル・カーワイルらとともにオープリのステージに立ったという2011年にETSUを卒業したばかりのメレディス・ゴーインズ(f)、そしてブルーリッジの真ん中、バージニア州フロイド出身の若者ジョッシュ・アンダーウッド(bj)とジョッシュ・ブランケンシップ(m)の落ちついたバックを奏でる。ムーンシャイナー誌の「知っておきたいシリーズ」で紹介したマウンテン・フィーバー・レコードらしいストレートな爽やかさを持った素晴らしいバランスのとれたバンド。トニーのようなギターだと思ったら全編でギターを弾いているのは弟ワイアット・ライスだった。それにしても現在の米国ブルーグラス、こんなにレベルの高いのがウジャウジャ、おそらく15歳の息子オースティンもここで聴かれる素晴らしいベースからして、きっと凄いギタリストであるに違いない。そんな風にしてブルーグラスは次々と若者の間に伝わっていく……、今年ノースカロライナで初めて開かれたIBMA週間を通じてもそんな場面をたくさん見た。末恐ろしいことだ……!?
  OR-1482 DARIN & BROOKE ALDRIDGE『Flying』CD\2,573-(\2,450-)

Maybe Just a Little/Love Speak to Me/Laurie Stevens/Trying to Make Clocks Slow Down/Higher Than My Heart/I Gotta Have Butterflies/Outbound Plane/To The Moon and Back/Love Does/Little Bit of Wonderful. 全10曲

 ジョン・ダッフィ(1934-1996)のあとを7年間、カントリー・ジェントルメンとして立派に務め、チャーリー・ウォーラー(1935-2004)の突然の死でソロとなり、2004年にデビューアルバム『Call It a Day』(PC-6506 \2,573-、廃盤ですが数枚の在庫あり)をパインキャッスルから発表、その幅広い才能は一部ファンに注目だった。そんなダリンが圧倒的な力強いポップボイスを持つブルックと2008年に結婚、同時にダリン&ブルックとしてアルバム発表、以降、ゴスペルを軸に安定したファン基盤を持つ準メジャーのマウンテンホームからライブを含む三枚のアルバムを発表、そして今秋、同レーベルの非ゴスペル新ブランド、オーガニックレコードからの最新作である。ダリンの洗練されたセンシティブなマンドリンとギターを軸に、素晴らしいドブロのコリン・ウィリス、控え目なバンジョーのマット・ラブ、ナッシュビルサウンド以来の落ちついた生ベースを聴かせるドウェイン・アンダーソン、そして何よりも女性ブルーグラスソングライターのトップランナーのひとりで、素晴らしいブルーグラスフィドラーでもあるベッキー・ビューラーの新加入で、ダリン&ブルックとの素晴らしいトリオハーモニーが絶品! 全編にトニー・グリースマンの軽いドラムスを加えて、今風のポップなアコースティック・アメリカーナ市場をも視野に入れた秀作である。
 ……私的な余談で恐縮だが、ETSU(東テネシー州立大学)で息子タローと一緒だったベッキー、今年も嬉しそうに子供の成長写真を見せてくれ、ダリンとブルックを紹介してくれた。日米ともに、長年ブルーグラスにいて、世代がどんどんと進んでいく楽しみと同時に、あたらしい人(音楽)を知る喜びは何にも代え難い。
 B.O.M.特選コーナー
  月刊ムーンシャイナー誌の特集関連の音源ほか、新旧問わず、今月のBOMからの特選作品たち!
 ■最新ムーンシャイナー2013年10月号より
  RC-103 TONY RICE『got me a martin guitar』CD-R\2,070-(本体\1,980-)

Freeborn Man/Faded Love/Salt Creek/Doin' My Time/Windy and Warm/John Hardy/Nine Pound Hammer/Lonesome Ruben.

 10月号の表紙は1975年に初来日したときのヒョーキンなトニー・ライス。現在は精神的なバランスを崩すことも多いというトニー、その原因を少年時代に探ってみた。
 本作は、わがレッド・クレイ1973年発表のトニー・ライスのデビュー作。1971年、米国のフェスで見たトニー・ライスに衝撃を受け、何度もの手紙のやり取りの末、1972年に契約成立、低予算ながら、意気に感じてくれたのか、すばらしいギターアルバムを創ってくれました。あまりにも有名なブルーグラス・ギターの歴史を変えた日本発トニー・ライスのデビュー作を、1973年のオリジナル・ジャケットでいかがですか? ブルーグラスギタリスト必携の1枚!

 
RCSI-1074D J.D.CROWE & NEW SOUTH 『Live from The Festival of Bluegrass & The Studio of KET』(2時間)DVD\2,888-(本体\2,750-)

Rock, Salt and Nails/Old Home Place/9 Pound Hammer/10 Degrees and Getting Colder/Beaumont Rag/Sin City/Train 45. plus 15 songs from 1999 Festival of Bluegrass. 全21曲

 伝説的な1975年のJ.D.クロウ&ニューサウス、トニー・ライス、リッキー・スキャッグス、ジェリー・ダグラスを擁したとき、唯一残るケンタッキー教育テレビでの映像(30分)が初DVD化!! しばらく前からニューサウスのライブ会場で自分たちが販売していたのだが、リージョンコード指定がされており日本では見られなかったため、B.O.M.が特別にリージョンフリーを限定生産してもらったというモノ。このメンツでのニューサウスはわずか一年ほど(日本公演含めて)しか活躍しなかったが、このバンドを境に米国ブルーグラスのバンドアンサンブルが劇的に大変革をしたといわれるほどの影響を残した、まさにチョー貴重映像である。そのメンバーのものは30分のTV番組で短いが、本DVDには1999年当時のJ.D.クロウ&ニューサウス(リッキー・ワッソン、ドワイト・マッコール、フィル・レッドベター、カート・チャップマン)によるケンタッキー州レキシントン郊外の『Festival of Bluegrass』(かつて日本からのブルーグラスツアーで知られる)からの15曲もオマケに収められた全21曲が楽しめる。
  RCSI-1057 尾崎ブラザーズ『Till We Meet Again』CD\2,573-(本体\2,450-)

You Left Me to Cry/Tennessee Border/When I Stop Dreamin'/My Old Ky Home/Remember Me 他全13曲

 日本ブルーグラスのパイオニア、イースト・マウンテン・ボーイズが今秋、IBMA特別功労賞を授与された。恐らく米国以外で、世界初のブルーグラス・バンドは、大阪アメリカ民謡研究会の有田達男の夢から生まれた。10月号ではそんなバンドの歴史と、日本の戦前戦後の「洋楽」が以下に広まっていったかを探っている。
 本作は、イースト・マウンテン・ボーイズのボーカルを担ったブラザーデュオ、尾崎恭(80)のギターと尾崎恒(78)のマンドリンによる見事な、2012年作の初デビュー作品だ。失礼ながら、とてもお年とは思えない、かくしゃくとしたボーカルとハーモニー、そしてリズム感。バックアップ陣にはクリス・シャープ(g)とジョージ・バックナー(bj)にケビン・カーバーグ(bs)という2008年来日組に、マット・コム(f)と小島慎司(d)が趣味のいい演奏を聴かせ、笹部益夫と坂本愛江がハーモニーサポートする。……1958年10月17日、日本で、いや、おそらく米国以外の外国で初めてブルーグラス・サウンドを志したイースト・マウンテン・ボーイズが誕生した。尾崎兄弟や故ドン佐野ら、そのメンバーの誰も「ブルーグラス」という認識はなく、大阪のブルーグラス・ファン/コレクターであった故・有田達男という人のビジョンだったという。後年、彼らの演奏に接したジミー時田や東理夫をはじめ、直接の後輩にあたる立命館大学の野崎謙治など、関西や関東の学生が「ブルーグラス」を志向、1960年代以降の学生ブルーグラスの隆盛を見るにいたる。そんな歴史はムーンシャイナー誌にて……。尾崎ブラザーズの特集はムーンシャイナー2012年5月号(MS-2907 \525-)にて。
  REB-1838 BIG COUNTRY BLUEGRASS『The Boys In Hats & Ties』CD\2,573-(本体\2,450-)

 老舗ブルーグラス・レーベル「レベル・レコード」のトラッドグラス特集、そのトップに紹介されたのがビッグ・カントリー・ブルーグラス。
 トミー・セルズを中心に、デリケートなビッグ・バンジョーを聴かせるリンウッド・ランスフォードほか通常5人組、バリバリの正統派ブルーリッジ系ブルーグラス。タイトル曲(トム・T.ホールとドン・リグスビー作)ではアーリー・ブルーグラス時代に小粋な「帽子とネクタイ」でアパラチア地方を席巻した第一世代ブルーグラスに敬意を表し、なんと2011年春のブルーグラス・ソングチャート第1位をヒット。……やっぱブルーグラス、こういうバタ臭い田舎モンがベースなんだ! カレン・ギャリーンやロイ・マクミランら、ブルーリッジ系の重鎮らの作品を並べた選曲も秀逸。ブルーグラスの真髄は中途半端じゃないローカル、それがホンモノを感じさせる(もう一方の真髄はクラシックにさえ達する究極の楽器美学……この両極端こそが誇りなんだ!)。
  REB-1845 JUNIOR SISK & RAMBLERS CHOICE『The Heart of a Song』CD\2,573-(本体\2,450-)

 現在もっともソウルフルなブルーグラス・シンガー/ソングライターと評されるジュニア・シスク、ムーンシャイナーで紹介した最新作の一作前、本作収録の“A Far Cry From Lester & Earl”が昨年のIBMA最優秀ソングを受賞、ライマン公会堂のステージで男泣きした、件のアルバム。
  REB-1841 DON RIGSBY『Doctor's Orders - A Tribute to Ralph Stanley』CD\2,573-(本体\2,450-)

 5歳のときに聴いた“Little Maggie”に衝撃を受け、6歳の誕生日にプレゼントとしてバックステージでラルフ・スタンレーに会って以来、ラルフのようになることを夢見てミュージシャンの道を志したというドン・リグスビー、J.D.クロウ&ニューサウス、ブルーグラス・カーディナルズ、ロンサム・リバーバンド、スーパーバンドのロングビューなどという輝かしい経歴を重ねている。現在、40代半ばのもっとも充実しているとき、自身のもっともベースにある音楽に真摯に取り組んでいる。ラルフのバンジョー奏法をそのまま受け継いだスティーブ・スパークマン、ここではカーリー・レイ・クラインを意識しまくるロン・スチュワート(f)、ジョージ・シャフラーのクロスピッキンを受け継ぐジェイムズ・アラン・シェルトン、ベースにはアリソン・クラウスからバリー・ベイルズ。そして特別ゲストとして、ラルフ自身が“Daughter of Geronimo”ですばらしいリードボーカル、“Home in the Mountain”ではテナーを聴かせ(リッキー・スキャッグスがバリトン)、名曲“I Only Exist”ではラリー・スパークスがリード・ボーカルで、また“Medicine Springs”では唯一無二のリードギターで登場、“Walking Up This Hill on Decoration Day”ではチャーリー・サイズモアがリード、“Tennessee Truck Driving Man”ではハーモニーリード(この曲もスキャッグスがバリトン)、最後の“Traveling the Highway Home”ではラルフが母から学んだクロウハンマーバンジョーを聴かせる。トラッドグラス界随一のテナーボイスでスタンレーサウンドと名曲を蘇らせた秀作である。
  REB-1827 DAVID DAVIS & WARRIOR RIVER BOYS『Two Dimes & a Nickel』CD\2,573-(本体\2,450-)

 グランパ・ジョーンズの名曲"I've Been All Around"を1曲目に、モンロイズムを意識しながら南部アラバマで家族の伝統を受け継ぐデビッド・デイビス。すなわち、1938年にビル・モンローが雇った最初のブルー・グラス・ボーイ、あのクリオ・デイビスが叔父にあたる。ほかに、ドック・ワトソンやフラット&スクラッグスで知られる"Train That Carried My Girl from Town"、そしてジム・イーンズ"Broken Promise"など、トラッドグラスの王道サウンドを守りつつオリジナルな最新作。背筋を伸ばし、ステットソン帽を被り、ロアーを抱える姿はヒーロー、ビル・モンローを髣髴させるデビッド、2006年の前作『Troubled Times』(REB-1817 CD\2,573-)もすばらしい。トラッドグラスの真髄ここにあり!
  RC-118 三津谷組『Y'all come back an' see us, y'hear! まいど、おおきに!』CD\2,573-(本体\2,450-)

 そしてコンサートリポートに登場するのは城田じゅんじのアイリッシュユニット「mareka & Junji」とのコラボをした三津谷組。リポートくれたのはアイルランドで偶然!?お父さんの友達だった城田じゅんじに出会った梨乃ちゃん、それからトントンと話が進み、アイリッシュ原曲とオールドタイムフィドルチューンの出会いなどを企画したという。
 本作は2000年作、70年代にはロッコー・マウンテン・ボーイズとして活躍した三津谷まさよしとチーコ夫妻のファミリーバンドによる大阪ミナミ産オールドタイム/ブルーグラス全12曲集、楽しいよ!!
  MNJS-0001 城田純二&内藤希花『Mareka & Junji: Music in the Air』CD\2,500-(本体\2,380-)

Si Bheag Si Mhor/Mountains of Pomeroy/May Morning Dew/Eleanor Plunkett/Stor Mo Chroi 他全11曲

 2011年のデビュー作『Keep Her Li!』(完売)につづく、城田と内藤のアイリッシュ・デュオ2012年第2作。ナターシャセブンののち1986年に渡米、そこで90年代になって出会ったアイリッシュの魅力にとりつかれ、ブルーグラス・ドライブがうまく作用したのか、米国西海岸のアイリッシュ界でサポートギタリストとしての地位を確立しとたという城田、そんな経緯はムーンシャイナー誌にもよくリポートしてくれた。一方7年ほど前、18歳のときにアイリッシュ音楽と出会ったというクラシック・バイオリンを弾いていた内藤希花(まれか)、今作ではアイリッシュハープも披露している。ふたりがデュオを組みはじめたのは2009年という。クラシックピアノからギター、バンジョーとマスターしていった抜群の音感と50年近くになるルーツ系音楽に対する感性を持つじゅんじのリズムに乗ってまれかのフィドルが見事な成長ぶり、若いってすばらしい。オカロランの超有名曲を1曲目に、暑苦しいアメリカンとは趣きの違う、涼やかなアイリッシュの響きをあっさりと、しかし十分な主張を持って聴かせてくれるすばらしい作品である。
  WOU-1007 EARL SCRUGGS『Nashville's Rock』CD\2,573-(本体\2,450-)

 今月号のハゥトゥプレイ・ブルーグラス」シリーズの第4弾はちょっとキツメの提案で、タブ譜などに頼らずに自身のメロディを持ち素直に表現するための「シラブルで弾く」方法を紹介してみた。
 本作は1969年にフラット&スクラッグスを解散、アール・スクラッグス・レビューがデビューするまでの間、47歳のアール個人名義で1971年に発表されたバンジョーインスト作品のCD化。当時、このBGM風のポップなロッキンサウンドは多くの人が批評したが、わたしはこのアルバムでバンジョーのトーン、そしてアール独特のメロディの取り方(スリーフィンガーとの折り合い)を学んだ。当時17歳の息子ランディのほか、ナッシュビルのスタジオ・ミュージシャンたちに囲まれたアールが、当時のロックヒット曲を次々と演じる。見事なスリーフィンガーでの"Hey Jude"、トラッドゴスペルが美しい大地を感じさせる"In the Gloryland"はベラのヒット曲"Big Country"に通じる壮大な景色を見せ、そして最後にオーケストラとの共演では生指!単音弾き「明日に掛ける橋」など、発売当時ぼろくそに批評されたテクニック論など眼中にないアールのバンジョー天国。アール信奉者には、彼の本質(自らのメロディを紡ぐ方法)がぎっしり詰まった必聴/必携の一枚だぞッ!!
 ブルーグラスお勧め作品
 (すでにニューズレターで紹介済みの作品です)
 ■ブルーグラス最近作
  今、旬なブルーグラス・アルバムたち……
  ROU-9174 DEADLY GENTLEMEN『Roll Me, Tumble Me』CD\2,573-(本体\2,450-)

 21世紀のブルーグラスにまた、まったくあたらしい方向性を持った才能集団が全米デビュー! イーファ・オドノバンという少女とアパラチア伝統音楽をとても大切に21世紀に伝えてきたクリキッド・スティルを率いた天才バンジョー奏者/ソングライター、グレッグ・リストが20代のブルーグラス界のあたらしいスーパーピッカーたちを自身の翼の下に、自由に羽ばたかせ、ポップなブルーグラスを創っている。パンチ・ブラザーズ以来のサウンドインパクト/衝撃をぜひどーぞ!!
  RUR-1108 AMERICAN DRIVE CD\2,573-(本体\2,450-)

Long Haul Trucking Man/Willow Creek Dam/War Is Hell/Son of a Miner/Some Broken Hearts Never Mend/Nobody's Child/Gotta Travel On 他全12曲

 J.D.クロウが昨年一杯でツアーサーキットからの引退を発表、残されたニューサウスに若手バンジョーのジャスティン・ジェンキンズを加えた新バンド、アメリカン・ドライブのデビュー作。14年間、J.D.の右腕としてニューサウスを支えたリッキー・ワッソン(g)の深いバリトン・ボイスとシュアなリードギターは、ときにトニー・ライスを思わせる落ち着きを聴かせる。トラッドグラスの雄ジム・マッコールの息子で、ユニオン・スプリングスを経てチャーリー・ウォーラー&カントリージェントルメンに参加、1996年からニューサウスに参加したドワイト・マッコール(m)のスカッとしたテナーボイスのベテラン。そのふたりに、マット・デスペイン(d)とカイル・パーキンス(bs)。そしてJ.D.の後を埋めにやってきたのがブルームーン・ライジングからグラスタウンを経た若手ジャスティン・ジェンキンズ、本作では切れのいいバンジョーで、ニューサウス・サウンドを継承している。ベテランソングライターのピート・ゴーブルやビル・キャッスルらの新曲のほか、1959年にビリー・グランマーがヒットさせビル・モンローもカバー、折からのフォークブームに乗って、モンローにとっては珍しいチャートヒットなったポール・クレイトン作の"Gotta Travel On"やドン・ウィリアムズの1977年ヒット"Some Broken Hearts Never Mend"のカバーなど、トニー・ライス/リッキー・スキャッグス在籍時以来のハッピーミディアムなサウンドが快調だ。
  RCSI-1090 CHURCH SISTER『There's You』CD\2,573-(本体\2,450-)

 12歳のときに出したデビュー作はさておき、16歳で発表したこの作品、そのエンジェリックボイスとハーモニーにはさらに磨きがかかり、間違いなく彼女らのアイドルであろうアリソン・クラウスに近づこうという気概が一杯のさわやかな作品だ。バックにはマンドリンのアダム・ステッフィ、1988年にロスト&ファウンドでデビューしたベテラン・バンジョー奏者ジョディ・キング、ジョディとラリー・コードルのロンサムスタンダードタイム(LSDT)でのバンドメイト、マールフェスのギター優勝者でもあるジョッシュ・ピケット(g,bs)、現在はブレイク・シェルトンやマルティナ・マクブライドなどとツアーするLSDTのOGでもあるジニー・フリーノア(f)が、プロフェッショナルな音を創り出す。ハンク・スノウの“Aching Hearts”やルービンの“Angels Rejoice”ほか、ロンダ・ビンセント作“One Step...”やカール・ジャクソン作“Homecoming”など、そしてアダム・ステッフィの美しいイントロによる“Bury Me Beneath the Willow”での、のびのびとしたサバンナのボーカルとアドリブを聴くだけで値打ち……なのだ。簡単デジパック包装だが、ま、いいか。天使のような声とハーモニー、そしてヨーク聴けば聴くほどに感心してしまうアコースティック・アンサンブル……、今のブルーグラスって、ほんと凄い!!
 今秋のIBMAで観たが、大きく成長していてビックリ、ラウンダーのケン・アーウィンが周りをウロウロしていたから、きっとラウンダーで全米デビューも間近だろう。
  BHM-005 EARL BROTHERS『Outlaw Hillbilly』CD\2,573-(本体\2,450-)(歌詞付)

 “less is more”、つまり「より少ないほうが豊か」というモットーのアール・ブラザーズ最新自費制作第5弾。1曲目から、妻の家族を全員殺害する物語から、クリス・ヒルマンが、「われわれが最初に好きになったブルーグラスのもっとも原初的な魂と歌と態度を貫く、人々が何年もの間かけて創り上げた山の嘆きを甦らせる稀有なバンド。ブルーグラスはここに健在だ」と評したものすごい泥臭さ……、超ヒルビリーという衣を纏って、現代社会の問題を正面から取り上げる。アメリカでももっとも先進的な西海岸の都会で、苦境、女、酒、死などをテーマにした全曲オリジナルで、テクニックよりも溢れんばかりの感情(アウトローヒルビリー)演唱はまさに「Real Music」。ムーンシャイナー7月号で説いた、カントリーが物語をブルーグラスが真実を希求するという仮説に近いオリジナルにこだわるバンジョー奏者ロバート・アール・デイビス、単純にして力強い詩とメロディーに全身全霊で集中する彼ら、バーン・ウィリアムズのまいたトラッドグラスの種が育つサンフランシスコのバンドである。彼ら2006年作品『Troubles To Blame』(EB-2006 \2,573-)も在庫がある。
  BMR-0001 BLUE MOON RISING『Blue Side of the Moon』CD\2,573-(本体\2,450-)

 セルダムシーンのデビュー作からポール・クラフト作の“Raised By the Railroad Line”をカバー、ボーナストラックに2曲のカントリーを入れるなど、明らかに?ジョン・スターリング信奉者と思われるクリス・ウエスト(g)が率いるブルームーン・ライジングの最新第6作目。このクリスと、現在スーパーバンドで大人気のボックスカーズで活躍するキース・ギャレットが2001年、イーストテネシーを本拠にデビュー作を発表したバンド。ランディ・コーアズやロン・スチュワートをゲストに2005年の第3作『On the Rise』(在庫あり、LDR-007 \2,573-)でビルボード・ブルーグラスチャートで初登場14位を記録、本誌掲載ブルーグラスサーベイでも同作からの“Old Martin Box”がヒットして一躍有名になり、さらに2008年の第4作では先のふたりに加えてティム・クロウチやコディ・キルビー、マイク・バブらを迎え、現在も高い評価を受ける『One Lonely Shadow』(LDR-012 \2,573-)で名前を築いたブルームーンライジング。キースが抜けたのちもバンド創設者で響きのいいバリトンボイスの持ち主クリス・ウエストのオリジナルを中心に安定した、モダンなブルーグラスを聴かせている。
 ■ブルーグラス発掘・編集最近作
  近年発売された懐かしのブルーグラス!!
  TSQ-2400 ROLAND WHITE『I Wasn't Born to Rock'n Roll』CD\2,363-(本体\2,250-)

Kansas City Railroad Blues/Storms Are on thee Ocean/Head Over Heels/If I Should Wander Back Tonight/I Saw Your Face in the Moon 他全13曲

 1976年に発表されたローランド・ホワイトのデビューソロ・アルバムが未発表を1曲、オマケに加えて初CD化。なぜにこの作品が1970年代の名盤たり得るか!?……それはカントリー・ガゼットというウエストコースト・ポップ感覚を持った時のバンド(当時ほぼ同時にデビューしたニュー・グラス・リバイバルとセルダム・シーンとともに彼らは三種三様のブルーグラス新時代を代表した)が、ローランド・ホワイトという骨の髄までトラッドグラスを知り尽くした男のソロ・アルバムをバックアップしたことで生まれたブルーグラス作品だから。ローランドの人柄がにじみ出た音楽、アラン・マンデの完璧なまでのバンジョースタイルがとても目立つのだが、いやいや、このアルバムの味噌は、ロジャー・ブッシュのスラッピング・ベースが生み出したリズムとケニー・ワーツを加えたビーチ・ボーイズ風トリオ・ハーモニー、そのふたつがローランドのトラッド感覚(でもフレキシブルなんだ!)と見事に生き生きしたサウンドを創り出してこのアルバムを色あせない名盤にしている。それにしても、世の兄弟の多くのパターン同様、弟(クラレンス)の天才ぶりを話題にしがちだが、クラレンスをただの指の早いセンスのいいギタリストにとどめなかったのはローランドの不断の音楽への理解と愛情の賜物だったし、ここで聴かれるようなローランド・ホワイトのリズムの捉え方、そしてマック・ワイズマンの流れを汲む「Voice with a Heart!」。今聴いても古さを感じさせないカーター・ファミリーからビル・モンロー、フラット&スクラッグスの名曲中の名曲、そして"Love Please Come Home"から"Sittin' on Top of the World"までメドレーでつづる超スタンダード6曲……。ビル・モンローとレスター・フラット、ふたりの巨人の女房役をつとめたまれな幸せ者(金銭的な成功からは遠かったが)、ブルーグラス・ファンをおなか一杯に楽しませてくれるローランド・ホワイト、ほんとうに優しく温かい人だ。
  SXCD-6034 COUNTRY GAZETTE『The Four Album Collection』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

『Country Gazette Live』: Black Mountain Rag/Roses For A Sunday Morning/Blue Blue Day/To Prove My Love To You/Lonesome Road/Will You Be Lonesome Too/Only Way Home/Sally Goodin/My Baby’s Gone/Sunday Sunrise/Laughing Guitar/Never Ending Love/Holland Holiday/Down In The Bluegrass/
『Out To Lunch』: Still Feeling Blue/Sure Didn’t Take Him Long/Out To Lunch/Melody For Baby/Sing A Sad Song/Sunny Side Of The Mountain/Down Down Down/Why You Been Gone So Long/Forked Deer/Time Left To Wander/Last Thing On My Mind/Uncle Cloony Played The Banjo (But Mostly Out Of Time)/Blue Light/
『What A Way To Make A Living』: Goodbye Mitchell Jayne/Loving You Too Well/Dark Hollow/In Despair/Old Old House/Beautiful Life/One Woman Man/White Washed Chimney/On My Mind/Don’t Let Your Deal Go Down/Last Letter/Nantyglo R.F.C./
『The Archives Album - Unreleased Rarities 1973-1977』: Durham's Reel/No Longer A Sweetheart of Mine/Miller's Reel/I Know What It Means To Be Lonesome/Hide Your Love Away/Hard Hearterd/We'll Meet Again Sweetheart/Some Old Day/Eighth of January/Tragic Romance/Soldier's Joy/I Wish You Knew/Prisoner's Song/I Might Take You Back Again/Mocking Banjos. 全54曲

 なんといっても本作の白眉は、ローランド&クラレンス・ホワイト兄弟がカントリーガゼットと協演している未発表音源5曲。1960年代のケンタッキーカーネルズ時代を髣髴させる荒っぽさの中にメジャーシーンのロッカーを経験したクラレンスのちょいと大人なフラットピッキンが、いまだに唯一無二のブルーグラスギターのスリルを聴かせてくれる。クラレンスが1973年7月に事故死してから40年、その遺品であるD-28ギターを使うトニー・ライスをはじめ数多のフラットピッカーが妍を競うが、わたしにとってクラレンスを超える呼吸を持つフラットピッカーはいまだにいない。それは、技術やタイミングといった、学ぶことで解決できる問題ではなく、彼の体の中に仕組まれているなんだか得体の知れない揮発性の精神物質の作用であるようにすら感じる。ミストーンやリズムを超えて、その洗練はアールの域にあり、ブルーグラスギターが何たるか?をルール(支配)する根源であるといってもいいと、わたしは思っている。つまり、アールが生来体得していたポリリズム(ムーンシャイナー誌8月号「アールの日」リポート参照)を見事にギターに昇華したのがクラレンスだと……。そんな5曲のほか、ローランド・ホワイトを迎えたカントリーガゼットが、より「ブルーグラス化」していくサウンドに見る10曲(内4曲はアルバム『Live』、1曲は『Out To Lunch』、5曲は『What A Way To Make A Living』に使用されなかった未発表モノ)には、なんともホットなホワイト家に流れるブルーグラス魂!(つい今春発表されたエリックを加えたホワイト家3人とハーブ・ピーダセンとの4人、ニューケンタッキーカーネルズの未発表オランダ1973年ライブ音源集『Live in Holland 1973』=\2,573-=で証明済み!!)を再確認、またローランドとロジャー・ブッシュが交互に取るリードボーカルの妙などのケンタッキーカーネルズ伝統など、この2枚組CDに『The Archives Album - Unreleased Rarities 1973-1977』として収められた15曲は、それだけのために買うだけの値打ちがあるものだと、言っておこう。1960年代のウエストコーストブルーグラスがベイカーズフィールドサウンドと混ざり合って、いわゆるカントリーロックの核となるサウンドを生んでいく一方、ブルーグラスにとどまってまったくあたらしいアコースティックを呈示したカントリー・ガゼット。それにしてもバイロン・バーラインとアラン・マンデのノー天気さが生んだ爽快なフィドル&バンジョーを軸にしたウエストコーストのブルーグラスがヨーロッパ市場でポップヒットしたガゼット初期LP2枚を収めた『Traitor In Our Midst/Don't Give Up Your Day Job』(BGOCD-298 \2,573-)とともに、1970年代の西海岸ブルーグラスを堪能できるアルバムとして(昨年のイギリス盤を購入された方には心苦しいけれども)、大推薦の一枚である。
  RW-0001 NEW KENTUCKY COLONELS『Live in Holland 1973』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ちょうど40年前の1973年7月15日、カリフォルニア州パームデールで演奏を終えたのち、車に楽器を積んでいたところへ突っ込んできた飲酒運転の車にはねられて29歳という短い生涯を閉じた天才ブルーグラスギタリスト、クラレンス・ホワイト。そのわずか2ヶ月前、兄のエリックとローランド、そしてハーブ・ピーダセンとともにブルーグラス魂を爆発させた未発表ライブの発掘。ロックスターとなっていたクラレンスが演じるすばらしいハイロンサム。
  BACM-418 BILL CLIFTON & THE HAMILTON COUNTY BLUEGRAS BAND『Two Shades of Bluegrass』 CD \2,573-(\2,450-)

ブルーグラス・シンガーの草分けの一人であり、今日のブルーグラス・フェスティバルの興隆のきっかけとなった歴史的なコンサートのオルガナイザーであり、平和部隊の一員として世界各地を赴任中にブルーグラスやフォーク・ソングを通じて国際親善にも多大な貢献を果たしたビル・クリフトンが'70年にニュージーランドのハミルトン・カウンティ・ブルーグラス・バンド(HCBB)と共演、ニュージーランドのKIWIレーベルに残したアルバムからの13曲に同時期のソロ・パフォーマンスとバンドと共に"Little Whitewash Chimney""Mary Dear""There Ain't Nobody Gonna Miss Me"という未発表ライブ音源を加えた全28曲。アーリー・カントリー、ヒルビリー・テイスト溢れる、温かみのあるボーカルとカーター・ファミリーを範とした端正なギターとオートハープをHCBBが好サポート、ビル・クリフトンの優しさ溢れたボーカルと良くマッチして懐かしさを覚えるブルーグラスが楽しめる。又、LP未収録のテイクでは
オートハープによる弾き語りやトーキング・ブルース等のパフォーマンスで60年代のフォーク・リバイバルに多大な影響を与えたことが窺い知れる。(ムーンシャイナー誌レビューより)
 ■話題のインスト最近作
  PATUX-245 TOM NEAL『Banjoland』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ウォルター・ヘンズリーのチューナー名曲"Walt's Breakdown"やケニー・ベイカーのフィドルで有名になりジミー・アーノルドがあきれた!?アレンジをした"Charmaine"(このトミー・ニール版もなかなか手が込んだ聴き応え!!)、マンドリン定番"New Camptown Races"や"Shenandoah Vally BRD"ほか、スタンダードインストを含む14曲、マイケル・クリーブランド(f)、フランク・ソリバン(m)、マーク・コスグローブ(g)らのスーパーピッキン・トラッドグラスを楽しめる6曲に、自身を含むジョン・グリック(f)、ラス・フーパー(d)、ディック・レアード(m)らとのバンド、ブルーストーンにジェフ・プレズリーのリードボーカル4曲を迎えたセットでのこなれたトラッドグラスでのドライブなど、スクラッグスはもちろんだが、それだけではない都会ワシントンDCの気風を受け継いだフレキシブルなバンジョーがすばらしい。近年、ワシントンDc地区に本拠を置くパタクサント・レコード、知られざる才能を世に引き出すすばらしい仕事をしている。
  MANTRA-013 DON STIERNBERG『MandoBoppin!』CD\2,573-(本体\2,450-)

 高校生のときに取ったマンドリンレッスンの先生がジェスロ・バーンズだったという幸運に、10代で自身の音楽/マンドリン進路をジャズと定めたドン・スターンバーグ、ジェスロの最晩年そのバンドに入り、最後の2枚のアルバム『Swing Low, Sweet Mandolin』(1995)と『Bye Bye Blues』(1997)でリズムギターを担当している(2枚ともにグリスマンのアコースティック・ディスクから発表されている。ご注文お待ちしていまーす)。そんなドンの最新作はタイトル通りの「マンドリン」で「バップ」。オリジナルと2曲のスタンダード曲で、ツアーを共にする自身のジャズトリオのアンディ・ブラウン(g)、ジム・コックス(bs)、ラリー・ハリス(drums)のアコースティックセットがバックアップしたすばらしいマンドリンジャズ作品である。
  RCSI-1092 柴田貴子/稲川友則『Accordion & Banjo』CD\2,000-(本体\1,905-)

 バンジョーという楽器をブルーグラスやオールドタイム、ディキシーランドジャズなど、既成の音楽形態から見るばかりでは気付かないその魅力。元セルダムシーンのフィル・ローゼンタール親子の新作『Fly Away』(AM-5127 \2,573-)でのバンジョーとトランペットの組み合わせという試みでも明らかなように、新鮮なシチュエーションの妙を聴かせてくれるバンジョー奏者の稲川友則とアコーディオン奏者の柴田貴子のバンジョーとアコーディオンのインストデュオのデビュー作。浜松/豊橋を本拠に、東海/中部地方のさまざまなイベントで活躍、「聴く方にどこか癒しのような感覚を味わっていただけたらうれしい」というふたり、フランスのミュゼットやバッハ、そしてアイリッシュや南米系のタンゴなどが各二曲ずつ、「異国情緒あふれる仕上がり」も感じて欲しいという。ムーンシャイナー誌7月号(\525-)で紹介した稲川さんとバンジョー/ブルーグラスとの出会いも新鮮で、その発想/オリジナリティの源泉が読み取れる。ともに騒々しい楽器としてジョークのネタにされることも多いバンジョーとアコーディオン、まだ未完だろうが、それぞれの楽器が持つ表現方法を自由に探そうという姿勢を応援したい。
  PC-1183 ALAN BIBEY & WAYNE BENSON『Mandolin Chronicles』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ともに、いわゆるブルーリッジ系ブルーグラスのスーパーピッカーであるサードタイムアウトのウェイン・ベンソン43歳と、グラスタウンのアラン・バイビー48歳による楽しい!ツイン・マンドリン集。ビル・モンローの特徴的フレーズをモチーフにしたふたりの掛け合いのオリジナル曲にはじまり、ビル・エマーソンのバンジョー名曲"Sweet Dixie"のマンド対決、ラッセル・ムーアのボーカルを迎えた"Another Night"、そしてマイク・コンプトンに教わったというビル・モンローの未発表曲"Pilgrim's Knob"、ほかにチャーリー・パーカー曲のジャズマンド対決、最後にトミー・ジャクソンのフィドル名曲"Crazy Creek"のふたりだけのデュオ・カバーにオリジナルなどを、ロン・スチュワート(bj,f)とワイアット・ライス(g)、ハロルド・ニクソン(bs)という申し分ないメンツを配して、マンドリンファンにはおなか一杯、楽しいお勧めの一枚。
  OMAC-19 MARK O'CONNOR『The Improvised Violin Concerto』CD+DVD\2,573-(本体\2,450-)

(CD)
March of the Gypsy Fiddler: Movement I/March of the Gypsy Fiddler: Movement II/March of the Gypsy Fiddler: Movement III.
(DVD)
The Improvised Violin Concerto: I. Fire/The Improvised Violin Concerto: II. AIR/The Improvised Violin Concerto: III. Water/The Improvised Violin Concerto: IV. Earth/The Improvised Violin Concerto: V. Faith.

 2013年の今年、52歳になったばかりのマーク・オコナー最新作は、今春初演されたばかりの自身とボストンユースシンフォニーによる即興交響曲五楽章「ファイアー/エアー/ウォーター/アース/フェイス」のDVD映像(約35分)と、バイオリン/チェロ/ピアノ姉妹アーン・トリオとニュージャージーユースシンフォニーによるマークの交響曲「March of the Gypsy Fiddler」のCD。DVD映像ではクライマックスに向かう第五楽章「Faith」におけるブルーグラス・フィドルの連発フレーズで聴衆を引きつけるマーク、40年に及ぶ最高のアメリカン・フィドラーとしてのゆるがないカリズマ性を見せ付ける。13歳の幼い写真をカバーに1974年、ラウンダーから発表された衝撃のフィドル集『National Junior Fiddle Champion』にはじまり、つづいて15歳でフラットピッキンギター作品『Pickin' in the Wind』、16歳でドーグ/ジャズを視野に入れたニューエイジ調のオリジナルを主体にしたフラットピッキンギター作品『Markology』などを発表、おそらく、クリス・シーリと並ぶブルーグラス界が生んだ究極の天才なのだろう。1980年、デビッド・グリスマン・クインテットに参加し『Quintet '80』、そしてDGQ『Live』でステファン・グラッペリと協演、ジャズにも深くかかわるようになる。また同時期にはフュージョンバンド、スティーブ・モーズ(1994年以来ディープパープルのギタリストとして活躍)のディキシー・ドレッグス『Industry Standard』にも参加、そののちはワーナーでオリジナル中心のソロアルバムを発表しながらナッシュビルセッションマンとして八面六臂の活躍、そして1989年、ベラ・フレックとエドガー・マイヤーとの出会いから生まれたストリングバンドレングス・イン・ナンバーズ『Telluride Sessions』でクラシックに向かい、『The Fiddle Concerto』(1994)につづいてヨーヨー・マとエドガー・マイヤーとのトリオで発表した『Appalachian Waltz』(1996)が、同作発表の1ヶ月前のアトランタ・オリンピックの閉会式でソロパーフォーマーとしてフィーチャーされた勢いもあってか空前のクラシック界ヒット、そののちはクラシック界を軸に、ジャズ/ブルーグラスと活躍をつづけている。1999年のメリル・ストリープ主演映画『ミュージック・オブ・ハート(Music of the Heart)』では、アイザック・スターンやイツァーク・パールマンらとカーネギーホールでともに"Orange Blossom Special"を披露するという、ブルーグラス/フィドル界には測り知れない貢献も残している。マークは現在、米クラシック界で確固たる地位を築き、そのバイオリン教育に「フィドル音楽」を取り入れた「アメリカン・クラシック」を提唱、「オコナーメソッド」の普及に尽力している。今や世界的な芸術家としての貫禄を観てください……!?
 インスト新入荷
  COMP-4616 NOAM PIKELNY『Plays Kenny Baker Plays Bill Monroe』CD\2,573-(本体\2,450-)

Road to Columbus/Brown County Breakdown/Lonesome Moonlight Waltz/Jerusalem Ridge/Monroe's Hornpipe/Cheyenne/Big Sandy River/Stoney Lonesome/Mississippi Waltz/Wheel Hoss/Fiddler's Pastime/Ashland Breakdown. 全12曲

 そもそもタイトルがふるってる。もちろんノーム大得意のジョークから生まれた作品だというビル・モンロー作の有名インストをケニー・ベイカーがカバーした1976年のブルーグラス史上に残る名盤『Kenny Baker Plays Bill Monroe』(CO-2708 \2,573-)を、現在ブルーグラスの最高峰であるパンチブラザーズのノーム・ピケルニー(bj)を主役に、ステュアート・ダンカン(f)、ロニー・マッカーリー(m)、ブライアン・サットン(g)、マイク・パブ(bs)がそのまんまカバー。最初の旋律はケニーのフィドルをそのままバンジョーに載せて弾き、そののち独自のアドリブを重ねていく。なんて美しい流れを創るんだろうノームは!これまでのあらゆる種類の先入観を飛び越えて、自らの心の動きをその都度載せていくその自由な発想には完全脱帽、そこまでに至る努力と愛情にただただ感動である。ただ、ステュアートらバックの面々は一様に抑え気味な演出で、主役であるノームのトップテンションバンジョーの柔らかな音質の邪魔をしないように心がけているように聴こえる。40年の時を隔てたモンローソングの解釈、偉大なモンロー/ベイカーの音楽を万感を込めてリスペクトしながら演じる現在のスーパーピッカーたちに感謝だ。今秋のIBMA週間では初日の基調演説を担当、最終日まで会場に貼りついてさまざまな場面に顔を出し、深夜にはエレベーターホールでのジャムに熱中していたノーム。今年の五月にこれまで愛用していたトップテンションをベラに売り、1930年代グラナダに乗り換え、まったくあたらしいトーンに興奮してると言いながら、早く日本に呼んでくれと言った。ぜったい似合わないと思う1970年代の幅広タイにブルー・グラス・ボーイ御用達のスーツに身を固め、ライナーノーツにはニール・ローゼンバーグ博士という凝りようで、第1世代ブルーグラス……っつうか、「ブルーグラスの父」とその最大の「理解者=表現者」への最大限のリスペクトを込めた、1970年代おじさん達ニヤニヤ・ウキウキの大秀作!!
 ちなみにノームの前作『Beat The Devil and Carry A Rail』(COMP-4565 \2,573-)は、素晴らしいオリジナルを中心にした大秀作。アールやベラも登場するその超豪華でおバカなプロモビデオ「Bluegrass Diva with Steve Martin, Ed Helms and Noam Pikelny」(http://www.funnyordie.com/videos/1352170045/)とともに大推薦!!
  CR-021 JOHN REISCHMAN & JOHN MILLER『Road Trip』CD\2,573-(本体\2,450-)

Road Trip/Vou Vivendo/Stay, Stay/Mi Amigo Carlos/Hey, Hey, B. B./Passeio Do Figo/Freshet/Reminiscence/Vamanos/Quilombo 10曲

 もっとも美しい音のするロイド・ロアーと言われてきたジョン・ライシュマンのF-5と、おそらく生指で弾くマーティン18系(OM-18V、またはOOO-18)の素晴らしいトーンとふたりの息遣いが素晴らしいテンションを生み出す、基本マンドリン/ギターのインストデュオ、最新第3作品。スウィングからラテンっぽい作品、ジプシー風ツゥ―ビートスウィング、地中海風ワルツ、ヨーロッパ教会的なメロディなど、ブラジルのショーロのピシンギーニャと同じくブラジルのジルベルト・ジオの2曲のカバーと1曲のライシュマン作品以外、7曲をジョン・ミラーが書いている。ブルーグラス出身のふたりながら、アコースティック楽器の響きを最大限に理解して、決して超絶技巧に走らずに気色のいい音質とフレージングで押し通すベテランの味わいが実にオトナ。曲によってベースとドラムスを加えるカルテットとなるが、おおむねマンドリンとギターのデュオがメインという印象。そーか、ふたりが岐阜の時山フェスに来たのは12年前の2001年、9.11の3カ月ほど前だったのか……。ブルーグラスとピードモントブルースが絶妙にまじりあった素晴らしいデュオだった。あの時のホッコリ感と同居したスリルはここでも健在。アコースティック楽器ファンに強力お勧めの秀作。珍しい1998年作、ふたりでのデビュー作『The Singing Moon』(CR-004 \2,573-)の在庫もある。
  RUR-1113 MIKE SCOTT & FRIENDS『Home Sweet Home: Civil War Era Songs』CD\2,573-(本体\2,450-)

The Girl I Left Behind/Soldier's Joy/Bill Cheatham/Battle Hymn of the Republic/Home Sweet Home/Ashokan Farewell/Swing Low, Sweet Chariot/Turkey in the Straw/Banks of the Ohio/Camptown Races/Bonapart's Retreat/Buffalo Gals/Angeline the Baker/The Battlefield. 全14曲

 10月にクレイグ・ダンカンやビリー・スミスらと来日した元ジム&ジェシーのバンジョー奏者マイク・スコットが、“Ashokan Farewell”が入っているものの、基本は上記「南北戦争時代」の曲集、すなわちアメリカン・フォークスタンダードを、アダム・ステッフィ(m)、オウブリー・ヘイニー(f)、ティム・スタッフォード(g)、ロブ・アイクス(d)、ベン・アイザックス(bs)ら現在のトップブルーグラッサーが演じるという美味しいモノ。一般家庭向き観光地お土産モノなので、抑えてはいるものの、それでもたまりませんブルーグラスの人たちは……。ついついホットなこと、また自分なりのフレーズ(呼吸)を入れて一級のインストにしてしまいます。お楽しみください。ただし、かつて紹介した作品からの寄せ集め編集ものです。なお本作と同様のコンセプトで、アダムに代わってマイク・コンプトンを、ティムに代わってブライアン・サットンを起用したマイク・スコットのヒット作『Blue Moon of Kentucky-- Instrumental Tribute To Bill Monroe』(\2,573-)は有名ビル・モンローソングをインストにした秀作です。こちらもお買い逃がしなく...!? 馴染みのメロディを一流ミュージシャンはどう捉え、どう歌うか、素晴らしいサンプラーです。
  TSQ-2851 V.A.『Imagination Anthem Volume 6 - Origins of American Primitive Guitar』CD\2,573-(本体\2,450-)

Guitar Rag(Sylvester Weaver)/Buck Dancer's Choice(Sam McGee)/Darkey's Wail(Riley Puckett)/Cannon Ball Rag(Davy Miller)/Way Down Yonder Blues(Lemuel Turner)/Hutchison's Rag(Frank Hutchison)/Frisco Blues(Bayless Rose)/Fuzzy Rag(Riley Puckett)/Knoxville Blues(Sam McGee)/Guitar Blues(Sylvester Weaver)/Jailhouse Rag(Davy Miller)/Tramp Waltz(Lmuel Turner)/Franklin Blues(Sam NcGee)/Jamestown Exhibition(Bayless Rose) 全14曲

 19世紀前半のドイツやオーストリア経由のギター(1833年のマーティンなど)製作などがはじまり、パーラーミュージック(応接間などで楽しむ家庭音楽)の流行などによってギターが広まる一方、南部ニューオーリンズなどのクレオール文化などにもギターが入り込んでいき、あたらしい音楽だったラグなどをギターで演奏したり、米西戦争(1898)によるハワイアンギターの進出などを経てブルースが生まれるきっかけにもなっていくギター。そんな米国南部のギターの原点、少なくとも録音がはじまった初期に残された素晴らしいカットを14曲集めたもの。タイトルにある「アメリカン・プリミティブ・ギター(アメリカ原始ギター)」とは、フィンガーギタリスト、ジョン・フェーイ(1939-2001)が1950年代に提唱したアバンギャルドなギタースタイルで、レオ・コッケやピーター・ラングらが知られる。ここに収められた14曲は、カントリーブルーズとヒルビリーストリングバンドのギタリストたちで、アメリカン・プリミティブ・ギタースタイルの由来(オリジン)ということ。つまり、アメリカンギターの源泉、より深くギターを学びたい方にはおあつらえ向きのコンビレーションである。本作に収められているケンタッキー州ルイビル出身の黒人ギタリスト、シルベスター・ウィーバーの1923年録音の“Guitar Rag”と“Guitar Blues”はカントリーブルースの最初の録音と目され、知られる限りにおいて初めてスライドギターが使われた録音だという。前者はギッジョー(ギターバンジョー)が使われ、のちにボブ・ウィルスのバンドがカバーして“Steel Guitar Rag”として発表している。そのほか、白人のライリー・パケットやサム・マッギーなど、アメリカンギター史のパイオニアたちがズラーっと揃った秀作。
 ちなみにジョン・フェーイの自伝的著書のタイトルは『How bluegrass music destroyed my life』という洒落た!?作品だ。
  NONE535360 CHRIS THILE『Bach: Sonatas & Partitas 1』CD\2,573-(本体\2,450-)

Sonata No. 1 in G minor, BWV 1001: Adagio/Fuga: Allegro/Siciliana/Presto/
Partita No. 1 in B minor, BWV 1002: Allemanda/Double/Corrente/Double: Presto/Sarabande/Double/Tempo di Borea/Double
Sonata No. 2 in A minor, BWV 1003: Grave/Fuga/Andante/Allegro. 全16曲

 このマンドリンの響き、そして音の広がり……、ほとんど新品のまま発見され、2007年に20万ドルで手に入れたといわれる1924年のギブソン社製のロイド・ロアー(#75316)と思われるマンドリンが、最高のアーティストの手によってバッハの音楽に入り込んで鳴らされる。もうジャンルなど関係ない、至福の音に包まれるすごいマンドリンが、1720年、バッハが35歳の時に書いたと言われる古今の名作「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」を演じる。現在ベルリンにあるバッハ自筆の楽譜には、「無伴奏ヴァイオリンのための6曲の独奏曲、第1巻、ヨハン・ゼバスティアン・バッハ作、1720年」と記され、ダブルストップを多用したかなり高度な技術を要するものだという。13歳のシュガーヒル・デビュー1994年作『Leading Off』(\2,573-)で、もうすでに圧倒的な真新しいテクニックでわれわれを驚かせ/ビビらせ、1998年に来日、そのテクニックと明るさにおいて日本ブルーグラスのおじさん達を完膚なきまで叩きのめしてくれたクリス・シーリ。ミレニアムにはタイムズ誌が選んだ21世紀の若者5人(組)のひとりに選ばれ、そののちの天才ぶりは枚挙にいとまなく、昨年はついに米国で各界のトップ知能や芸術家に贈られるマッカーサー財団の通称「ジーニアス・アワード(天才賞)」を最年少で獲得、使途自由の50万ドルを得て、誰もが認める!?天才に伍している。現在、アグレッシブなブル―グラスバンド、パンチ・ブラザーズのほか、マイケル・デイビスとの1930年代ブラザーデュオやクラシックのヨーヨー・マ、またジャズピアニストのブラッド・メルドーらとのコラボーレーションのほか、交響曲の作曲にも挑戦している。深まる秋、ものすごい深い音のするロイド・ロアーF-5が奏でるバッハを聴き入ってみませんか?
 各楽器別お勧め作品
 (楽器奏法や教則、またCDに関してはミュージシャン歴豊富なスタッフがアドバイス、また楽器につきましては、本体やパーツなど、各種取り扱っています。お気軽にお問い合わせください)
 ■ギター
  MRR-1013 SNYDER FAMILY『Stages』CD\2,573-(本体\2,450-)

 2010年、驚きをもって紹介した中学生の兄ゼブと小学生の妹サマンサのギター/マンドリンとフィドル/ボーカルに父バド(bs)のトリオ、スナイダー・ファミリーの2011年録音第2作。7曲がインスト、6曲の歌物で12歳と16歳になった兄妹のスーパーピッキンを堪能する。オリジナルのほか、J.J.ケールのカバーや最後には2曲続けてのフォスター、"I am a Pilgrim"ではフラットピックでトラビス・ピッキンに挑戦など。12歳にして主張とリズムがしっかりしたサマンサと、群を抜いたゼブ・スナイダーのフラットピッキン・ギターをお楽しみください!! アダム・ステッフィの最新作で全編にギターで起用されたゼブ、もはや子供の域を超えている。また映像作品で彼らの参加したDVD『Generation Bluegrass』(RCSI-1078D \2,888-)も是非お楽しみください。
 ■バンジョー
  GT7-2151 ALLEN SHELTON『At His Best, Bending the Strings and Other Great Instrumentals』CD\1,365-(本体\1,300-)

 2009年11月21日他界したバンジョー奏者、アレン・シェルトンを悼んで2010年に発表されたスターデイお宝録音10曲集。もちろん、あのチューナー多様の大名曲"Bending the Strings"をはじめ、2曲のジム・イーンズでの初期録音を除いてジム&ジェシーとの70年代のアテイラム録音をメインにした名録音集。ドブロ・バンジョー曲が4曲含まれる10曲だが、端正なスクラッグス・スタイルのスリーフィンガーにドン・レノ的な選曲/メロディセンスを加味、ブルーグラス・バンジョーの歴史に名を残す偉大なアレン・シェルトンのノウハウが楽しめる。ムーンシャイナー2010年2月号に追悼特集「シェルトンのヒ・ミ・ツ」、3月号に典型的なシェルトン・ロールをタブ譜などで紹介した「シェルトン美学」などの特集もご参照ください。
 ■マンドリン
  RCSI-1082 JOE WALSH『Sweet Loam』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ボブ・ディランやジミー・マーティン、エリザベス・コットンにグレッグ・ブラウン、そしてトラッドの名曲を実にサラリとソフトに歌いつつ、すばらしくコントロールされたマンドリンを見事に鳴らすオリジナル・インスト5曲。ジャズの名門バークリー音楽院、現在はブルーグラス楽器も専攻に全米からブルーグラス系の俊英を集める同校、初のマンドリン専攻卒業生で、現在はギブソン・ブラザーズ(本作で2曲にゲスト)で活躍するジョー・ウォルシュの2011年作品。ムーンシャイナー誌などでサム・ブッシュやトニー・ウィリアムソン、シエラ・ハルらと肩を並べてのワークショップなどでも注目の新進マンドリニスト。いまや若者たちの導師/メンターといったダロル・アンガーを共同プロデューサーに、ボストンを中心にしたニューイングランド・ブルーグラスの若き俊英たち、ウェス・コーベット(bj)、スコット・ロウ、オウエン・マーシャル、マット・シップマン、リンカーン・メイヤーズ(g)、クレイトン・キャンベル、ロウレン・リュー(f)、カール・ドティとアマンダ・コワルスキ(bs)そしてダロル・アンガーのフィドルは実に、曲を咀嚼し技術を超えた感情の機微がさすが見事。現在の若いブルーグラス・ミュージシャンたちがいかに一音を大切にデリケートに扱うか、とても参考になる作品でもある。ジョーのマンドリンはミネソタ在住のルシアー、ロイド・ラプラント作。ムーンシャイナー誌2013年6月号特集「知っておきたい新進気鋭のマンドリニストたち」のひとり。
 ■フィドル
  SRCD-1001 VASSAR CLEMENTS『New Hillbilly Jazz』CD\3,150-(本体\3,000-)ボーナスCD-ROM付

 ジャンルを超え、アメリカン・フィドルの歴史の中でもっとも偉大な功績を遺したひとり、バッサー・クレメンツ(1928-2005)のすばらしい89年のスウィング・アルバムのCD化。ハンク・ウィリアムズやハンク・スノウらのカントリー名曲が、ゴキゲンにスウィングする。ボーナスに89年来日時、奥沢明雄、西海孝、海宝弘之、下村哲を従えての"Midnight Moonlight"と"Kissimie Kid"、そしてそこにラストショーが加わった"Orange Blossom Special"の3曲がオマケ。ムーンシャイナー連載「ケイシのナッシュビル・リポート」でおなじみ、故四方敬士氏の制作品。
 ■ドブロ
  SH-2206 V.A.『Dobro Sessions』CD\2,573-(本体\2,450-)

 1994年度のグラミー賞獲得アルバム。ジェリー・ダグラスとタット・テイラーがブルーグラス・ドブロのトップ・プレイヤーたちを11人集めて創った21曲。「ブルーグラス・ドブロとは何か!?」その答がこれ!ドブロの決定盤。本作のタブ譜集もある。
  RC-121 JOSH GRAVES『Just Joshin'』CD\2,573-(本体\2,450-)

 1963年に発表されたブルーグラス・ドブロの創始者ジョッシュ・グレイブス(1927-2006)とジェイク・ターロック(1922-1988)、フラット&スクラッグス時代の唯一のデュオ・アルバムが3曲の未発表インスト録音を含めて初CD化。バックにはカーティス・マクピーク(bj)に、オリジナル・ブルーグラス・バンドのチャビー・ワイズ(f)、ハワード・ワッツ(bs)ら。ジョッシュのリードにジェイクのテナーのデュオ・ボーカル物と"Dobro Rhumba"や"Just Joshin'"などブルーグラス・ドブロ必須の6曲のドブロ・インストで構成された、ブルーグラス・ドブロ史にとってきわめて貴重な全15曲の録音が奇跡的に発掘。
 オールドタイム&フォーク新入荷
  JASMD-3540 V.A.『Country Brothers - The Brother Bands of Country Music』CD\2,079-(本体\1,980-)

MONROE BROTHERS In My Dear Old Southern Home/BAILES BROTHERS That Beautiful Picture/ALLEN BROTHERS Roll Down the Line/LONE STAR COWBOYS (Bob & Joe Attlesey) Just Because/DIXON BROTHERS The Intoxicated Rat/J.E. MAINER'S MOUNTAINEERS Seven and a Half/BLUE SKY BOYS Sold Down the River/J.E. MAINER'S MOUNTAINEERS Johnson's Old Grey Mule/SHELTON BROTHERS Hang Out the Front Door Key/ROUSE BROTHERS Orange Blossom Special/DELMORE BROTHERS Nashville Blues/SAM & KIRK McGEE C-H-I-C-K-E-N/YORK BROTHERS My Tears Will Never Make You Change/BAILEY BROTHERS Alabama/BUCHANAN BROTHERS Silver Meteor/MADDOX BROTHERS & ROSE Meanest Man in Town/CARTWRIGHT BROTHERS Dying Ranger/FARR BROTHERS Alabamy Stomp/STANLEY BROTHERS Rambler's Blues/MORRIS BROTHERS Salty Dog Blues/CALLAHAN BROTHERS Somebody's Been Using That Thing/CARLISLE BROTHERS Chicken Roost Blues/LOUVIN BROTHERS Seven Year Blues. 全23曲

 「カントリー音楽における兄弟バンド」と名づけられた1920年代から50年代まで、アメリカンハーモニーのベースとなったさまざまなブラザーデュオを軸にした絶妙なコンピレーション23曲集。チャーリーと後にブルーグラスの父となるビルのモンローブラザーズからベイルズ・ブラザーズ、1927年にバンジョーとカズーでヒット"Salty Dog Blues"を出したアレン・ブラザーズ(同曲は本作ではフラット&スクラッグスが手本としてモリスブラザーズ版を収録)やたぶんにテキサス的に洗練されたローンスターカウボーイズなどのラグタイムやジャグバンド系列にあるサウンド、ユニークなドブロを伴ったディクソンブラザーズの「ラリッたネズミ」からメイナーズ兄弟のストリングバンド音楽ほか、ラウズ兄弟のオリジナルとされる"Orange Blossom Special"やドック・ワトソンで知られるデルモアブラザーズの"Nashville Blues"ほか、スタンレーブラザーズからルービンブラザーズまで登場の楽しいコンピレーションである。デュエットハーモニーのときの声の同質性はもとより、20世紀はじめの移動距離の小ささから生まれた家族音楽、さらには当時の女性がエンタメビジネスで旅をすることの難しさなどから「ブラザーデュオ」のみならず、20世紀前半に「ブラザーバンド」が圧倒的に多かったと言う必然を証明する数々のバンドたちが一望できるとともに、20世紀後半にはポップ/ロックという名のもとに拡散していったアメリカンルーツ音楽のベースである「家族音楽」の最初のメガヒットを俯瞰する秀作だ。
  OTCR-006 PIRATES CANOE『Three』CD\1,000-(本体\952-)

 一曲目のフィドラー欅 夏那子作のインスト、ケルト的幻想からアイリッシュ、そしてニューグラス的な展開の中、河野沙羅のマンドリンと岩城一彦のドブロが楽しく、ちょっと一生懸命にブルーグラス会話をし、吉岡孝のドラムスと谷口潤のベースがリズムを固める聴きごたえ十分のインストにはじまり、二曲目にもドキドキするようなイントロで聴く者をケムに巻くハント鈴加(g)の英語詞と河野の作曲によるオリジナルに、今春の全米ツアーを経て自信と磨きがかかったようだ。パイレーツ・カヌーという京都の三人組女子と三人組男子の六人組によるアメリカーナ/ニューグラスのフルバンドによる最新第三作である。マンドリン、フィドル、ギター、ドブロというブルーグラス系楽器にベースとドラムスでリズムを固めたシュールなフォークロックバンドといったところ。ムーンシャイナー2012年8月号、また2013年3月号(各\525-)に、女子三人組のみで制作したアルバム『Sailing Home』(OTCR-003 \2,000-)の特集などで、パイレーツカヌーの紹介がある。広い意味で、先月紹介したザ・キャッシュなどとともに、21世紀を体現するアパラチア源流の世界観を感じられるストレングス・イン・ナンバーズ/ニッケルクリーク以降のあたらしいブルーグラス系ユニットが、日本にも生まれつつあるようだ。
 オールドタイム/フォークお勧め作品
  TFM-1301 BRUCE MOLSKY『If It Ain't Here When I Get Back』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ニューヨークのブロンクスで生まれ育ったブルース・モルスキはアパラチア音楽(オールドタイム)を極め、そののちにフィドラーズ4(ダロル・アンガー、マイケル・ドゥーシェ、ルシャッド・イグルストンとのユニットでグラミー候補にもなった)や、ハンガリー、アイルランド、オランダのピッカーたちと組んだモザイクなどのバンドを通じて、オールドタイム・ミュージシャンとして世界の音楽にコミットしてきたオールドタイム界のフロントランナーである。「音楽にとってコミュニティは不可欠のものです。われわれの多くはその社会の文脈の中で弾きはじめます。音楽はその社会を構成する人々の鼓動や脈拍であり、それは地域によって少しずつ違って表現されます。その中にわれわれはいつも共通の基盤を発見するのです」。さまざまな国のミュージシャンとの共演を通じて培った、そしてブロンクス生まれの同郷オールドタイマー、故マイク・シーガーの遺志を、朋友ティム・オブライエンに通じるすばらしいエンターテイメントで聴かせる、まったくのソロによるスタジオライブ。バハマのギタリスト、ジョン・スペンスから学んだという“Bimini Gal”、カナダのマニトバのメティス音楽でエスニックグループ、オジブウェの人たちから学んだ“Growling Old Man and Grumbling Old Woman”、19世紀のオーストラリアの遭難船の物語“Wreck of the Dandenong”、カウボーイシンガーのグレン・オーリンが書いた西部の大草原のロマンチックなウエスタン“The Cowboy”、そして最後は超有名アパラチアントラッド“Cumberland Gap”でしめる全15曲。アメリカンルーツ音楽を真摯に背負い込んだどの曲にもブルースの思い入れが詰まったライナーノーツが秀逸だ。
  AM-5127 THE ROSENTHALS『Fly Away』CD\2,573-(本体\2,450-)

 元セルダムシーンのフィル・ローゼンタール親子、バンジョー/ギターとトランペットという意外な組み合わせがすばらしい世界を創っているというので、ここで紹介しよう。……ムーンシャイナー誌でもよく書くが、世界を席巻する現在のアメリカンポップのベースは間違いなく19世紀にあったと思う。ミンストレルとフォスター、軍楽隊とマーチ/ラグタイム、そしてボードビルなどのストーリーテリング伝統……、そんな初期アメリカ音楽を思わせるすばらしい広がりを持った、フィルとダニエル・ローゼンタール親子の最新作品。ブルーグラス/オールドタイムの父と、ジャズ/クラシックを修めた息子、バンジョーとトランペットがまったく違和感を感じさせない落ち着きを見せるのは、ジョニー・キャッシュまでもがカバーした“Muddy Water”に代表されるような……その伝統音楽の本質を見抜いたフィルの音楽センスゆえだろうか。アメリカンメロディの重要な伝統が詰まったフィルのレパートリーから息子ダニエルはルイ・アームストロングを通して自分の世界を創っていた……というような、ジャンル/スタイルに拘泥しない音造りこそ、本作の肝であり成功の所以だろう。"I'll Fly Away"や"Little Birdie"ほかのトラッドカバーもおいしいが、主にかつてフィルが書いていた詞にダニエルがメロディをつけて行ったオリジナルが中心という。まったく違和感のない、落ち着いたフォーク/ジャズ作品として強力お勧め。
 ■話題の日本アーティストお薦め最近作
  JMD-002 THE CASH『The Cash』CD\2,000-(本体\1,904-)

Angel/FYBF/Zeus/夏と恋/Never Ending Lullaby/Crawdad Song/Cry Baby. 全7曲

 ブルーグラス生まれの井上太郎(わたしの息子です)、近年のケイシー・ドリーセンとの「Pacific Rim Acoustic All-Stars」や「Taro & Jordan」(アルバム『Taro & Jordan』JMD-001 \2,000- も在庫あり!)で活躍するマンドリン奏者に、日本テレビ系列テレビドラマ『Mother』主題歌“泣き顔スマイル”でJ-Popヒットした「hinaco」と、センチメンタル・シティロマンスのベーシストでコヤブボードの使い手でもあるテクニシャン、瀬川信二が参加したトリオ、ザ・キャッシュの7曲入りデビューミニアルバム。太郎が「hinaco」のギター能力に着目、チャーリー・モンローやレスター・フラットを教え、偉大なジョニー・キャッシュから名前をもらって結成されたトリオ。ブラザーデュオのドライブからタロー&ジョーダンなどの複雑な変拍子も平気でこなす「hinaco」のリズムギターに、さまざまなエレベのテクニックを駆使してリズムのみならず、世界観も広げる瀬川に乗っかって、太郎のオリジナル英詩ボーカル物を中心に、「hinaco」の日本語詩に太郎が音楽をつけたJ-Pop、ブルーグラススタンダードのトラッド“Crawdad Song”、そしてインスト2曲、非常にポップでスマートな作品となっている。ストレートなブルーグラスではないものの、全国で「ブルーグラスッ!」と叫びながらツアーしている太郎(ライブではワンマイクにしてブラザーデュオからフラット&スクラッグスまで聴かせてくれます)、応援してやってください。 ……えっ? 「これがブルーグラスか?」って。いゃあー、フォークでもカントリーでもないし、ま、本人が「ブルーグラスッ!」って叫んでることですので……。
  YTM-102 やぎたこ『I'll Be Home Someday』CD\2,000-(本体\1,904-)

Will The Circle Be Unbroken/I'll Fly Away/My Old Kentucky Home/No One To Love/Union Maid/Wildwood Flower/Keep On The Sunnyside/In Tall Buildings/When I'm Gone/This Train Is Bound For Glory/I'll Be Home Someday. 全11曲

 日本のフォークからボブ・ディラン、そしてウッディ・ガスリーからカーターファミリーらを経由してアパラチアの陰影に辿りついたというシンガーソングライターの「やなぎ」と「辻井貴子」の男女デュオ。フォスターやジョンハートフォードの名曲も含め、ギター、オートハープ、マウンテンダルシマー、バンジョー、マンドリン、フィドルなどを駆使しながら原曲のイメージに沿ったアレンジで原語で聴かせる。1950年代末から60年代初めにかけてアメリカの都会の若者たちが辿ったのと同様の道を歩んでるような……、まさに21世紀初頭の「オーブラザー現象」日本版のような彼ら。日本のブルーグラス/オールドタイム系男女デュオとはまた違った新鮮な切り口で、われわれにはなじみの曲の数々を聴かせてくれる。そんな彼ら聴いていると、60〜70年代の日本フォーク/ニューミュージックを演じた人たちが自分のヒットにかまけずに、もっとというか、もう少し、その原点にリスペクトを払っていてくれれば……、なんて思ってしまう。
 カントリー新入荷
  WB-535880 RANDY TRAVIS 『Influence #1: The Man I Am』CD\2,573-(本体\2,450-)

Someday We'll Look Back/Big Butter And Egg Man/What Have You Got Planned Tonight Diana/Ever-Changing Woman/Pennies From Heaven/Thanks A Lot/Trouble In Mind/My Mary/Saginaw, Michigan/I'm Always On A Mountain When I Fall/You Asked Me To/Why Baby Why/Tonight I'm Playin' Possum (Duet with Joe Nichols). 全13曲

 めちゃくちゃ深いバリトンボイスと低音が魅力のランディ・トラビス、圧倒的な歌唱力による独特のカントリー節がさえまくるランディ・トラビス21枚目のスタジオ録音最新作はタイトル通り、自身が影響を受けた先人たちのカバー曲集。そして最後にはジョージ・ジョーンズに捧げた追悼曲というカントリーファンには嬉しい構成。圧倒的なマール・ハガードの影響を、ハグのオリジナルのほか、ハグがカバーしたクラシックブルース“Trouble In Mind”やルイ・アームストロング“Big Butter And Egg Man”、ビング・クロスビー“Pennies From Heaven”らのレパートリーなどでも表現するほか、アーネスト・タブ“Thanks A Lot”、レフティ・フリーゼル“Saginaw, Michigan”、ウェロン・ジェニングス“You Asked Me To”らの影響をそれぞれ一曲ずつ表現、そして最後に今春亡くなったジョージ・ジョーンズ“Why Baby Why”から、ジョージへの追悼曲でしめる。
 カントリー発掘、編集モノ新入荷
  BACM-426 V.A『Custom Made Hillbilly Vol.5』CD-R \2,573-(本体\2,450-)

 1950年代、カントリー/ブルーグラスのリリースで知られるスターデイレコード社で特注(カスタムメイド)として作られたさまざまなレーベルの録音を集めた第五弾。本作に収められた録音はすべて1958年のモノ全29曲。1950年代後半、プレスリーのデビュー(1954)後、"Heartbreak Hotel"(1956)で初めてビルボードナンバーワンをヒット、文字通り世界がロカビリーブームに沸く最中、本作の約半数はロカビリーやロックンロールと呼ばれたものに近い、そんなローカルなヒルビリーシンガーたちが1958年にカスタムメイド・レーベルに残したさまざまな音源、半世紀前、アメリカの片田舎でさえウキウキするような時代が感じられる作品である。
 カントリーお勧め作品
  OMN-101299 DON RICH『Sings George Jones』CD\2,730-(本体\2,600-)

 バック・オウエンズ(1929-2006)のバッカルーズを支えた最高のギタリストにしてバックのハーモニーパートナーのドン・リッチ(1941-1974)。わずか32歳、バイク事故でこの世を去ったドン、ほぼ40年目にして陽の目を見る初ソロアルバムはジョージ・ジョーンズ曲集!! 1970年7月、ベイカーズフィールドのバック・オウエンズ・スタジオで収録したドンの10曲と、同時期にバック・オウエンズ&バッカルーズとしてTV番組『Hee Haw』のために収録されたバックの歌う未発表ジョージ・ジョーンズのヒット4曲の貴重な合計14曲である。 ちなみに同時に発掘されたバック・オウエンズの未発表カントリースタンダード18曲集『Honky Tonk Man: Buck Sings Country Classics』(OMN-101305 \2,730-)も在庫中、ともにカントリー界話題の発掘である!!
  B001801002 GEORGE STRAIT『Love Is Everthing』CD\2,573-(本体\2,450-)

 正統派カントリー・シンガーの大物、ジョージ・ストレイトの28枚目のスタジオ録音作品。トップテン・ヒットとなった"Give It All We Got Tonight"を含む新曲全13曲集。
  RRE-048 LORRIE MORGAN & PAM TILLIS(Grits and Glamour)『Dos Divas』CD\2,573-(本体\2,450-)

 今や大ベテラン女性カントリーのロリー・モーガンとパム・ティリスがデュエットチーム(グリッツ&グラマー)を組んだ6曲と各4曲の合計14曲という豪華盤。その期待にたがわぬ、現代ナッシュビルのさまざまな音を集めたサウンド造りでしっかり聴かせるすばらしい女性ボーカル作品。
  HOTR-6996 CURTIS POTTER『Songs of the Cherokee Cowboy』CD\2,573-(本体\2,450-)

 1959年にハンク・トンプソンのブラゾス・バレー・ボーイズに参加、13年間ハンクとともに、日本をはじめ世界中を旅したという大ベテランのテキサス出身ホンキートンクシンガー、カーティス・ポッターの最新作はレイ・プライスとチェロキーカウボーイズ曲集。友人であるウィリー・ネルソンもゲスト出演、バディ・エモンズ、バディ・スパイカー、ジョニー・ギンブル、ピート・ウェイド、ピッグ・ロビンスら「Aチーム」の名前も見えるバックアップ……!! どんな音か、見えてきますよね? 詳細は先月のカントリー新入荷
  BCD-16928 GEORGE JONES『Walk Through This World With Me:The Complete Musicor Recordings 1965-1971(Part 1)』CD5枚組+本\17,325-(本体\16,500-)

 やわなヒットカントリーじゃない、ハードコアなカントリー、その本質をえぐるように歌い出すジョージ・ジョーンズ、1967年のナンバーワンヒットをタイトルにした初期全集のミュージコー編(1965〜71年)の第一部CD5枚組+豪華冊子の全193曲。彼が1962年以降のユナイト(UA)、そして本作に納められたミュージコーに在籍した10年足らずのこの期間こそは、もっともジョージ・ジョーンズらしかった時代、ウェストコーストに君臨したバック・オウエンズという強力なライヴァルと競い合って、ナッシュビル・カントリーの本流を守り抜き、ポップに流れていた状況を一変させたストレートかつ重厚なサウンドを完成に導いた時期として、歴史に残っている。"White Lightning"や"She Thinks I Still Care"などのセルフカバーほか、"Green Green Grass of Home"、"Six Days on the Road"、"Blue Side of Lonesome"、"Once a Day"、"Don't Let Me Cross Over"、"King of the Road"、さらにはマール・ハガードの"Swinging Doors"などのヒット曲のカバーほか、スタンダードゴスペルのカバーなども数多く収録、また5枚目には、スタジオでの何度ものやり直しや生々しいやり取りなどが含まれて、「ノーショー・ジョーンズ」と異名をとったわがままなスターの一面を感じたりするベアファミリーの丁寧な仕事だ。カントリー音楽がナッシュビル・サウンドやポップカントリーに向かっていた時代、頑固に、……というか、わがままにわが道を歩みつづけた「キング」、ジョージ・ジョーンズの生身の姿が約200トラックで楽しむことができるすばらしい全集である。ムーンシャイナー誌ジョージ・ジョーンズ追悼特集の6月号と7月号連載「カントリーソングス」の意味が良く分かる秀作。……消費税アップ前にぜひ!?
 ■スティールギター三昧
  カントリー音楽でもっとも重要な楽器、スティールギター、恐らく世界中でもっとも難易度の高い楽器のひとつであるペダル・スティールの巨人たち!
  MPI-535494 VARIOUS ARTISTS『The Big E: A Salute To Steel Guitarist Buddy Emmons』CD\2,573-(本体\2,450-)

 めちゃくちゃ強力カントリー企画作品『バディ・エモンズ』に捧げられたビンス・ギルとポール・フランクリンの“Country Boy”からデュアン・エディの“Mansion On The Hill”まで、豪華/かつシビアなゲストアーティストたちによる全16曲。カントリー音楽のもっとも重要な楽器にまでなった――つまり、それほどまでの楽器に高めた最大の功労者「ビッグ・"E"」こと、バディ・エモンズ(1937-)。彼のために集まった人たちの創る音楽、悪かろうはずがない、でショ!? 詳細は先月のインスト新入荷参照
  B001865502 VINCE GILL & PAUL FRANKLIN『Bakersfield』CD\2,573-(本体\2,450-)

 もう説明不要なまでにストレートなタイトルと主役ふたり、カントリー界の最多グラミー受賞者にしてブルーグラス・ミュージシャンでもあるビンス・ギルと現在最高のペダルスティールギター奏者ポール・フランクリン。1961年のバック・オウエンズ“Foolin' Around”からマール・ハガードの“Branded Man”(1967)、そしてバックの“Together Again”(1964)……とつづく出だしの3曲ですでにノックアウト。まさに1960年代以降、つまりハンク・ウィリアムズの呪縛から離れたカントリーの黄金サウンド、最適の主役と最良のメンバーたちによる再現である。詳細は先月のカントリー新入荷参照。
  RBRCD-012 PETER COOPER『The Lloyd Green Album』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ナッシュビル最大の新聞テネシアン紙の音楽記者でもあるピーター・クーパーが、自身のアイドルだったロイド・グリーンのペダル・スティールギターを迎え、ドラムスやベースをほとんど加えず、きわめてシンプルにロドニー・クロウェル&エミルー・ハリス、トム・T.ホール、クリス・クリストファーソン、ジョン・ハイアットらのカバーと自身のオリジナルを歌う。リチャード・ベネットのギターほか、ハーモニーにロドニー・クロウェル、フェイス・スターリング・マクリーン(ジョン・スターリングの元妻)、パム・ローズなど、シンプルなサウンドを守り、ロイド・グリーンのスティールが咽ぶスペースを上手に取っている。
 映像ものお勧め再入荷作品
 ■全フィドラー/フィドルファン必携映像三部作!
  今夏、よりナッシュビルのダウンタウンに近い大きなお店に移った(同じく移転したグルーン・ギターのすぐ近く!!)、ナッシュビル・フィドラー御用達のフィドル屋さん『バイオリン・ショップ』。その小さなホールで開かれた凄いフィドル・コンサートを収めた現在フィドルスタイルの様々を一望できるDVD映像シリーズ三巻。オーナー店長フレッド・カーペンター(トニー・ライス・ユニットのオリジナルメンバーとして知られる)によるフィドルが大好きになれる心のこもった秀作である。
  VSR-7375 V.A.『Andy Leftwich/ Bruce Molsky/ Aubrey Haynie/ Jim VanCleve; The Violin Shop Concert Series Vol.1』DVD\3,990-(本体\3,800-、77分)

 シリーズ第1集は、オウブリー・ヘイニー、ジム・バン・クリーブ、アンディ・レフトウィッチといったベテラン・若手ブルーグラスフィドラーとオールドタイムフィドルの最高峰ブルース・モルスキーが、それぞれ最高のバックアップととに繰り広げる壮絶ブルーグラス/オールドタイム・インスト・ライブ全20曲。
  VSR-8283 『Darol Anger, Liz Carroll, Stuart Duncan, Sara Watkins, Jeremy Kittel, Luke Bulla and guest vocalist Tim O’Brien; The Violin Shop Fiddle Masters Concert Series Vol.II』DVD\3,990-(本体\3,800-、77分) 

 シリーズ第2弾は、圧倒的なステュアート・ダンカンがティム・オブライエンやデビッド・グリアらをバックにブルーグラスするほか、リズ・キャロルとジェレミー・キテルの新旧ケルト系アイリッシュ&スコティッシュから、ダロル・アンガーらのジャズ、そして元ニッケルクリークサラ・ワトキンスやルーク・ブラらの若者たちによる新フィドル感覚。
  VSR-9095 V.A. 『Daniel Carwile, Hanneke Cassel, Casey Driessen, Brittany Haas, Natalie Hass, Alex Hargreaves, Tatiana Hargreaves, and Gabe Witcher; The Violin Shop Fiddle Masters Concert Series Vol.V』DVD\3,990-(本体\3,800-、77分)

 そしてシリーズ最終第3弾は、テキサス・フィドルの凄腕ダニエル・カーワイルからパンチ・ブラザーズのゲイブ・ウィッチャーによるストレートブルーグラス、当時まだ10代のアレックスのすげぇ!ジャズ・アドリブと妹タティアナのオールドタイム(兄アレックスはマンドリン、現DGQのギタリスト、)でのハーグリーブス兄妹の天才ぶり、ハース姉妹らのアイリッシュやケーシー・ドリーセンのロックフュージョン等々、最先端のアメリカン・フィドラーたち。
  INR-13061 JACKSON BROWNE『Live Concert: I'll Do Anything』DVD\2,880-(本体\2,750-)

 アメリカを代表するシンガーソングライターで、ウエストコーストサウンドを体現してきたジャクソン・ブラウン初の公式ライブDVDは、元ニッケルクリークのショーンとサラのワトキンス兄妹を加えて、自身のキャリアのすべてをカバーするような楽しいポップ/ロックのライブになっている。映像収録は昨年11月。ブルーグラスとの接点が見え隠れしながら1960〜70年代をリードしたブラウンは10月で65歳。詳細は先月の映像新入荷参照
  RCSI-1025D JIM & JESSE『Bluegrass Express featuring Bill Monroe & Bluegrass Boys and Lester Flatt & Nashville Grass』DVD\3,308-(本体\3,150-)

超お勧め!! 1972年、ブルーグラスがフェスの隆盛とともに米国で初めて注目を集めはじめたときに制作されたすばらしい30分TV番組。ホストのジム&ジェシーにはビック・ジョーダン(bj)、ジム・ブロック(f)、キース・マクレイノルズ(bs)で、ジェシーの凄いクロスピッキン・インストを含む3曲。レスター・フラット&ナッシュビル・グラスはローランド・ホワイト(m)、ポール・ウォーレン(f)、ハスケル・マコーミック(bj)、ジャック・マーティン(d)、ジョニー・ジョンソン(bs)での3曲。そしてビル・モンローのブルー・グラス・ボーイズにはケニー・ベイカー(f)とジャック・ヒックス(bj)にジョー・ステュアート(g)とモンロー・フィールズ(bs)、ゲストにジェイムズ・モンローで4曲。そしてレスター、ビルともにジム&ジェシー1曲ずつの夢の共演。どーよ? あのLP2枚組フェスライブ『Bean Blossom』が録音されたのとほぼ同時期、第一世代ブルーグラスが絶頂期をキープしていたときの超貴重ライブ、短いけど、とてもとても大切な30分!!
  CW-TTJ1D THE TIME JUMPERS『Jumpin' Time』DVD\3.308-(本体\3,150-)(約2時間)

 ブルーグラス・ライブのメッカ、ナッシュビルのステーション・インで毎週月曜日に繰り広げられる懐かしいカントリーウェスタンからカウボーイ&ヒルビリー・ジャズの大セッション、タイム・ジャンパーズの超ハッピーライブDVD映像。ビンス・ギルをはじめナッシュビルの超一流セッションマンが、「ただ楽しみのために集まって」創る音楽には、たっぷりと愛情がこもっている。ゆったりと座って、ハッピーなエンタメをお楽しみ!!
  BVD-20123 ERNEST TUBB SHOW『Walking the Floor Over You Part 1』DVD映像\4,515-(本体\4,300-)
BVD-20124 ERNEST TUBB SHOW『Walking the Floor Over You Part 2』DVD映像97分\4,515-(本体\4,300-)


 カントリー音楽の王道である「ホンキートンク」スタイルを完成したといわれるアーネスト・タブ(1914-1984)と彼のテキサス・トゥルバドーズの1965年、30分のライブTV番組4本を収めたDVD第1集と第2集。レギュラーゲストには、なーんと!今年80歳になったウィリー・ネルソン(当時32歳)ほか、のちにソロでスターとなったジャック・グリーンやカル・スミス(ともにトゥルバドーズのメンバー)、女性歌手ルイス・ジョンソンや女性コーラス4人組のジョンソン・シスターズ、また日本でもよく知られたフィドルアルバムの定番『Down Yonder: The Country Fiddlers』(1967、ソニー・オズボーンやジェスロ・バーンズらが参加)のウェイド・レイ(1913-1998)のホットなフィドルと甘いボーカルなど、そしてなんといってもギタリスト、レオン・ローズとバディ・エモンズに代わってペダル・スティールを担当したバディ・チャールトンのすさまじいギターバトルが楽しめる。クラシックカントリーと呼ばれる正統的な、いわゆるカントリー音楽のエンターテイメントが楽しめるファンにはたまらない作品だが、カントリーにあまり馴染みのない方には、ムーンシャイナー6月号と7月号でジョージ・ジョーンズ追悼を機に連載した「カントリー音楽とブルーグラス音楽の違い」を映像を通して感じ取るのも一興であろうか。
 
  SOTM-2008 V.A.『Songs of the Mountains 1』DVD-R\2,888-(本体\2,750-)(カラー58分)

Cherokee Shuffle (ETSU Bluegrass Pride Band)/Old Broker Tree (Fescue)/These are They (McPeak Brothers)/John Hardy (Trey Hensley & Drivin' Force)/Little Birdie (Lonesome River Band)/Black Mountain Rag (Mac Puckett & the Good Company Band)/Can't Hold On To Much (Appalachian Trail)/Whatever Happened to Mayberry? (VW Boys)/Devil's Dream (The Larkins)/The Foggy Dew (Fire in the Kitchen)/A Beautiful Home (The Boohers)/I Still Think of You Sometimes (The Fritts Family)/June Apple (Cripple Creek Renegades)/Cash's Last Ride (Cana Ramblers)/Your Love Is Like a Flower (Everett Lilly & the Lilly Mountaineers)/Spreeing Rambler (Lonesome Will Mullins & the Virginia Playboys)/Headin' South (Gerald Anderson & Spencer Strickla). 全18曲

 2005年からはじまった米国公共放送ネットPBSのローカル番組『Songs of the Mountains』の第1シーズンから、プロデューサーのティム・ホワイトが選んだ18グループの18曲集。2004年に再建されたバージニア州マリオンの歴史的なリンカーン劇場500席を舞台に、5バンド前後のブルーグラス/オールドタイムバンドを集めて繰り広げられる地元のシニア層を対象にしたコンサート、はじまったときは地元ローカル局だけの放映だったのが第2シーズンの終わりには全米163局に広がったという。本作、2005年に収録された第1シーズンのベスト集には、ETSU(東テネシー州立大学ブルーグラスバンド)を皮切りに、現在はデイリー&ビンセントのジェフ・パーカーを擁したロンサム・リバーバンドやマクピーク・ブラザーズらもいるが、おもに南部アパラチア、ブルーリッジ地方で主に活躍する、いわゆる本場モンのローカルバンドがズラーッと楽しめる。一方に、カーネギーホールでデビューライブをする史上最高のストリングバンドと呼ばれるバンドや、ヨーヨー・マやエリック・クラプトンらを迎えてブルーグラスする連中がいるかと思えば、その底辺(ベース)には、伝来のゴスペルを聴かせたり、ラルフ・スタンレーになりきる若者、フルートやハンマーダルシマ、将来のスターを夢見る若い女性たち、物凄いガキたち、そして現在はメジャーなバンドに在籍するあの顔、この顔など……、ブルーリッジ地方のフツーの音楽と、それを楽しみミュージシャンたちを勇気づける観衆たちの日常が体験できる。
 教則ものお勧め
  下記のほか、教則に関しては演奏レベル/ニーズに応じて、ご相談ください。
  CDBARRR02 RUSS BARENBERG 『16 FIDDLE TUNES FOR GUITAR』 CD+ TAB \3,413-(本体\3,250-)

Dominion Reel, Road to California, Spootiskerry Reel, Flowers of Edinburgh, Goodbye Liza Jane, Fisher's Hornpipe, Waynesboro, Opera Reel, Round the Horn, Trip to Durrow, Snowshoer's Reel, Mac Ilmoyle's Reel, Miller's Reel, Rose in the Heather, Mary Douglas, Midnight on the Water.

フィドルチューンに特化してフラットピッキング・ギター用にアレンジした全16曲、中級程度のレベル向けに楽譜、タブ譜、コード譜などの教本と、スローバージョン含んで一緒に弾けるCD付。
 楽器、その他……
  ●須田ギター STYLE D-18 \556,500-(本体\530,000-)  詳細

戦前のマーチン、ドレッドノートに深いリスペクトを払った作風で、低音から高音までバランスよく、太く芯のある際立った音の立ち上がり3年連続IBMA最優秀ギターに選ばれたジョッシュ・ウィリアムス、パンチ・ブラザーズのクリス・エルドリッジ、ケニー&アマンダ・スミスのケニー・スミス等、若手フラットピッカーが認めた大阪府河内長野の須田ギター。数多有るマーチン・コピーの中で戦前のスペックに拘りを持って、ドレッドノートに的絞って、's03年からずっとトレイド・ショーに出展、デビッド・グリアやケニー・スミス等のトップ・プレイヤーの眼に留まり、有益なアドバイスを受けることで進化を遂げ、グルーン・ギターの特約店契約を得るに至る。昨年のIBMAのアワード・ショーでジョッシュ・ウィリアムスがステージで彼のギターを使い、超絶ギター・ソロを披露してやんやの喝采を浴びた時には、長年の努力を傍で見てきた者として熱い物を感じました。このモデルはトップにアディロンダック・スブルース、バック&サイドにホンジュラス・マホガニー、指板にアフリカン・エボニー、ウェイバリーのチューニングマシンを使用、トラスロッドはアジャスタブルor Tバーを選択可能、接着剤には膠を使用、ニトロセルロース・ラッカー塗装と細部にまで拘って's30年代のD-18のスペックを意識、戦前のマーチンをリスペクトした質実剛健な感じが魅力。ホンジュラス・マホガニーがワシントン条約のカテゴリーに入ってしまった為、今後は希少価値が出ること確実です。他にD-28スタイルのホンジュラス・ローズウッド・モデル、ハカランダに近い材質のマダガスカル・ローズウッド・モデル有。受注発注になりますので価格、納期等、詳細は御問合せ下さい。近日、値上げを予定しています。消費税も上がりますのでこの機会にお求め下さい。
  ●トシ・スガヌマ 5弦フィドル \819,000-(本体\780,000-)

ジョニー・ギンブルやボビー・ヒックスが愛用していることで知られる5弦フィドルについてムーンシャイナー誌2月号に製作記を寄稿している菅沼利夫氏製作による作品。ボディはブセット・スタイルとガルネリの二種類、ヘッドが通常のスクロールとストラディバリのピッコロ・バイオリンから拝借したスクエアヘッドの二種類。裏板は木目のきれいな1枚板。オプションでケイシー・ドリイセン仕様にも対応できます。黒檀フィッティング以外は欧州材を使用、ブルーグラスやスゥイング系のプレイヤー用に"ダークでスゥイート"なトーンを意識して質量を調整して削り完成します。納期は受注後約半年。
 輸入雑誌
 (以下の4誌は英語版で、共にバックナンバーも豊富に取り揃えています。気になるアーティスト等の特集等についてはお問い合せ下さい。…調べる&知るの面白さをいかがですか)
 ■フラットピッキン・ギター誌
  隔月刊の掲載全タブ譜対応CD付きフラットピッキン・ギター誌。ブルーグラスからスウィング/ジャズまで。一冊でさまざまな奏法が学べる。
  FGM-17.6 最新「2013年9〜10月号」CD付き70頁Tab-Book\2,625-(本体\2,500-)

Amazing Grace/Munde's Child/Crying Holy/Old Gospel Ship/Precious Lord/Never Give the Devil a Ride/Gathering Flowers from the Hillside/You Are My Sunshine/Swing Low, Sweet Chariot/Old Time Religion/Gnarly/Cottonwood Reel/Done Gone/Salty Dog Blues ほか。

 レターでも紹介したギターアルバム『Grace Notes』を発表したカール・ジャクソンをカバーストーリーに“Amazing Grace”のタブ譜ほか、エリオット・ロジャーズ、ジョン・バクゼンデールのコロラドギターカンパニー訪問、CDハイライトはアンドリュー・リグニー、新製品紹介などの記事のほか、とにかくタブ譜満載の70頁。
  FGM-17.5 「2013年7〜8月号」CD付き70頁Tab-Book\2,625-(本体\2,500-)

Streamlined Cannonball/Lonesome Wind Blues/Y'all Come/Kennedy's March/White Horse Breakdown/I Don't LOve Nobody (Nothing To It)/Fuzzy Rag/Jacky bTar/Eighth of January/Pretty Polly/Something in the Way She Moves/Dark Hollow/Bluegrass Stomp/Mr. Lonely's Bar & Grill/Sweepin' My Grave.

 クルーガーブラザーズのウー・クルーガーをカバーストーリーに、クラレンス・ホワイトの思い出、ティム・ハービン、ライリー・パケットらの特集記事ほか、コラムニストたち、ジョー・カー、ダン・クレアリー、スティーブ・ポティア、ブラッド・デイビス、ティム・メイ、オリン・スター、ジョン・カーリニほかによる上記のタブ譜とCD付。
  FGM-17.4 「2013年5〜6月号」CD付き70頁Tab-Book\2,625-(本体\2,500-)

Angel Band/Be Toou My Vision/Festival Waltz/Kentucky Waltz/Tennessee Waltz/Roxanna Waltz
 記念すべき通巻100号は「ワルツ号」として21曲、丸ごとワルツ・タブ譜で埋め尽くされている。ティム・メイやジョーダン・タイス、ダン・ハッカビーほか21名のフラットピッカーが選んだ21曲。なかなか遊び甲斐のあるすばらしい企画である。
  FGM-17.3 「2013年3〜4月号」CD付きBook\2,625-(本体\2,500-)

 ランブリン・ジャック・エリオットをカバーストーリーに、22歳のスーパーピッカー、クリス・ラケット特集と"Down in the Willow Garden"タブほか、ジョー・カーはフラット&スクラッグスとメイベル・カーターの"False Hearted Lover"、ダン・ハッカビーは初心者向けトニー・ライス風"Why Don't You Tell Me So"、スティーブ・カウフマンは聖パトリックを祝してブロムバーグから学んだという"Rights of Man Hornpipe"。ジョン・カーリニは"Bolero"、オリン・スターはジャック・エリオット風"Roving Gambler"、マイケル・マダックスのハイポジにおける練習と"Bill Cheatham"、スティーブ・ボティアはビル・モンローの"Crossing the Cumberland"ほか、フラットピッキンギター上達にいたるヒントやタブ譜が音源とともに満載。
 ■バンジョー・ニューズレター誌
  世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載(ウェブサイトから「MP3」で音源入手可!!)、バックナンバーもお問い合せ下さい。探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探します。収蔵曲のCDやDVDなども在庫していますので、お問い合わせください。
  BNL-13/09 最新2013年9月号 \630-

 現在はドン・リグスビーのミッドナイトコールのバンジョーを務めるベテラン、エルマー・パーチェットのカバーストーリーとタブ譜は“Whistle Pig”(デビッド・パームリー&コンティネンタルディバイドの2000年秀作『There'll Always Be a Rocking Chair』=在庫あり=PC-1095 廃盤特価\1,575-)ほか、知られざる凄腕ルシアー、ロニー・ベイルズ(顧客にはベラ・フレック、ノーム・ピケルニー、カーティス・マクピーク、ラリー・マクニーリー、ビル・エバンスらがいるという)訪問インタビュー、今夏のサマーNAMMショウでのバンジョーリポートなどの特集と、レッスンタブ譜はフレッド・ゲイガーのジャズコード“Georgia On My Mind”、アールズウェイ“Sugarfoot Rag”、トム・アダムズFシェープの7thコードリック“I Wonder Where You Are Tonight”など、有益なバンジョータブ譜と情報満載の40頁。
  BNL-13/08 2013年8月号 \630-

 ニューヨーク・ブルーグラスのもっともホットなエリア、ブルックリン在住の若者ベネット・サリバンのカバーストーリーとタブ譜“Cutch Tuttle”ほか、トム・アダムズ“Bury Me Beneath the Weeping Willow”、アール・スクラッグスは1948年2月、ほぼ最後のビル・モンロー在籍メンバー当時の録音“Sunny Side of the Mountain”と「アールズウェイ」は“Old Gray Mare”ほかクロウハンマーも充実、有益なバンジョータブ譜と情報満載。
  BNL-13/07 2013年7月号 \630-

 話題の第一世代ブルーグラスバンジョーのフォロワー、クリス・ヒルのカバーストーリーと"If That Footsteps That I Hear"と"I Get the Blues When It Rains"のタブ譜、曲はともにトム・フェラーとのブルーグラス・バッカルーズ『Feller and Hill and the Bluegrass Buckaroos』(BCR-035 \2,573-)より。そのほか、レノ・スタイル"Mr. Bottle"、トム・アダムズ"Rock Around the Clock"ほか、"Beaumont Rag"、"Lady Be Good"、"St. Anne's Reel"などとオールドタイム/クロウハンマーなどのタブ譜満載。
  BNL-13/06 2013年6月号 \630-

 ディック・ワイズマン(Dick Weissman)のカバーストーリー……って誰?って思うよね。でもきっと、結構多くのひとが見たことのある、ウッディ・アレンみたいな人が楽器店のようなところでオープンバックのバンジョーを弾いていて、その写真が、斜め上にダブってコラージュされているジャケット、タイトルは『Modern Banjo Mountain Style』……覚えていませんか? 1961年にはフォークグループ、ジャーニーメンを結成、フォーク界の知られざる最先端を歩んできたディックのインタビュー。人に歴史あり! フォークのみならず、スクラッグスやボビー・トンプソン、ライ・クーダーやビル・ダノフら、さまざまな登場人物の逸話も楽しい。そのほかタブ譜は、アール・スクラッグス"Red River Valley"(ハートフォードとのジャムテープより、この逸話が面白い!!)、初心者には"When You and I Were Young Maggie"、ブルース"I'm So Glad"、トム・アダムズdチューニングの"Cumberland Gap"、ジェリー・リード"Jerry's Breakdown"、ドビュッシー"Reverie"、リッチ・スティルマン"Cascade"ほか、クロウハンマーなどのタブ譜満載。
  BNL-13/05 2013年5月号 \630-

 ティム・ウィードのカバーストーリーのほか、アメリカン・バンジョーキャンプ・リポート、クロウハンマーで弾くバッハの特集ほか、タブ譜はアール・スクラッグスがハイロ・ブラウンとライブ録音を残した闊達な"Prisoner's Song"、アラン・マンデ"Cotton Patch Rag"ほか、バンジョーに関するタブ譜と話題満載40頁。
  BNL-13/04 2013年4月号 \630-

 アリソン・クラウスのユニオン・ステーションのロン・ブロックをカバーストーリー/インタビューにタブ譜は、ジェリー・ダグラス作アリソン・クラウスの『New Favotite』に収められていた"Choctaw Hayride"と同アルバムからの"Take Me for Longing"、そして最新作『Paper Airplane』からの"My Love Follows You Where You Go"ほか、ニューロストシティ・ランブラーズのジョン・コーヘンのシビアなインタビュー「On Old-Time Music Before There Was 'Old-Time'」とタブ譜"Cumberland Gap"と"Buck Creek Girls"ほか、タブ譜は"Fireball Mail"のインプロバイズ、トニー・トリシュカの3-0-2リックによる"Black Mountain Rag"、トム・アダムズのハイポジションのレッスンはスクラッグス・リックのバリエーション。ディーリング・バンジョー社のリポートもあるバンジョーに関する話題満載40頁
  BNL-13/03 2013年3月号 \630-

 トニー・ライスらと「クロウグラス」という、ブルーグラス・バンドのセッティングでクロウハンマーを弾く独自の世界を築き、昨秋は第3回スティーブ・マーティン賞を受賞したマーク・ジョンソンのカバーストーリーと"Marching Through Georgia"(パイのパイのパイで知られる東京節)のタブ譜ほか、アール・スクラッグスのライブテープからオタク美学の"Your Crazy Heart"、フレッド・ゲイガーのコード遊びは1931年のビング・クロスビー"Wrap Your Troubles in Dreams"、トム・アダムズはハイポジにおけるDからGへ戻る10の方法、ジャネット・デイビスのバックアップはCチューニングにおける"Soldier's Joy"、ジャム・スタンダードを変拍子で楽しむジェイク・シェップスの7拍子の"Whiskey Before Breakfast"と5拍子の"Blackberry Blossom"、ティム・カーターの"Waltz for Earl"ほか、各種クロウハンマーなど、バンジョーに関する話題満載40頁。
  BNL-13/02 2013年2月号 \630-

 2011年のIBMA最優秀バンジョー奏者で、ただひとり最優秀フィドル奏者も獲得しているロン・スチュワートのカバーストーリーとタブ譜は"Crawford County"、ロジャー・シミノフによる「プリウォーサウンドpart 2」はアール・スクラッグスの右手のアタックに関する考察、初心者は「知っておくべき10のリック」、トム・アダムズは「タブを書こう!?」、ジャネット・デイビスのバックアップは"America the Beautiful"をネタにセブンスコードの使い方、アール・スクラッグスは先月に続いてジャムでの"Walking the Floor Over You"ほか。
  BNL-13/01 2013年1月号 \630-

 懐かしや!アンディ・オウエンズと来日したジェフ・スロギンズのカバーストーリーとタブ譜は"Woodland Arch"と"Boundary Hunter"、そのほかアール・スクラッグスはシラブルで弾く"Walking the Floor Over You"、ハーモニー研究「枯葉B」、トム・アダムズは「発見されるのを待つ音たち」と題したちょっとしたアイデア集、バックアップは"Old Spinning Wheel"、初心者コーナーはコード進行のパターンリストほか、オールドタイム・コーナーと、バンジョーに関する話題満載40頁。
 ■ブルーグラス・アンリミテッド誌
  米国の最大のブルーグラス月刊専門誌。お探しの記事などバックナンバーもお問い合わせください。
BU-13/10 最新2013年10月号 \840-

 マーティ・レイボンのカバーストーリーほか、フィンランドのブルーバンド、ジュシ・シレンとグランドブレーカーズ。マンドリンやギタールシアーのシム・デイリー、ブルーグラスソングライターのジェリー・サリー、2014年タレント・ディレクトリーなどの特集ほか、米国ブルーグラス情報満載の76頁。
  BU-13/09 2013年9月号 \840-

 あたらしいトラッドグラスの形を提示するビッグ・カントリー・ブルーグラスをカバーストーリーに、ジミー・マーティントの活躍で知られるクリス・ワーナー、デイリー&ビンセントのマンドリン奏者ジェフ・パーカー、ピーター・ワーニック博士のブルーグラスジャム法などの特集ほか、米国ブルーグラス情報満載の72頁。
  BU-13/08 2013年8月号 \840-

 スティーブ・ヒューバーが復活させたウエイド・メイナーの1930年製ギブソン・グラナダ#9530-4をカバーストーリーに、今年からノースカロライナ州ローリーに移るIBMAのワールドオブブルーグラス、その誘致に尽力した団体パインコーン、ビル・モンローの愛人だったベッシー・リー・モウルディン、そしてギブソン・ピラミッド・バンジョーと呼ばれた戦前のマスタートーン・スタイル2の物語などの特集のほか、米国ブルーグラス情報満載の64頁。
  BU-13/07 2013年7月号 \840-

 ロニー・レノのカバーストーリーほか、タウンマウンテン、デニス・マクブライド、「ヒルビリー」という言葉の由来となった1920年代のバンド、ザ・ヒル・ビリーズの正体ほか、米国ブルーグラス情報満載の66頁。
  BU-13/06 2013年6月号 \840-

 リッキー・スキャッグスのカバーストーリーのほか、リッキーのハーモニーパートナーを18年間努めるポール・ブルースター、ライマン公会堂再建物語、ラス・カーソンとグレン・カーソン「バンジョーファミリートゥリー」、若手ヒルベンダーズなどの特集のほか、、米国ブルーグラス情報満載の70頁。
  BU-13/05 2013年5月号 \840-

 スティールドライバーズをカバーに、ポール・ウィリアムズ、ジョー&ステイシー・アイザックス、バンジョー・サファリのアフリカ旅行記などの特集ほか、定期コラムなど米国ブルーグラス情報満載。
  BU-13/04 2013年4月号 \840-

 キャシー・キャリックとスピニー・ブラザーズをカバーに、ジム・ハーストのソロについて、ビル・モンローやデル・マッカーリーとの活躍で知られるトラッドグラス・フィドラー、ビリー・ベイカーなどの特集ほか。
  BU-13/02 2013年2月号 \840-

 ジム・ローダーデイルのカバーストーリーほか、マンドリンのスーパーピッカー、アラン・バイビー、ギター若手ジョーダン・タイス、オハイオのジェッツ・クリークなどの特集ほか。
  BU-13/01 2013年1月号 \840-

 サム・ブッシュを表紙に恒例の全米ブルーグラス・フェスリスト(数百箇所)と、ブリストル・リズム&ルーツ・リユニオン・フェス、ルディ・フェス、マウンテン・オープリハウスなど、各地のイベント特集に連載コラムほか。
 ■オールドタイム・ヘラルド誌
  内容の濃いオールドタイム音楽専門誌。アメリカン・トラッド音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。
  OTH-1303 最新第13巻3号 \1,260-

 アルバート・ハッシュ・メモリアル・フェスのリポート、ミズーリ・フィドラーのR.P.クリステンソン、ウォルト・コーケンの連載「Tales from the Woods Vol.3」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1302 第13巻2号 \1,260-

 全米フェス&キャンプガイド特集のほか、西アフリカ・ガンビア共和国ジョラ族のアコンティング奏者ラエモウアヒュマ・ジャッタのインタビュー、ウォルト・コーケンの「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話A」は「ショッティーシュ(ボヘミア起源のダンス)」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1301 第13巻1号 \1,260-

 ダン・マーゴリーズ「ハンドメイド弦〜猫と馬の尻尾から生まれる音楽」をメイン特集に、アート・ローゼンバウム「北部ジョージアでの1日」、ウォルト・コーケン「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話」シリーズ第1回など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
 月刊『ムーンシャイナー』
  1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、来月から31年目突入です。何卒、年間契約をよろしくお願いします!
 ■定期購読:1年¥6,000-半年¥3,300-
  お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。
 ■バックナンバー:各¥525-。
 下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。
  MS-3012 最新2013年10月号(通巻360号)\525-

 やりました!通巻360号、購読してくれる皆さん、ボランティアで情報や記事、写真を提供してくれる皆さん、そんなダイハードなブルーグラスファンの皆さんのお陰で30年間、何とか持ちこたえました。これからいつまで頑張れるか、体力と根気の勝負ですかね、こうなると? ひきつづき皆さんのお引き立てを、何卒よろしくお願い致します。本当に、ありがとうございます!!
 記念すべき360号は、日本でデビューして、最年少でIBMA名誉の殿堂入りをしたトニー・ライス秘話のほか、1958年に結成されたイースト・マウンテン・ボーイズがIBMA特別功労賞を受賞するにあたって彼らの年表と紹介、そして日本の戦前・戦後における「洋楽」の受容についての特集記事、中学生ソフィア美玲キャタリナの「ウィザー・フィドル・コンテスト」参戦記、ハゥトゥプレイ・ブルーグラス#4「続アールの日」、最新トラッドグラス事情「レベル・レコード編」、コンサートリポート「mareka & Junji vs 三津谷組」、カーター・ファミリーとボブ・ディラン、東北大「荒川善行」、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Dほか、日米ブルーグラス情報満載!! 
  MS-3011 2013年9月号(通巻359号)\525-

フラットピッキンギターに魅せられた女性レベッカ・フレージャー、その初々しい半生を紹介したカバーストーリーのほか、クレイグ・ダンカン、ビリー・スミス、マイク・スコットらが女性陣ふたりを加え10月はじめに来日。同じ10月、ハンマーダルシマを初めて日本に紹介したカレン・アッシュブルックが来日するのを機に、「ハンマーダルシマ」の歴史と今特集。9月28日に「第4回六甲ブルーグラス・タイムズ」を主催する神戸大学の木村周平。「ハゥトゥープレイブルーグラス」シリーズ3回目になる最新号では、「シラブルで弾く」こととは? CD+DVDを発表した原さとし(bj)と竹内信次(m)のトイメンシャオ。ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Dほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3010 最新2013年8月号(通巻358号)\525-

 「ハウトゥープレイ・ブルーグラス」特集として、ブルーグラス楽器奏法のつかみ方を「岸本一遥のケニー・ベイカーから学んだこと」や「アールの日」のリポートを軸に特集。そのほか、奥 和宏「アメリカン・ルーツミュージック、ディスクでたどるアメリカ音楽史」、全国サイマル放送一覧表とFMはしもと「しもちゃんの“Bluegrass”でナイト」、学生プロファイル#7は首都大学東京「山本南希」、人口16人の瀬戸内海での「斎島ブルーグラス」、ブルーリッジに本拠を置くマウンテン・フィーバー・レコード社、埼玉・狭山市の美食ブルーグラスレストラン「SOFT」、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Cほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3009 2013年7月号(通巻357号)\525-

 第26回マールフェスリポート」ほか、ジョージ・ジョーンズ追悼「カントリーソング」後編、ジェイコブ・シャープ「ミプソ」来日!、菅沼工房5弦フィドル製作記E最終回、井上 高とホームタウナーズ「50年前に活躍したプロのブルーグラスバンド」後編、学生ブルーグラス・プロファイル#6 北海道大学「兼平愛弓」、日本ブルーグラス年表#65「1977年」ほか、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記B、1911年ビル・モンローの生まれた日ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3008 2013年6月号(通巻356号)\525-

 北海道の八雲フェス特集のほか、ジョージ・ジョーンズ追悼「カントリーソング」前編、ブルーサイド・オブ・ロンサムと坂本愛江、「Tri Barrel(トライバレル)」尾崎博志、古橋一晃、河合徹三、知っておきたい#2「新進気鋭のマンドリニストたち」、菅沼工房5弦フィドル製作記D、井上 高とホームタウナーズ「50年前に活躍したプロのブルーグラスバンド」前編、学生ブルーグラス・プロファイル#5 名古屋大学「山田遼一」、日本ブルーグラス年表#64「1976-77年」ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3007 2013年5月号(通巻355号)\525-

「フェスティバル・シーズン到来号」として、ブルーグラスフェスの歴史とウィンターグラス2013リポート後編のほか、ブルーグラス・リズムギター上達の近道、サードタイムアウト「ブルーグラスる!?(Bluegrassed)」、知っておきたいブラザーデュオ一覧、ケンタッキーのモアヘッド州立大学ブルーグラス科を訪ねた川合くんのすばらしいリポート、ネッシーエクスペディション米国ツアー顛末記A、学生ブルーグラスプロファイル#4「米澤 望(酪農学園大)」、菅沼工房5弦フィドル製作記Cなど特集ほか。
  MS-3006 2013年4月号(通巻354号)\525-

 今月久々に来日、東海道をバンジョー行脚するビル・キースの大特集後編、ジェリー・ガルシアやライ・クーダーらとの逸話など、1963年のビル・モンローとブルー・グラス・ボーイズの重厚な写真をカバーに、ウィンターグラス2013リポート前編、ネッシー・エクスペディション米国ツアー記@、ブルーグラス・アルバム・バンド・リユニオン、マイク伊藤「留学のススメ」、ロストシティキャッツ・リユニオン、菅沼工房5弦フィドル製作記B、学生ブルーグラスプロファイル#3「森山亮治(大谷大)」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3005 2013年3月号(通巻353号)\525-

 4月に久々の来日、大阪、京都、名古屋、浜松、横須賀、東京でワークショップやコンサートをするビル・キースをカバーストーリーに、フルアルバム『Sailing Home』を発表し今月には全米ツアーをする女性トリオ、パイレーツ・カヌー、ハンク・ウィリアムズのセイクレッドソング解説、2012年年発表レコード総括、菅沼工房5弦フィドル製作記A、学生ブルーグラス断簡その壱「松本捺美(神大)と小形奈緒子(東北大)」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3004 2013年2月号(通巻352号)\525-

 ドブロのマイク・オルドリッジのカバーで追悼特集「ブルーグラスを変えたドブロ奏者」ほか、ブラザーデュオ秀作を発表した渡辺敏雄、かつてジューンアップル誌のスタッフだった菅沼利夫「5弦フィドルへの道@」、ラジオ関西「カントリーミュージック・トラベル」が今年20年、950回目を迎えているDJ阿部和則のリポート、1946年のブルーグラス誕生の年にオープリで出会った?ハンク・ウィリアムズとビル・モンローなどの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3003 2013年1月号(通巻351号)\525-

 アール・スクラッグスの右手の表紙写真にメイン特集は、村片和彦のアール・スクラッグス奏法解析「俺、アールやもん」と、先月号の50年前のフラット&スクラッグス『カーネギーホール』で「マーサ・ホワイト!」を叫んだ本人の当時のリポート「アール・スクラッグス異聞」ほか、市川慎一郎のボジョアギター“Slope D”「バンジョーキラー」修理リポート、若手ドブロ宣言「ドブロだって主役!」、60年前の1953年1月1日にアパラチア山中で息を引き取ったハンク・ウィリアムズの最後の1年ドキュメント、フットヒル・ドライブ「アメリカツアー記」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3002 2012年12月号(通巻350号)\525-

 50年前のフラット&スクラッグス『カーネギーホール』カバーストーリー特集ほか、1月に盛岡から沖縄まで、全国12ヵ所をツアーする井上太郎の「TARO & JORDAN」、千日前ブルーグラスアルバムバンドが伝えるアーリーブルーグラスの魅力!、手島家のマールフェス珍道中記B最終回、名古屋大学ブルーグラスの「本場に学ぶ!ナッシュビルとIBMAのWoB体験」ほか。
  MS-3001 2012年11月号(通巻349号)\525-

 11月号恒例のIBMAアワード大特集号で現在の米国ブルーグラス・トレンドを一挙紹介のほか、16年ぶりに全国8ヵ所をツアーするブルーグラス45、手島家のマールフェス珍道中記A、名古屋大学ブルーグラスの「本場に学ぶ!ブルーリッジ紀行」ほか。
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