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   B.O.M.Newsletter #399web

                  2014年1月15日

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INDEX
今月の特選品
新入荷ダイジェスト 
  ブルーグラス新入荷
インスト新入荷
オールドタイム/フォーク新入荷
カントリー新入荷 
発掘/編集モノ新入荷 
映像新入荷 
そのほかの新入荷…… 
最近作/話題作ダイジェスト 
  月刊ムーンシャイナー特集/関連作品
ムーンシャイナー1月号レビュー紹介作品 
特集:知っておきたい#6 「ブルーグラス・スウィング」紹介作品 
ブルーグラス
インスト系
オールドタイム/フォーク 
カントリー 
発掘/編集、名盤/名演など…… 
映像もの 
そのほか…… 
楽器関連作品 
   ギター 
バンジョー 
マンドリン 
フィドル 
ドブロ
スティールギター
輸入雑誌 
  フラットピッキン・ギター誌
バンジョー・ニューズレター誌
ブルーグラス・アンリミテッド誌
オールドタイム・ヘラルド誌
月刊『ムーンシャイナー』
B.O.M.厳選、詳細解説コーナー! 
  ブルーグラス
インスト
オールドタイム/フォーク 
カントリー
B.O.M.ご利用方法 
 
   2014年というあたらしい年、みなさんにとって良い年でありますように……、また今年も1年、楽しく、よろしくお願いします!! 
 先月も書きましたが、世界は21世紀に入ってドラスティックな変化を遂げつつあります。そんな中、アイドルポップやダンスビートなどのヒット物以外の音楽にも若者たちが興味を示しはじめ、音楽界も大きく変化しつつあります。われわれがこよなく愛してきたブルーグラスやジャズなどの民俗系音楽には芸術音楽同様、大きな樹のごとく根と幹、そしてさまざまな枝葉があります。そのどれもを味わい尽くす幸せを、みなさんと共有したいと願っています。……本年もよろしく、お願いします!!

   2014年4月1日から消費税が増税されます。本体価格の変更予定は致しておりませんが増税分は我々も、またお客様にも負担をお願いせねばなりません。4月1日出荷分より新税率にてのご請求となりますがご理解の程をお願いいたします。
 またムーンシャイナー4月1日以降のご契約(ご送金分)については年間契約\6,300-に、半年契約については\3,450-と致します。

 ■全国イベント・カレンダー
   以下、ムーンシャイナー誌1月号に寄せられたバンドによる地元を離れての国内ツアーや外国からの来日ツアー、また企画イベントなどです。通常の個別バンドのライブなどは誌面にて……。

 日米共通のブルーグラスコミュニティを元気にする標語は、「Buy Studio Releases! ...and Go to Live Shows!!」。……ブルーグラス・コミュニティを元気に、楽しく...!! 日本の所得税を払わない米国籍通販より、所得税を払いたいッ!ムーンシャイナー広告の日本企業たちをよろしく、ね!!

◆1月18日(土)新潟「新潟ジャズ・ストリート」新潟、カポタスト13時〜、ライフ16時〜。出演:地元と関西から「関関同プー」など7バンド(問)新潟ジャズ・ストリート事務局025-223-4349

◆1月18日(土)東京「<BGサタデイナイト>ニュークリニックバンド/鳩政宗」銀座、ロッキー03-3571-1955。関西の若手「鳩政宗」進出ライブ

◆1月20日(月)愛媛「松山ブルーグラス会」松山市三番町、スタジオOWL(オウル、089-941-0036)\1500-

◆1月23日(木)愛媛「松山ブルーグラス会」松山市一番町、Y's Cafe(ワイズカフェ、089-933-5075)

◆1月25日(土)埼玉「第7回所沢カントリーミーティング/新春所沢カントリーチャリティ音楽祭2014」所沢市並木公民館多目的ホール04-2998-5911。12時、\500-

◆1月26日(日)北海道「初企画:小松崎健(ハンマーダルシマ)&中原ナオヒコ(g)」札幌、ジャック・イン・ザ・ボックス011-736-7736。15時

◆1月26日(日)東京「<BGスペシャル・ナイト>ウェスト・オブ・ザ・ムーン復活ライブ」銀座、ロッキー・トップ03-3571-1955

◆1月26日(日)滋賀「アメリカン・ミュージック・ライブ」彦根、きたむら内科医院0749-24-3328。14時、無料。きたむらいづみ(v,bj)津田敏之(v)ほか
◆1月26日(日)大阪「ブルーグラス・ランブル15周年記念公演」堂島、ミスターケリーズ06-6342-5821。13時、\3000-。稲葉和裕、大西一由、ランディー・コットン、蔦川元、石平祐二(問)ホワイトオーク0798-72-0984

◆1月30日(木)東京「有田純弘トリオ&Leaping Strings」曙橋、バック・イン・タウン03-3353-4655。洗足学園音大ジャズコースのブルーグラスバンド

◆2月1日(土)東京「音楽夜噺:知られざるアメリカン・ルーツ・ミュージック/奥和宏・中村まり」渋谷、ダイニングバーLi-Po(03-6661-2200)。15時、予約\1800-当\2300-(問)http://ongakuyobanashi.jp/

◆2月8日(土)兵庫「IBMA特別功労賞受賞記念ライブ『尾アブラザーズを囲む会』」夙川、フォートワース0798-39-1923。15時、\4200-。出演:尾崎ブラザーズ、笹部益生、ジミー赤沢、吉田悟、今井達也ほか

◆2月9日(日)京都「第15回京都オープリ」テルサホール、午前10時〜(問)075-451-3797
 今月の特選品
 (今、スタッフ一押し話題作ダイジェスト)
 ブルーグラスカレンダー2014
  BJC-2014 ROB LARDIE『Banjo Calender 2014』特価\2,888-(本体\2,750-)

 今年のブルーグラス・カレンダーは「バンジョー」特集! 30cmLPサイズの見開きで壁に掛ければ縦60cm。1月のシンプルな、しかし斬新なアイデアとデザインのドックスバンジョー社のミンストレル・バンジョーから、12月のレコーディングキング社の最高級インレイ「1000 Deluxe Special」まで、現在アクティブなバンジョーメーカー12のブランド自慢の製品をグラフィックデザイナー、ロブ・ラーディーがカレンダーにまとめ上げた。曰く、「世の中に数あるギターカレンダーを横目に、毎年シーズンになると悔しい思いをしていたけれど遂に今年、バンジョー好きの夢を叶えました!……もちろん、わたしはバンジョー奏者です!!」と。有名バンジョー奏者の誕生日やバンジョー関係の大きな出来事も記されている。バンジョー奏者のみならず、部屋のインテリアとして、またギフトにも最適です。
  REB-1854 JUNIOR SISK & JOE MULLINS『Hall of Fame Bluegrass!』CD\2,573-(本体\2,450-)

 話題のトラッドシンガーとビッグバンジョー奏者、ジュニア・シスクとジョー・マリンズ、ふたりの「これぞアーリーグラス!」の大秀作。1950年代、モンローとフラット&スクラッグスのフォロワーとなった米東南部のミュージシャンたちが創ったスタンダード名曲たち、“Wild Mountain Honey”、“Bluebirds Are Singing for Me”、“I'll There, Mary Dear”、“Brand New Shoes”とイントロの4曲つづけられただけでも「参った!!」。ジェイソン・カーターの入魂フィドルほか、知る人ぞ知るシビアな「夢のアーリーグラス協演名曲集」。トラッドグラスファンへ大推薦! ブルーグラス詳細解説参照。
 新入荷ダイジェスト
 (スタッフ強力お勧め作品の収録全曲目やアーティストの基本情報なども含む詳細解説はレターの最後尾「月刊ムーンシャイナー」誌紹介の後ろです)
 ■ブルーグラス新入荷
  MH-1485 THE GRASCALS『When I Get Pay』CD\2,573-(本体\2,450-)

 現在ブルーグラスのトップグループのひとつ、ザ・グラスカルズ最新作! ナッシュビルのライブハウス、ステーションインからザ・サイドメン経由で生まれたベテラン揃いのグラスカルズ、1960〜70年代にカントリー市場で成功したオズボーンブラザーズのノウハウを踏襲して地位を築いた彼ら、……つまり一般人にも聴きやすく、クロート筋にはその完璧な音づくりで唸らせる。最新作も完璧なサウンドとキャッチーな曲の数々、オズボーンの"Bluegrass Melodies"カバーも、クリスティンの初歌もいいし……。詳細解説は本レター巻末をご参照ください。
  RCSI-1097 MICKEY GALYEAN & CULLEN'S BRIDGE『Rollin' with Tradition』CD\2,573-(本体2,450-)

 ビル・モンローがブルーグラスボーイズを結成した年に生まれた父親、カレン・ギャリアン(1939-2010)の伝統に帰ろうと父の名を冠してあたらしく結成したミッキー・ギャリアンの新バンド「カレンズ・ブリッジ」は、いまどきのスーパーピッキンやタイトなアンサンブルが失った自然なトラッドグラスのメロディとサウンドで、その筋の人には「グッ!」と来るアーリーブルーグラスがプンプンと匂う秀作。詳細解説は本レター巻末をご参照ください。
  RCSI-1101 DEHLIA LOW『Tellico』CD\2,070-(本体\1,980-)

Take Me Back/Bide My Time/Santa Ana Winds/Lord Won't You Help Me/Buffalo to Washington/
 昨夏、北海道から関西をサチちゃんとフィドルを背負って訪れたアーニャ・ヒンクル(そのリポート前編はムーンシャイナー1月号参照)が2007年に結成、アーニャのオリジナルとボーカルをメインにしたバンジョーレス(代わりにドブロ)の若手ブルーグラスバンド、デリア・ロウの2009年自費制作作品。詳細解説は本レター巻末をご参照ください。
  HMG-1012 DONNA ULISSE『Showin' My Roots』CD\2,573-(本体\2,450-)

 カントリーでメジャーデビュー後、ブルーグラス界に転身したドナ・ユリッシーが昨年夏発表したゴスペル集以来、最新第7作はブライアン・サットン(g)との共同プロデュースで自らの音楽ルーツ、夫の従兄弟であるスタンレー曲の数々ほか、サム・ブッシュとのデュエットで"Take This Hammer"、現在ヒット中の"Send Me the Pillow"からモンローまでをカバー、スコット・ベスタル(bj)、アンディ・レフトウィッチ(m,f)、ロブ・アイクス(d)、バイロン・ハウス(bs)ほかでのお楽しみ曲集。詳細解説は本レター巻末。
 ■インスト新入荷
  PSR-121501 坂庭省悟 & 宮崎勝之『Battle One / Battle Two』CD2枚組\4,000-(本体\3,810-)

 坂庭省悟(1950-2003)が亡くなって10年、宮崎勝之とのデュオで1999年と2003年にリリース、廃盤となっていた2枚の「Shogo vs Katz」名義の「バトル」シリーズ全22曲に未発表曲「グッバイ・ヒーロー」(ジョン・ハートフォード作/矢野雄三詞“In Tall Buildings”)を加えて2枚組で再発である。ツインマンドリンからマンドリン・ギターのインストを中心に、坂庭のクロウハンマーバンジョーによるオリジナルフィドルチューン「よっぱらいワラビー」ほか、“Baby Blue Eyes”“Down in the Willow Garden”“Julie's Waltz”“Farther Along”“Mama Tried”“Could You Love Me One More Time”などに谷山真生が日本詞をつけた歌物などの全23曲。トラック12に、53歳という若さで逝ったあのテナーボイス……。
 ■オールドタイム/フォーク新入荷
  FHR-1066 THE SOUTH CAROLINA BROADCASTERS『Can You Hear Me Now』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ニューズレター#397で最新CD作『Short Time to Stay Here』を紹介したサウスカロライナ・ブロードキャスターズの2012年前作。ノースカロライナ州マウントエアリーに本拠を置く女性フィドルとバンジョーのふたりと男性ギターのストリングバンドトリオ。カーターファミリーからトム・T.ホール、フラット&スクラッグスやデルモア曲にハンク・ウィリアムスのゴスペル曲などで、音楽技術以前の生身の「声」や「楽器」をストレートに表出するソロとハーモニーにアパラチアの原初的な音楽のあり方を聴くようだ。詳細解説は本レター巻末。
 ■カントリー新入荷
  RCSI-1100 GARTH BROOKS『Blame It All On My Roots』CD6枚+DVD2枚組\8,925-(本体\8,500-)

 1990年代にブレーク、世界のアーティストでレコード売り上げ第15位、カントリー系ではもちろんナンバーワン(つづいてイーグルス、テイラー・スウィフト……、総合1位はビートルズ、つづいてエルビス・プレスリー、マイケル・ジャクソン……)の1億5千万枚を誇るガース・ブルックス(1962-)ま米ウォルマート限定ボックスセット。白人のカントリー、黒人のソウル、そしてロック、それら音楽が混ざり合ったメルティングポットと題したCD4枚各11曲のカバー集と、そんな音楽に影響されて生まれたガース自身の大ヒット曲集CD2枚全33曲のCD6枚全77曲。そして2枚のDVDにはそんな大ヒットビデオ33曲集と2009年に引退していたガースを引っ張り出したラスベガスのザ・ウィンでの2時間以上に及ぶライブ映像。ジョージ・ジョーンズやバック・オウエンズ、レイ・チャールズやオーティス・レディング、イーグルスやスティービー・ワンダー、サイモン&ガーファンクルやジェイムズ・テイラーなどのカバーと、“Friends In Low Places”や解散したニューグラスリバイバルを集めてカバーした“Callin' Baton Rouge”などの自身のメガヒット曲が堪能できる素晴らしいエンタメセットである!!
 ■発掘/編集モノ新入荷
  NA7-3015 HYLO BROWN『Bluegrass Favorite on College』CD\1,260-(本体\1,200-)

Take This Hammer/Sourwood Mountain/Little Blossom/Roane County Prisoner/Lulu Wall/Knoxville Girl/The Girl In the Blue Velvet Band/Barbara Allen/Bring a Little Water Sylvie/Don't That Road Look Rough and Rocky/Handsome Molly/Where Shall I Be. 全12曲

 52年前の1962年、この年の秋にフラット&スクラッグスがテーマを演奏した大ヒットTV番組『じゃじゃ馬億万長者』が放映開始したり、12月にはカーネギーホール出演を果たした年、フラット&スクラッグス・ショウのレギュラーゲストだったハイロ・ブラウンが、チャビー・ワイズ(f)、カーティス・マクピーク/ジョー・ドラムライト(bj)、ジョッシュ・グレイブス/ショット・ジャクソン(d)、ジュニア・ハスキー(bs)らと録音、1962年11月発表したLP『Bluegrass Goes to College』(“Cocaine blues”が“Girl in the Blue Velvet Band”入れ替わっている)のCD再発売。
 ■映像新入荷
  OC-2013 V.A.『Great Southern Old Time Fiddler's Convention 1925-1929』白黒53分DVD-R\2,573-(本体\2,450-)

 1925年12月7日付のテネシー州チャタヌーガの新聞が伝えるメーン州のフィドラー、メイリー・デネムがデトロイトのフォード自動車に招かれるという記事からはじまり、日を追ってチャタヌーガでフィドルコンテストが開かれるまでを新聞記事の読み語りと貴重な写真で追うドキュメンタリー。フィドルファンだった自動車王ヘンリー・フォードによってもたらされた北部ニューイングランド地方のフィドラーと南部アパラチアのフィドラー達との出会いや、クレイトン・マクミッチェンやギド・ターナーらジョージア・フィドラーの登場などが、当時の写真や録音とともに生き生きと語られる素晴らしい作品……だが、全編、英語の語りのみである。
 ■そのほかの新入荷……
  BOOK-52 鈴木カツ『アクースティック・スウィング340』B6版Book208頁\2,100-(本体\2,000-)

 かつてジューンアップルからブルーグラスリバイバルの編集にも携わっていた音楽評論家、鈴木カツによる「アコースティック・スウィング」アルバムのガイドブック。ジム・クエスキン・ジャグバンドからはじまってフランク・シナトラまで、100アーティストの代表アルバム340枚が紹介されている。ジャンル名というのは、基本的にはレコード購買者(ファン)によって支持されるか否かという問題で、アメリカには「アコースティック・スウィング」というジャンルは存在せず、おそらくこれは、ジャズとブルーグラス(ブルースとカントリーでないのがミソだよ!?)という2大アメリカンルーツ音楽の激突で生まれた1976年のデビッド・グリスマンの「ドーグ」に衝撃を受けた日本人が生み出した、なかなかのネーミングではないだろうか? そこから、70年代以降の若いファンやミュージシャンたちがラグタイム、ジャグバンド、ブルース、そしてビッグバンドやウエスタン・スウィングやバップまで、モダンジャズ(これも日本語)を主導したジャズ評論家の影響を受けず、独自にジャズの深淵に触れたことへの大きな功績があるのではないだろうか。そんな視点から楽しめる作品が網羅されているレコードファンへの入門ガイドである。
 最近作/話題作ダイジェスト
 (すでに新入荷で紹介済の作品たちです)
 ■月刊ムーンシャイナー特集/関連作品
 (最近号で特集された話題作です)
   B000007002 FLATT & SCRUGGS『Complete Mercury Recordings』CD\2,573-(本体\2,450-)

We'll Meet Again Sweetheart/God Loves His Children/My Cabin In Caroline/I'm Going To Make Heaven My Home/Baby Blue Eyes/Down The Road/Bouquet In Heaven/Why Don't You Tell Me So/I'll Never Shed Another Tear/Foggy Mountain Breakdown/No Mother Or Dad/Is It Too Late Now?/My Little Girl In Tennessee/I'll Be Going To Heaven Sometime/I'll Never Love Another/So Happy I'll Be/Doin' My Time/Pike County Breakdown/Preachin' Prayin' Singin'/Cora Is Gone/Pain In My Heart/Roll In My Sweet Baby's Arms/Back To The Cross/Salty Dog Blues/Will The Roses Bloom (Where She Lies Sleeping)/Take Me In A Lifeboat/Farewell Blues/I'll Just Pretend.

 ムーンシャイナー1月号は、昨秋亡くなったジム・シューメイトのフィドルに焦点を当てた「フォギーマウンテンフィドル」特集の前編。上記全28曲、1948年のフラット&スクラッグス結成から1950年まで、彼らがマーキュリー社に残した上記28曲のすべてがブルーグラス・スタンダードである。もちろんこの28曲の前後2年ほど、つまり1946年から1952年11月までの間、7年間にモンロー(1951年1月20日録音まで)とフラット&スクラッグス(1952年11月9日録音まで)ビル・モンローとフラット&スクラッグスが録音した全106曲が、極論すれば、ブルーグラスのすべてなのだ。この1曲目、誰もが知っている“We'll Meet Again Sweetheart”についての特集である。ブルーグラスファン必携の28曲である。
  ACU-RS3 RON STEWART『The Fiddlers of Flatt & Scruggs』DVD\5,198-(本体\4,950-、67分、楽譜付)

The Girl I Love Don't Pay Me No Mind/We'll Meet Again Sweetheart/My Cabin in Carolina/No Mother or Dad/Why Don't You Tell Me So/Earl's Breakdown/Thinking About You/Honey You Don't Know My Mind/Foggy Mountain Special/Let Those rown Eyes Smile at Me/Shuckin' the Corn.

 ジミー・シューメイト"We'll Meet Again Sweet Heart"の完全コピーをはじめ、ムーンシャイナー1月号特集「フォギーマウンテンフィドル」の系譜やもうひとりの特集ポール・ウォーレンなど、お馴染の録音でいかにフィドルが弾かれていたか、現在に至るブルーグラス・フィドル奏法の一翼を担った歴代フラット&スクラッグスのフィドラーたちのすばらしいイントロや間奏の数々をロン・スチュワートが、手取り足取り教えてくれる中級者以上向け教則ビデオ。シビアなフィドラー、必見ビデオ!
BOOK-46 TONY RICE『Still Inside』Book315頁\3,990-(本体\3,800-)
 ブルーグラス・ギターの世界を変えてしまった偉大なトニー・ライス。彼のすべてが本人の口述と、家族や友人たちの証言によってつづられる究極の伝記本。トニー・ライスのシビアなファン必携の書。なおムーンシャイナー1月号では昨秋IBMA名誉の殿堂入りしたトニー・ライス(11月号で特集)が生活に困っているという衝撃的なニュースを伝えている。ブルーグラスという音楽、米国でさえみんなが支え合ってこそなのだということ……。
 ■ムーンシャイナー1月号レビュー紹介作品
  REB-1854 JUNIOR SISK & JOE MULLINS『Hall of Fame Bluegrass!』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ジュニア・シスクとジョー・マリンズという当代随一のブルーグラス・シンガーが第一世代の名曲の数々をカバーした話題作。
  ACD-80 DAVID GRISMAN BLUEGRASS EXPERIENCE『Muddy Roads』CD 2,573-(本体2,450-)

 ドーグ音楽の創始者グリスマンが自身のルーツである、クラレンス・アッシュリーとドック・ワトソンに捧げたアパラチアン・オールドタイムをきわめてストレートな伝統的なブルーグラスサウンド。
  SXCD-6034 COUNTRY GAZETTE『The Four Album Collection』CD2枚組\2,888-(本体\2,750-)

 カントリーガゼットのローランド・ホワイトが参加後の1973年から77年の初期アルバム3枚全39曲と、その時期に陽の目を見なかったスタジオ録音とライブ録音未発表曲(クラレンス・ホワイトを迎えたガゼットのライブ5曲を含む)15曲の全54曲。
  OR-1482 DARIN & BROOKE ALDRIDGE『Flying』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ビンス・ギルを髣髴させるテナー・ボイスのダリン・オルドリッジ、妻ブルックの圧倒的歌唱力でのポップなボーカル、そこに新加入したベッキー・ビューラー(f)のハーモニーは圧巻。
  COBB-2013 SHAD COBB & CHARLIE CUSHMAN『Out of These Mountains』CD\2,573-(本体\2,450-)

 天性のひらめきを勘で楽器に載せていくようなすごいミュージシャン、シャド・コッブとチャーリー・クッシュマンによるアパラチアの伝統音楽集。
  YTM-102 やぎたこ『I'll Be Home Someday』CD\2,000-(本体\1,904-)

 フォーク/ブルース系シンガーソングライター「やなぎ」と、フォーク/フィンガーピッキンギターに興味を持った「辻井貴子」のふたりが2009年に結成したアメリカントラッドフォークデュオ「やぎたこ」(ムーンシャイナー11月号特集参照)。
 ■特集:知っておきたい#6
   「ブルーグラス・スウィング」紹介作品
  HDS-701 NORMAN BLAKE/TUT TAYLOR/SAM BUSH/BUTCH ROBINS/VASSAR CLEMENTS/DAVE HOLLAND/JETHRO BURNS CD\2,573-(本体\2,450-)

Sweet Georgia Brown/Take the 'A' Train/Old Brown Case/Going Home/McKinley's Blues 他全8曲

 1974年、ハンク・ディーンとジョン・ハートフォー ドの肝いりでスタジオに集まったのは高名なジャズ・ベーシストのデイブ・ホーランドやジャズ・マンドリンのジェスロ・バーンズ、ノーマン・ブレイク とタット・テイラー……4人を若く向こう見ずなサム・ブッシュとブッチ・ロビンスがあおり、そして天才バッサー・クレメンツが見事暴れ回る。
  RCSI-1098 HOMER & JETHRO『Playing It Straight/It Ain't Necessarily Square』CD\2,888-(本体\2,750-)

 米国では圧倒的にコメディーデュオとして知られるホーマーとジェスロがRCAに残した2枚のジャズ・インストアルバムのCD化。ジェスロのマンドリニストとしての資質は、後にデビッド・グリスマンやサム・ブッシュによって再評価されたように、圧倒的な存在感で迫ってくる。
  ACD-26 KENNETH "JETHRO" BURNS『Bye Bye Blues』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ジェスロ・バーンズ『Swing Low, Sweet Mandolin』(ACD-15CD\2,573-)の続編に当たる作品。ドン・スターンバーグのリズム・ギターをバックに聴かせるジャズ・マンドリン・アルバム。
  SRCD-1001 VASSAR CLEMENTS『New Hillbilly Jazz』CD\3,150-(本体\3,000-)

 アメリカン・フィドルの歴史の中 でもっとも偉大な功績を遺したバッサー・クレメンツ89年のスウィング・アルバムが初CD化。
  K2B2-3569 BUELLGRASS『All Strung Out. Adventures in Buellgrass』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ジャズ・ベーシストのブエル・ネイドリンガーが率いるビュエルグラスの1982年から2005年までの未発表曲集。モンロー、セロニアス・モンク、ブラザーデュオ、オールドタイム、どこを切ってもスリリングなストリングバンド・グルーヴが楽しめる。
  OK-10031 MATT GLASER『Bluegrass Masters: Vassar Clements (Fiddle)』book\2,993-(本体\2,850-)

 そんな天才超人フィドラー、故バッサー・クレメンツの超絶テクの秘密にバークリー音楽院の弦楽部門主任、マット・グレイザーが迫る全17曲のコピー楽譜である。フィドル・バイブルの1冊です。
 ■ブルーグラス
  AC-1910702 ALAN JACKSON『The Bluegrass Album』CD\2,573-(本体\2,450-)

 昨秋ビルボード初登場でブルーグラス部門1位、カントリー部門では2位という……カントリー界の帝王が初めて挑んだブルーグラス作品。8曲のオリジナルも真摯なつくりで、自身のバンドのブルーグラス担当スコット・コニーのギターをフィーチャーほか、サミー・シーラー(bj)、アダム・ステッフィ(m)、ティム・クロウチ(f)、ロブ・アイクス(d)、ティム・ディッシュマン(bs)ら、どの曲もミュージシャンとシンガーとしての自分の距離を平等に取り、ボーカルにはドン・リグスビーとロニー・ボウマンらを配し、どーやらロンサムリバーバンド風ブルーリッジ系ブルーグラスを念頭に、しかしティム・クロウチの素晴らしいハイロンサムフィドルとサミーの抑えたスリーフィンガーが全体に落ちついた大人のトラッドグラスサウンドにしている。スタンダード曲はディラーズ“There Is A Time”とモンローソングの極めつけ“Blue Moon of Kentucky”(全編をワルツのままに、このアルバムに対する思いとメンバー紹介をする5分40秒)でキマリ!! ブルーグラスのミュージシャンやファンのツボを捉えた秀作に仕上げている。
  REB-1849 JOE MULLINS & the RADIO RAMBLERS『They Are Playing My Song』CD\2,573-(本体\2,450-)

 2012年IBMAアワードで最優秀新進バンド受賞! 決してやり過ぎないスクラッグス/オズボーンのビッグバンジョーを標榜するすばらしいバンジョーとテナーを聴かせ、スタンレーでも活躍した父の代からのベテラン、ジョー・マリンズが2006年に結成したレディオ・ランブラーズ4枚目最新作。トラッドグラス調自作曲を1曲目に、ジョニー・キャッシュ"Bottom of a Mountain"、スクラッグスのライブから学んだインスト"Steel Guitar Rag"...とつづく3曲のほか、ジム&ジェシーで知られるデルモア曲"She Left Me Standing..."、オズボーン・ブラザーズ・メドレー(Windy City/Making Plans/Fair & Tender Ladies/Kentucky)、そして最後はラルフ・スタンレーの名演で知られる父の書いたスタンダード"Katy Daly"のライブで決める。彼らにはほかに、2011年作『Hymns from the Hills』(REB-1839 \2,573-)と、2009年自費制作の『Rambler's Call』(REB-1833 \2,573-)が入手可能。チョーお勧めバンド!!
  COMP-4614 THE BANKESTERS『Love Has Wheels』CD 2,573-(本体2,450-)

 一昨年、自費制作盤の前作『Looking Forward』(\2,560-、在庫あり)がアリソン・ブラウンの目に留まってコンパスから全米デビューしたバンケスターズ、美人3姉妹に父母、そして長女の婿というファミリーバンド。この最新作では昨年、IBMAモメンタムアワードのボーカル部門受賞したエミリーがカバーする“Cups”(When I'm Gone)のウキウキ楽しいこと!!(オリジナルはカーターファミリー!シエラ・ハルも登場するプロモビデオは必見「bankesters, cups」で検索)。さわやかでモダンな女性ボーカルファンに、もうすぐ春ですよ!?...と強力お勧め!! 
  MCM-0017 DEL McCOURY BAND『Streets of Baltimore』CD\2,573-(本体\2,450-)

 まぎれもなく現在、最高のブルーグラスバンドであるデル・マッカーリー・バンド最新作。もちろんデル不滅のハイロンサム魂あってこそだが、何と言ってもジェイソンのフィドルのすばらしさが群を抜く。そして息子ロニーの老成!?しつつある落ち着きに見られる後継者としての覚悟と自信、もちろんロニーのバンジョーも父の魂を深く理解する。トム・ポール・グレイザーとハーラン・ハワードのカントリーをタイトル曲に選び、スタンダード“Misty”や“Only You”をブルーグラスしてしまう偉大なデルのセンスは、全編のユニークな選曲の中いかんなく発揮される。まさに1960年代、全盛期を迎えた頃のフラット&スクラッグスのスタンスとまったく同じ、第1世代からのブルーグラスの本質をもっとも現在に伝える、最高のバンドの今、21世紀ブルーグラス作品である。
  ROU-9122 STEELDRIVERS『Hammer Down』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ハイロンサムとトワンギーなリフをミックス、「ビル・モンローとロバート・ジョンソンの出会い」などのキャッチコピーで知られるスティールドライバーズ最新第3作。本作からソウルフルなサザンロック風ボーカルの30歳、ゲイリー・ニコルズ(g)とクラスタープラッカーズやディキシーチックスのブレント・トリット(m)が新加入、お仲間のリチャード・ベイリー(bj)ほか、マイク・フレミング(bs)、タミー・ロジャーズ(f)といったナッシュビルのベテランたちが、スワンプ風(泥臭い)ハイロンサムを聴かせる。ムーンシャイナー誌2008年2月号(\525-)にカバーストーリーあり。ちなみに「十字路で悪魔に魂を売り渡した」という伝説のデルタブルースシンガー、ロバート・ジョンソンはビル・モンローと同じ1911年生まれだって、……知ってた?
  ACD-80 DAVID GRISMAN BLUEGRASS EXPERIENCE『Muddy Roads』CD 2,573-(本体2,450-)

 今もバリバリのドーグを演じつつ、常に自身のルーツであるオールドタイムとブルーグラスの真実を伝えつづけるデビッド・グリスマン、本作品は「15歳のわたしの音楽魂に刻印された(中略)曲と歌への臣従の礼です」という、クラレンス・アッシュリーとドック・ワトソンらのフィールドレコーディングに捧げられた彼のソウルミュージック。グリスマンの地元ミュージシャンらとアパラチアン・オールドタイムをきわめてストレートな、「素」のままで聴かせる伝統的なブルーグラスサウンド。
  MFR-130212 CUMBERLAND GAP CONNECTION『Another Song』CD\2,573-(本体\2,450-)

 イースタン・ケンタッキーのパイク・カウンティ出身のマイク・ベントリー(g)のサラッとしたボーカルと几帳面なバンドサウンドがとても良いローカルバンド。同郷の故キース・ウィットリーがもっとも好きで、ラリー・スパークスやマーティ・レイボン、ジョージ・ジョーンズなどの名を上げる。西部への進出を阻んでいた険しいアパラチア山脈に1775年、開拓者ダニエル・ブーンが切り開いたとされるカンバーランドギャップ。現在でも米国最貧地区であり、かつての密造酒と同様、大麻や麻薬の温床であり、すばらしい音楽ブルーグラスの故郷でもあるテネシー/バージニア/ケンタッキーの州境地帯。そんな厳しい閉鎖社会だからこそ、この音楽はとても力を持ったのだと思う……。でも、そこに住むフツーの人たちは、もうそれは、メチャクチャ素朴でいい人たちだ。
  SKFR-5004 RICKY SKAGGS & BRUCE HORNSBY『Live: Cluck Ol' Hen』CD\2,573-(本体2,450-)

 6年前にコラボしたふたりのメジャーアーティストによる強烈ライブ! リッキーはブルーグラスから1981年、カントリースーパースターとなり、そしてまたブルーグラスに戻り、現在トップエンターテイナーとして、またビル・モンローのブルーグラスを継承する第一人者として活躍。一方ブルースは、1984年に自身のザ・レインジでルーグラスフェスの情景をロマンチックに描いた“Mandolin Rain”などでポップヒットを飛ばして以来、ロック、ジャズ、ブルーグラスを行き来する即興演奏家としてボブ・ディラン、ロビー・ロバートソン、クロスビー、スティルス&ナッシュ、ベラ・フレック、ボニー・レイットなど協演、地位を確立している。トップブルーグラスバンドのライブ、その揺るぎない圧倒的なアンサンブル(ドライブとフレージングが絡み合う様は究極の至福!)の中でトラッドブルーグラスとインプロバイズミュージックが見事に響き合う、チョー刺激的なライブ!
  MH-1462 BOXCARS『It's Just A Road』CD\2,573-(本体\2,450-)

 新人ながらIBMA最優秀インストグループ賞を軽々と獲得するそのドッキマリが最初の曲、ジェリー・リードの気色いい"You Took All the Ramblin' Out of Me"で、バンジョーイントロから「バチーン」と耳に飛び込んでくる出来すぎのアンサンブルと各楽器の呼吸、そしてジョン・ボウマン(f)の実にあっさりとしたブルーグラスボーカルがホッとさせてくれる。これは、やっぱ、21世紀の今、ブルーグラス・メインストリームを代表するサウンド/アンサンブルに違いない。ほかに"Coal Miner's Blues"などカーターファミリーが2曲、ビル・モンローの"Never Again"はバリバリのソリッドグラスに、1920年代のジャズブルース"Trouble in Mind"はアダム・ステフィ(m)のバリトンボイスで、キース・ギャレット(g)が3曲、ロン・スチュワート(bj)が2曲(内1曲はバンジョーインスト)のオリジナル、ハロルド・ニクソン(bs)もしっかりお仕事をして選曲バランスも良い。飛びっきりのサイドマンを集めたことで、あっという間にトップバンドとなったザ・ボックスカーズ。安心して聴いていられる1970年代のニューサウス直系、現在メインストリームBGアンサンブルの最高峰だろう。
  BMR-0001 BLUE MOON RISING『Blue Side of the Moon』CD\2,573-(本体\2,450-)

 セルダムシーンのデビュー作からポール・クラフト“Raised By the Railroad Line”をカバー、楽器編成もシーンと同じバンジョー、ドブロ、マンドリン、ギター、ベースで、ボーナストラックに2曲のカントリーを入れるなど、ジョン・スターリング信奉者と思わしきクリス・ウエスト(g)率いるブルームーン・ライジング最新第6作目。このクリスと現在大人気のボックスカーズで活躍するキース・ギャレットが2001年、イーストテネシーを本拠にデビュー作を発表したバンド。ランディ・コーアズやロン・スチュワートをゲストに2005年の第3作『On the Rise』(在庫あり、LDR-007 \2,573-)での“Old Martin Box”がヒットして一躍有名になり、さらに2008年の第4作ではさらにティム・クロウチやコディ・キルビーやマイク・バブらを迎え、現在も高い評価を受ける『One Lonely Shadow』(在庫あり、LDR-012 \2,573-)で知られるようになった。キースが抜けたのちもバンド創設者で響きのいいバリトンボイスの持ち主クリス・ウエストのオリジナルを中心にモダンなブルーグラスを聴かせている。
  RUR-1095 VARIOUS ARTISTS『God Didn't Choose Sides: Civil War True Stories about Real People』CD\2,573-(\2,450-)

I'm Almost Home (Steve Gulley)/A Picture of Three Children (Russell Moore)/The Legend of Jennie Wade (Lonesome River Band )/Christmas In Savannah (Dale Ann Bradley)/Providence Spring (Tim Stafford)/Old John Burns (Rickey Wasson)/The Lady In Gray (Ronnie Bowman)/Last Day At Vicksburg (Bradley Walker)/Rebel Hart (Brad Gulley)/Carrie's Graveyard Book (Carrie Hassler)/The River Man (Dave Adkins)/God Didn't Choose Sides (Marty Raybon)/There Is A Fountain (Dale Ann Bradley, Steve Gulley, Don Gulley, Vic Graves) 全13曲

 現在ブルーグラス主流の第一線ミュージシャンとボーカリストたちによる書き下ろし企画集『神は敵味方を別けない、南北戦争における庶民の真実』。バックアップの基本バンドにはボックスカーズのロン・スチュワート(bj,f)とアダム・ステッフィ(m)、ブルーハイウェイのティム・スタッフォード(g)、ドイル・ローソンのクイックシルバーではバンジョーを担当するマルチプレイヤーのジャスティン・モーゼズ(d)、リッキー・スキャッグスのケンタッキーサンダーからマーク・フェイン(bs)、そしてグラスタウンのアラン・バイビー(m)ら。そしてボーカルにはラッセル・ムーア、デイル・アン・ブラッドリー、スティーブ・ガリー、ロニー・ボウマン、マーティ・レイボン、リッキー・ワッソンほか。第一次と第二次、二度の世界戦争の米軍犠牲者の合計50万を上回る60万人を失ったという南北戦争(1861-1865)がいかに米国にとって大きな出来事か、そしてその戦いの多くがメイソン・ディクソン線より南、すなわちブルーグラスの故郷で行われたかを知れば、南北戦争とブルーグラスやアパラチアが結びつく。
 発売元のルーラルリズム・レコードはサイトを設け、一曲ごとの解説のほか、13曲中8曲にはそれぞれのビデオを制作、曲の背景をソングライターが語っている。ビル・モンローが後進に説きつづけたブルーグラスソングの真髄「トゥルーソング」の捉え方のひとつであろう。http://www.goddidntchoosesides.com/
  REB-1847 CHRIS JONES & THE NIGHT DRIVERS『Lonely Comes Easy』CD 2,573-(本体2,450-)

 ブルーグラスを大学カリキュラムに取り入れた最初のサウスプレイン大学でロン・ブロック、マイク・バブ、故ブッチ・バルダサリらと共にウェアリーハーツで、ボストン時代には有田純弘らボストンアコースティックバンドで活躍、そののちナッシュビルに移り自身のナイトドライバーでギター&ボーカルを務めるクリス・ジョーンズ。ソングライターであり、人気の衛星放送ブルーグラス番組DJとしても多才振りを発揮している最新作。1999年に日本でブルーグラスを知ったというウィル・マリングと在日フィドラーのクリス・ホスキンズとともに来日ツアーをしたマーク・ストフェルのデリケートなマンドリンのほか、ネッド・ルベレッキ(bj)、ジョン・ワイズバーガー(bs)といった、現在の米国ブルーグラスをオピニオンリーダーたち(ネッドはクリスとともに人気DJで、ジョンは評論家にしてソングライター)を中心にしたバンド。
  RUR-1108 AMERICAN DRIVE CD\2,573-(本体\2,450-)

 J.D.クロウが2012年一杯でツアーサーキットからの引退を発表、残されたニューサウスに若手バンジョーのジャスティン・ジェンキンズを加えた新バンド、アメリカン・ドライブのデビュー作。14年間、J.D.の右腕としてニューサウスを支えたリッキー・ワッソン(g)の深いバリトン・ボイスとシュアなリードギターは、トニー・ライスを思わせる落ち着きを聴かせる。チャーリー・ウォーラー&カントリージェントルメンに参加後1996年からニューサウスに参加したドワイト・マッコール(m)のスカッとしたテナーボイスに、マット・デスペイン(d)とカイル・パーキンス(bs)がニューサウス・サウンドを継承。ピート・ゴーブルやビル・キャッスルらの新曲のほか、1959年にモンローにとっては珍しいチャートヒットなったポール・クレイトン作の"Gotta Travel On"やドン・ウィリアムズの1977年ヒット"Some Broken Hearts Never Mend"のカバーなど、トニー・ライス/リッキー・スキャッグス在籍時以来のハッピーミディアムなサウンドが快調だ。
  ROU-9168 STEEP CANYON RANGERS『Tell the Ones I Love』CD\2,573-(\2,450-)

 2013年、前作『Nobody Knows You』(ROU-0648 \2,573-)がグラミーを受賞、また今年のIBMAアワードショウのホストを務め、またスティーブ・マーティンとエディ・ブリッケル――アルバム『Love Has Come For You』(ROU-9150 \2,573-)は2013年米ブルーグラス界最大のヒット作のひとつ――とともにIBMAワイドオープンブルーグラスのトリを務めた、現在もっとも知られるブルーグラスバンドとなったスティープ・キャニオン・レインジャーズ最新作。ウッドストックにある故リボン・ヘルムのスタジオでボブ・ディランをサポートしてきたラリー・キャンベルが制作、これまでマーケットよりも北部インテリ系ブルーグラス市場を志向する素晴らしいオリジナル作品集。昨秋発表と同時にビルボード・ブルーグラスチャート第1位となっている。今もっとも注目される若手ブルーグラスバンドの秀作である。
 ■インスト系
 (ボーカル物でもインスト奏者としての評価の高いアーティストはコチラにもカテゴライズします)
  COBB-2013 SHAD COBB & CHARLIE CUSHMAN『Out of These Mountains』CD\2,573-(本体\2,450-)

 数多いナッシュビルのフィドラーでも、天性のひらめきを一貫して(言うなれば、その瞬間に聴こえるままを)「勘で楽器に載せていく」(ような)すごいフィドラーは数少ない。そんなひとり、ジョン・カウワン・バンドのメンバーとして2006年に来日したシャド・コッブのフィドルとクロウハンマーバンジョーからボーカルまで。そしてスクラッグスとレノを同時に表現してしまうと言われるチャーリー・クッシュマンのスリーフィンガーバンジョーとギター、そしてベース。ふたりだけで、雑誌「シンプルライフ」の女性編集長のジル・ピーターソンのプロデュースで、曰く「1916年にソングキャッチャーのセシル・シャープが集めはじた曲を含む、18世紀にもたらされ19世紀後半に花開いたアパラチアの曲」を集めた伝統音楽集。
  RUR-1075 V.A.『Blue Moon of Kentucky: Instrumental Tribute to Bill Monroe』CD\2,573-(本体\2,450-)

 昨秋来日したマイク・スコットの人気インストシリーズの「ビル・モンロー曲集」全18曲。ルーラル・リズム社が2011年、ビル・モンロー生誕100年企画としてリセット発表したビル・モンロー名曲やレパートリーのインスト版。ここでのモンロー基本セットはマイク・スコット(bj)、マイク・コンプトン(m)、ブライアン・サットン(g)、オーブリー・ヘイニー(f)、ベン・アイザックス(bs)。ブルーグラスがフォークやカントリーと一線を画す最大の理由、息詰まるアコースティック・アンサンブルの面白さ/楽しさを詰め込んだ嬉しい企画作品。各人それぞれの楽器の「歌い方」がリスナーには聴き応えあり、プレイヤーには参考になる、とても楽しいお勧め作品。
  MNJS-0002 MAREKA & JUNJI『The Rambler』CD\2,500-(本体\2,381-)

 元ナターシャセブンの城田純二と内藤希花のアイリッシュコンビの最新第三作。「お馴染みのアイリッシュ・ミュージックからオールド・タイム、フォーク・ソング、民謡などを、たくさんの楽器と歌で奏でました」とコピーに曰く。城田のギターとバンジョーに内藤のフィドル、コンサルティーナ、アイリッシュハープなどを駆使して幅広いレパートリーを聴かせる。1曲目のフィドル・トーン、オープンバックバンジョーのトーンとコンサルティーナが良く合う2曲目、3曲目には故・坂庭省吾が良く歌っていたというトム・パクストン“Last Thing on My Mind”の日本語版、そしてスタンレーの“Clinch Mountain Backestep”をクロウハンマーで演じる4曲目……など、フィドルチューンを軸に山形の民謡なども含め、全編に美しいトーンを基調にアイリッシュ特有の清涼感に包まれた秀作である。ちなみに、「MAREKA & JUNJI+三津谷組」のライブリポートがムーンシャイナー2013年10月号(\525-)にある。
 ■オールドタイム/フォーク
  SMM-1008 ALICE GERRARD『Bittersweet』CD\2,573-(本体\2,450-)

 1960年代初頭、ビル・モンローの強力な後押しでヘイゼル&アリスとして、初の女性ハイロンサム・サウンドを提示。1970年代以降、本作のプロデューサーでもあるローリー・ルイスをはじめアリソン・クラウスまで、女性ブルーグラス隆盛の基礎を創ったコンビのひとり、アリス・ジェラードの最新作。ブライアン・サットン(g)、ステュアート・ダンカン(f)、トッド・フィリップス(bs)、ロブ・アイクス(d)、トム・ロザム(m)をバックに、アパラチアンバラッドからブルース、軽いスウィング、そしてホンキートンクなど、「正味」の女性ボーカルを聴かせてくれるアリスのソロとしては第3作目。ジャンルに無関係なアパラチアのムード一杯の、アリスが人生の中で印象に残った言葉や光景を曲にしたという10曲の新曲と3曲の再録、アリスの素敵なソロアルバムだ。
  HCL-002 HEIDI CLARE & RON THOMASON『Bygone Days』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ブルーグラス学科のある州立大学として知られる東テネシー州立大学(ETSU)出身のオールドタイム・ストリングバンドで、二コール・キッドマン主演のアカデミー受賞映画『コールドマウンテン』のサントラ盤に抜擢されたリールタイム・トラベラーズの女性フィドル奏者ハイジ・クレアのソロ最新第2作。強力なはじけそうなフィドルとメチャクチャ愛らしいのに不思議な魔力を感じさせるようなボーカルは健在。相方に、スタンレーブラザーズの熱狂的フォロワーでフランク・ウェイクフィールドの系譜を継ぐ哲学的なヒルビリー論者!?ロン・トーマソンのマンドリン、ギター、クロウハンマーなどと味わい深いボーカルを添え、ドリー・パートン“To Daddy”やコックスファミリーとアリソン・クラウスの“Everybody's Reaching Out...”、アール・トーマス・コンリーとエミルー・ハリスの“Happy Endings”などのポップな曲から、ブラザーデュオ名曲“Sweetest Gift”など。アパラチアン・オールドタイムの真髄であるフィドルチューンを極めつつ、尋常ではない内に秘めたインパクトを感じさせるふたり、音楽の持つ「生々しい」の本物の「ちから」をストレートに聴かせる大秀作である。
  SH-4097 DOC WATSON『The Definitive』CD2枚組\3,675-(本体\3,500-)

 2012年5月29日に89歳で世を去ったドック・ワトソン、『The Definitive(決定版)!』と名付けられたドック・ワトソンの初期バンガード時代と後期シュガーヒル時代からのベスト集。1962年から1995年までにソロアルバムとして発表された(1972年から1983年のUA盤とフライングフィッシュ盤以外)15枚のアルバムから選んだ全34曲105分の秀作。カーターファミリーの“The Cyclone of Rye Cove”を1曲目に、“St. Louis Blues”や“Sittin' On Top of the World”などのブルース、“House Carpenter”や“Little Sadie”などのアパラチアンバラッドの数々、デルモア兄弟の“Blue Railroad Train”やオズボーン兄弟の性悪女デラ・メイを歌ったブルーグラス名曲“Big Spike Hammer”などのカバー、もちろん“Black Mountain Rag”や“Whistlin' Rufus/Ragtime Annie”、そして最後34曲目の“Whiskey Before Breakfast”で聴かれるフラットピッキンギターインストまで、ラス前にオリジナル名曲“Your Lone Journey”も収められたドックの2枚組決定盤。
 ■カントリー
  ROU-9179 MANDY BATNETT『I Can't Stop Loving You:The Song of Don Gibson』CD\2,888-(本体\2,750-)

(Yes) I'm Hurting/Too Soon to Know/Look Who's Blue/Sweet Dreams/Just One Time/Blue Blue Day/Oh Lonesome Me/Oh Such a Stranger/Far Far Away/I Can't Stop Loving You/Lonesome Number One/Legend in My Time. 全12曲

 10月に京都の円山音楽堂で開催されたカントリードリームで来日していたマンディ・バーネットの最新作は米国外食チェーン「クラッカーバレル」のみで入手可能なアルバム。「愛さずにはいられない」や“Sweet Dreams”など、多くのヒットを持つドン・ギブソン(1928-2003)へのトリビュート作品。パッツィ・クラインを思わせるポップな熱唱と、現在ナッシュビルが創る21世紀のナッシュビルサウンドが見事に絡む素晴らしい出来栄え。
  HOTR-6996 CURTIS POTTER『Songs of the Cherokee Cowboy』CD\2,573-(本体\2,450-)

The Songs of the Cherokee Cowboy (A Tribute to Ray Price, Duet with Willie Nelson)/Danny Boy/If She Could See Me Now/I Love You So Much It Hurts Me/Sittin' and Thinkin'/I Won't Mention It Again(Duet with Ken Garrett)/Walk Me to the Door/I'm Still Not Over You/It Should Be Easier Now/Soft Rain/Healing Hands of Time/Night Life. 全12曲

 1959年にハンク・トンプソンのブラゾス・バレー・ボーイズに参加、13年間ハンクとともに、日本をはじめ世界中を旅したという大ベテランのテキサス出身ホンキートンクシンガー、カーティス・ポッターの最新作はレイ・プライスとチェロキーカウボーイズ曲集。友人であるウィリー・ネルソンもゲスト出演、バディ・エモンズ、バディ・スパイカー、ジョニー・ギンブル、ピート・ウェイド、ピッグ・ロビンスら「Aチーム」の名前も見えるバックアップ……!! どんな音か、見えてきますよね? 詳細解説は本レター巻末。
  SED-71731 TWO TONS OF STEEL『Unreveled』CD\2,573-(本体\2,450-)

 サン・アントニオを本拠にして活躍する活きの良いウッドベースのスラッピングが1950年代のノスタルジーを感じさせるテキサス・カントリー、ツー・トンズ・オブ・スティール、オースチンの辣腕プロデューサー、ロイド・メインズを迎えての最新作。ジョニー・キャッシュで知られる"Busted"、テキサスの伝説的ミュージシャン、オーギー・メイヤーズのカバー他、軽快なオリジナルもご機嫌。
 ■発掘/編集、名盤/名演など……
  GT7-0958 COUNTRY GENTLEMEN『High Lonesome; Complete Starday Recordings』CD2枚組\3,255-(本体\3,100-)

カントリー・ジェントルメンの初期からダッフィ/ウォーラー/アドコック/グレイのクラシック・カントリー・ジェントルメンまで、彼らが絶頂期に向かう爆発的エネルギーが収められた1960年代のスターデイ録音の全曲が収められた2001年の2枚組秀作(全51曲)が廉価版で再登場。"Two Little Boys"や"Sunrise"はもちろん、フォスター名曲を多く収録して日本だけで発売された幻のLP『Folk Hits Bluegrass Style』も収録、これで彼ら、謎のスターデイ録音全貌が明かされた。ムーンシャイナー誌2001年6月号(MS-1808 \525-)「カントリー・ジェントルメン〜明かされたスタディ録音の謎」参照。
  TV-0594 MAC WISEMAN『24 Greatest Hits』CD\2,363-(本体\2,250-)

Jimmy Brown, the Newsboy/Prisoner's Song/I Still Write Your Name in the Sand/Love Letters in the Sand/I Saw Your Face in the Moon 他全24曲

 すばらしいミュージシャンシップを味わえる米寿を祝うマック・ワイズマンの秀作。とくにバディ・スパイカーの心を震わせるフィドル、そしてボビー・トンプソンの抑えたバンジョー、マーティ・ステュアートのローランド&クラレンス・ホワイト兄弟信奉。もちろんマックの一言/一節をかみ締める「The Voice with a Heart」、そして安定した突っ込みかげんの一流セッションベーシスト……それらが、安易なベストヒット物録音の中でときおり見事な化学変化を生み出す作品だ。30年以上を経てなお色あせないミュージシャンオタク向け大名作……だと、わたしは思っている。1948年フラット&スクラッグスの初録音で“We'll Meet Again Sweetheart”のテナーを担ったマック、アールより1歳年下の今年89歳、カーリー・セクラー(94)とともに最後のフォギーマウンテンボーイでもある。
  MCM-0016 DEL McCOURY BAND『Old Memories: the Songs of Bill Monroe』CD\2,573-(本体\2,450-)

Watermelon on the Vine/Live and Let Live/Lonesome Truck Driver's Blues/Brakeman's Blues/Close Be/In Despair/Girl in the Blue Velvet Band/John Henry/I'm Lonesome and Blue/Used To Be/Alabama Waltz/Lonesome Road Blues/Heavy Trafic Ahead/Train 45/My Rose of Old Kentucky/Ya'll Come. 全16曲

 ビル・モンロー生誕100年を記念して2011年に発表されたブルーグラス国宝デル・マッカーリーによる極めつけモンローソング16選集。そして文句なしのハイテンション・フィドルのジェイソン・カーターに、ロニー(m)とロブ(bj)のマッカーリー兄弟とアラン・バートラム(bs)。ビル・モンローの典型的なオープニングナンバー、"Watermelon in the Vine"とエンディングテーマ"Ya'll Come"にはさまれた珠玉の14曲、世界一のトラッドグラス・バンド、その入魂のモンロー曲集である。
  GT7-2130 LONESOME PINE FIDDLERS『Starday Collection』CD\1,365-(本体\1,300-)

Coal Dust Blues/Bringin' in the Georgia Mail/Lost Girl/Too Hot To Handle/Precious Jewels/Hobo Blues/Hello Mr. Banjo/Ya'll Come 他全14曲

 2009年IBMA名誉の殿堂入りをしたロンサム・パイン・フィドラーズ(LPF)1960年代前半の録音を「スターデイ・コレクション」として集められた全14曲集。カーリー・レイ・クラインの良く歌うフィドルが素敵だぞ!! エズラ(bs)とカーリー・レイ(f)のクライン兄弟と、メルビン(g)とレイ(bj)のゴーインズ兄弟による後期LPF、メルビンのスムースなボーカルに時代を反映したモダンな曲調がLPFらしさを感じさせる。アーリーブルーグラス名演とされる初期録音とは違った、60年代ブルーグラスの雰囲気が秀逸である。それにしても、LPFの生き残り3人(ボビー・オズボーン、ポール・ウィリアムズ、メルビン・ゴーインズ)が揃った2009年のIBMAアワード・ショウの殿堂入りセレモニーは感動的だった(ムーンシャイナー誌2009年11月号)。ムーンシャイナー誌2008年6月号に追悼ラリー・リチャードソン&レイ・ゴーインズとしてロンサム・パイン・フィドラーズの歴史や最近のアルバムについての特集がある。
 ■映像もの
  SOTM-2008 V.A.『Songs of the Mountains 1』DVD-R\2,888-(本体\2,750-)(カラー58分)

Cherokee Shuffle (ETSU Bluegrass Pride Band)/Old Broker Tree (Fescue)/These are They (McPeak Brothers)/John Hardy (Trey Hensley & Drivin' Force)/Little Birdie (Lonesome River Band)/Black Mountain Rag (Mac Puckett & the Good Company Band)/Can't Hold On To Much (Appalachian Trail)/Whatever Happened to Mayberry? (VW Boys)/Devil's Dream (The Larkins)/The Foggy Dew (Fire in the Kitchen)/A Beautiful Home (The Boohers)/I Still Think of You Sometimes (The Fritts Family)/June Apple (Cripple Creek Renegades)/Cash's Last Ride (Cana Ramblers)/Your Love Is Like a Flower (Everett Lilly & the Lilly Mountaineers)/Spreeing Rambler (Lonesome Will Mullins & the Virginia Playboys)/Headin' South (Gerald Anderson & Spencer Strickla). 全18曲

 2005年からはじまった米国公共放送ネットPBSのローカル番組『Songs of the Mountains』の第1シーズンから、プロデューサーのティム・ホワイトが選んだ18グループの18曲集。今夏来日が予定されているETSU(東テネシー州立大学ブルーグラスバンド)を皮切りに、ロンサム・リバーバンドやマクピーク・ブラザーズらもいるが、おもに南部アパラチア、ブルーリッジ地方で主に活躍する、いわゆる本場モンのローカルバンドがズラーッと楽しめる。米ブルーグラス界を支えるベースには、伝来のゴスペルバンド、ラルフ・スタンレーになりきる若者、将来のスターを夢見る若い女性たち、物凄いガキたち、そして現在はメジャーなバンドに在籍するあの顔、この顔など……、ブルーリッジ地方のフツーの音楽と、それを楽しみミュージシャンたちを勇気づける観衆たちの日常が体験できる1時間。
  INR-13061 JACKSON BROWNE『Live Concert: I'll Do Anything』DVD\2,880-(本体\2,750-)

 ウエストコーストのアイコンのひとり、ジャクソン・ブラウンの最新ライブコンサート映像は、バル・マッカラム(eg)、フリッツ・リワック(drums)に、ショーン(g)とサラ(f)のワトキンス兄妹とタイラー・チェスター(bs,keybords)と、“These Days”や“Take It Easy”ほか代表曲も収められた素晴らしいライブ。ケンタッキーカーネルズらの本拠地、LAのアッシュグローブなどに出入りしていたジャクソン・ブラウン(1948-)は高校卒業直前にニッティグリティダートバンドを結成しており、元ブルーグラス小僧のデビッド・リンドレイとのコラボでも知られ、現在は元ニッケル・クリークのショーンとサラのワトキンス兄妹を翼の中に抱えるなど、ブルーグラス/ルーツ系の根は深そうだ。今年の夏は6月から、サラ・ワトキンスをオープニングアクトに全米ツアー、テルライド・ブルーグラスフェスではサム・ブッシュやジェリー・ダグラスらをゲストに“Take It Easy”でジャムしている……。
  LILLY-2003 LILLY BROTHERS『True Facts... in Country Music』DVD-R\2,888-(本体\2,750-)

 モンロー・ブラザーズに強い影響を受けたエバレットとビーのリリー兄弟、1952年には絶頂期のフラット&スクラッグスに参加、のちに北部ボストンで17年間、リリーブラザーズとして活躍したエバレット・リリーを主人公に、米国芸術院の資金協力で1978年に製作された『カントリー音楽の真実』と題された29分のドキュメント映画。米国北部の学研都市ボストンにブルーグラスを紹介したものの、人生を変えた1970年の息子の死をきっかけに地元ウエストバージニアに戻り、スクールバスの運転手を勤めるエバレット。その亡くなった息子ジョッシュが歌う"Sittin' on Top of the World"のTV映像ではドン・ストーバー、テックス・ローガン、そしてもう一人の息子エバレット・アラン・リリーらの貴重な映像から、その息子のお墓のBGMに流れる感動的な"We Shall Meet Someday"、そしてその地元メソディスト教会風景で歌われる"God Gave Noah The Rainbow Sign"のすばらしいこと。教会での演奏や、おそらくエバレットの家と思われるトレーラーハウス前での演奏会など、日常に音楽を楽しむアパラチアの人たちの生活も垣間見る。エバレットが生涯最高の思い出という日本ツアー、米国ではまったく無名の彼らが「ロックスターのようだった」というすばらしい思い出を語るエバレット。彼らが17年間に渡って北部の都会ボストンで人気を博した理由、その(カウボーイハットのエンタメ音楽ではない本来の意味での)カントリー音楽が生活と同様に「ホンモノ」であることが、よく理解できる秀作ドキュメント映画である。
  AHM-11 V.A『Old-Time Music on the Augusta Stage』DVD\2,888-(本体\2,750-、90分)

 ウェスト・バージニア州エルキンスで開催される全米最大規模のオールドタイム・ワークショップに於けるパフォーマンスのハイライトを集めた映像作品。アート・スタンパー、ベントン・フリッペン、ジミー・トリプレット、ジェームス・ブライアン、ジョー・ニューベリー、ウェイン・ヘンダーソン、ライリー・ボガスほか。すでに故人となった人たちも含め、現在オールドタイム界に大きな影響を持つ人たちのすばらしいパフォーマンス集。
  SRDVD-2001 MULESKINER DVD\3,098-(本体\2,950-)

New Camptown Races/Dark Hollow/Land of the Navajo/Blackberry Blossom/Knockin On Your Door/Opus 57 In G Minor/Red Rocking Chair/The Dead March/Orange Blossom Special. 全9曲

 ビル・モンローがTV収録に間に合わず、急きょ集められた当時のロックスターたち、ピーター・ローワン、クラレンス・ホワイト(g)、デビッド・グリスマン(m)、ビル・キース(bj)、リチャード・グリーン(f)といった奇跡のメンバーによるジャムバンドとして30分のテレビ番組に出演、奇跡的にそのVTRが残っていたDVD映像。この後、ワーナー・ブラザーズに歴史的な名盤『Muleskinner; A Potpourri of Bluegrass Jam』(OXCD-6009 \2,888-)を残すことになる彼ら、このテレビ出演ではトラッドを中心に、ブルーグラスを思いっ切り楽しんで演じている。21世紀はじまりの今と同様1970年代、ジョン・ハートフォードとともにブルーグラスがドラスティックに変わっていく精神的支柱となった彼らが、トラッドグラスへの愛情とすばらしい演奏を残した奇跡的な、永遠のお宝映像である。
  MP-0410 V.A.『Pioneers and Legends of Bluegrass』DVD\2,573-(本体\2,450-、カラー55分)

Mule Skinner Blues/Rawhide(Bill Monroe)/Folsom Prison Blues/Shuckin' the Corn(Lester Flatt)/That Silver Haired Daddy of Mine/Tis Sweet To Be Remembered 他(Mac Wiseman)/Are You Washed in the Blood 他(Lewis Family)/Hard Hearted/Paradise/Cotton Mill Man(Jim & Jesse)/500 Miles/I'll Stay Around(Bluegrass Alliance) 他全15曲

 米国ブルーグラス界でさまざまな出来事があった特異年、1971年夏のブルーグラスイベント、元気なビルモンやレスターほか、マック・ワイズマンやジム&ジェシーら、第一世代ブルーグラスのトップアーティストたち、そしてまだNGR結成寸前、19歳のサム・ブッシュと20歳のトニー・ライスが参加するブルーグラス・アライアンスのライブ2曲をはじめとした超お宝映像集!!
  MP-0510 LESTER FLATT & NASHVILLE GRASS『Vintage Video』DVD\2,573-(本体\2,450-、カラー55分)

 フラット&スクラッグスとして来日したときは体調が悪かったというレスター・フラット(1914-1979)、3年後の1971年、ここでは元気ハツラツ、ボーカルはもちろんそのギター/MC/身のこなし……レスター・ファンのお宝映像だ。69年春にアール・スクラッグスとコンビ解消、アンクル・ジョッシュ(d)とポール・ウォーレン(f)、ジョニー・ジョンソン(bs)というフォギー・マウンテン・ボーイズにハスケル・マコーミック(bj)とローランド・ホワイト(m)が加わったナッシュビル・グラスを悠々と率いて、その類まれなパフォーマンスを見せてくれる1971年夏の野外ライブ。ファン必携映像!!
  MP-0108 DON RENO & RED SMILEY『Bluegrass 1963』DVD \2,573-(本体\2,450-)(白黒48分)

 あのフラット&スクラッグスのDVD10巻シリーズに匹敵する超貴重映像、レノ&スマイリーの1963年のテレビ番組がDVD化である。なんと、スタンレー・ブラザーズのゲスト出演!! そしてまたなんと1957年の結成間もないころの超お宝映像"I'm the Talk of the Town"も登場する。トラッドグラス・ファン必携のDVD!! ドン・レノって……凄過ぎますです!!
 ■そのほか……
   BU-ST 『ブルーグラス・アンリミテッド社のバンパー・ステッカー』各\315-(本体\300-)
 30年以上に渡り、ベストセラーを続けるブルーグラス・アンリミテッド誌製ステッカー(いわゆるシールで、米国では車のバンパーによく貼られる)全6種類。風雨に強いビニール素材の紺地に白字で鮮やかなブルーグラス・スローガンが書かれたシンプルなもの。29cmx7cmの横長。スローガンは以下の通り。
●I Love Bluegrass
 ●Bluegrass Music Finger Picking Good
  ●Bluegrass Music Hear It, Play It, Love It!
   ●My Grass Is Blue
    ●Have You Hugged Your Banjo Today?
     ●Clean Up Air Polution Play Bluegrass Music
  BOOK-51 Andrew Vaughan『JOHN HARTFORD: Pilot of a Steam Powered Aereo-Plain』Book+CD\5,145-(本体\4,900-)

 すばらしい!ジョン・ハートフォードの半生、つまり1971年の重要なアルバム『Aereo-Plain』に至るまでを、すばらしい写真と文、レイアウトで綴った112頁A4変形版、アンドリュー・ボーン著のハードカバー上製本。ハートフォードファンは有無を言わず必携だ! オマケのCDは1994年7月12日、ナッシュビルのライマン公会堂で、バッサー・クレメンツとタット・テイラー、そしてトニー・ライスを従えたコンサートライブを収めたもの。1953年のある日、ラジオから聴こえてきたフラット&スクラッグスの“Dear Old Dixie”、そのレスターのドライブに、アールの殺気立ったバンジョーを聴いた途端、「なんなんだ!これは!!」と……、そののちの多くの人が経験する人生の転機を、世界で最初に得た1937年生まれグループのひとり、それからほぼ20年間、天才的な仕事を残したジョン・ハートフォードを見事にまとめあげた大秀作。英語なんて、読まなくていい、この素晴らしい写真の数々を眺めているだけで、あなたはジョンの人生を共有できる。ハートフォードヘッド有無を言わず必携の一冊である!!
 楽器関連作品
 (楽器奏法や教則など、さまざまなご相談に関してはミュージシャン歴豊富なスタッフがアドバイス、また楽器につきましても、本体やパーツ/アクセサリーなど、ビンテージを含めて各種取り扱っています。お気軽にお問い合わせください)
 ■ギター
  RC-103 TONY RICE『got me a martin guitar』CD-R\2,070-(本体\1,980-)

Freeborn Man/Faded Love/Salt Creek/Doin' My Time/Windy and Warm/John Hardy/Nine Pound Hammer/Lonesome Ruben. 全8曲

 昨秋9月のIBMAアワードショウで名誉の殿堂入りしたトニー・ライス。発声困難だった喉、努力の成果として19年前の声を聴かせてくれた感動のスピーチ(ムーンシャイナー11月号特集)。本作は、1973年発表のトニー・ライスのデビュー作。1971年、米国のフェスで見たトニー・ライスに衝撃を受け、何度もの手紙のやり取りの末、恥ずかしいほどの低予算ながら、意気に感じてくれたのか、日本の名もないレコードレーベルにすばらしいギターアルバムを創ってくれました。あまりにも有名なブルーグラス・ギターの歴史を変えた日本発のデビュー作を、1973年のオリジナルの紙ジャケットでいかがですか? ブルーグラスギタリスト必携の1枚! 1月号ペンではもトニーが生活に困窮しているという衝撃的なニュースが伝えられています。
  COMP-4603 REBECCA FRAZIER『When We Fall』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ムーンシャイナー9月号のカバーストーリーとなった女性フラットピッカーのレベッカ・フレイジャー最新ソロ作品。さわやかな明るさを持つ10曲のオリジナル(内3曲はハイテクフラットピッキンインスト!!)に、カバーは、ニール・ヤングの“Human Highway”と、カーターファミリーソング“Ain't Gonna Work Tomorrow”の2曲。ロン・ブロックやスコット・ベスタル(bj)、天才フィドルのシャド・コッブ、イケイケドブロのアンディ・ホール、クールに手堅いバリー・ベイルズ(bs)、そしてデラ・メイのシェルビー・ミーンズがハーモニー。最後の“Babe in Arms”はブルーグラス・ママらしく、アパラチアン風味の息子への子守唄。素直に歌い、軽々と凄いことを弾くレベッカ、ここまでの努力は尋常ではなかったろうと想う。
 ■バンジョー
 (ムーンシャイナー連載のチチ松村「バンジョー祭り」、世界のバンジョー音楽をお見逃しなく!!)
  ROU-0638 V.A.『Foggy Mountain Special: A Bluegrass Tribute to Earl Scruggs』CD\2,543-(本体\2,450-)

 2012年3月28日、88歳で亡くなったアール・スクラッグスに捧げられ、同年6月5日に発表された現在トップバンジョイストたちの新録音追悼作品。偉大なアールを尊敬する12人、デビッド・タルボット、ジム・ミルズ、ロン・ブロック、チャーリー・クッシュマン、ラリー・パーキンズ、ロン・スチュワート、トム・アダムズ、J.D.クロウ、ジョー・マリンズ、トニー・トリシュカ、ケニー・イングラム、クレイグ・スミスが21世紀、それぞれのアールへの思いを込めたアール聖演12曲のカバー集。ブルーグラスバンジョー、ゼッタイのおススメ!! インスト詳細解説参照
  ROU-9142 BELA FLECK & THE MARCUS ROBERTS TRIO『Across the Imaginary Divide』CD\2,573-(本体\2,450-)

 べラ・フレックが正面からピアノ・ジャズ・トリオと共演した真正!?5弦バンジョージャズ作品。
 ■マンドリン
  OR-1469 ADAM STEFFEY『New Primitive』CD\2,573-(本体\2,450-)

 IBMA最優秀マンドリンを最近の3年連続を含めて合計9回受賞、当代随一と言っていいマンドリン奏者アダム・ステッフィ最新ソロ第3作。妻ティナのクロウハンマーバンジョーとのデュオではじまり、ゼブとサマンサというスナイダーファミリーで活躍する10代の兄妹をフィーチャー、全曲がトラッドという、思い切ったオールドタイム・フィドルチューンをベースにした「新しい根源」といった対義語的なタイトルの意欲作である。
  CR-020 JOHN REISCHMAN『Walk Along John』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ギブソンF-5ロイド・ロアーの魅力をストレートに聴かせてくれるすばらしいマンドリニスト、ジョン・ライシュマンの2013年最新インスト作品。1曲目クリス・シーリのゲストほか、デドリージェントルメンとデビッド・グリスマン・セクステットで活躍するマイク・バーネット(f)やデビッドの息子サム・グリスマン(bs)、アニー・スタニネックとアレックス・ハーグリーブズ(f)らの若手、トニー・トリシュカ、ブルース・モルスキー、ケニー・スミスらベテランなどの新旧スーパーピッカーをゲストに、11曲がオリジナルだが、どの曲もトラッドと言ってもいいほど落ち着きのよい作品。マンドリン奏者には、ひとつの究極の奏法として、またブルーグラス/オールドタイム・ファンにはトラッド音楽とは現在創られているものだという喜びを感じて欲しい、そんなすばらしい作品だ。
 ■フィドル
  GT-5162 V.A.『Nashville Fiddles, Play Their 100 Best』CD4枚組\2,573-(本体\2,450-)

 軽いドラムスを伴ったブルーグラス/アコースティックリズム隊をバックにひたすらフィドルが歌うスタンダード100曲、4枚組CDにしてこの価格。「アメリカン・フィドル入門」としておススメである。おそらく名のあるフィドラーが、自分を隠しながら、まずまずのメロディ/フレーズに軟着陸させる様は、サイドマン修行の大変参考になる。同時に、自分を強烈に出す一歩手前、メロディをいかに咀嚼するかの心得としてもお奨め! リスナーとしては、バックにまわってるマンドリンやバンジョー、ハーモニカ、ドブロなどもキンチョーなく楽しめる……、そう、BGMとしても気に障らない種類の音楽でもある(ただし時折り、突如として超有名フィドラーの自分印の古い録音も飛び出してくるのでビックリせずに楽しむべし!?)。
  SRCD-1001 VASSAR CLEMENTS『New Hillbilly Jazz』CD\3,150-(本体\3,000-)ボーナスCD-ROM付、廃盤限定商品

 ジャンルを超え、20世紀のアメリカン・フィドルの歴史の中でもっとも偉大な功績を遺したひとり、バッサー・クレメンツ(1928-2005)のすばらしい89年のスウィング・アルバムのCD化。ハンク・ウィリアムズやハンク・スノウらのカントリー名曲が、ゴキゲンにスウィングする。ボーナスに89年来日時、奥沢明雄、西海孝、海宝弘之、下村哲を従えての"Midnight Moonlight"と"Kissimie Kid"、そしてそこにラストショーが加わった"Orange Blossom Special"の3曲がオマケ。ムーンシャイナー連載「ケイシのナッシュビル・リポート」でおなじみ、故四方敬士氏の制作品。
 ■ドブロ
  TAK-8914 MIKE AULDRIDGE『Dobro/ Blues and Bluegrass』CD\2,573-(本体\2,450-)

 2012年12月29日、73歳で死去したマイク・オルドリッジ(ムーンシャイナー2013年2月号=\525-=で追悼特集あり)の、ドブロというカテゴリーやブルーグラスというジャンルを超えて、アコースティック音楽作品として歴史に残る大名盤。ドブロという楽器の未来を根底から変えたほぼ40年前、1972年発売『Dobro』と1974年発売『Blues and Bluegrass』の2枚のLPがCD1枚になったもの。1955年にアンクル・ジョッシュ・グレイブスによってフラット&スクラッグスに持ち込まれ、6番目のブルーグラス楽器となったドブロが、このアルバムからまったくあたらしい未来を歩きはじめた瞬間が記録されている。当時マイクが在籍していたセルダムシーンのほか、デビッド・ブロムバーグやバッサー・クレメンツ、リンダ・ロンシュタットらを迎えた全人類必携の超大名盤です。
 ■スティールギター
  RBRCD-012 PETER COOPER『The Lloyd Green Album』CD\2,573-(本体\2,450-)

 ナッシュビル最大の新聞テネシアン紙の音楽記者でもあるピーター・クーパーが、自身のアイドルであるロイド・グリーンのペダル・スティールギターを迎え、ドラムスやベースをほとんど加えず、きわめてシンプルにロドニー・クロウェル&エミルー・ハリス、トム・T.ホール、クリス・クリストファーソン、ジョン・ハイアットらのカバーと自身のオリジナルを歌う。リチャード・ベネットのギターほか、ハーモニーにロドニー・クロウェル、フェイス・スターリング・マクリーン(ジョン・スターリングの元妻)、パム・ローズなど、シンプルなサウンドを守り、ロイド・グリーンのスティールが咽ぶスペースを上手に取っている。
 輸入雑誌
 ■フラットピッキン・ギター誌
  隔月刊の掲載全タブ譜対応CD付きフラットピッキン・ギター誌。ブルーグラスからスウィング/ジャズまで。一冊でさまざまな奏法が学べる。
  FGM-18.1 最新「2013年11〜12月号」CD付き70頁Tab-Book\2,625-(本体\2,500-)

/First of May/Handful of Riffs/Nellie Kane/When You’re Smiling/Silent Night/Ages and Ages Ago/John Hardy/Whispering/The Night Has A Thousand Eyes/Cattle in the Cane/Rabbit in a Pea Patch/Sheep & Hogs/Turkey in the Cotton Woodsほか

 話題のクエベ・シスターズのギタリスト、ジョーイ・マッケンジーのカバーストーリーとウエスタン・スウィングの典型的なバックアップ、ソックリズムのコード進行ノウハウ“Home In San Antone”と“Right or Wrong”、マイケル・デイビス(クリス・シーリのブラザーデュオ相方)と“John Henry”ほかの特集と上記曲に関するコラム/タブ譜ほか、クロスピッキンのアクセントや「きよしこの夜」のジョン・カーリニによるアレンジ、ウエスタン・スウィングのコード進行が満載の72頁。
  FGM-17.6 「2013年9〜10月号」CD付き70頁Tab-Book\2,625-(本体\2,500-)

Amazing Grace/Munde's Child/Crying Holy/Old Gospel Ship/Precious Lord/Never Give the Devil a Ride/Gathering Flowers from the Hillside/You Are My Sunshine/Swing Low, Sweet Chariot/Old Time Religion/Gnarly/Cottonwood Reel/Done Gone/Salty Dog Blues ほか。

 レターでも紹介したギターアルバム『Grace Notes』を発表したカール・ジャクソンをカバーストーリーに“Amazing Grace”のタブ譜ほか、エリオット・ロジャーズ、ジョン・バクゼンデールのコロラドギターカンパニー訪問、CDハイライトはアンドリュー・リグニー、新製品紹介などの記事のほか、とにかくタブ譜満載の70頁。

 以上のほか、現在の在庫は2013年1-2月号、2012年11-12月号、2012年5-6月号、2011年7-8月号、2011年5-6月号、2010年3-4月号、2010年1-2月号など、お問い合わせください。
 ■バンジョー・ニューズレター誌
  世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載(ウェブサイトから「MP3」で音源入手可!!)、バックナンバーもお問い合せ下さい。探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探します。収蔵曲のCDやDVDなども在庫していますので、お問い合わせください。
  BNL-13/12 最新2013年12月号 \630-

 左指にハンディを持つマウンテンハートのバリー・アバーナシーのカバーストーリーと"Deadwood"のタブ譜ほか、アール・スクラッグスは1985年のジョン・ハートフォードとのジャムテープから"Turn Your Radio On"、トム・アダムズはクリスマスにペリー・コモのメロディから"(There's No Place LIke) Home for the Holidays"、初心者は"Holly Jolly Christmas"、フィンガーボード探求には"deck the Halls"のメロディックとスクラッグス、そしてベースノート譜、フレッド・ゲイガーのコード考察"J'Attendrai"ほかクロウハンマーのタブ譜も充実、バンジョー情報満載の40頁。
  BNL-13/11 最新2013年11月号 \630-

 ムーンシャイナー誌のちょうど10年先輩、バンジョー・ニューズレター誌がこの11月号で創刊40年を迎えています。「バンジョー好き」という理由だけで、無謀な創刊に飛び込んだハブとナンシーのニッチー夫妻への感謝のメッセージや創刊当時の様子や歴史などの特集のほか、IBMA(WoB)2013リポート特集と、アール・スクラッグス"Will the Circle Be Unbroken"ほかのタブ譜など、バンジョーに関するさまざまな情報が満載。
  BNL-13/10 2013年10月号 \630-

 ベラ・フレックのバンジョーサミットのレギュラーでもあるパンクなクロウハンマーの名手、リッチー・スターンズのカバーストーリーとタブ譜“Last Train To Rajastahn”のほか、初心者は“Lonesome Road Blues”のバックアップ、アール・スクラッグスはライブテープから“Sugarfoot Rag”、トム・アダムズはスタンダード曲“Five Foot Two, Eyes of Blue”、マーティ・カトラー“Gold Rush”バリエーションその1ほかのタブ譜と、バンジョーに関するさまざまな情報が満載。
  BNL-13/09 2013年9月号 \630-

 現在はドン・リグスビーのミッドナイトコールのバンジョーを務めるベテラン、エルマー・パーチェットのカバーストーリーとタブ譜は“Whistle Pig”(デビッド・パームリー&コンティネンタルディバイドの2000年秀作『There'll Always Be a Rocking Chair』=在庫あり=PC-1095 廃盤特価\1,575-)ほか、知られざる凄腕ルシアー、ロニー・ベイルズ(顧客にはベラ・フレック、ノーム・ピケルニー、カーティス・マクピーク、ラリー・マクニーリー、ビル・エバンスらがいるという)訪問インタビュー、今夏のサマーNAMMショウでのバンジョーリポートなどの特集と、レッスンタブ譜はフレッド・ゲイガーのジャズコード“Georgia On My Mind”、アールズウェイ“Sugarfoot Rag”、トム・アダムズFシェープの7thコードリック“I Wonder Where You Are Tonight”など、有益なバンジョータブ譜と情報満載の40頁。
  BNL-13/08 2013年8月号 \630-

 ニューヨーク・ブルーグラスのもっともホットなエリア、ブルックリン在住の若者ベネット・サリバンのカバーストーリーとタブ譜“Cutch Tuttle”ほか、トム・アダムズ“Bury Me Beneath the Weeping Willow”、アール・スクラッグスは1948年2月、ほぼ最後のビル・モンロー在籍メンバー当時の録音“Sunny Side of the Mountain”と「アールズウェイ」は“Old Gray Mare”ほかクロウハンマーも充実、有益なバンジョータブ譜と情報満載。
  BNL-13/07 2013年7月号 \630-

 話題の第一世代ブルーグラスバンジョーのフォロワー、クリス・ヒルのカバーストーリーと"If That Footsteps That I Hear"と"I Get the Blues When It Rains"のタブ譜、曲はともにトム・フェラーとのブルーグラス・バッカルーズ『Feller and Hill and the Bluegrass Buckaroos』(BCR-035 \2,573-)より。そのほか、レノ・スタイル"Mr. Bottle"、トム・アダムズ"Rock Around the Clock"ほか、"Beaumont Rag"、"Lady Be Good"、"St. Anne's Reel"などとオールドタイム/クロウハンマーなどのタブ譜満載。
  BNL-13/06 2013年6月号 \630-

 ディック・ワイズマン(Dick Weissman)のカバーストーリー……って誰?って思うよね。でもきっと、結構多くのひとが見たことのある、ウッディ・アレンみたいな人が楽器店のようなところでオープンバックのバンジョーを弾いていて、その写真が、斜め上にダブってコラージュされているジャケット、タイトルは『Modern Banjo Mountain Style』……覚えていませんか? 1961年にはフォークグループ、ジャーニーメンを結成、フォーク界の知られざる最先端を歩んできたディックのインタビュー。人に歴史あり! フォークのみならず、スクラッグスやボビー・トンプソン、ライ・クーダーやビル・ダノフら、さまざまな登場人物の逸話も楽しい。そのほかタブ譜は、アール・スクラッグス"Red River Valley"(ハートフォードとのジャムテープより、この逸話が面白い!!)、初心者には"When You and I Were Young Maggie"、ブルース"I'm So Glad"、トム・アダムズdチューニングの"Cumberland Gap"、ジェリー・リード"Jerry's Breakdown"、ドビュッシー"Reverie"、リッチ・スティルマン"Cascade"ほか、クロウハンマーなどのタブ譜満載。
  BNL-13/05 2013年5月号 \630-

 ティム・ウィードのカバーストーリーのほか、アメリカン・バンジョーキャンプ・リポート、クロウハンマーで弾くバッハの特集ほか、タブ譜はアール・スクラッグスがハイロ・ブラウンとライブ録音を残した闊達な"Prisoner's Song"、アラン・マンデ"Cotton Patch Rag"ほか、バンジョーに関するタブ譜と話題満載40頁。
  BNL-13/04 2013年4月号 \630-

 アリソン・クラウスのユニオン・ステーションのロン・ブロックをカバーストーリー/インタビューにタブ譜は、ジェリー・ダグラス作アリソン・クラウスの『New Favotite』に収められていた"Choctaw Hayride"と同アルバムからの"Take Me for Longing"、そして最新作『Paper Airplane』からの"My Love Follows You Where You Go"ほか、ニューロストシティ・ランブラーズのジョン・コーヘンのシビアなインタビュー「On Old-Time Music Before There Was 'Old-Time'」とタブ譜"Cumberland Gap"と"Buck Creek Girls"ほか、タブ譜は"Fireball Mail"のインプロバイズ、トニー・トリシュカの3-0-2リックによる"Black Mountain Rag"、トム・アダムズのハイポジションのレッスンはスクラッグス・リックのバリエーション。ディーリング・バンジョー社のリポートもあるバンジョーに関する話題満載40頁
  BNL-13/03 2013年3月号 \630-

 トニー・ライスらと「クロウグラス」という、ブルーグラス・バンドのセッティングでクロウハンマーを弾く独自の世界を築き、昨秋は第3回スティーブ・マーティン賞を受賞したマーク・ジョンソンのカバーストーリーと"Marching Through Georgia"(パイのパイのパイで知られる東京節)のタブ譜ほか、アール・スクラッグスのライブテープからオタク美学の"Your Crazy Heart"、フレッド・ゲイガーのコード遊びは1931年のビング・クロスビー"Wrap Your Troubles in Dreams"、トム・アダムズはハイポジにおけるDからGへ戻る10の方法、ジャネット・デイビスのバックアップはCチューニングにおける"Soldier's Joy"、ジャム・スタンダードを変拍子で楽しむジェイク・シェップスの7拍子の"Whiskey Before Breakfast"と5拍子の"Blackberry Blossom"、ティム・カーターの"Waltz for Earl"ほか、各種クロウハンマーなど、バンジョーに関する話題満載40頁。
  BNL-13/02 2013年2月号 \630-

 2011年のIBMA最優秀バンジョー奏者で、ただひとり最優秀フィドル奏者も獲得しているロン・スチュワートのカバーストーリーとタブ譜は"Crawford County"、ロジャー・シミノフによる「プリウォーサウンドpart 2」はアール・スクラッグスの右手のアタックに関する考察、初心者は「知っておくべき10のリック」、トム・アダムズは「タブを書こう!?」、ジャネット・デイビスのバックアップは"America the Beautiful"をネタにセブンスコードの使い方、アール・スクラッグスは先月に続いてジャムでの"Walking the Floor Over You"ほか。
  BNL-13/01 2013年1月号 \630-

 懐かしや!アンディ・オウエンズと来日したジェフ・スロギンズのカバーストーリーとタブ譜は"Woodland Arch"と"Boundary Hunter"、そのほかアール・スクラッグスはシラブルで弾く"Walking the Floor Over You"、ハーモニー研究「枯葉B」、トム・アダムズは「発見されるのを待つ音たち」と題したちょっとしたアイデア集、バックアップは"Old Spinning Wheel"、初心者コーナーはコード進行のパターンリストほか、オールドタイム・コーナーと、バンジョーに関する話題満載40頁。
 ■ブルーグラス・アンリミテッド誌
  米国最大のブルーグラス月刊専門誌。お探しの記事などバックナンバーもお問い合わせください。
  BU-14/01 最新2014年1月号 \840-

 マールフェス特集(表紙写真はムーンシャイナー6月号表2と一緒だったぞ!!)のほか、毎週一度のナッシュビル郊外ラブレスカフェからのライブ公開放送「ミュージックシティルーツ」、バージニアのインドアフェス「キャビンフィーバーピッキンパーティ」、ペンシルベニアの「ブルーグラス・オンザ・グラス」主宰者デイビス・トレーシーらの特集記事と各種コラムのほか、米国ブルーグラス情報満載の100頁。
  BU-13/12 2013年12月号 \840-

 IBMA(WoB)2013のカバーストーリーと写真リポートほか、アラン・ジャクソン、カール・シフレット&ビッグ・カントリーショウ、フィル・レッドベターの特集記事のほか、米国ブルーグラス情報満載の60頁。
  BU-13/11 2013年11月号 \840-

 トム・T.ホールの妻でソングライターとしてブルーグラスやカーターファミリーの庇護者でもあるディキシー・ホールのカバーストーリーほか、ウエイド・メイナーとアール・スクラッグスの日本のグラナダ因縁、ブルーグラス奨学金の紹介、ティム・グレイブスの新バンド、ファームハンズ、ブッキングエージェントのクラスアクトなどの特集記事のほか、米国ブルーグラス情報満載の52頁。
  BU-13/10 2013年10月号 \840-

 マーティ・レイボンのカバーストーリーほか、フィンランドのブルーバンド、ジュシ・シレンとグランドブレーカーズ。マンドリンやギタールシアーのシム・デイリー、ブルーグラスソングライターのジェリー・サリー、2014年タレント・ディレクトリーなどの特集ほか、米国ブルーグラス情報満載の76頁。
  BU-13/09 2013年9月号 \840-

 あたらしいトラッドグラスの形を提示するビッグ・カントリー・ブルーグラスをカバーストーリーに、ジミー・マーティントの活躍で知られるクリス・ワーナー、デイリー&ビンセントのマンドリン奏者ジェフ・パーカー、ピーター・ワーニック博士のブルーグラスジャム法などの特集ほか、米国ブルーグラス情報満載の72頁。
  BU-13/08 2013年8月号 \840-

 スティーブ・ヒューバーが復活させたウエイド・メイナーの1930年製ギブソン・グラナダ#9530-4をカバーストーリーに、今年からノースカロライナ州ローリーに移るIBMAのワールドオブブルーグラス、その誘致に尽力した団体パインコーン、ビル・モンローの愛人だったベッシー・リー・モウルディン、そしてギブソン・ピラミッド・バンジョーと呼ばれた戦前のマスタートーン・スタイル2の物語などの特集のほか、米国ブルーグラス情報満載の64頁。
  BU-13/07 2013年7月号 \840-

 ロニー・レノのカバーストーリーほか、タウンマウンテン、デニス・マクブライド、「ヒルビリー」という言葉の由来となった1920年代のバンド、ザ・ヒル・ビリーズの正体ほか、米国ブルーグラス情報満載の66頁。
  BU-13/06 2013年6月号 \840-

 リッキー・スキャッグスのカバーストーリーのほか、リッキーのハーモニーパートナーを18年間努めるポール・ブルースター、ライマン公会堂再建物語、ラス・カーソンとグレン・カーソン「バンジョーファミリートゥリー」、若手ヒルベンダーズなどの特集のほか、、米国ブルーグラス情報満載の70頁。
  BU-13/05 2013年5月号 \840-

 スティールドライバーズをカバーに、ポール・ウィリアムズ、ジョー&ステイシー・アイザックス、バンジョー・サファリのアフリカ旅行記などの特集ほか、定期コラムなど米国ブルーグラス情報満載。
  BU-13/04 2013年4月号 \840-

 キャシー・キャリックとスピニー・ブラザーズをカバーに、ジム・ハーストのソロについて、ビル・モンローやデル・マッカーリーとの活躍で知られるトラッドグラス・フィドラー、ビリー・ベイカーなどの特集ほか。
  BU-13/02 2013年2月号 \840-

 ジム・ローダーデイルのカバーストーリーほか、マンドリンのスーパーピッカー、アラン・バイビー、ギター若手ジョーダン・タイス、オハイオのジェッツ・クリークなどの特集ほか。
  BU-13/01 2013年1月号 \840-

 サム・ブッシュを表紙に恒例の全米ブルーグラス・フェスリスト(数百箇所)と、ブリストル・リズム&ルーツ・リユニオン・フェス、ルディ・フェス、マウンテン・オープリハウスなど、各地のイベント特集に連載コラムほか。
 ■オールドタイム・ヘラルド誌
  内容の濃いアメリカンルーツ/オールドタイム音楽専門誌。アメリカ伝統音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。
  OTH-1307 最新第13巻7号 \1,260-

 19世紀初頭以来のモンタナのフィドル伝統特集のほか、ノースカロライナのフィドラー、ハワード・ジョインズ(1908-1981)、ウォルト・コーケンのハイウッズ・ストリングバンド物語連載「Tales from the Woods Vol.6」はニューヨーク州の学生街イサカにて、ポール・ウェルズの屋根裏写真コレクションは「ハウのバイオリン教室」など、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1306 最新第13巻6号 \1,260-

 1927年のビクターレコード主宰のブリストル・セッションの翌1928年、ブリストルからわずか25マイルのジョンソンシティでコロムビアが行ったセッションの特集ほか、1970年代にホットマッドファミリーで活躍したバンジョー奏者リック・グッド、ウォルト・コーケンのハイウッズ・ストリングバンド物語連載「Tales from the Woods Vol.6」はトミー・ジャレル訪問、ポール・ウェルズの屋根裏写真コレクション古いフィドラーの写真から見るフィドルの持ち方考察など、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1305 最新第13巻5号 \1,260-

 インディアナ州セイラム出身で1930年に8曲、フィドルとバンジョー、ハーモニカ、ジョーズハープ、ジャグなどの楽器を使って録音を残したニコルソンズ・プレイヤーズ。これまで謎だった彼らのことを調べたトニー・ラッセルの力作ほか、ウォルト・コーケンのハイウッズ・ストリングバンド物語連載「Tales from the Woods Vol.5」はノースカロライナ州チャペルヒルでのファジーマウンテントの出会い、ポール・ウェルズの屋根裏写真コレクションは「フィドルとフルート」バンド集、など、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1304 最新第13巻4号 \1,260-

 ビル・モンローの"Footprints In The Snow"の原曲を辿っていく興味深い物語のほか、ケンタッキーの伝承音楽やフィドル音楽を蒐集する中心的な役割を担った1946年生まれのジョン・ハーロッドのすばらしいインタビュー、ウォルト・コーケンのハイウッズ・ストリングバンド物語連載「Tales from the Woods Vol.4」は首都ワシントンDCのスミソニアンフェス、ポール・ウェルズの屋根裏写真コレクションは「チェロ」など、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1303 第13巻3号 \1,260-

 アルバート・ハッシュ・メモリアル・フェスのリポート、ミズーリ・フィドラーのR.P.クリステンソン、ウォルト・コーケンの連載「Tales from the Woods Vol.3」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1302 第13巻2号 \1,260-

 全米フェス&キャンプガイド特集のほか、西アフリカ・ガンビア共和国ジョラ族のアコンティング奏者ラエモウアヒュマ・ジャッタのインタビュー、ウォルト・コーケンの「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話A」は「ショッティーシュ(ボヘミア起源のダンス)」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1301 第13巻1号 \1,260-

 ダン・マーゴリーズ「ハンドメイド弦〜猫と馬の尻尾から生まれる音楽」をメイン特集に、アート・ローゼンバウム「北部ジョージアでの1日」、ウォルト・コーケン「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話」シリーズ第1回など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
 月刊『ムーンシャイナー』
   1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、28年目です。
■定期購読:1年¥6,000-半年¥3,300-
 お申込はお葉書やお電話、ファックスやメールでご希望の購読開始月をお知らせ下さい。バックナンバーも含めて、いつからでもご自由です。
■バックナンバー:各¥525-。
 下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。
  MS-3103 最新2014年1月号(通巻363号)\525-

 ジム・シューメイトとポール・ウォーレンに捧ぐ「フォギーマウンテンフィドル列伝」前編、アーニャ・ヒンクル日本紀行「ブルーグラスアクシデント北海道編」、佐藤コウスケ「ゴローショーとエンタメ」、丹沢サークル「ケンタッキー制覇ツアー@」、知っておきたい#6「ブルーグラス・スウィング」、馬渡 浩の札幌ブルーグラス物語りB、「ノースカロライナってどんなとこ?A」、ブルーグラス史観米国史#44「セシル・シャープとオリーブ・キャンベル」、洗足学園音楽大学「岩本歓喜」ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3102 2013年12月号(通巻362号)\525-

IBMA(WoB)2013リポート「ノースカロライナってどんなとこ?」、女子大生の見た「ワイドオープン・ブルーグラス」、タヒチクラブ「新春★浪花 米国南部系ルーツ音楽祭」、愛媛・朝倉ブルーグラスの25年、馬渡 浩の札幌ブルーグラス物語りA、知っておきたい...#5 「フラットピッカー達」、日本ブルーグラス年表#70「1978年」、3大学対抗!年忘れライブ酪農学園大学「花村彩音」ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3101 2013年11月号(通巻361号)\525-

 31年目の第1号、IBMA名誉の殿堂入りのセレモニーで「奇跡」を起こしたトニー・ライスのスピーチほか、第24回IBMAアワードショウ・リポート、マイク・コンプトン「ビル・モンローの魂」12月来日、ブルーグラス☆ポリスのデビューCD『BG★PC』、馬渡浩の札幌ブルーグラス物語り@、やぎたこ『I'll be home someday』、きたむらいづみ「彦根にアメリカーナ」、ハゥトゥプレイブルーグラス!その伍ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3012 2013年10月号(通巻360号)\525-

 やりました!通巻360号、購読してくれる皆さん、ボランティアで情報や記事、写真を提供してくれる皆さん、そんなダイハードなブルーグラスファンの皆さんのお陰で30年間、何とか持ちこたえました。これからいつまで頑張れるか、体力と根気の勝負ですかね、こうなると? ひきつづき皆さんのお引き立てを、何卒よろしくお願い致します。本当に、ありがとうございます!!
 記念すべき360号は、日本でデビューして、最年少でIBMA名誉の殿堂入りをしたトニー・ライス秘話のほか、1958年に結成されたイースト・マウンテン・ボーイズがIBMA特別功労賞を受賞するにあたって彼らの年表と紹介、そして日本の戦前・戦後における「洋楽」の受容についての特集記事、中学生ソフィア美玲キャタリナの「ウィザー・フィドル・コンテスト」参戦記、ハゥトゥプレイ・ブルーグラス#4「続アールの日」、最新トラッドグラス事情「レベル・レコード編」、コンサートリポート「mareka & Junji vs 三津谷組」、カーター・ファミリーとボブ・ディラン、東北大「荒川善行」、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Dほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3011 2013年9月号(通巻359号)\525-

フラットピッキンギターに魅せられた女性レベッカ・フレージャー、その初々しい半生を紹介したカバーストーリーのほか、クレイグ・ダンカン、ビリー・スミス、マイク・スコットらが女性陣ふたりを加え10月はじめに来日。同じ10月、ハンマーダルシマを初めて日本に紹介したカレン・アッシュブルックが来日するのを機に、「ハンマーダルシマ」の歴史と今特集。9月28日に「第4回六甲ブルーグラス・タイムズ」を主催する神戸大学の木村周平。「ハゥトゥープレイブルーグラス」シリーズ3回目になる最新号では、「シラブルで弾く」こととは? CD+DVDを発表した原さとし(bj)と竹内信次(m)のトイメンシャオ。ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Dほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3010 最新2013年8月号(通巻358号)\525-

 「ハウトゥープレイ・ブルーグラス」特集として、ブルーグラス楽器奏法のつかみ方を「岸本一遥のケニー・ベイカーから学んだこと」や「アールの日」のリポートを軸に特集。そのほか、奥 和宏「アメリカン・ルーツミュージック、ディスクでたどるアメリカ音楽史」、全国サイマル放送一覧表とFMはしもと「しもちゃんの“Bluegrass”でナイト」、学生プロファイル#7は首都大学東京「山本南希」、人口16人の瀬戸内海での「斎島ブルーグラス」、ブルーリッジに本拠を置くマウンテン・フィーバー・レコード社、埼玉・狭山市の美食ブルーグラスレストラン「SOFT」、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Cほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3009 2013年7月号(通巻357号)\525-

 第26回マールフェスリポート」ほか、ジョージ・ジョーンズ追悼「カントリーソング」後編、ジェイコブ・シャープ「ミプソ」来日!、菅沼工房5弦フィドル製作記E最終回、井上 高とホームタウナーズ「50年前に活躍したプロのブルーグラスバンド」後編、学生ブルーグラス・プロファイル#6 北海道大学「兼平愛弓」、日本ブルーグラス年表#65「1977年」ほか、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記B、1911年ビル・モンローの生まれた日ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3008 2013年6月号(通巻356号)\525-

 北海道の八雲フェス特集のほか、ジョージ・ジョーンズ追悼「カントリーソング」前編、ブルーサイド・オブ・ロンサムと坂本愛江、「Tri Barrel(トライバレル)」尾崎博志、古橋一晃、河合徹三、知っておきたい#2「新進気鋭のマンドリニストたち」、菅沼工房5弦フィドル製作記D、井上 高とホームタウナーズ「50年前に活躍したプロのブルーグラスバンド」前編、学生ブルーグラス・プロファイル#5 名古屋大学「山田遼一」、日本ブルーグラス年表#64「1976-77年」ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3007 2013年5月号(通巻355号)\525-

「フェスティバル・シーズン到来号」として、ブルーグラスフェスの歴史とウィンターグラス2013リポート後編のほか、ブルーグラス・リズムギター上達の近道、サードタイムアウト「ブルーグラスる!?(Bluegrassed)」、知っておきたいブラザーデュオ一覧、ケンタッキーのモアヘッド州立大学ブルーグラス科を訪ねた川合くんのすばらしいリポート、ネッシーエクスペディション米国ツアー顛末記A、学生ブルーグラスプロファイル#4「米澤 望(酪農学園大)」、菅沼工房5弦フィドル製作記Cなど特集ほか。
  MS-3006 2013年4月号(通巻354号)\525-

 今月久々に来日、東海道をバンジョー行脚するビル・キースの大特集後編、ジェリー・ガルシアやライ・クーダーらとの逸話など、1963年のビル・モンローとブルー・グラス・ボーイズの重厚な写真をカバーに、ウィンターグラス2013リポート前編、ネッシー・エクスペディション米国ツアー記@、ブルーグラス・アルバム・バンド・リユニオン、マイク伊藤「留学のススメ」、ロストシティキャッツ・リユニオン、菅沼工房5弦フィドル製作記B、学生ブルーグラスプロファイル#3「森山亮治(大谷大)」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3005 2013年3月号(通巻353号)\525-

 4月に久々の来日、大阪、京都、名古屋、浜松、横須賀、東京でワークショップやコンサートをするビル・キースをカバーストーリーに、フルアルバム『Sailing Home』を発表し今月には全米ツアーをする女性トリオ、パイレーツ・カヌー、ハンク・ウィリアムズのセイクレッドソング解説、2012年年発表レコード総括、菅沼工房5弦フィドル製作記A、学生ブルーグラス断簡その壱「松本捺美(神大)と小形奈緒子(東北大)」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3004 2013年2月号(通巻352号)\525-

 ドブロのマイク・オルドリッジのカバーで追悼特集「ブルーグラスを変えたドブロ奏者」ほか、ブラザーデュオ秀作を発表した渡辺敏雄、かつてジューンアップル誌のスタッフだった菅沼利夫「5弦フィドルへの道@」、ラジオ関西「カントリーミュージック・トラベル」が今年20年、950回目を迎えているDJ阿部和則のリポート、1946年のブルーグラス誕生の年にオープリで出会った?ハンク・ウィリアムズとビル・モンローなどの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3003 2013年1月号(通巻351号)\525-

 アール・スクラッグスの右手の表紙写真にメイン特集は、村片和彦のアール・スクラッグス奏法解析「俺、アールやもん」と、先月号の50年前のフラット&スクラッグス『カーネギーホール』で「マーサ・ホワイト!」を叫んだ本人の当時のリポート「アール・スクラッグス異聞」ほか、市川慎一郎のボジョアギター“Slope D”「バンジョーキラー」修理リポート、若手ドブロ宣言「ドブロだって主役!」、60年前の1953年1月1日にアパラチア山中で息を引き取ったハンク・ウィリアムズの最後の1年ドキュメント、フットヒル・ドライブ「アメリカツアー記」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
 B.O.M.厳選、詳細解説コーナー!
 (新譜/旧譜の別なく、商品解説とともに、知っておきたい情報満載...!)
 ■ブルーグラス
  MH-1485 THE GRASCALS『When I Get Pay』CD\2,573-(本体\2,450-)

When I Get My Pay/American Pickers/(Two Boys on A) Dirt Road/Are You Up For Getting Down Tonight?/When I Fall In Love Again/Rock Turns to Stone/Mr Fix It/Bluegrass Melodies/It Won't Break My Heart/Roll On Big Mama/Silver Strands/Heading South/Five Miles to Milan. 全13曲

 ナッシュビルのライブハウス、ステーションインからザ・サイドメン(唯一のアルバム『Almost Live! at the Station Inn』(RC-112 \2,573-)は日本のレッドクレイから)経由で生まれたザ・グラスカルズ、ミニアルバムを含めて8枚目となる最新作である。デビュー作から今年で10年、明らかにオズボーンブラザーズのノウハウを踏襲、というか……ファンであるボビー・オズボーン「ワナビー」のジェイミー・ジョンソン(g)が、オズボーンのメンバーだったテリー・エルドレッジ(g)とテリー・スミス(bs)、そしてソニー・オズボーンに可愛がられた女性クリスティン・スコット・ベンソン(bj、最初のメンバー、デビッド・タルボットもソニーのワナビー!?)、そしてニューグラス系スーパーピッカーだったダニー・ロバーツ(m)にジェレミー・アブシャイアー(f)といった超一級ミュージシャンが、本作では軽いパーカッションを伴いながらオズボーンズと同様、一般人にも聴きやすくクロート筋にはその完璧な音づくりで唸らせる。
 バンジョーがずっと鳴っているのに何故かうるさくないのはやはり女性ピッカーならではのタッチのせいだろうか?とてもスムースにバンドサウンドの中に溶け込んでいるように思うのは……それともエコひいきなのだろうか!? そのクリスティンがジェイミーの書いた"Are You Up for Getting Down Tonight"でデュエットパートナーとしてボーカルデビュー、下を向いて必死にバンジョーに取り組んできたものの習い性だろうが、きっとめちゃくちゃ照れて、よほどの決意ほして歌い始めたに違いない。なかなかロマンチックな声で、これがいいんだ、なかなかネ。そのジェイミー、妻のスザンヌとの共作を3曲収録、ますますそのボーカルにも磨きがかかっている。ガース・ブルックスやアラン・ジャクソンほか、数々のカントリーヒットを書いたレッド・アレンの息子ハーリー・アレン(1956-2011)の曲も3曲、ブルーグラス仲間の遺作を取り上げるほか、タイトル曲はファミリーバンドでも活躍するバプティスト教会の牧師ドルトン・ロバートソンをはじめ、ショーン・キャンプやビリー・スミス、そしてボーイズフロムインディアナのオウブリー・ホルト作品、そしてオズボーンズの完全コピー"Bluegrass Melodies"など、1975年のトラック野郎の歌"Roll n Big Mama"以外の12曲、その著作権料は全部ブルーグラス関係者に行く。さすが元サイドマンとしての苦労人ばかり、ブルーグラス仲間への思いはひときわなのだろう……!?
 おっと、そうそう、今やカントリーの大スターとなったステーションインの常連元ブルーグラス小僧、ダークス・ベントリーが"American Pickers"でゲストボーカルも美味しいぞ。アルバム全編を通して、とてもリラックスして楽しめる作り込まれたこの肩の凝らなさこそオズボーン・ブラザーズの血なのに違いない。楽器、ボーカル、コーラス、どれをとっても完璧な満足を感じさせてくれる素晴らしいアルバムである。
  RCSI-1101 DEHLIA LOW『Tellico』CD\2,070-(本体\1,980-)

Take Me Back/Bide My Time/Climbing Devil's Pass/Santa Ana Winds/Wilkins County Wood/Lord Won't You Help Me/Spoon/More Than I Can Take/Buffalo To Washington/Wandering Boy/River is Rising/Anatori/Plains of Tellico.

 昨夏、北海道から関西を愛娘サチちゃんとフィドルを背負って訪れたアーニャ・ヒンクル(そのリポート前編はムーンシャイナー1月号参照)が2007年に結成、2009年のこのアルバムの成功でマールフェスへの出演やレベルレコードからの全米デビューをものにしたノースカロライナを本拠にした若いブルーグラスバンド、デリアロウの自費制作品だ。アーニャのオリジナルとボーカルをメインに、彼女のアパラチアン・ブルース(ブルーリッジ育ちで、大学時代にピードモントブルースを学んだという)といった風のハスキーで気だるい系の魅力的なボーカルと、カリフォルニア大バークレイ校卒といった世界観をベースに、なおダウントゥアースなオリジナルソング4曲がフィーチャー。もうひとりの女性ステイシー・クロウド(g)とのデュエットもいい。
 そして男性ボーカル、グレッグ・スティグレッツ(g)のオリジナル3曲はトラッドをベースにしたニューグラスほか、ノーマン・ブレイクの“Lord Won't You Help Me”はカーターファミリーを思わせる。アーロン・バランス(d)のドブロの特徴を生かした2曲のスローなインスト、マンドリンのブライアン・クレンデニンはインストとボーカル物の2曲を提供。アーニャのボーカルをメインに、ノースカロライナの若者たちがそれぞれのオリジナリティを持ち寄って創り上げた労作。アーニャは昨春のマールフェスでバンドを解散、ドブロのアーロンらとともに新バンドを結成、名前は本作タイトルと同じ、「テリコ」というそうだ。
  RCSI-1097 MICKEY GALYEAN & CULLEN'S BRIDGE『』CD\2,573-(本体2,450-)

Bell of the Ball/Blood On Mama's Apron/Lonely River/Betty Jean's Last Ride/Drinking From The Fountain/You Better Get Right/Tenderly Calling (Come On Home)/Over Yonder In The Graveyard/You Broke My Heart Just Tonight/Kneel Down/May I Sleep In Your Barn Tonight Mister/Riding The L & N. 全12曲

 1972年、シビアなトラッドファンだけが熱狂的に支持したカウンティ盤フットヒル・ボーイズ、そのアルバムタイトルも『Bluegrass in the Carolina Mountains』や、1974年から84年までフォークウェイズから4枚のアルバムをシリーズ発売した(もう1枚、同バンドのボビー・ハリソンとふたりで『Let Me Fall』を発表している)、その名もバージニア・マウンテン・ボーイズなどで知られる2010年に亡くなったカレン・ギャリアン(bj)の息子ミッキー・ギャリアンとカレンズブリッジのデビュー作。バージニア州ゲイラックスとノースカロライナ州マウントエアリーというオールドタイム音楽の宝庫で何代にもわたって音楽に囲まれた環境で生まれ育ち、あのラリー・リチャードソンは従兄弟というカレン。その素晴らしいバンジョーテクニックと渋い、けれどもキャッチーなオリジナルソングの数々は、まさしく現在の「ブルーリッジ系ブルーグラス」の元祖といえる。本職は製材所のトラック運転と警備員として働き、息子ミッキーを素晴らしいブルーグラスシンガーに育てている。どうしてブルーグラスをやりはじめたのかというインタビュアーに、「何言ってんの、わたしはブルーグラス家族に生まれたんだよ」と答えている。トラッドグラスとともに育ったような父親(1939-2010)は、生活そのものがブルーグラスだったような人生だったに違いない。なお、カレン・ギャリアンのオリジナル15曲をテリー・バウカムやジュニア・シスク、ジョニー・ウィリアムズほか、ブルーリッジ系の継承者たちが演じるBOMの2009年のベストセラー『Born Into Bluegrass』(MRR-1007 \2,573-)は強力お勧め盤である。
 その息子のミッキーが父の存命時にはリッチ・イン・トラディションで活躍、先の父へのトリビュート盤のほかにもバンドとして素晴らしい2010年作品『Black Mountain Special』(MRR-1010 \2,573-)も発表していたが、2010年の父の死を契機に「カレンの橋」というバンド名で活動をはじめた最初のアルバムがこれ。ミッキーのギターとリードとテナーボーカル、バンジョーとテナーとバリトンにはソングライターとして"A Far Cry From Lester & Earl"で2012年のIBMA最優秀ソングを受賞したリック・パーデュー、フィドルとバリトンとバスボーカルにジョーダン・ブレビンズ、ベースとリード、テナー、バリトンボーカルのブラッド・ハイアットの4人組にゲストボーカルとしてジェイムズ・キング! リックとブラッドのオリジナルが各3曲に、ビル・モンロー(スタンレーの録音で知られる。ここではジェイムズ・キングがリード。ブルーグラス45もやってるよ!)"You Better Get Right"、父カレンの"Lonely River"(いい曲!!)、オラ・ベル・リードOver Yonder in the Graveyard"ほか、トラッドの"May I Sleep in Your Barn?"など、ジェイムズ・キングはもう1曲"You Broke My Heart Just Tonight"という("Love Me Darling Just Tonight"を捩ったような)ホンキートンク風ブルーグラス……どの曲もいまどきのスーパーピッキンやタイトなアンサンブルで失ってしまった自然なトラッドグラスのメロディとサウンドが嬉しい作品。
  HMG-1012 DONNA ULISSE『Showin' My Roots』CD\2,573-(本体\2,450-)

Showin' My Roots/One Way Rider/Take This Hammer (duet with Sam Bush)/How Mountain Girls Can Love/If That's The Way You Feel/Fist City/In The Good Old Days When Times Were Bad/Wait A Little Longer Please Jesus/Somebody Somewhere (Don't Know What He's Missing Tonight)/Your Good Girl's Gonna Go Bad/I Hope You Have Learned/Send Me The Pillow You Dream On/I've Always Had A Song I Can Lean On. 全13曲

 癖のないキュートなボーカルに、ナッシュビルの超一級ブルーグラス職人たちが創る女性ブルーグラス秀作を発表してきたドナ・ユリッシー、ブルーグラスとしての最新第7作(ゴスペル企画を含む)である。バージニア州ハンプトン生まれ、10代でウエスタン・スウィング・バンドのシンガーとなるというほどの音楽一家に育ち、ナッシュビルに移ってからデモシンガーやジェリー・リードらのバックアップボーカルなどを務めたのち、1991年にはアトランティックからメジャーカントリーデビュー。そののち夫リック・スタンレーに連れられて、彼の実家に行ったとき、彼の父親から従兄弟たちカーターとラルフの曲"How Mountain Girls Can Love"のハーモニーを歌うように言われて初めてブルーグラスを歌った。そのとき、その音楽のシンプリシティー(質素)とリアルな歌詞のオネスティー(正直さ)に驚き、自分でも曲を書きはじめたという。彼女の曲はデル・マッカーリー・バンドやクレア・リンチらベテランをはじめ、今話題のバンケスターズら若手のバンドにもカバーされている。
 本最新作は、ブライアン・サットン(g)との共同プロデュースでスコット・ベスタル(bj)、アンディ・レフトウィッチ(m,f)、ロブ・アイクス(d)、ビクター・クラウス/バイロン・ハウス(bs)ほか、ボーカルゲストにはサム・ブッシュとのデュエットでの"Take This Hammer"(サムをゲストにしてのクロウハンマーバンジョーをフィーチャーしたオールドタイム風アレンジが珍しい)をはじめ、ハーモニーにジョン・カウワン、カール・ジャクソン、ラリー・コードル、フランク・ソリバンほかを配し自らの音楽ルーツである夫の従兄弟であるスタンレー曲で、最初のブルーグラス曲"How Mountain..."やホンキートンク風"If That's the Way You Feel"を美しくアレンジ、ドリー・パートンの"In The Good Old Days When Times Were Bad"、タミー・ワイネット“Your Good Girl’s Gonna Go Bad”、そしてロレッタ・リン"Fist City"ほか、現在ヒット中の"Send Me the Pillow"からモンローまでをカバー、最初と最後には自身のオリジナルでこれらカバー曲に対する愛情とリスペクトを払っている。
 人がブルーグラスにハマっていくのにはさまざまな動機があるだろうし、そのことを表現する方法もさまざまだ。そんなさまざまなニーズに応えられるだけの音楽的な幅とミュージシャンの質に関して、ブルーグラスは無敵かもしれない……。どんな曲も、アコースティックなシンプリシティー(質素)とリアルな歌詞のオネスティー(誠実さ)がベースにあるからだろう。ドナはそんなブルーグラスに自分の世界を見つけたのだ。
  REB-1854 JUNIOR SISK & JOE MULLINS『Hall of Fame Bluegrass!』CD\2,573-(本体\2,450-)

Wild Mountain Honey/The Bluebirds are Singing for Me/I'll be There, Mary Dear/Brand New Shoes/I'll Drink No More Wine/I'll Never Make You Blue/I'm So Happy/No Blind Ones There/Greenville Trestle High/Don't Let My Love Get in the Way/Single Girl, Married Girl/No Doubt About It/They Can't Love Jesus More Than Me. 全13曲

 もうこの選曲を見ただけでノックアウト!でしょ!? オズボーンとレッド・アレンの1曲目から、マック・ワイズマン、ビル・クリフトン、ビル・モンロー、ジミー・マーティン&ポール・ウィリアムズ、チャーリー&カーリー・レイ・クライン(ロンサムパインフィドラーズ、フランク・ウェイクフィールド)、ドン・レノ、J.D.クロウ、ドック・ワトソン、デル・マッカーリー、カーター・ファミリー、フラット&スクラッグス、ジム&ジェシーのIBMA名誉の殿堂入りした13組の渋いシブイ13曲をカバー。
 演じるのはランブラーズ・チョイスを率いてヒット曲 "A Far Cry From Lester & Earl"で2012年のIBMA最優秀ソングとアルバムを獲得して男泣きしたジュニア・シスク、さらに今年はIBMA最優秀男性ボーカル受賞でまた泣いてしまった……、そのまんまアパラチアン純情を絵に描いたような誠実な人なんだろう。そしてテナーとビッグバンジョーには、去年のIBMA最優秀新人賞と今年の最優秀ライナーノーツに選ばれたジョー・マリンズ。父はフィドラーとして、またブルーグラスDJとして知られ、ラルフ・スタンレーの名曲“Katy Daley”の作者ポール・マリンズで、現在は父の遺志を継いでオハイオでラジオ局を経営、昔ながらのクラシックカントリーとブルーグラスを流している。そのバンジョーはスクラッグスをベースに、そこから止めどなく発展させようという意思を持ったタイプ、つまり発露は異なるがソニー・オズボーン流の、もちろんドン・レノもこなすビッグバンジョー。
 バージニアのブルーリッジど真ん中出身のジュニアとオハイオ・ブルーグラス(アパラチアより濃い!?)の伝統を継ぐジョーのふたりに、ジェイソン・カーターの入魂感情炸裂フィドル、ジェシ・ブロックの頭脳マンドリン、そしてマーシャル・ウィルボーンの落ち着いたベース。ジュニアとジョーのデュオをメインに曲によってはトリオやカルテットもある。まさに知る人ぞ知る「夢」の「これがアーリーグラスだ!」協演、ストレートなブルーグラスファン必携作品!!
 ■インスト
  ROU-0638 V.A.『Foggy Mountain Special: A Bluegrass Tribute to Earl Scruggs』CD\2,543-(本体\2,450-)

Flint Hill Special/Reuben/Foggy Mountain Special/Randy Lynn Rag/Sally Goodin/Pike County Breakdown/Foggy Mountain Rock/Nashville Skyline Rag/Earl's Breakdown/Steel Guitar Rag/Ground Speed/Foggy Mountain Breakdown.

 2012年3月28日、88歳で亡くなったアール・スクラッグスに捧げられた、現在トップバンジョイストたちの新録音企画作品。
 言うまでもなく、現在あるブルーグラスという音楽スタイルの基をビル・モンローとともに創り上げたもっとも重要な偉人アール。ブルーグラスとは何か?……それは、音楽的には例えば「完璧にコントロールされたスリーフィンガーから編み出される一音一音をすべて認識し、その三本指(三拍子)が早いツービート(2/4拍子)と出会ったアフリカ由来のポリリズム(複数の異なるリズムが同居することで西洋音楽にはない概念)から発生するシンコペーションを、すべての演奏者/リスナーが感得すること」である、とすれば、それはアールでなければ産み出せなかったものであり、ビルとアールが出会わなければあり得なかったものだろう。
 そんな偉大なアールを尊敬する12人、デビッド・タルボット、ジム・ミルズ、ロン・ブロック、チャーリー・クッシュマン、ラリー・パーキンズ、ロン・スチュワート、トム・アダムズ、J.D.クロウ、ジョー・マリンズ、トニー・トリシュカ、ケニー・イングラム、クレイグ・スミスの12曲、あえて言えば、アールの時代(1950〜60年代)よりも社会的に煮詰まっている21世紀、それぞれのアールへの思いを込めた素敵な12曲。バックにはロン・スチュワートのフィドル(そのバックで何を弾くか?も大きなポイントだよ)、マンドリンはアダム・ステッフィまたはダン・ティミンスキ、ランディ・コーアズのドブロ、そしてレスターの偉大さがつくづく分かるコディ・キルビー、ダン・ティミンスキ、クレイ・ヘス、ワイアット・ライスらのギターにデニス・クロウチまたはバリー・ベイルズのベース。アールが創造したバンジョー世界にさまざまな表現者が挑む、チョー楽しい、お勧めのバンジョーアルバム。
 ■オールドタイム/フォーク
  FHR-1066 THE SOUTH CAROLINA BROADCASTERS『Can You Hear Me Now』CD\2,573-(本体\2,450-)

Pretty Little Raindrops/Can You Hear Me Now/Roustabout/Take Away This Lonesome Day/Can’t Feel at Home in this World Anymore/Fall on My Knees/River of Jordan/When You’re Not Looking/Train 45/Home To Stay/When God Dips His in My Heart
Mobile Boogie. 全12曲

 ニューズレター#397で最新CD作『Short Time to Stay Here』(FHR-1067 \2,573-)を紹介したサウスカロライナ・ブロードキャスターズの2012年作品。ノースカロライナ州マウントエアリーの伝説的なラジオ局WPAQでオールドタイム番組を持つアイビー・シェパード(f)に、グレース・ケネディ(bj、現在はサラ・オズボーンに代わっている)の女性ふたりとデビッド・シェパード(g)のストリングバンドのトリオ。カーターファミリーのACMEセッションから"Pretty Little Raindrops"を皮切りにトム・T.ホール作でドイル・ローソンやヒザー・マイルズの名唱で知られるタイトル曲、フラット&スクラッグスの"Roustabout"もロイ・エイカフと見まごうヒルビリースタイル、アイビーとグレイスのハーモニーが秀逸なデルモア"Take Away This Lonesome Day"、最新作でも"Sing, Sing, Sing"を取り上げていたハンク・ウィリアムスのゴスペル曲には今回、"When God Dips His Love In My Heart"を配し、最後には"Mobile Blues"でブギウギするなど、さまざまな南部音楽を取り上げている。その歌唱/演奏手法は、ボーカル技術を廃して生身の「声」をストレートに表出するソロとハーモニーが商業音楽ではない部分のアパラチアに伝わってきた音楽を思わせる。20世紀以降のラジオとレコードの商業主義に毒されていないアパラチアの原初的な音楽のあり方を聴くようだ。「ボイスオブブルーリッジ」という愛称を持つラジオ局のDJを通じてさまざまな音楽を掘っていく中で、おそらくアイビーが見つけたもっともストレートなアパラチアの感情表現なのだろう。混じり気のないエネルギーに満ちている。
 ■カントリー
  HOTR-6996 CURTIS POTTER『Songs of the Cherokee Cowboy』CD\2,573-(本体\2,450-)

The Songs of the Cherokee Cowboy (A Tribute to Ray Price, Duet with Willie Nelson)/Danny Boy/If She Could See Me Now/I Love You So Much It Hurts Me/Sittin' and Thinkin'/I Won't Mention It Again(Duet with Ken Garrett)/Walk Me to the Door/I'm Still Not Over You/It Should Be Easier Now/Soft Rain/Healing Hands of Time/Night Life. 全12曲

 低音から高音まで、ものすごい声量で、いわゆるレイ・プライス・シャッフル(フォービート)に乗ってすばらしいボーカルを聴かせるカーティス・ポッターの最新作は、同じテキサス出身の偉大なレイ・プライス(87)にささげたトリビュート曲と、その(日本ではあまり評価されなかったかもしれない)有名11曲集。まさに、「ハートオブテキサスレコード(HOTR)」の本丸、スティールギターとフィドルが大活躍できるサウンドである。1960年代以降、それまでのシンプルな「ホンキートンク」カントリーのミュージシャンたちが音楽的にさまざまなノウハウを得ていき、ついには「ナッシュビル・サウンド」と呼ばれるポップオーケストラの領域にまで昇華したサウンドは、たとえばここにも収められている“Danny Boy”などで如実なように、当時のハンク・ウィリアムズらを至上とするカントリーファンには受け入れられなかったのかもしれない。しかし、その高い音楽性と歌唱力は、ここでカーティスのすばらしい演唱からも知れるように、カントリー音楽の持つ多様性を70年代以降、より多くの人に知らしめることになっていったと言えよう。何故かわが家にはレイ・プライスのアルバム『Danny Boy』(1967)があり、当時心酔していたフラット&スクラッグスのアルバム『Hear the Whistles Blow』(1967)――おそらく今でも、彼らのアルバムのうちもっとも好きな作品――を聴き狂っており、フラット&スクラッグスはもとより、そこで聴かれるグラディ・マーティンのクラレンス・ホワイトにつながる究極のフラットピッキンギターにも驚いていて、アルバム『Danny Boy』のストリング・オーケストラの指揮とアレンジがグラディだということに気付き、そのすばらしいウッドベース(たぶんボブ・ムーアか?)と、ほんの少し顕れるフラットピッキンのせいでそのアルバムも聴きこんだ覚えがある。1950年代に“Release Me”(1954)、“Crazy Arms”(1956)、“Heartaches by the Number”(1959)などのヒットを放ったレイ・プライス、ここでカーティスがカバーするのは、“Soft Rain”(1961)、“Night Life”(1963)、“I'm Still Not Over You”(1967)、“I Won't Mention It Again”(71)など、「ナッシュビル・サウンド」以降の名曲が中心。カーティスの歌唱力が存分に発揮され、バディ・エモンズ、バディ・スパイカー、ジョニー・ギンブル、ピート・ウェイド、ピッグ・ロビンスら「Aチーム」の名前も見えるミュージシャンたちはウキウキとバックアップにいそしむ秀作である。
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