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       B.O.M.Newsletter #402
                      2014年4月16日

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 INDEX

  ■全国イベント・カレンダー 
新入荷  
  ■ニュースレター#402 新入荷ダイジェスト 
新入荷紹介   
  ■ブルーグラス新入荷
  ■インスト新入荷
  ■オールドタイム/フォーク新入荷
  ■カントリー新入荷
  ■映像モノ新入荷
最近作/お勧め作、
再入荷ダイジェスト
 
  ■月刊ムーンシャイナー特集/関連作品
  ■基本の名演/名盤と入門作品
  ■ブルーグラス最近作/お勧め作
  ■発掘/編集、名盤/名演など……
  ■インスト最近作/お勧め作
  ■オールドタイム/フォーク最近作/お勧め作
  ■カントリー最近作/お勧め作
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楽器関連作品  
  ■ギター
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書籍
輸入雑誌  
  ■フラットピッキン・ギター誌
  ■バンジョー・ニューズレター誌
  ■ブルーグラス・アンリミテッド誌
  ■オールドタイム・ヘラルド誌
月刊『ムーンシャイナー』  
B.O.M.厳選、詳細解説コーナー!  
  ■ブルーグラス詳細解説
  ■カントリー詳細解説
  ■映像もの詳細解説
B.O.M.ご利用方法  
   
 
 さまざまな命がざわざわと蠢くサイコーの季節、サイコーな気分で音楽しましょう、ゼ!!
 5月10〜11日には久しぶりの春フェス、「宝塚春のブルーグラスフェス」です。やっぱ、ジッとしてられないもんね。山の中で夜更けまで痛飲、通演!? 皆さんもいかがですか? こんな楽しみが待ってるのに、やらん手はないもんね……!!

◆月刊ブルーグラスジャーナル「ムーンシャイナー」
 創刊31年目、最新4月号(\540-)は、北大トリオのアメリカ冬フェス体験記「ウィンターグラス」のほか、2014年度新入生歓迎特集号と称して、J.P.マティス「日本ブルーグラスと人生最良の一週間」、大野真「大学4年どっぷりブルーグラス」、名古屋大学「小杉大智」など若者特集ほか、新岡雅巳「音の暴力復活!」、西宮フォートワースジャンボリーへのお誘い、乙女バンジョー「続アビゲイル・ウォッシュバーン」、丹沢サークル・ケンタッキー制覇ツアーリポートCなど、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
 月刊ムーンシャイナー定期購読は1年間(12冊)\6,300- 半年間(6冊)\3,450-。単冊\540-(送料\78-)。定期購読は購読開始希望月をお知らせくだされば早速お送りします!! また情報提供、そしてご自由なテーマでのご寄稿など……、なにとぞムーンシャイナーにご協力を、よろしくお願いします!
 ■全国イベント・カレンダー
  以下、ムーンシャイナー誌4月号に寄せられたイベントです(個別バンドのライブ=来日&国内ツアー/企画物以外=はムーンシャイナー誌上にて)。
◆やぎたこ
 ルーラル・アメリカンな男女オールドタイム・デュオ
4月19日(土)土浦、すのっぶ029-824-0903
4月20日(日)東中野、じみへん070-6557-8536
4月25日(金)八尾、ナッシュビル072-924-1960
4月26日(土)嵐山、音や075-862-1225。共演:木崎豊
4月27日(日)京都、第65回DIMEコンサート
5月3日(土)町田、万象房042-851-8875
5月4日(日)高崎、ソラオバー027-387-0880
5月5日(月)前橋、水星080-5419-8565
総合 (問)yanagi_yagitako@yahoo.co.jp
◆4月19〜20日(土、日)奈良「ディープ・サウス・ピッキン・パーティ」桜井、あるぽーる。バンド\1000-一般参加無料。(問)塩田 js3ohh@mahoroba.ne.jp
◆4月29日(火)兵庫「Sea Mountain」神戸垂水、旧グッゲンハイム邸。海と洋館のオールドタイム/ブルーグラス/アイリッシュ(問)佐々木由紀070-5503-5867
◆5月3〜4日(土、日)岩手「第28回みちのくブルーグラス・フェスin小岩井」雫石町、小岩井農場(問)http://www016.upp.so-net.ne.jp/mmmm/sub1.html
◆5月3〜4日(祝)京都「第20回丹後ブルーグラス&フォークフェス」京丹後市小町公園。参加費\1000-。エントリー26日まで(問)木村yk.kimura0821@gmail.com
◆5月3日(祝)大阪「吉例マンドリンナイト Andy中嶋(東京)/Dawg Experience(滋賀)」東淀川、オッピドム06-6151-8106。19時 \2500-。出演者募集中
◆5月4〜5日(祝)千葉「第39回千葉ブルーグラスフェスティバル」佐倉市神門、\3000-(高校生以下無料)(問)金井健二 cramp_1956_ken@yahoo.co.
◆5月4日(日)愛知「鶴舞公園ブルーグラスミュージックフェス2014」鶴舞公園奏楽堂前広場、12時〜16時、入場無料カンパ募。ペン参照(問)亀田 090-7035-1175
◆5月6日(祝)大阪「第3回ロストシティ・ファンの集い」東淀川、オッピドム06-6151-8106。14時 \2500-
◆5月10〜11日(土)兵庫「第32回宝塚春フェス」三田アスレチック(0795-69-0024)。10日午後3時〜翌11日昼まで。\2,500-(大部屋無料開放)(問)BOM 0797-87-0561
◆5月11日(日)大阪「第26回ハーベストの丘ブルーグラスフェス」堺、ハーベスト・星広場(予定)雨天中止。バンド募集。11時〜(問)塩田 js3ohh@mahoroba.ne.jp
◆5月17〜18日(土、日)大阪「第3回稲葉和裕ブルーグラス・キャンプ」箕面市立青少年教学の森キャンプ場。参加費\3000-(問)アビリーン072-762-5353
◆5月17日(土)兵庫「第13回フォートワース・ジャンボリー」西宮アミティホール。14時、前\3500-当\4000-。本誌28頁特集参照(問)フォートワース0798-39-1923
◆5月18日(日)神奈川「第37回ビッグ・マウンテン・オープリ」伊勢原市民文化会館。11時45分無料(問)http://www2h.biglobe.ne.jp/~foj/BMO.html/BMO.html
◆5月18日(日)兵庫「神戸まつり協賛ジャカジャカ・ブルーグラス」詳細不明。シルクロード078-371-6747
 新入荷
 ■ニュースレター#402 新入荷ダイジェスト
  COMP-4627 SPECIAL CONSENSUS『Country Boy: a Bluegrass Tribute to John Denver』CD(本体\2,450-)\2,646-

 これは楽しい!ジョン・デンバーのブルーグラスカバー集。ブルーグラス不毛の地と言われるシカゴ周辺で1974年以来プロとしてバンドを維持、ノーム・ピケルニーや故マロ川端らの面倒を見てきた苦労人、グレッグ・ケイヒルが多彩なゲストを迎え、アリソン・ブラウンのアレンジで制作した素晴らしいお勧めブルーグラス作品。ブルーグラス新入荷参照
  NONE541944 NICKEL CREEK『Dotted Line』CD(本体\2,450-)\2,646-

 なーんとビルボード総合7位! ハッキリ言ってメジャーバンドとなったニッケル・クリーク、7年ぶりに再結成、2週間をかけて練りに練った9年ぶりの最新作である。1998年、岐阜の時山フェス(現在・多治見フェス)のゲストとして来日したとき、クリス・シーリとサラ・ワトキンスはともに17歳、ショーン・ワトキンス21歳……。あのときのブルーグラスをベースに、広い世界に羽を広げ21世紀に飛翔、ジャンルを飛び越え、今や……もう凄いです。ブルーグラス新入荷参照
  PATUX-249 AL JONES『Hard Core Bluegrass』CD(本体\2,450-)\2,646-

 これほどにソウルフルにして真実っぽいトラッドグラスは稀だろう。まさにパタクサントレコードの本領発揮! すでに公然の秘密だから書いてしまうが、ビル・モンローの生物学上の息子アル・ジョーンズ、……ジャケ写を見れば一目瞭然!? 全身全霊で歌う80歳の素晴らしいトラッドグラスの極致。ブルーグラス新入荷参照。
  RUR-1116 JIM & JESSE『Radio Shows』CD(本体\2,450-)\2,646-

 1978年に2枚組LPとして発表されたブルーグラス界のお宝録音!が初CD化である。1962年のジム&ジェシー、偉大なアレン・シェルトン(bj)、バッサー・クレメンツに替わったジム・ブキャナン(f)、バージニアトリオというユニットで知られるドン・マクハン(g)にデビッド・サザーランド(bs)。自身のレパートリー“Have You Lost Your Love”や“Diesel Train”などのほかはラジオ聴取者からのリクエストを中心に選曲。ブルーグラス新入荷参照
  PATUX-242 TOM MINDTE『Something I've Been Working On』CD(本体\2,450-)\2,646-

 トラッドグラスとマンドリンをこよなく愛す……そんな姿勢がありありと伝わって来るパタクサント・レコードの総帥トム・ミンテの素晴らしいブルーグラス愛にくるまれた大秀作! ブルーグラス新入荷と巻末のブルーグラス詳細解説参照
  RUR-1117 BILL EMERSON & SWEET DIXIE『Dancin' Annie』CD(本体\2,450-)\2,646-

 カントリージェントルメンの創始者で、レッド・アレンやジミー・マーティンの最盛期をともにしたブルーグラス音楽界でもっとも影響力のあるバンジョー奏者のひとり、ビル・エマーソンとスゥィートディキシーの最新作。ブルーグラス新入荷参照
  RCSI-1103 WINDY HILL 『Lonesome Garbage Man』CD(本体\2,450-)\2,646-

 バーン・ウィリアムスからアール・ブラザーズへとつづく北カリフォルニア伝来の泥臭いトラッドグラスを受け継ぐウィンディヒルの最新作。最先端の流麗にはほど遠い、どろどろブルーグラスファンにお勧めだ。ブルーグラス新入荷参照
  OLW-1820 BLUE VELVET BAND『Sweet Moments with the Blue Velvet Band』CD(本体\2,750-)\2,970-

 1969年、ビル・キースとジム・ルーニーにリチャード・グリーンとエリック・ワイズバーグによる初期ブルーグラス/カントリーロックの大貴重盤CD化! ブルーグラス新入荷とカントリー詳細解説参照
  PATUX-244 NATE LEATH & Friends『Volume 2』CD(本体\2,450-)\2,646-

 天才フィドラー、ネイト・リースが再び凄いアルバムを発表だ。オールドタイムに正面から挑んだ前秀作『Rockville Pike』(PATUX-177 本体\2,646-)の第2作と位置づけ、チェロのルシャッド・エグルストンを迎えた凄いオリジナルフィドルチューンやトラッド、そして妖しい女性ボーカルでのA.P.カーターの“Wildwppd Flower”からベラ・フレックの“Down in the Swamp”まで、素晴らしい!!! インスト新入荷参照
  RCSI-1106 ANNIE SELLICK & HOT CLUB OF NASHVILLE『Play the Songs of Tom Sturdevant』CD(本体\2,450-)\2,646-

 女性スウィングジャズ・シンガー、アニー・セリックがナッシュビル在住のソングライター、トム・スターディバントの作品をナッシュビルのホットクラブバンド(フィドルにアーロン・ティル!)をバックに歌う素晴らしいジャズボーカル作品。インスト新入荷参照、
  REM-0684 MOLLIE O'BRIEN & RICH MOORE『Love Runner』CD(本体\2,450-)\2,646-

 ティムの姉モーリー・オブライエンと夫リッチ・ムーアの最新作。「マリア・マルダーからスージー・ボーガス、そしてエラ・フィッツジェラルドまでを感じさせる」と言われる圧倒的な歌唱力で、ヘイゼル・ディッケンズの“West Virginia, My Home”ほか。オールドタイム/フォーク新入荷参照
  MAF-004 ながい よう『ぱいぬかじ』CD(本体\1,851-)\2,000-

 1970年代、ザ・ディランや五つの赤い風船などで活躍した、ながい よう(1949-)の最新作。仮設住宅をテーマにした一曲目から、社会的なテーマを中心にしたオリジナル11曲集。4曲で秋元 慎のマンドリンほか、三線やブルースハープなどをフィーチャー。タイトル「パイヌカジ」は、沖縄の「南ぬ風(南風)」という意味だそうだ。日本で唯一、悲惨な地上戦が行われた南の島からのメッセージは、現政権で一歩ずつ近づく戦争への警鐘だ。……もちろん、フォークミュージシャンらしいユーモアもたっぷり...!?
  LDR-1007SUZY BOGGUSS『Lucky』CD(本体\2,450-)\2,646-

 ベテラン女性カントリーシンガー、スージー・ボーガスの最新作は有名マール・ハガード曲集。彼女のメジャーデビューアルバムのタイトルが『Somewhere Between』というマールのカバーだったというから筋金入りのハグ集。ヒットカントリーシンガーにしては都会的な暖かさが心地良い彼女らしいアコースティック色の強い秀作。カントリー新入荷参照
  COL-70973 JOHNNY CASH『Out Among The Stars』CD(本体\2,650-)\2,862-

 偉大なるジョニー・キャッシュ(1932-2003)、1980年代前半に録音されたものの未完成のままお蔵入りとなったアルバム。発売とともに全米ビルボードチャート第2位(当然カントリーは第1位!)ほか、スイスで第1位、オーストリア、オランダ、カナダ、オーストラリア、スウェーデン、ベルギー、イギリス、ドイツで5位以内! カントリー新入荷参照
  B002000502 ROSANNE CASH『River and the Thread』Delux EditionCD(本体\2,950-)\3,186-

 ジョニー・キャッシュの前妻との娘ロザンヌ・キャッシュの最新作は米国、各社の辛口批評家たちからこぞって大きな評価を得た秀作という。今年1月の発売でビルボードのフォーク部門1位、カントリー部門2位、総合部門11位という人気。前2作がともにグラミーノミネートされており、おそらくこの作品が来年の受賞作となるという下馬評が早くもささやかれているという。カントリー新入荷参照
  RANDM-005 THE PALOMINOS『Come On In』CD(本体\2,450-)\2,646-

 ウエストコースト系カントリーファンならご存知、パロミノクラブの名を冠したバンド、パロミノズのデビュー作。1950〜60年代のウエストコースト・ホンキートンクを目指す4人組。カントリー新入荷参照
  RANDM-001 BASTARD SONS OF JOHNNY CASH『New Old Story』CD(本体\2,450-)\2,646-

 「ジョニーキャッシュの私生児」という強力なバンド名、1995年カリフォルニア州サンディエゴで結成されたバスタード・サンズ・オブ・ジョニーキャッシュ最新作。ブルーグラス界のスーパーピッカー、デニス・キャップリンガー(f,m,bj,d,g)のほか、シュアなペダルスティールとエレキなどのホンキートンクサウンドに乗ってリーダー、マーク・ステュアートの快調なオリジナル。カントリー新入荷参照
  TF-0006 福原照晃『Sings Great Songs of George Strait』CD(本体\2,857-)\3,086-

 日本を代表するカントリーシンガーのひとり、福原照晃。先月紹介した最新作、オリーヴとのデュオアルバム『Making Believe』(TF-0007 \3,086-)の前作、ニューズレターでは未紹介だった2011年作、東京のスタジオミュージシャンをバックに福原の敬愛するジョージ・ストレイトのカバー集である。カントリー新入荷参照
  CCD-PW22 PORTER WAGONER SHOW『Vol. 22』DVD-R2時間以上収録(本体\2,450-)\2,646-

 1960年から1981年まで、686本の30分番組を残した「ポーター・ワゴナー・ショウ」の最新第22巻。映像新入荷参照
  CCD-DP1 DOLLY PARTON『Dolly! Porter Wagoner & Pop Goes the Country Appearances, solos & duets』DVD(本体\2,450-)\2,646-

 20世紀のアメリカンアイコンのひとり、ドリー・パートン。大スターへの階段を上りはじめた頃から成功を収めたの1967年から1977年の間に録画されたソロ26曲と、ポーター・ワゴナーとのデュエット15曲集。映像新入荷参照
  ROU-8846 STEVE MARTIN & the STEEP CANYON RANGERS, featuring EDIE BRICKELL『Live』CD+DVD(本体\3,500-)\3,780-

 昨秋、IBMA週間最終日の大トリ、ノースカロライナ州都ローリーの野外劇場に集まった5000人の観客を熱狂させたスティーブ・マーティン&スティープキャニオン・ランブラーズとイーディ・ブリッケル。昨夏の大ヒットCD『Love Has Come for You』(ROU-9150 \2,646-)につづくツアーを収録した画像と音源である。素晴らしいエンタメ大推薦作!! 映像新入荷参照
 新入荷紹介
 (さらに詳細解説と附された解説はレターの最後尾「月刊ムーンシャイナー」誌紹介の後ろです)
 ■ブルーグラス新入荷
   COMP-4627 SPECIAL CONSENSUS『Country Boy: a Bluegrass Tribute to John Denver』CD(本体\2,450-)\2,646-

Wild Montana Skies/Take Me Home, Country Roads/Back Home Again/Thank God I'm A Country Boy/Poems, Prayers and Promises/Matthew/Sunshine On My Shoulders/Eagles and Horses/This Old Guitar/Rocky Mountain High. 全10曲

 ジョン・デンバー曲集と聞いて引くんじゃない! しかもスペシャル・コンセンサス……知らんなぁ!?なーんて言うんじゃない!! たとえば、“Thank God I'm a Country Boy”をインストにしちゃって、グレッグ・ケイヒルのバンジョーにアリソン・ブラウンが絡んで凄いハッピーなアドリブ合戦、あのバディ・スパイカーとマイケル・クリーブランドでハイテンションでイキまくり、最後には全員が“Thank God I'm a Bluegrass Boy”と叫ぶとか……、あの“Take Me Home, Country Roads”をジョン・カウワンが歌い、コーラスでテナーに回りその一番高いところをヒットしているとか、その間奏の見事な現代ブルーグラスセンスによるアレンジとか……。ロンダ・ビンセントが“Sunshine on My Shoulder”を絶唱するとか……、ピーター・ローワンが歌う“Rocky Mountain High”なんて聴きたくないですか? ゲストにはほかに、男声にジム・ローダーデイル、女声群にクレア・リンチ、デールアン・ブラッドリー、そしてバディ・スパイカー、ジェイソン・カーター、マイケル・クリーブランドのフィドル群など! そしてなにより、IBMA(国際ブル―グラス音楽協会)理事長を長年務めたとてもいい奴グレッグ・ケイヒルが率いる何よりバンドメンバーのリック・ハリス(m)とダスティン・ベンソン(g)のバカ上手さ!! ほんわか爽やかなジョンデンバー歌曲をここまでブルーグラスる手腕に脱帽しよう。
  PATUX-249 AL JONES『Hard Core Bluegrass』CD(本体\2,450-)\2,646-

Calling Your Name/Cheap Love Affair/Nancy/Homesick/Love and Wealth/Rainbow/I Can Never Shed Another Tear my Darling/As Long as I Live/Iron Curtain/Stone Wall/My Friend Frank/This World is not my Home.

 心から出るままに声を絞れば、こんな節ができる……といった風の81歳、アル・ジョーンズのテナーボイスに込められたブルーグラスソウル。この選曲を見れば分かろうというセンス、一曲目のアール・テイラー“Calling Your Name”、二曲目には最高の出来と批評されたビル・モンロー“Cheap Love Affair”、そしてジミー・マーティンの“Homesick”やフラット&スクラッグス“Iron Curtain”……、そのほかトラッド系スタンダードと自身のオリジナル3曲。どれもこれもトラッドファンを唸らせる見事な選曲だ。
 そしてインスト“Rainbow”で聴かせるバックアップメンバーの確かなこと! パタクサントレコードのオーナー、トム・ミンテがアーリーブルーグラスティストに満ちたトテトテ・マンドリンとメチャ渋ボーカル、大ベテラン:トム・ニールの見事なバンジョーメロディの拾い方、若いにもかかわらず50年代フィドルを再現できるパトリック・マッカビニュー、ジョッシュ・グレイブスのテイストを壊さないラス・フーパーらジェリー・スタインバーグ(bs)。スタジオライブの一発録音でオーバーダブなしという音は、フレーズこそ違うがその気合いはアーリーブルーグラスそのもの。あるのボーカルのように、心を込めて音楽に向き合えば自然と生まれるグルーヴだろう。素晴らしい!
 もうひとり、トラッドグラスを演じているというカロライナ・ローズことグロリア・ジーンがアル・ジョーンズの妹だと分かったのは2002年のことだという。モンロー家は一切そのことを認めてはいないが、ふたりとも、そんなことは全然意に介さないという。アル・ジョーンズは、「ブルーグラスの父」の生物学上の息子である以上に、トラッドグラスの正真正銘の精神を受け継ぐ子供なのだ。
 ちなみにアル・ジョーンズ、1976年にラウンダーからフランク・ネセサリー(1935-2011)とコンビを組んで素晴らしいトラッドグラス作品を発表、ビル・キースのソロ作品にもゲストボーカルしていたのをご記憶の方も多いだろう。そんなフランクとのLPアルバム( WEB-0113LP \1,080-)の在庫がある。ご希望の方にはCDRに焼き付けてお送りします。
  RUR-1116 JIM & JESSE『Radio Shows』CD(本体\2,450-)\2,646-

Going Like Wildfire/Snowflake Breakdown/Sitting On Top Of The World/Have You Lost Your Love For Me?/Bluegrass Breakdown/Bye Bye Blues/Don't This Road Look Rough And Rocky/On The Mississippi Shore/Beer Barrel Polka/Will There Be Any Stars In My Crown/I Cried Again/There’s More Pretty Girls Than One/On The Banks Of The Ohio/Cheyenne/Precious Memories/Foggy Mountain Top 他全24曲

 1962年、夢であったグランドオールオープリのレギュラーになる2年前、それこそ必死で上を目指していたジム&ジェシー。艶のあるバリトンボイスのジェシー(“Bluegrass Breakdown”ほかでマンドリンも堪能)、そして一点の濁りもないテナーボイスのジムのマクレイノルズ兄弟のデュオを売り物に、ジェシーの音楽センスによるアレンジ能力とそれに応える偉大なアレン・シェルトン(bj)、のちにグリーンブライアーボーイズからデビッド・グリスマン・クインテットなどに参加したジム・ブキャナン(f)、バージニアトリオというユニットで知られるドン・マクハン(g)にデビッド・サザーランド(bs)。
 一曲目のテーマ、フラット&スクラッグスで知られる「マーサ・ホワイト」から、ジム&ジェシーらしさ……というか、ミュージシャンの遊び心炸裂の素晴らしくホットな本気ブルーグラスが堪能できる。自分たちのレパートリーである“Diesel Train”の見事なアレンジとアレンとジムの凄いこと。かつてアレン・シェルトン(1936-2009)追悼特集のムーンシャイナーでも紹介したように当時、ジム&ジェシーのツアーバスでは凄まじいジャムが繰り広げられていたという、そんなことが伺えるミュージシャンシップの高さが堪能できる。
 1978年に2枚組LPとして発表されたブルーグラス界のお宝録音!が初CD化である。1962年、ハンク・ウィリアムズが歌い始めたというアラバマ州モンゴメリー(ナットキング・コールの出身地でもある)のラジオ局WBAMで収録された自身のレパートリー“Have You Lost Your Love”や“Diesel Train”などのほかはラジオ聴取者からのリクエストを中心に選曲されている。1962年というとフラット&スクラッグスはTVシリーズ『じゃじゃ馬億万長者』でブレイク、末にはニューヨークのカーネギーホール公演という華々しさの一方、同じマーサホワイト製粉社のサポートを得ながらも南部を回るジム&ジェシー、その確かな音楽性とともに
  PATUX-242 TOM MINDTE『Something I've Been Working On』CD(本体\2,450-)\2,646-

Flat Creek/Queen of the Delta Waltz/Dusty Miller/Lonesome Moonlight Waltz/Avalon/Mom and Dad's Waltz/El Cumbanchero/Victoria Waltz 他全13曲

 近年、ワシントンDCグラスを久々に活気づかせているパタクサントレコードのオーナー、トム・ミンテが満を持してのマンドリン・インストアルバムの発表である。バズ・バズビーとフランク・ウェイクフィールドを師と仰ぐ、……ということはビル・モンローの魂とテクニックに心酔する素晴らしいソウルの持ち主である。決して流麗なスーパーピッカーではないが、感情過多のマンドリンと、とんでもない発想のDCグラスを背負っている若手ミュージシャン(ジェシー&テイラー・ベイカー、パトリック・マカビニュー、ジーダン・タイス、イーサン・ヒューズ、ネイト・リース)らに囲まれて、その素晴らしいオリジナリティには瞠目させられる。そう、民衆音楽は心意気!である。マンドリンファンに強力お勧め!! 巻末のブルーグラス詳細解説参照
  NONE541944 NICKEL CREEK『Dotted Line』CD(本体\2,450-)\2,646-

Rest of My Life/Destination/Elsie/Christmas Eve/Hayloft/21st of May/Love of Mine/Elephant in the Corn/You Don't Know What's Going On/Where Is Love Now. 全10曲

 バンド結成25年……といっても、結成当時、最年長のショーン・ワトキンスでも12歳、クリス・シーリとサラ・ワトキンスはともに8歳だった……。3人の子供たちが作ったブルーグラスバンドが21世紀のブルーグラスを主導する怪物バンド/ミュージシャンになるって、1998年に17歳の彼らが来日したとき、誰が予測しただろう? 1940〜60年代はモンローとスクラッグス、70年代はブッシュとグリスマン、20世紀の最後はベラ・フレック、そして21世紀はクリス・シーリがブルーグラス界を主導する……と言って過言ではないと思う。もちろん、その音楽が好き嫌いの問題ではないし、それがすべてではないが、明らかに彼らがトップランナーとして、ほぼ無言でブルーグラス界を引っ張っているのだ。
 「これがブルーグラスか!?」という人もいるかもしれないが、このソリッドなリズム/ビートと楽器の乗せ方はまぎれもなくブルーグラッサーにしかできない……ブルーグラスだ。あのスクラッグスがモンローのバンドに登場したときからはじまったアコースティック弦楽器を聴くことに全身全霊を傾注するミュージシャンにしかできない、あまりにも見事なアコースティック音楽の究極の美……。つまりクリスもサラもショーンも常にアールのバンジョーロールが駆け巡る頭の中で生まれるメロディラインは、まぎれもなくブルーグラッサーなのだ。インスト“Elephant in the Corn”を聴いてみるがいい!
 なーんて思ってしまう。ニッケルクリーク最新作。ビルボード総合7位、もちろんブルーグラス部門とフォーク部門では堂々の1位! その美しいアコースティックアンサンブルは世代を越えて、しかし現在の最先端で輝く。お父さん/お母さんたちはお子さんにも、ぜひ勧めよう...!!
  RUR-1117 BILL EMERSON & SWEET DIXIE『Dancin' Annie』CD(本体\2,450-)\2,646-

Dancin' Annie/Days When You Were Mine/State Line Ride/Two Hands On The Wheel/Walkin' After Midnight/This Heart You Have Broken 他全12曲

 ブルーグラス界で初めて、バンジョーの性能に関する論文を1960年代末、ブルーグラスアンリミテッド誌に寄稿、そのトーンに関する洞察と、何より華麗なスリーフィンガーは他の追従を許さない美しさというのが身上のビル・エマーソン、その美しいトーンとまとまりはここでも堪能できる。
 アールのスリーフィンガー美学を受け継ぐ偉大なバンジョー奏者群「1937組」から1年遅れの1938年――といっても37年12月生まれのジョン・ハートフォードとは1ヶ月しか違わない1月22日――首都ワシントンDC生まれ。1957年のカントリージェントルメンの創始者で、レッド・アレン(1964-65)やジミー・マーティン(1962-67)、そののちクリフ・ウォルドロンとコンビ(1967-1970)を組み“Fox on the Run”を大ヒットさせ、1970年からはエディ・アドコックに替わってカントリージェントルメンに戻り数々の名演を残している。1973年から20年間、米海軍バンドのブルーグラスバンドを率い、退役後はピート・ゴーブルやマーク・ニュートンらとのユニットを経て2007年、自身のスゥィートディキシーを結成、本作はその第4作(ソロインスト集『Eclipse』含め)である。
 さまざまなライターの新曲(紅一点ベースのテリ・チズムの歌うパッツィ・クライン“Walking After Midnight”以外)を、元祖DCグラスらしいセンスでブルーグラスる。テリのほか、かつてジミー・グドローとのカントリーストアーで知られ大塚章ともバンドを組んでいたクリス・スティッフェル(g)、ウェイン・ランハム(m)が爽やかなDCグラスを聴かせる。その流麗なロール、76歳のビルは健在なり! ……ちなみに昨年夏、ビーンブロッサムで丹沢ブルーグラスの一行とジャムした人たちだ(現在ムーンシャイナー誌にて旅行記連載中)。
  RCSI-1103 WINDY HILL 『Lonesome Garbage Man』CD(本体\2,450-)\2,646-

Pinecone Banjo/My Little Darlin's Shoes/Kentucky Crawdad/What Are You Doing Here Today?/You Cheated Three Times/Baby Down the Line 他全18曲

 今どき……、サンフランシスコ湾に面したパロアルトのメンローパーク高校の17歳ふたり、ヘンリー・ウォード(m)とライアン・ブリーン(bj)が木工工作の授業中、やすりで木を磨きながらライブ音楽について話し合っているとともに、ビル・モンローとカーター・スタンレー、そしてジミー・マーティンの歌が大好きなことが判明、「ならバンドを作ろう」と楽器と歌を習い始めたのがウィンディ・ヒルのスタートだったという。全米でも最先端地域に住む高校生がこんなブルーグラスをやる驚き……!?
 太平洋とサンフランシスコ湾を隔てるライアンの住む裏庭から見える丘の名前をバンド名に2008年、コロラドでシンガーのトーマス・ウィリー(g)と結成、2009年にはカリフォルニアに戻り、もうひとりの高校時代の同級生カイル・マッケイブ(bs)が参加、2010年以降、その超トラッドな方向性にもかかわらずロッキーグラスでのバンドコンテスト2位をはじめ、高い評価を得ているという。古くはバーン&レイやハイカントリー、現在もアール・ブラザーズをはじめ、カリフォルニア北部サンフランシスコ周辺のトラッドグラスはすでにアパラチアのバンドよりもホンモノ臭いのが魅力だ。
 ゴツゴツとした、しかしオリジナリティ溢れるスタンレー的バンジョーとモンロー的マンドリンを主役にしたセンスのいいインストが3曲ずつの6曲のほか、レノ&スマイリーの“Baby Down the Line”とバーンの息子デル・ウィリアムズの“What Are You Doing Here Today”カバー以外は、アーリーブルーグラスを思わせるオリジナル10曲の全18曲。
  OLW-1820 BLUE VELVET BAND『Sweet Moments with the Blue Velvet Band』CD(本体\2,750-)\2,970-

Ramblin' Man/You'll Find Her Name Written There/Weary Blues from Waitin'/Little Sadie/My Sweet Love Ain't Around/Sittin' on Top of the World 他全12曲

 ザ・バーズやザ・ディラーズらは1970年代はじめ、ブルーグラスとロックの出入りを語る上で外せないカリフォルニアのセッション・スーパーバンドだが、もうひとつ、忘れてはならないスーパーバンドがある。その名もブルーベルベットバンド、ビル・モンロー名曲から名付けられた、ニューヨークのブルーグラッサーたちのスーパーバンド。ハンク・ウィリアムズとビル・モンローを一曲目と二曲目に、ビル・キースとジム・ルーニーという大学同級生にリチャード・グリーンとエリック・ワイズバーグの元ブルーグラス小僧4人組。どの曲もインテリな選曲とアレンジ、南部トラッド音楽と東海岸風ロックの見事な融合によるノスタルジックなカントリーロックだ。カントリー詳細解説参照
 ■インスト新入荷
  PATUX-244 NATE LEATH & Friends『Volume 2』CD(本体\2,450-)\2,646-

Spider Shoe/ark’s March/Jimmy Sutton/Wildwood Flower/Roses in the Morning/Molly Put the Kettle On/Brown’s Dream/Sail Away Ladies/Run Mountain/Le Mystique du Boulanger/One Morning in May/Lizard on a Leash/Down in the Swamp/Foggy Dawn/Polly’s Old Time and Country Waltz/Sally Ann. 全16曲

 アメリカ音楽のもっとも原初的なアンサンブルであるフィドルチューンのグルーヴを忠実に守りながら、まったくあたらしいエネルギーを注ぎ込むネイト・リース。クリキッドスティルで知られるチェリストとして独自のフィドルチューン世界を創るルシャッド・エグルストンを全曲に配して、出会うべくして出会ったというネイトとルシャッドの共通の世界がさらに広がっていく。
 今回も天才少女オールドタイムフィドラー、タティアナ・ハーグリーヴズを16曲中9曲(うち“One Morning in May”でソロボーカル)に迎えるほか、デビッド・グリア(g)とサミー・シーラー(bj)というブルーグラス界からの強力助っ人、ナンシー・スライズのクロウハンマーが9曲、アッシュビル在住の佐竹晃とのフィドル&三味線というユニットもあるダンカン・ウィッケル(f)、ラリー・キール&ナチュラルブリッジのマーク・シミック(g,m)、アンディ・ウィリアムズ(f)、ニック・フォーク(perc)、“Wildwood Flower”を歌う16歳にしては妖し過ぎるローレン・ウォズマンド、そしてプロデューサーも兼ねるマルチプレイヤー、ダニー・ナイスリーがギターなど、多彩なミュージシャンを配している。
 10代の前半から注目していたネイト・リース。ブルーグラスやジャズ、ニューグラスを経てオールドタイムに正面から挑んだ前秀作『Rockville Pike』(PATUX-177 本体\2,646-)の第2作と位置づけ、トラッドフィドルを軸にオリジナルフィドルチューンやA.P.カーターの“Wildwppd Flower”からベラ・フレックの“Down in the Swamp”まで、素晴らしいフィドルアルバムだ!!
  RCSI-1106 ANNIE SELLICK & HOT CLUB OF NASHVILLE『Play the Songs of Tom Sturdevant』CD(本体\2,450-)\2,646-

 ジャンゴ・ラインハルト(1910-1953)とステファン・グラッペリ(1908-1997)のフランス・ホットクラブバンド(1934-1948)に端を発するスウィング・ストリングバンドのスタイル(ジプシースウィングやジプシージャズ、またフランス語でマヌーシュジャズとも呼ばれる)は、1976年のデビッド・グリスマン・クインテットの衝撃的デビューでブルーグラス界や米国アコースティック音楽界にあたらしいブームを巻き起こした。
 そののち各地にホットグラブバンドが出現、ナッシュビルも例外ではなく1999年にイギリスから移住してきたリチャード・スミスを中心にナッシュビル・ホットクラブが結成され、ブライアン・サットンやステュアート・ダンカン、ジョン・ジョーゲンソンほか、また現在、本作のメンバーのパット・バージソン(アリソン・クラウスと1997-2001年に結婚、一男を儲けている)、折りたたみベースで知られるチャーリー・チャドウィック(bs)、アメージングなアーロン・ティル(f)ら深いブルーグラス人脈でつながれている。
 本作は同地のタウン誌、ナッシュビル・シーンが5年連続最優秀ジャズアーティストに選んだ女性ジャズ・シンガー、アニー・セリックがナッシュビル在住のソングライター、トム・スターディバントのオリジナル作品をこのナッシュビルのホットクラブバンドをバックに歌うという、素晴らしいオリジナル・ジャズボーカル作品。ナッシュビル・ミュージシャンの凄さに改めて溜め息の1枚。
 ■オールドタイム/フォーク新入荷
  REM-0684 MOLLIE O'BRIEN & RICH MOORE『Love Runner』CD(本体\2,450-)\2,646-

 ティムのお姉さん、モーリー・オブライエン最新作。圧倒的な歌唱力と夫、リッチ・ムーアらの趣味の良いバックアップ、マット・フリナー・トリオで知られるベース奏者エリック・ソーリンのプロデュースで、話題のコーエン兄弟最新映画『インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌』のモデルと言われるデイブ・バン・ロンクの“Sunday Street”を一曲目に、ファンクなトラッドゴスペル“Don't Let The Devil Ride ”からランディ・ニューマン“ Suzanne”、ヘイゼル・ディッケンズの“West Virginia, My Home”ほか、「マリア・マルダーからスージー・ボーガス、そしてエラ・フィッツジェラルドまでを感じさせる」と言われるモーリーの魅力炸裂のアメリカーナ作品。
  PATUX-244 NATE LEATH & Friends『Volume 2』CD(本体\2,450-)\2,646-

 天才フィドラー、ネイト・リースが再び凄いアルバムを発表だ。オールドタイムに正面から挑んだ前秀作『Rockville Pike』(PATUX-177 \2,646-)の第2作と位置づけ、全編に天才チェリストのルシャッド・エグルストンを迎えた凄いオリジナルのフィドルチューンやトラッド、そして妖しい女性ボーカルでのA.P.カーターの“Wildwppd Flower”からベラ・フレックの“Down in the Swamp”まで、素晴らしい!!! インスト新入荷参照
  MAF-004 ながい よう『ぱいぬかじ』CD(本体\1,851-)\2,000-

リメンバー/思い出/自給自足の歌/ぱいぬかじ(南風)/勘違い/かさぶた/スター/門戸厄神/失恋/風が呼んでいる/シャワー. 全11曲
 1970年代、ザ・ディランや五つの赤い風船などで活躍した、ながい よう(1949-)の最新作。仮設住宅をテーマにした一曲目から、社会的なテーマを中心にしたオリジナル11曲集。4曲で秋元 慎のマンドリンほか、三線やブルースハープなどをフィーチャー。タイトル「パイヌカジ」は、沖縄の「南ぬ風(南風)」という意味だそうだ。日本で唯一、悲惨な地上戦が行われた南の島からのメッセージは、現政権で一歩ずつ近づく戦争への警鐘だ。……もちろん、フォークミュージシャンらしいユーモアもたっぷり...!?
 ■カントリー新入荷
  LDR-1007 SUZY BOGGUSS『Lucky』CD(本体\2,450-)\2,646-

Today I Started Loving You Again/Silver Wings/The Bottle Let Me Down/If We Make It Through December/Someday When Things Are Good/Sing Me Back Home/You Don't Have Very Far to Go 他全12曲

 最近作『American Folksong Book』が、歌詞集も含めて大好評だったベテラン女性カントリーシンガー、スージー・ボーガスの最新作はマール・ハガード曲集。メインストリームカントリーシンガーにしては都会的なインテリジェンスを感じさせるタイプのボーカルで歌われる濃いーいマール・ハガード(1937-)の世界観がとても新鮮である。保守的に見られがちなマール・ハガードだが、リベラルの代表であるジョーン・バエズやグレイトフルデッドもカバーするように、その歌にはフツーの人々の本当の生活が見事に歌い込まれ、しかもメロディが美しい。
 カントリーソングのもっとも重要なのは、いかに物語を語る/歌うかということ。そしてそれをシンガーが全人格を現わして表現することだと、昨年のムーンシャイナー6月号と7月号のジョージ・ジョーンズ追悼特集で紹介した。1970年代にイリノイ州の田舎町で青春を過ごし、エルトン・ジョンくらいしか知らなかったのが大学時代にジェイムズ・テイラーやエミルー・ハリス、ボニー・レイットらを知り、卒業後に自費制作アルバムを作ったという彼女。1989年、彼女のメジャーデビューアルバムのタイトルが『Somewhere Between』というマールのカバーだったという彼女が歌うマール・ハガードのカントリーソング。泣きの入らないチョッとポップな彼女がいい……。
  COL-70973 JOHNNY CASH『Out Among The Stars』CD(本体\2,650-)\2,862-

 偉大なるジョニー・キャッシュ(1932-2003)が50歳前半の1980年代はじめ、充実の絶頂にあるべきとき、しかし映画『アーバンカウボーイ』(1980)などのヒットで、カントリー業界が「カントリーポリタン」(メトロとの対比)などと称して口当たりのいいAOR調サウンドを志向、ジョージ・ジョーンズやタミー・ワイネットとの仕事で知られるプロデューサー、ビリー・シェリルと組んだ録音である。未完成のまま放置されていることを2012年にジョニーの息子、ジョン・カーター・キャッシュが発掘、昨年中に完成させて発表したもの。
 カントリーソングの最大のセールスポイントはシンガーの全人格であるとは、ジョージ・ジョーンズ追悼特集としてビリー・シェリルがプロデュースしたジョージの“He Stopped Loving Her Today”(最高のカントリーソングと呼ばれる1980年作品)を例に、ムーンシャイナー誌2013年6月号と7月号で連載した結論だった。愛妻ジューン・カーターの後を追うように亡くなってほぼ10年、本作は当時は酷評されたジョニー・キャッシュ精神とサウンドのかい離も、今となってはまったく問題にならないキャッシュの全人格が評価されたのか、発売とともに全米ビルボードチャート第2位(当然カントリーは第1位!)ほか、スイスで第1位、オーストリア、オランダ、カナダ、オーストラリア、スウェーデン、ベルギー、イギリス、ドイツで5位以内!という。
 ロック雑誌のローリングストーンが選んだ100人の偉大なシンガーの21位、もちろんカントリーでは最初、白人でもプレスリー、レノン、ディラン、マッカートニー、オービソン、プラント、ジャガー、マーキュリーにつづく9位。ちなみにハンク・ウィリアムズが27位で、初の白人女性が28位のジャニス・ジョップリン、カントリーの3人目は43位のジョージ・ジョーンズだ。20世紀にジョニー・キャッシュが残した物語りを黙って聴くしかないだろう……!?
  B002000502 ROSANNE CASH『River and the Thread』Delux Edition CD本体\2,950-)\3,186-

A Feather's Not a Bird/The Sunken Lands/Etta's Tune/Modern Blue/Tell Heaven/The Long Way Home/World of Strange Design/Night School/50,000 Watts/When the Master Calls the Roll/Money Road. 全11曲

 ジョニー・キャッシュの前妻との娘、ジョニーがサンレコードに初録音をした年に生まれた長女ロザンヌ・キャッシュ(55)。女優修行を経て、1978年にエミルー・ハリスのソングライターでバンドメンバーだったロドニー・クロウェルとデモアルバム制作、翌年結婚し1980年にコロムビアから発表したアルバムがヒット、以降数々のヒットを出し1987年の『King's Record Shop』は名作と言われている。
 1992年にロドニー・クロウェルと離婚し、ニューヨークに移って95年にギタリストでアレンジャーのジョン・レベンサルと結婚。本来、哲学的な思索が得意だったようで小説やエッセーなども出版、2003年に義母ジューン、父ジョニーが相次いで死去、2005年には実母ビビアンも亡くなる中、2006年に発表した『Black Cadillac』が高い評価を得、さらに前作となる2009年『The List』で父ジョニーから18歳のときにもらった聴いておかねばならない100曲のリストから選んだ12曲の名曲カバー集(ジミー・ロジャーズの“Miss the Mississippi and You”からカーターファミリーの“Bury Me Under the Weeping Willow”まであの曲この曲の全12曲はとてもいいよ!! なんとスプリングスティーンやコステロも共演!)がともにグラミーノミネート。
 そしてこの最新作、ニューヨークに住みながら、自身がアメリカ南部出身であることに改めて強い思いを持って書いたオリジナル曲の数々。夫ジョンの抑制のきいたT.ボーン・バーネットらにも通じるサウンドで、さすがジョニーの娘、ブルーノートからの初アルバム、抜群の存在感を聴かせる秀作だ。
  RANDM-001 BASTARD SONS OF JOHNNY CASH『New Old Story』CD(本体\2,450-)\2,646-

 ジョニー・キャッシュから直接許可を得たという「ジョニーキャッシュの庶子」という強力なバンド名、ウィリー・ネルソンとマール・ハガードという大御所ふたりがデビューに尽力したという才能の持ち主、マーク・ステュアートのバスタード・サンズ・オブ・ジョニーキャッシュ。デビュー作『Walk Alone』(1999)はジョニー・キャッシュのハウス・オブ・キャッシュ・スタジオで録音されたという。
100本以上のビンテージギターを持つというカリフォルニア州サンディエゴのロストアークスタジオでデニス・キャップリンガー(f,m,bj,d,g)のほか、マイク・バトラー、アレックス・ワッツ(eg)、デイブ・バーザンスキー(pedal steel)、エド・コーンハウザー(piano)など、シュアなホンキートンクサウンドに乗ってリーダー、マーク・ステュアートの快調なオリジナル・ホンキートンク10曲集。
  RANDM-005 THE PALOMINOS『Come On In』CD(本体\2,450-)\2,646-

Come On In/What's Her Name?/No You Don't/It Could Happen To Anyone/Macon, Georgia/Mr. Used To Be/You Provide The Heartbreak (I'll Provide The Wine). 全7曲
 実に泥臭いシンプルな、これぞ1950年代リックの塊のようなテレキャスを弾くトーマス(g)とジェイムズ(bs)のズーレック兄弟に、ボーカルを受け持つランス・ホウキンズ、とシンプルこの上ないドラムスのクレイグ・パックハムの4人組によるデビュー作。こういった生々しいホンキートンク……というかベイカーズフィールドの原初的なサウンドを堂々と演じて観衆を喜ばせる……これだと思ったら一途に思いをぶつける心意気に反応するアメリカ音楽界の懐の深さだろう。見事なまでにシンプルで泥臭い、一途なカントリーだ。
  TF-0006 福原照晃『Sings Great Songs of George Strait』CD(本体\2,857-)\3,086-

The Fire Man/Amarillo By Morning/Honkytonk Saturday Night/Carrying Your Love With Me/All My Ex's Live In Texas/She Knows When You're On My Mind/Honk If You Honky Tonk/Maria/Write This Down/Your're Something Special To Me/I Can Still Make Cheyenne/Any Old Time/Let's Fall Pieces Together/Twang/One Night At A Time/Honkytonkville/I Cross My Heart/The Real Thing/The Cowboy Rides Away/Does Fort Worth Ever Cross Your Mind. 全20曲

 学生時代、同志社大学のマジカル・プレイボーイズで人気を博したのちプロの道を選ばずに就職。退職後、兵庫県の西宮にライブハウス「フォートワース」を開店、カントリーやブルーグラスバンドのライブをサポートしている。その店名ももちろん、ジョージ・ストレイトの“Does Fortworth Ever Cross Your Mind”からという……、そのお店の10周年を記念して、敬愛するジョージ・ストレイトをカバー、しかも原曲に近く完全コピーした2011年作品。その使命を担ったのはプロデューサー尾崎孝(pedal steel)ほか、岸本一遥(f)、古橋一晃(g)、奥沢明雄(g,v)、尾崎博(eg)、加藤実(piano)、マイク・ダン(ebs,v)、高杉登(drums)、橘頼紀(bs)、青柳まみ(v)。
 ジョージ・ストレイト(1952-)は「キング・オブ・カントリー」と呼ばれる、現在のカントリー界最大のスターである。1980年代のネオトラディショナリストと呼ばれる中、カウボーイ姿に帽子、そしてポップカントリー以前のカントリーを標榜、累計7000万枚の米国アルバムセールスですべてアーティストの12位。ちなみに1位から、ビートルズ、プレスリー、ガース・ブルックス、レッド・ツェッペリン、イーグルズ、ビリー・ジョエル、マイケル・ジャクソン、ピンクフロイド、エルトン・ジョン、バーバラ・ストライサンド、AC/DC、そしてジョージ・ストレイトなんだって!
 ■映像モノ新入荷
  ROU-8846 STEVE MARTIN & the STEEP CANYON RANGERS, featuring EDIE BRICKELL『Live』CD+DVD(本体\3,500-)\3,780-

Disc: 1
Katie Mae/Jubilation Day/Get Along Stray Dog/Yes She Did/Love Has Come For You/The Crow/Fighter/Sarah Jane And The Iron Mountain Baby/Hunger/Atheists Don't Have No Songs/The Great Remember (for Nancy)/Sun's Gonna Shine/When You Get To Asheville/Pretty Little One/Auden's Train/The Dance At The Wedding/Remember Me This Way/Pitkin County Turnaround - So Long Now/Daddy Played The Banjo. 全19曲
Disc: 2
Katie Mae/Daddy Played The Banjo/Jubilation Day/The Crow/Get Along Stray Dog/Love Has Come For You/Fighter/Sarah Jane And The Iron Mountain Baby/Stand And Deliver/Hunger/Atheists Don't Have No Songs/The Great Remember (for Nancy)/Sun's Gonna Shine/When You Get To Asheville/Shawnee/Yes She Did/Pretty Little One/Auden's Train/The Dance At The Wedding/Remember Me This Way/Pitkin County Turnaround - So Long Now. 全22曲

 昨秋、IBMA週間最終日の大トリ、ノースカロライナ州都ローリーの野外劇場……、わたしもそこにいました。ハッキリ言って高をくくってました。超セレブの大スターでクロウハンマーバンジョーの名手、スリーフィンガーも上手いけれど唸るほどじゃないスティーブ・マーティン。スティープ・キャニオンはとてもいいブルーグラスバンドだからオンブニダッコだろう……などと。ところがところが、凄い!
 米国最大のエンターテイメント、アカデミー授賞式の司会を三度も務めた大スターと、1988年のデビューアルバムがヒットしたシンガーソングライターで、そのときポール・サイモンが一目惚れ、その妻としても知られるイーディ・ブリッケル、そしてノースカロライナの活きのいいブルーグラスバンド、スティープキャニオンレンジャーズが徹底的に観客を楽しませ、喜ばせる! 米国芸能界セレブふたりが圧倒的な説得力でブルーグラスする功績は計り知れないが、それ以上に、こんな楽しいブルーグラスショウを楽しんだのは初めてだった。皆さんもぜひ、DVDですが、お楽しみください!!
  CCD-DP1 DOLLY PARTON『Dolly! Porter Wagoner & Pop Goes the Country Appearances, solos & duets』DVD\2,646-(本体\2,450-)

(Solos) Dumb Blonde/Fuel To The Flame/I'll Always Love You/Your Old Handy Man/Mama, Say a Special Prayer for Me/Don't Let it Trouble Your Mind/The Bridge/Daddy/He’s A Go-Getter/Joshua/Just Because I’m A Woman/Coat of Many Colors/Tennessee Mountain Home/Traveling Man/I Can't Stop Loving You" (w/Chet Atkins on guitar)/Bubbling Over/Love With Me/Gypsy, Joe And Me/I Will Always Love You/Coat Of Many Colors/Jolene/Love is Like a Butterfly/Early Morning Breeze/Higher and Higher/It's All Wrong, But It’s Alright/Apple Jack.
(Duets with Porter Wagoner) Holding on to Nothing/Jeannie's Afraid Of The Dark/Milwaukee/Melinda/The Right Combination/Ten-Four/Last Thing On My Mind/Just Someone I Used To Know/Run That By Me One More Time/We Found It/Lost Forever in You Kiss/Her And The Car And The Mobile Home Was Gone/The Pain/Love Means the Most/Daddy Was an Old Time Preacher Man.

 1967年、21歳でポーター・ワゴナー・ショウのレギュラー女性シンガーに抜擢されたことで大スターへの階段を上りはじめたドリー・パートン。その初期の映像から、シンガーそしてソングライターとしても成功を収めた1977年の10年間に録画されたソロ26曲と、ポーター・ワゴナーとのデュエット15曲、全41曲集。言うまでもなく、20世紀のアメリカンアイコンのひとりである。
  CCD-PW22 PORTER WAGONER SHOW『Vol. 22』DVD-R2時間以上収録(本体\2,450-)\2,646-

 1960年から1981年まで、686本の30分番組を残した「ポーター・ワゴナー・ショウ」、すでに紹介した20巻につづく第21巻から第24巻までの4巻(各6番組収録)が新発売となったので順次紹介しとている(いずれも在庫あり)。各番組(正味約22分)はほぼ、ポーターのウェルカムソングからゲストの歌、ポーターのバンド、ワゴンマスターズのインスト(マック・メゲーヘのフィドル、ブルース・オズボーンのエレキら)、レギュラー女性シンガーの歌、ポーターの歌、コメディ、ポーターのゴスペル歌、そしてゲストの歌で終わる。
 第22巻の本作は1970年代にオープリランドで収録されたもの。レギュラー女性シンガーはドリー・パートンに替わってリンダ・ムーア。登場するゲストは、ピーウィー・キング、ロイス・ジョンソン、マーロウ・タケットトニー・アラモ、そしてミュージカル「カントリーUSA」のキャストら。またレギュラーのマック・メゲヘが自身のバンドとして“Fox on the Run”や“Flint Hill Special”などを披露している。ノスタルジックな1970年代はじめのアメリカの田舎エンタメが詰め込まれた映像集。お宝があちこちで見つかる旧譜20巻もお問い合わせください。
 最近作/お勧め作、再入荷ダイジェスト
 (すでに新入荷で紹介済の作品たちです)
 ■月刊ムーンシャイナー特集/関連作品
 (最新4月号特集アーティストの作品です)
  SH-4010 CHRIS THILE & MIKE MARSHALL『Live Duets』CD(本体\2,450-)\2,646-

 4月号のカバーは北大トリオのアメリカ冬フェス体験記「ウィンターグラス」に出演中のマイク・マーシャルとクリス・シーリのアクティブな組写真でした。で、世界でもっともテクニックと才能あるマンドリン奏者2人、クリス・シーリとマイク・マーシャルが組んだ2003年のデュオ・スタジオ・アルバム『Into the Cauldron』(SH-3967 \2,646-)から2年、2006年に発表されたふたりのライブ・デュオ作品。バッハからブルーグラス……、ブルガリアン・トラッドやショーロ、ポップやジャズなどさまざまな音楽の影響を受けたオリジナル曲で、「マンドリン音」の可能性を限りなく広げるすごいアーティスト2人の「真剣勝負」……、とにかく、尋常ではない音世界を堪能できる53分、すごいです!!
  MR-1290 LEONA『A New Peace Within』CD(本体\2,450-)\2,646-

 4月号では2001年にETSU(東テネシー州立大学)バンドで来日したJ.P.マティスの「日本ブルーグラスの1週間」。本作は、J.P.の妻、2009年にETSUを卒業した徳武レオナのデビューCDアルバム。フィドルのオリジナル・インストが3曲、夫でもあるバンジョー奏者、J.P.マシスとのオリジナル・ボーカル曲が3曲、そしてモンロー/フラット/スタンレーのスタンダードにトラッドフィドルチューンが2曲に、レオナの18番"Roly Poly"の全12曲。ムーンシャイナー2011年6月号特集参照。今年も5月末から来日ツアーをするという。そのときはレオナの最新第2作を持ってくるという。
  PIEZOW-1 新岡雅巳(Piezow)『音の暴力 復活!!』CDRジャケットなし、簡易ライナーつき(本体\500-)\540-

女たちを救出せよ!/火の鳥(Stravinsky)&Elephant's Nose/New Year’s Joy/Solo Guitar Medley… Rag Time Annie -Whisky Before Breakfast -Soldier's Joy -House At Pooh Corner/Oneside Love/20 Year's Ago/ちゃんと弾くんだブルース!/Nice Middle!/Cake Shop's Idol/Foggy Mountain Breakdownだけどね.../G Running Special/Birdland. 全12曲

 4月号で特集した「クラレンス依存症」という、アコギ&エレキギターを軸にバンジョー、マンドリン、フィドル、ベース、キーボードなど、すべてをひとりでこなす北海道恵庭市在住のマルチプレイヤー、「Piezow」こと新岡雅巳。本人曰く、「自主製作というか自宅で勝手にCDを作ってみました。まるっきり一貫性がなく音楽的にバラバラで“こんなのも弾けるんだぜ!”的な内容になっております」というように、オリジナルからストラビンスキー、フィドルチューンメドレーからロギンス&メッシーナやウェザーリポート、そしてアール・スクラッグスなど、ドーグ調、ロック調、ラブバラード調、Gラン……、そのイマジネーションの世界は縦横自在。確かに、「テクニックに溺れ過ぎ」という楽器小僧特有の独りよがりではあるものの、それこそが楽しいのであって、誰かまうことなく、まさしくタイトル通り、「音の暴力」こそが、ブルーグラスや、それに類する民俗音楽(ポップでないロックも含む)の、ある側面における「命」なのだから! かつてカセットテープ時代にも取り扱った『音の暴力』の「復活!!」を大歓迎したい。1時間20分、はっきり言って、全体のアンサンブルとしての完成度も、時折マルチ録音のために「バラバラ」になる(とくにバンジョーロールが苦しい)こともあるが、1曲ずつの曲想は楽しく、1音ずつの暴力(強襲テク)は明らかであり、新岡雅巳はその志しとともに立派なブルーグラッサーであると思う。有志たちよ、ピエゾーにつづけ!!
 ■基本の名演/名盤と入門作品
  MCM-0016 DEL McCOURY BAND『Old Memories: the Songs of Bill Monroe』CD(本体\2,450-)\2,646-

Watermelon on the Vine/Live and Let Live/Lonesome Truck Driver's Blues/Brakeman's Blues/Close Be/In Despair/Girl in the Blue Velvet Band/John Henry/I'm Lonesome and Blue/Used To Be/Alabama Waltz/Lonesome Road Blues/Heavy Trafic Ahead/Train 45/My Rose of Old Kentucky/Ya'll Come. 全16曲

 ビル・モンローの音楽を知りたければ、本人のものより、まずはこれ! モンロー生誕100年を記念して2011年に発表されたブルーグラス国宝デル・マッカーリーによる極めつけモンローソング16選集。ビル・モンローの典型的なオープニングナンバー、"Watermelon in the Vine"とエンディングテーマ"Ya'll Come"にはさまれた珠玉の14曲、現在最高のトラッドグラスバンド、入魂のモンロー曲集である。
 ■ブルーグラス最近作/お勧め作
  ROU-9170 BLUE HIGHWAY『Game』CD(本体\2,450-)\2,646-

Talk is Cheap/The Game/Remind Me Of You/Dogtown/All The Things You Do/A Change Of Faith In Tennessee/Church Bell Wedding Blues/Where Jasmine Grows/My Last Day In The Mine/Just To Have A Job/Funny Farm/Hicks's Farewell. 全12曲

 バンド結成20周年! なんと!結成時と、同じメンバー!! 変幻自在なフラットピッキンとソングライティングのティム・スタッフォード(現在のAKUSサウンドの土台を創ったと言われる)、透き通ったテナーボイスと趣味良く飛ぶマンドリンとフィドルのショーン・レーン(ドイル・ローソンのクイックシルバーやリッキー・スキャッグスのケンタッキーサンダー出身)、ブルーグラスドブロの第一人者となったロブ・アイクス、几帳面なジェイソン・バールソンのバンジョー、そしてティムとショーンと並ぶもうひとりのリードシンガー、ウェイン・テイラーのベース。すべての楽器が繊細に織りなすアンサンブルに囲まれて、東テネシー的アパラチア風トラッドグラスと、セルダムシーンにもどこか通じるDCグラス的モダンさを兼ね備えた、スバ抜けたスーパーピッカー/シンガーがいるわけではないにも関わらずトップクラスのブルーグラスバンドとして20年間、着実な活動を続けるすばらしいバンドだ。
  MFR-130423 SPINNEY BROTHERS『No Borders』CD(本体\2,450-)\2,646-

 全米ブルーグラス・チャート(毎月ムーンシャイナー掲載)でトップの常連になっているスピニー・ブラザーズ昨夏の最近作。1960年代、日本の学生バンドもよく取り上げたケンタッキートラベラーズの"The Moon Saw Me Crying"や、カーター・スタンレーのスタンダード"Think of What You've Done"などのカバーほか、現在のブルーグラスソングライターたちのストレートなブルーグラス曲を取り上げ、丁寧なトラッドグラスサウンドを聴かせる14曲集。アラン(g)とリック(bj)のスピニー兄弟にゲリー・ダリンプル(m)、ダリル・ヘッブ(bs)というメンバーに、トラッドグラスサウンドに合わせてアグレッシブながらもストレートなブルーグラスフィドルに抑えたロニー・スチュワートとドブロにロブ・アイクス(d)、そして1曲のみだがスピニー兄弟が崇拝するスタンレー・ブラザーズ直系のラルフ・スタンレーUがボーカルで参加、ストレート(古風!?)なブルーグラスサウンドがとてもいい。ロン・スチュワートのフィドルがブルーリッジ系サポートのときとはまったく違ったフレージングになるのも聴きものである。
  REB-1850 RALPH STANLEY & RALPH STANLEY II『Side by Side』CD(本体\2,450-)\2,646-

 今や米国人間国宝ラルフ・スタンレー(87)、最新作は息子ラルフ二世との初めて名前を並べた素晴らしいコラボだ。一曲目のトラッド"Wild Bill Jones"ほか、カーターファミリーの"Darling Little Joe"、モンローとフラット&スクラッグスのオリジナルブルーグラスバンドも取り上げたアーネスト・タブの"Are You Waiting Just For Me"、スタンレーブラザーズ時代の名曲"A Little At A Time"や“Six Months Ain't Long”など、すばらしい選曲と演奏は揺るぎないスタンレーサウンドである。
  MFR-131008 EDGAR LOUDERMILK『My Big Chance Tomorrow』CD(本体\2,450-)\2,646-

 トニー・ライス、J.D.クロウらの『Bluegrass Album Vol.1』に合わせて9歳でベースを弾きはじめたというエドガー・ラダーミルクの最新ソロ第2作。ルービン・ブラザーズの親戚という家系でファミリーバンドからはじまり、カロライナ・クロスファイアーからロンダ・ビンセント&ザ・レイジ、マーティ・レイボン&フルサークルを経て2007年、ラッセル・ムーア&サードタイムアウトに参加、今年からデイブ・アドキンズとともにアドキンズ&ラダーミルクを結成。ブルーグラスチャート(ムーンシャイナー掲載)などで評価の高いオリジナル曲と、スコット・ベスタル、ウェイン・ベンソン、ジェフ・オウトリー、ジョン・カウワン、ショーン・レーン、ジュニア・シスクほか、一線級ゲストミュージシャンたちで安定した現代ブルーグラス15曲を聴かせる。
  RCSI-1102 IRENE KELLEY『Pennsylvania Coal』CD(本体\2,450-) \2,646-

 一曲目の出だし、このベースとバンジョーを聴いただけで、「ウッ!」と引っかけられてしまう素晴らしいサウンド、そしてクレア・リンチと同系のとてもやわらかなベルベットボイスのアイリーン・ケリー。「えっ?誰だって、バックは!?」……いや、まぁ、言っちゃえば当たり前なんですが、マーク・フェイン(bs)、ブライアン・サットン(g,bj)、ステュアート・ダンカン(f)、アダム・ステッフィ(m)、リン・ウィリアムズ(perc)が基本バンドだから、ネ。コーラス陣には、クレアのほか、ロンダ・ビンセント、デイルアン・ブラッドリー、トリーシャ・イヤーウッドほか有名男性陣。ブルーグラスをベースにしたポップなアコースティック作品は、キャリアがありながら無名だが、子育てを終えて戻ってきたベテラン女性ブルーグラッサー、強力お勧めの秀作である。
 ■発掘/編集、名盤/名演など……
  GT7-0958 COUNTRY GENTLEMEN『High Lonesome; Complete Starday Recordings』CD2枚組(本体\3,100-)\3,348-

カントリー・ジェントルメンの初期からダッフィ/ウォーラー/アドコック/グレイのクラシック・カントリー・ジェントルメンまで、彼らが絶頂期に向かう爆発的エネルギーが収められた1960年代のスターデイ録音の全曲が収められた2001年の2枚組秀作(全51曲)が廉価版で再登場。"Two Little Boys"や"Sunrise"はもちろん、フォスター名曲を多く収録して日本だけで発売された幻のLP『Folk Hits Bluegrass Style』も収録、これで彼ら、謎のスターデイ録音全貌が明かされた。ムーンシャイナー誌2001年6月号(MS-1808 \540-)「カントリー・ジェントルメン〜明かされたスタディ録音の謎」参照。 
  RW-0001 NEW KENTUCKY COLONELS『Live in Holland 1973』CD(本体\2,450-)\2,646-

 クラレンス・ホワイトが事故で亡くなる2ヶ月前、兄のエリックとローランド、そしてハーブ・ピーダセンとともにオランダをツアー。本作は、そのときに彼らのブルーグラス魂を爆発させた、2013年夏に発表された未発表ライブである。クラレンスの生ギターが縦横に駆け巡り、そのリズム/ビートに引っ張られるようにローランドのマンドリンとハーブのバンジョー、そしてエリックのすばらしいスラップベース。全員がブルーグラスをすることに集中していくさまが手に取るように感じられる貴重な録音である。巻末のブルーグラス詳細解説参照
  REB-7524 LOST & FOUND『Down On Sawmill Road』CD(本体\1,980-)\2,139-

 1973年に結成され、いわゆるブルーリッジ系の元祖的サウンドを創り上げたと、わたしは考えるロスト&ファウンドの30周年を記念して発表されたベスト集。そのオリジナルメンバーのバンジョー奏者ジーン・パーカーのバンジョーのユニークなメロディの採り方とともに、マンドリン奏者の故デンプシー・ヤングが目指した、きわめて整理されたアンサンブルの中に嵌まる落ち着いたスリーフィンガーロールというコンセプトを理解したところから生まれるのだろう、スクラッグス/リノに則りながらもユニークなフレージングが楽しい。4人組ブルーグラスバンドの典型的なサウンド整理の手法も学べるすばらしいバンドの全14曲ベスト集。
  KG-0540 STANLEY BROTHERS『Songs of the Carter Family』CD(本体\2,250-)\2,430-

Little Darlin' Pal of Mine/Bury Me Beneath the Weeping Willow/Will the Circle Be Unbroken/Lover's Quarrel/Wildwood Flower/Little Joe 他全12曲

 カーターとラルフのスタンレー・ブラザーズが1960年代前半のキング時代に録音した中からカーター・ファミリー・ソングを集めた企画作品。ビル・モンロー、フラット&スクラッグスと並んでブルーグラス御三家と呼ばれる彼らが有名カーターズ・チューンをどう料理するか、お楽しみください。
 ……なお、彼らのキング/スターデイ時代の全曲集ボックス・セットが『Early Years 1958-61』(GT7-2207 CD4枚組\4,725-)と『King Years 1961-65』(GT7-2180 CD4枚組\4,725-)ですべて揃う。また、それ以外のレーベルでの録音も現在、ほぼ完璧にコレクションできます。詳細はお問い合わせください。
  KG-0541 RENO & SMILEY『Wanted』CD(本体\2,250-)\2,430-

Please Remember That I Love You/Tennessee Stomp/Born To Lose/The Bells of St, Mary's/When It's Time For The Whippoorwill To Sing/Steel Guitar Rag/Love Please Come Home/Pick And Hold/San Antonio Rose/Down On The Farm/Unfaithful One/Bringin' In The Georgia Mail. 全12曲

 レノ&スマイリーの1961年の秀作アルバムがオリジナルのままCD化された。ここからの"Love Please Come Home"が小ヒットしているし、バンジョー・インストが半分の6曲、そして良く知られた曲のカバーも含んで、レノ&スマイリーらしく聴きやすい作品に仕上げている。モンローやフラット&スクラッグスらのタイトさとは少し違う、ちょっと揺れるようなダンサブルにも感じられるリズムに乗って独特のモダニズムを漂わせるレノ&スマイリーの本領発揮アルバムである。レノ&スマイリー入門にぜひ!!
 なお、レノ&スマイリーのキング時代の録音は現在、1951年から59年の4枚組全集『Early Years 1951-1959』(GT7-0959 CD4枚組\4,860-)、『1959-1963』(GT7-2209 CD4枚組\4,860-)、『1963-1972』(GT7-2176 CD4枚組\4,725-)でほぼ全録音が廉価盤で再発表されている。詳細はお問い合わせください。
  NWSM-6040 HERB PEDERSEN『Southwest/ Sandman』CD(本体\2,450-)\2,646-

 ハーブ・ピーダセン(1944年生、ペダーソンとも日本表記する)が1976年と77年、大プロデューサー、マイク・ポスト(TVシリーズのテーマ曲で知られる)とともに世に問うたポップなウエストコースト秀作LP2枚をCD1枚の20曲集。かつてのボス、レイ・パークをはじめエミルー・ハリス、リンダ・ロンシュタット、ドリー・パートンやジョッシュ・グレイブスほかのゲストたち。セルダム・シーンで知られる“Wait a Minutes”などのオリジナルを中心に、1曲目のビートルズ“Paperback Writer”をはじめ、ウキウキするようなウエストコースト・ポップにアレンジされたブルーグラスのカバーの数々、“Can't You Hear Me Callin'”“Cora Is Gone”“Fair and Tender Ladies”“If I Lose”など、とても嬉しい再発だ。カントリー詳細解説参照。

  TV-0594 MAC WISEMAN『24 Greatest Hits』CD(本体\2,250-)\2,430-

Jimmy Brown, the Newsboy/Prisoner's Song/I Still Write Your Name in the Sand/Love Letters in the Sand/I Saw Your Face in the Moon 他全24曲

 すばらしいミュージシャンシップを味わえる米寿のマック・ワイズマン秀作。とくにバディ・スパイカーの心を震わせるフィドル、そしてボビー・トンプソンの抑えたバンジョー、マーティ・ステュアートのローランド&クラレンス・ホワイト兄弟信奉。もちろんマックの一言/一節をかみ締める「The Voice with a Heart」、そして安定した突っ込みかげんの一流セッションベーシスト……それらが、安易なベストヒット物録音の中でときおり見事な化学変化を生み出す作品だ。30年以上を経てなお色あせないミュージシャンオタク向け大名作……だと、わたしは思っている。1948年フラット&スクラッグスの初録音で“We'll Meet Again Sweetheart”のテナーを担ったマック、アールより1歳年下の今年89歳、カーリー・セクラー(95)とともに最後のフォギーマウンテンボーイでもある。
  ACD-81 OLD & IN THE WAY『Live at the Bording House: Complete Shows』CD4枚組(本体\5,500-)\5,940-

 強烈お宝アルバムセット発売! バッサー・クレメンツ(f)、ジェリー・ガルシア(bj)、デビッド・グリスマン(m)、ジョン・カーン(bs)、ピーター・ローワン(g)によるオールド&イン・ザ・ウェイの1973年10月1日と8日の2日間、サンフランシスコのヒッピーのたまり場、ボーディングハウスでのライブ全55曲(未発表14テイクを含む)が完全に収録された決定盤。1975年発売時には全米総合アルバムチャート99位をヒット、そののちも2001年に700万枚を売った『オーブラザー』のサントラに抜かれるまで、デッドヘッズ(ヒッピーやヤッピー)たちを中心に売れつづけ、ブルーグラス/ニューグラスのもっとも売れたアルバム(現在廃盤)といわれた10月8日の10曲も、当然すべて含まれている。演奏もさることながら、その時代と存在自体がブルーグラス史上に大きな意味持つ、今や本質的なトラッドグラスバンドである。おっと、われらが小森谷巨匠の写真が素晴らしい!! 収録曲リストほか、詳細解説参照。
 ■インスト最近作/お勧め作
  RRR-0001 ALAN MUNDE『Banjo Sandwich』CD(本体\2,450-) \2,646-

Whisperin' George/Dear Old Dixie/Blackberry Blossom/Darcy Farrow/Durang's Hornpipe/Banjo Boy Chimes/Sally Johnson/Sleepy Eyed John/Blue Ridge Express/Sail Away Ladies/Doc's Riverboat Reel/Beat The Heat Banjo Boy Chimes/Remember Me 全13曲

 偉大なバンジョー奏者、アラン・マンデが1975年に発表したバンジョー名盤CD化(うち6曲はラウンダーからのコンピレーション『Blue Ridge Express』で発表されている)。高校生だったサム・ブッシュとの『Poor Richard's Almanac』(廃盤)でテキサス・フィドルのノウハウを見事にバンジョーにアダプトしたのを皮切りに、ジミー・マーティンのサニー・マウンテン・ボーイ『Singing All Day and Dinner on the Ground』(廃盤)で完璧なドライブを学び、カントリーガゼットの大名盤 『Traitor in Our Midst/Don't Give Up Your Day Job』(BGOCD-298 CD\2,970-)で花開いたアラン、ただ単に完璧なメロディック・スタイルを弾くだけではな く、独特のメロディー美学とコード感覚を持って16部音符に強いバンジョー弾きにはたまらないドライブをかみ合わせ、「弾けるものなら弾いてみたい」と思わせる世界を作り上げた偉大なスタイリストである。当時のガゼット、ローランド・ホワイト(m)、デイブ・ファーガソン(f)、ロジャー・ブッシュ(bs)に、ゲストに最近ムーンシャイナー誌に貴重な写真を提供してくれているドック・ハミルトン(g)がバックアップ。ステリングのビッグ・サウンドとともに、現在にいたるフレキシブルなバンジョー奏法の基礎になった名盤である。タブ譜集(RRR-0001T \2,970-)もある。
  BACM-438 LEON MCAULIFFE & HIS CIMARRON BOYS CD(本体\2,450-)\2,646-

 ボブ・ウィルスのスティールギター奏者として知られるリオン・マコーリフ(1917-1988)自身のバンド、シマロンボーイズの貴重なトランスクリプション・ディスクを中心にした全28曲集(内インストと歌モノ各14曲ずつの半々)。“Steel Guitar Rag”や“Panhandle Rag”の作者として知られるリオン、14歳でスティールギターをはじめ、16歳でウエスタン・スウィングの創始バンドといわれるライトクラスト・ダウボーイズに参加、1935年からはボブ・ウィルスのテキサスプレイボーイズで一時代を築いた。1942年、軍に入隊、戦後に退役し自身のシマロンボーイズを組んで活躍した時代のラジオ放送用録音(後半10曲は1962年録音)。第2次大戦前後に大流行した、ノスタルジックなスウィングを基調に、とてもなめらかな男性ボーカルとストリングアレンジ(バイオリンソロもなかなか!)に囲まれてリオンのスティールギターがムードを盛り上げる。戦後のアメリカンムード漂う職人たちのノスタルジックスウィングだ。
  COBB-2013 SHAD COBB & CHARLIE CUSHMAN『Out of These Mountains』CD(本体\2,450-)\2,646-

 数多いナッシュビルのフィドラーでも、天性のひらめきを一貫して(言うなれば、その瞬間に聴こえるままを)「勘で楽器に載せていく」(ような)すごいフィドラーは数少ない。そんなひとり、ジョン・カウワン・バンドのメンバーとして2006年に来日したシャド・コッブのフィドルとクロウハンマーバンジョーからボーカルまで。そしてスクラッグスとレノを同時に表現してしまうと言われるチャーリー・クッシュマンのスリーフィンガーバンジョーとギター、そしてベース。ふたりだけで、雑誌「シンプルライフ」の女性編集長のジル・ピーターソンのプロデュースで、曰く「1916年にソングキャッチャーのセシル・シャープが集めはじた曲を含む、18世紀にもたらされ19世紀後半に花開いたアパラチアの曲」を集めた伝統音楽集。
 ■オールドタイム/フォーク最近作/お勧め作
  BACM-424 FIDDLIN' SID HARKREADER 『Early Star of the Grand Ole Opry』CD(本体\2,450-)\2,646-

Bully of the Town/Take Me Back to My Old Carolina Home/Will There Be Any Stars in My Crown?/New River Train/My Little Home in Tennessee/Hand Me Down My Walking Cane/Red River Valley 他全22曲

 グランドオールオープリ最初のスター、アンクル・デイブ・メイコンの相方を務めたシンガー&フィドラー、「フィドリン・シド」こと、シドニ―・ハークリーダー(1898-1988)。おそらく開拓時代から、こうしてフィドルを弾きながら歌われてきたのであろう、そんな旅芸人を思わせるような、多くの人に知られてきたろう人気曲を、自身のフィドルとグレイディ・ムーアのしっかりとしたリズムギターとテナーボーカルを伴って演じる。1927年(カーターファミリーやジミー・ロジャーズが発掘されたブリストル・セッションと同じ年)、シカゴのパラマウントに録音した曲を中心に集め、古き良き時代のアーリーアメリカンなフィドル&バラッドの雰囲気を伝える心暖まるアーリーアメリカンな22曲集。 
  FHR-1066 THE SOUTH CAROLINA BROADCASTERS『Can You Hear Me Now』CD(本体\2,450-)\2,646-

 音楽技術以前の生身の「声」や「楽器」をストレートに表出するソロとハーモニーにアパラチアの原初的な音楽のあり方を聴くサウスカロライナ・ブロードキャスターズの2012年作品。ノースカロライナ州マウントエアリーの伝説的なラジオ局WPAQでオールドタイム番組を持つアイビー・シェパード(f)に、グレース・ケネディ(bj、現在はサラ・オズボーンに代わっている)の女性ふたりとデビッド・シェパード(g)のストリングバンドのトリオ。カーターファミリーの"Pretty Little Raindrops"を皮切りにトム・T.ホール作でドイル・ローソンやヒザー・マイルズの名唱で知られるタイトル曲、フラット&スクラッグスの"Roustabout"もロイ・エイカフと見まごうヒルビリースタイル、アイビーとグレイスの女性デュオが秀逸なデルモア"Take Away This Lonesome Day"、ハンク・ウィリアムスのゴスペル曲、"When God Dips His Love In My Heart"を配し、最後には"Mobile Blues"でブギウギなど、さまざまな南部音楽を取り上げている。その歌唱/演奏手法は、20世紀以降のラジオとレコードの商業主義に毒されていないアパラチアの原初的な音楽のあり方を聴くようだ。「ボイスオブブルーリッジ」という愛称を持つラジオ局のDJを通じてさまざまな音楽を掘っていく中で、おそらくアイビーが見つけたもっともストレートなアパラチアの感情表現なのだろう。混じり気のないエネルギーに満ちた南部音楽だ。
 ■カントリー最近作/お勧め作
  RCSI-1053 LAURA CASH『Awake But Dreaming』CD(本体\2,450-)\2,646-

The Image of Me/Wasted Love/Tomorrow I'll Cry/Look What You've Done/Twinkle Little Star 他全12曲

 ロイド・グリーン、ピート・ウェイド、ピッグ・ロビンズほか、超豪華な(ローラ曰く)トラディショナル・カントリースウィング・バンドをバックに、カントリーの中でもスタンダード並みの音楽性で一世を風靡した60年代ナッシュビル・サウンドのノウハウを使った、いまどき非常に珍しいカントリーサウンドを聴かせてくれるローラ・ウェーバー・キャッシュ。90年代中ごろ、坂出のアパートに住み、今でも「最高の思い出」という瀬戸大橋の京阪フィッシャーマンズワーフに連日出演を続けたブルーグラス・バンド、テキサス・レンジャーズのメンバーとして来日、宝塚フェスにも参加したローラのクラシック・カントリー作品だ。映画『ウォーク・ザ・ライン、君につづく道』のモデルとなったジョニー・キャッシュとジューン・カーターのひとり息子、ジョン・カーター・キャッシュと2000年に結婚、カーター・ファミリーやジョニー・キャッシュ関連のアルバムにも参加している。
 しかし本作では、その人脈で大物ゲストを集めたりせず、自身が尊敬するスタジオ・ミュージシャンとのセッションを大切にする音作りと、ゲストには唯一、デル・マッカーリー・バンドのジェイソン・カーターがすばらしいバリトンボイスでローラとカントリーデュオという彼女らしい控え目さがいい。ちなみにフィドル・コンテストで育ってきたローラ、ナッシュビルでのIBMA大会と同時に開かれるグランドマスター・フィドラー・チャンピオンシップで、これまでフィドル界への貢献を賞する2009年に創設されたチャーリー・ブッシュ賞(サムの父親)の第1回受賞者に選ばれ、涙涙のとてもいい授賞式だった。また丹沢ブルーグラス・サークルがバージニアを訪ねたときも、わざわざメイベル・カーターの家の解体修理を延期して見学させてくれたりするなど、いつも日本人を気にかけてくれるローラのクラシック・カントリー・スウィング作品である。
  COMP-4615 FAREWELL DRIFTERS『Tomorrow Forever』CD(本体\2,450-)\2,646-

Modern Age/Bring 'Em Back Around/Tennessee Girl/Brother/Coming Home/Motions/Starting Over 他全12曲

 フェアウェル・ドリフターズ、1960年代のウエストコーストにタイムスリップしたご機嫌な若者バンド! いよいよコンパスレコードから全米デビューだ!! 10年ほど前、ケンタッキー生まれのジョシュア・ブリット(m)が西ケンタッキー大学(サム・ブッシュの故郷ボウリンググリーン)でブルーグラスを発見、ヘビメタ弟クレイトン・ブリット(g)を引き摺り込むとたちまちクラレンス・ホワイトにノックアウトされ、ふたりでナッシュビルに仲間を探しに行ってベルモント大学のキャンパスで出会ったのがザック・ベビル(g)、そして自費制作『Sweet Summer』を発表、ナッシュビルに移ってアンダーグラウンドで高い評価をとった2枚、2010年『Yellow Tag Mondays』(HS2K-101 \2,646-)、2011年『Echo Boom』HS2K-111 \2,645-)は一貫して1960年代のウエストコーストに、まったくあたらしいメッセージを載せた懐かしいサウンドを聴かせてくれる。2012年秋に来日、山形県??市の国際交流プログラムだったが、東京音楽大学で若い日本のブルーグラッサーとの交流もした彼ら、ムーンシャイナー2010年6月号「60年代ウエストコーストの風に吹かれて……」、そして来日を記念したカバーストーリー特集が2012年9月号にある。若者たちがブルーグラスをベースにまったくあたらしい(懐かしい)サウンドで現代の若者たちの熱い支持を集めている。モンローやフラット&スクラッグス、スタンレーからは少し距離があっても、どこかで固く強く結ばれた彼らの音楽を聴いていると、大きな未来を感じる高揚感がある。ぼくら、還暦を過ぎても愛はあるし、夢はあるんだ……、頑張れ若者!
  HTM-478704 STURGILL SIMPSON『High Top Mountain』CD(本体\2,450-)\2,646-

 ネオ・ホンキートンクのスターギル・シンプソンのデビュー作。ピアノのハーガス・ピッグ・ロビンスやスティールのロビー・ターナーら、ナッシュビルのベテランを配して、昔の雰囲気で録音し、かつてのカントリーが持っていたラフな感じを出したかったという。ブルーグラス出身らしくラルフ・スタンレーに敬意を表して“Poor Rambler”をカバー、強烈なヒルビリーホンキートンクに仕上げている。
 ■映像ものお勧め作
  FREED-5046 HEATHER MYLES『Live On TruCountry』DVD+CD(本体\3,100-)\3,348-

 ベイカーズフィールド・サウンドのストレートなホンキートンク・スタイルを聴かせる女性ヒザー・マイルズ(51)の最新作はライブ23曲のCDとDVD映像集。カリフォルニアの競走馬を育てる牧場で生まれ育ち、その仕事を辞めて30歳でのデビュー以来、ハイトーンやラウンダーと行った本物志向のレーベルで活躍してきたベテラン・カントリー。レイ・プライスの“Crazy Arms”や“Vaya Con Dios”、バック・オウエンズ“I'm Gonna Have Love”など新旧ホンキートンクをたっぷりと楽しませてくれる。
  OC-2013 V.A.『Great Southern Old Time Fiddler's Convention 1925-1929』白黒53分DVD-R(本体\2,450-)\2,646-

 1925年12月7日付のテネシー州チャタヌーガの新聞が伝えるメーン州のフィドラー、メイリー・デネムがデトロイトのフォード自動車に招かれるという記事からはじまり、日を追ってチャタヌーガでフィドルコンテストが開かれるまでを新聞記事の読み語りと貴重な写真で追うドキュメンタリー。フィドルファンだった自動車王ヘンリー・フォードによってもたらされた北部ニューイングランド地方のフィドラーと南部アパラチアのフィドラー達との出会いや、クレイトン・マクミッチェンやギド・ターナーらジョージア・フィドラーの登場などが、当時の写真や録音とともに生き生きと語られる素晴らしい作品。動画映像はなく、全編、写真と録音、英語の語りのドキュメンタリーである。
  CCD-WBS5 WILBURN BROTHERS SHOW『Volume 5』DVD-R135分(本体\2,450-)\2,646-

 なんと!18歳のラリー・マクニーリーが登場という驚きの1966年12月の収録を含む1960〜70年代のカントリーTV番組シリーズ、ウィルバーン・ブラザーズがホストの番組、すでに紹介の4巻につづいて最新の第5巻が発売だ。デッカ/MCA系のアーティストを中心に1963年から1974年までの10年間に354本の30分番組を流した同シリーズを6番組ずつ収録する本作、毎回のレギュラーには女性シンガーにロレッタ・リン、コメディにバンジョー奏者のハロルド・モリソンらと、何よりもバディ・スパイカーのバックアップを含めた見事なフィドルが聴きモノ(ドン・ヘルムズとハル・ラグらのスティールギターも)。抜群のバックミュージシャン(ベースとソックリズムギターだけの趣味の良さ)が素晴らしい。そしてゲストにはオズボーン・ブラザーズ(1967年)ほか、ナット・スタッキー(66)、バーバラ・マンドレル(74)、デビー・ロリ・ケイ(66)、ロニー&ビッキー(67)、ジィミー・ライアン&ビリー・パーカー(69)。オズボーンズは“Roll Muddy River”と“Hey, Hey Bartender”。カントリー音楽が巨大産業になる直前、まだ「カントリー」だった時代のノスタルジーを堪能できる素晴らしいDVD映像シリーズ。お宝があちこちで見つかる(!?)旧譜の4巻もお問い合わせください。
  KMA-0011D LOU REID & CAROLINA 『20th Anniversary Concert: Live at the Down Home』DVD(本体\3,500-)\3,780-

 ルー・リード&カロライナが20周年を記念して昨年発表したライブCDのDVD映像盤。セルダムシーンでは62歳という若さで早世したジョン・ダッフィ(1934-1996)のパートを完ぺきにこなすルー・リード。シーンと並行して活躍する彼自身のバンド。キーof“B”のブルーグラス賛歌“Grass Lover”ではじまり、アカペラゴスペルからスタンレー、そして長いルーのキャリアで知られるヒット曲など、ゲストに当時リッキー・スキャッグス・バンドのバンジョー奏者であったジャスティン・モーゼズのすばらしいフィドルを迎え、いわゆるブルーリッジ系の軽快/快調な、標準5人編成ブルーグラスのライブ。巻末詳細解説参照下さい。
 楽器関連作品
 (楽器奏法や教則など、さまざまなご相談に関してはミュージシャン歴豊富なスタッフがアドバイス、また楽器につきましても、本体やパーツ/アクセサリーなど、ビンテージを含めて各種取り扱っています。お気軽にお問い合わせください)
 ■ギター
  COMP-4603 REBECCA FRAZIER『When We Fall』CD(本体\2,450-)\2,646-

 ムーンシャイナー2013年9月号のカバーストーリーとなった女性フラットピッカーのレベッカ・フレイジャー最新ソロ作品。さわやかな明るさを持つ10曲のオリジナル(内3曲はハイテクフラットピッキンインスト!!)に、カバーは、ニール・ヤングの“Human Highway”と、カーターファミリーソング“Ain't Gonna Work Tomorrow”の2曲。ロン・ブロックやスコット・ベスタル(bj)、天才フィドルのシャド・コッブ、イケイケドブロのアンディ・ホール、クールに手堅いバリー・ベイルズ(bs)、そしてデラ・メイのシェルビー・ミーンズがハーモニー。最後の“Babe in Arms”はブルーグラス・ママらしく、アパラチアン風味の息子への子守唄。素直に歌い、軽々と凄いことを弾くレベッカ、ここまでの努力は尋常ではなかったろうと……想う。
  RC-103 TONY RICE『got me a martin guitar』CD-R(本体\1,980-)\2,138-

Freeborn Man/Faded Love/Salt Creek/Doin' My Time/Windy and Warm/John Hardy/Nine Pound Hammer/Lonesome Ruben. 全8曲
 昨秋9月のIBMAアワードショウで名誉の殿堂入りしたトニー・ライス。発声困難だった喉、努力の成果として19年前の声を聴かせてくれた感動のスピーチ(ムーンシャイナー11月号特集)。本作は、1973年発表のトニー・ライスのデビュー作。1971年、米国のフェスで見たトニー・ライスに衝撃を受け、何度もの手紙のやり取りの末、恥ずかしいほどの低予算ながら、意気に感じてくれたのか、日本の名もないレコードレーベルにすばらしいギターアルバムを創ってくれました。あまりにも有名なブルーグラス・ギターの歴史を変えた日本発のデビュー作を、1973年のオリジナルの紙ジャケットでいかがですか? ブルーグラスギタリスト必携の1枚! ムーンシャイナー誌のペンではトニーが生活に困窮、援助のため基金が設けられたという衝撃的なニュースが伝えられています。
 ■バンジョー
 (ムーンシャイナー連載のチチ松村「バンジョー祭り」、世界のバンジョー音楽をお見逃しなく!!)
  ROU-0146 BELA FLECK『Natural Bridge』CD(本体\2,450-)\2,646-

 1982年発表、ベラ・フレックがニュー・グラス・リバイバル参加前後、当時デビッド・グリスマンが主導するアコースティック楽器革命に本格的にコミットした記念すべきソロ第2作。全曲オリジナルで、グリスマンをはじめマイク・マーシャル、マーク・オコナーらのDGQ、ジミー・グドロー(スペクトラムで一緒だった)、サム・ブッシュ(f)、ジェリー・ダグラスら血気盛んな若者たちの、ストレートブルーグラスからジャズ、ドーグ、リリカルなバラッド調など、ブルーグラスロールとのちのフレクトーンズに向かうフュージョン音楽がさまざまなかたちで混じり合っている現場……といった風の楽しいイケイケバンジョー集。
  PATUX-196 JESSIE BAKER『Yessir!』CD(本体\2,450-)\2,646-

 ドン・レノの音ツカミと、絶頂期アール・スクラッグスを思わせるロールの安定感を兼ね備えた録音当時18歳、ジェシー・ベイカー。昨年、マイケル・クリーブランドのフレームキーパーからシエラ・ハル&ハイウェイ111を経由してドイル・ローソン&クイックシルバーに移籍、火を噴いている。レノ、スクラッグス、そしてモンローのおいしい選曲で、基本バックはマイケル・クリーブランド(f)、デビッド・マクラフリン(m)、ダドリー・コンネル(g)、マーシャル・ウィルボーン(bs)。昨今の若者ブルーグラス、一方にジャズ/クラシック界まで足を伸ばす奴がいるかと思えば、こうしてわれわれおじさん達以上にディープに先人の偉業を尊敬し掘り下げる者もいる。ブルーグラスは不滅だぁーッ!! 超お薦めブルーグラス・バンジョー2009年作品!!
 ■マンドリン
  CR-020 JOHN REISCHMAN『Walk Along John』CD(本体\2,450-)\2,646-

 ギブソンF-5ロイド・ロアーの魅力をもっともストレートに聴かせてくれるマンドリニストといわれるジョン・ライシュマンの最新2013年作インスト作品。1曲目“Itzbin Reel”には8歳のときからカバーしていたというクリス・シーリをゲストに、見事なツインとクリスのソロをフィーチャー、その1曲目と2曲目では若手注目のマイク・バーネットのフィドルとデビッドの息子サム・グリスマンのベースを据え、2曲目ではトニー・トリシュカ(bj)をゲストにしたモンローっぽいブルーグラス、3曲目はブルース・モルスキーとのデュオでオールドタイミーな美しいトラッドのメロディー……等々、トラッドとオリジナル、いずれも非常に趣味の良いブルーグラスインストを聴かせる。ケニー・スミスのほか、地元の西海岸系ミュージシャンたちが実に趣味の良い抑制の効いた演奏でジョンの世界を盛り上げる。
 トニー・ライス・ユニットのオリジナルメンバーとして頭角を現し、そののちグッドオールパーソンズ、現在は自身のバンド、ジェイバーズを率いて活躍中。ちなみにムーンシャイナー2001年5月号(通巻211号)にて「ジョン・ライシュマン来日」(\540-)のカバーストーリーがある。
  PATUX-231 大塚 章『First Tear』CD(本体\2,450-)\2,646-

 ブルーグラス45の大塚 章のソロデビュー作。アキラは1973年以降、アメリカにとどまり、数々のバンドに参加、ワシントンDC地区のブルーグラスに大きな功績を残している。本作はデビッド・グリア(g)、昨秋IBMA最優秀バンジョー奏者に輝いたマイク・マンフォード(bj)、リッキー・シンプキンズ (f)らを基本セットに、日本から兄のジョッシュ大塚、ロカビリーのビル・カーチェンを含むさまざまなゲストを迎えて演じるブルーグラス、ニューグラス、スウィングなど。恩人でもある故ジョン・ダッフィに捧げたラスト、ライブ録音"Heartaches"のエディ・アドコックとトニー・ライスが凄い!! 40年前に米国移住したアキラ、念願のソロ作品は、気持ちのこもったすばらしい作品になった。ムーンシャイナー2012年10月号のカバーストーリー参照
 ■フィドル
  COMP-4275 DAROL ANGER『Diary of a Fiddler』CD(本体\2,450-)\2,646-

 フィドル求道者ダロル・アンガーの1999年大名盤。ブルーグラス、ブルース、ジャズ、ケープブレトン(ケルト)など、さまざまな北米フィドルの第一人者をゲストに迎え、まさしく収録されているビートルズ曲"With a Little Help from My Friends"そのままの楽しい作品。ゲストは故バッサー・クレメンツ、ステュアート・ダンカン、サム・ブッシュ、ナタリー・マクマスター、マット・グレイザー、リチャード・グリーン、ブルース・モルスキー、ティム・オブライエン、そして当時10代のケイシー・ドリーセン他、フィドルの多様な楽しさが詰まったとても楽しい豪華作品。弓使いミュージシャン必聴!! 
  VSR-8283 V.A.『The Violin Shop; Fiddle Masters Concert Series Vol.II』DVD75分(本体\3,800-)\4,104-

 ナッシュビルの『バイオリン・ショップ』、その小さなホールで開かれる凄いフィドル・コンサート必見ライブ三部作のうち第2集は、最高レベルの音を聴かせるステュアート・ダンカン(with オブライエン&サットン)、フレキシブルなダロル・アンガー(with グリア)、アイリッシュのリズ・キャロル(withジョン・ドイル)、ニッケル・クリークのサラ&ショーン・ワトキンス妹兄の若者組など計4組にルーク・ブラやジェレミー・キテル。ブルーグラスからクラシックまで、さまざまな最先端の音楽を、フィドル/マンドリン/ギター/ベースの妙技で堪能させる!! ティム・オブライエンのゲストボーカルほか、豪華バックアップ陣にも注目!! 21世紀のフィドル呼吸法が分かるこの三部作は全フィドラー必見です。
 ■ドブロ
  RC-121 JOSH GRAVES『Just Joshin'』CD(本体2,450-)\2,646-

 ブルーグラス・ドブロ奏者の基本中の基本!ジョッシュ・グレイブス(1927-2006)の、1963年に発表されたジェイク・ターロック(1922-1988)とのフラット&スクラッグス時代唯一のデュオ・アルバムが3曲の未発表インスト録音を含めて、わがレッド・クレイ・レコードから初CD化されている。バックにはカーティス・マクピーク(bj)、チャビー・ワイズ(f)、ハワード・ワッツ(bs)ら。ジョッシュのリードにジェイクのテナーのデュオボーカル物と"Dobro Rhumba"や"Just Joshin'"など6曲のドブロ・インストで構成された超貴重な全15曲。全ブルーグラス・ドブロ奏者必携/必聴/必写の1枚!
 ■オートハープ
  WP-128 HARVEY REID『Autoharp Waltz』CD(本体2,450-)\2,646-

 1954年カリフォルニア生まれのハービー・リードの最新オートハープ16曲集。1976年にインディアナ州ビーンブロッサムのビル・モンローフェスでブルーグラス・ギターコンテストに優勝したのち、1981年にはカンザス州ウィンフィールドの全米フィンガーピッキンコンテストで優勝、翌82年にはオートハープ部門で優勝している。1982年に自身のウッドペッカーレコードを立ち上げ最初のアルバムを発表して以来、ソロギターがメインだが、ミンストレル音楽や6弦バンジョーアルバムなど、本作で29枚目のアルバムになるというマイペースな、しかしそれだけステディなファンを持つ多彩なミュージシャンで、故ドック・ワトソンが、わざわざライブを聴きに行くというファンだったと言われている。そんなバーサタイルな才能と感覚を持ったゲイリーの2枚目となるオートハープ集、トラッドからカーターファミリーなど、ホッとする選曲とともに、期待を裏切らない秀作である。

(スタッフは全員、バリバリピッカーです。どんなことでもお気軽にお問い合わせください)
 書籍
  BB-3210 JIM PEVA『Bean Blossom, Its People and Its Music』Book(本体\2,500-)\2,700-

 今年40回目のブルーグラス・フェスを迎えたビル・モンローのビーン・ブロッサム・ブルーグラス・フェスティバル。そのすべてのフェスを見てきた「ヌシ」のような存在で、70年代以降、多くの日本人がそのキャンプサイトでお世話になったジム・ピーバ、彼がビーン・ブロッサムの思い出を写真と文章でつづったA4変形版78頁写真集。素人写真ながら、また印刷も良くないけれど、簡潔な文章とともにビーン・ブロッサムの歴史から、タイトル通り「その人々と音楽」、そしてその歴史の中での印象的な出来事がとても分かりやすく紹介され、ビーン・ブロッサムとともに50年を過ごしてきたジムの愛情たっぷりの気持ちが伝わるすばらしい本である。
  BOOK-27 BILL MONROE『Farther of Bluegrass』Book(本体\1,900-)\2,052-

 ビル・モンロー自らのインタビューを含め、人間ビル・モンローを追った同名秀作映像DVD作品『Farther of Bluegrass』(MVDV-4577 \2,862-)の脚本から、完全な英語と日本語の対訳本です。「ブルーグラスの父」ビル・モンローの伝説から人となりが伝わって来る秀作である。
 輸入雑誌
 ■フラットピッキン・ギター誌
  隔月刊の掲載全タブ譜対応CD付きフラットピッキン・ギター誌。ブルーグラスからスウィング/ジャズまで。一冊でさまざまな奏法が学べる。
  FGM-18.3 最新「2014年3〜4月号」CD付き70頁Tab-Book(本体\2,500-)\2,700-

Dooley/Bitter Creek/Pupville/Constitution March/Golden Slippers/Beautiful Brown Eyes/Neenah/Neal Gow’s Lamentation/Toy Heart.

 ザ・ディラーズのロドニー・ディラードをカバーストーリーに、ビッグ・スミスのギタリストやデビッド・マラビラら、ダダリオの「NSアーティストカポ」紹介などの特集に上記、各コラム(初心者から上級者までさまざまな切り口で)で取り上げた曲のタブ譜とCD音源。 
  FGM-18.2 「2014年1〜2月号」CD付き70頁Tab-Book(本体\2,500-)\2,700-

Pretty Bird/Little Girl of Mine in Tennessee/San Antonio Rose/Pupville/John Hardy/Little Annie/Stetson’s #2/Long Journey Home/Sand Coulee Reel/Soppin’ The Gravy/Cotton Patch Rag/We Live In Two Different Worlds.

 ギリアン・ウェルチの相方で、アグレッシブなダウンピッキンで知られるデビッド・ロウリングスのカバーストーリーほか、マウンテンハートのセス・テイラー、アラン・ジャクソン・バンドのスコット・コニー、そして楽器ルシアーのケン・フーパーらの特集。それに上記、それぞれに初心者やコード分解、ナッシュビルスタイルなど各コラムに応じたタブ譜集。
  FGM-18.1 「2013年11〜12月号」CD付き70頁Tab-Book(本体\2,500-)\2,700-

First of May/Handful of Riffs/Nellie Kane/When You’re Smiling/Silent Night/Ages and Ages Ago/John Hardy/Whispering/The Night Has A Thousand Eyes/Cattle in the Cane/Rabbit in a Pea Patch/Sheep & Hogs/Turkey in the Cotton Woodsほか

 話題のクエベ・シスターズのギタリスト、ジョーイ・マッケンジーのカバーストーリーとウエスタン・スウィングの典型的なバックアップ、ソックリズムのコード進行ノウハウ“Home In San Antone”と“Right or Wrong”、マイケル・デイビス(クリス・シーリのブラザーデュオ相方)と“John Henry”ほかの特集と上記曲に関するコラム/タブ譜ほか、クロスピッキンのアクセントや「きよしこの夜」のジョン・カーリニによるアレンジ、ウエスタン・スウィングのコード進行が満載の72頁。
  FGM-17.6 「2013年9〜10月号」CD付き70頁Tab-Book(本体\2,500-)\2,700-

Amazing Grace/Munde's Child/Crying Holy/Old Gospel Ship/Precious Lord/Never Give the Devil a Ride/Gathering Flowers from the Hillside/You Are My Sunshine/Swing Low, Sweet Chariot/Old Time Religion/Gnarly/Cottonwood Reel/Done Gone/Salty Dog Blues ほか。

 レターでも紹介したギターアルバム『Grace Notes』を発表したカール・ジャクソンをカバーストーリーに“Amazing Grace”のタブ譜ほか、エリオット・ロジャーズ、ジョン・バクゼンデールのコロラドギターカンパニー訪問、CDハイライトはアンドリュー・リグニー、新製品紹介などの記事のほか、とにかくタブ譜満載の70頁。

 以上のほか、現在の在庫は2013年9-10月号、2013年2013年1-2月号、2012年11-12月号、2012年5-6月号、2011年7-8月号、2011年5-6月号、2010年3-4月号、2010年1-2月号、2009年11-12月号、2009年7-8月号、2008年3-4月号、2007年1-2月号、2006年7-8月号のみです。
 ■バンジョー・ニューズレター誌
  世界唯一のバンジョー専門月刊誌。毎号タブ譜満載(ウェブサイトから「MP3」で音源入手可!!)、バックナンバーもお問い合せ下さい。探しておられるタブ譜の曲名や演奏スタイル、またお気に入り奏者の特集も探します。収蔵曲のCDやDVDなども在庫していますので、お問い合わせください。
  BNL-14/03 最新2014年3月号 \648-

 今年1月27日、94歳で亡くなったピート・シーガー追悼特集号。タブ譜はトム・アダムズ「オペラ座の怪人」より“Music of the Night”、アール・スクラッグスは極めて珍しい“Bill Cheatham”のリード!(1992年、ジョン・ハートフォードが録音に成功した貴重な一瞬だったという!!)、ケルト系有名曲“Drowsy Maggie”、先月号からつづくベラ・フレック・インタビューAとオリジナルのクラシック“Movement 2: Hunter's Moon”、トニー・トリシュカ採譜のピート・シーガー“Quite Early Morning”などのほか、クロウハンマーのタブ譜を含むバンジョー情報満載の40頁。
  BNL-14/02 2014年2月号 \648-

 ベラ・フレックのカバーストーリーは、初のクラシック作品『The Impostor』(本体\2,650-)への取り組みとノウハウなどインタビューのPart 1と、タブ譜は同アルバムからナッシュビル・シンフォニーとの第一楽章“Infiltration”ほか、タブ譜はビル・エマーソンのカントリージェントルメン時代の名演“Teach Your Children”、トム・アダムズ“Wagon Wheel”、アール・スクラッグスは珍しいレイ・プライスとのセッションから“I Can't Go Home Like This”、フィンガーボード探検“Man of Constant Sorrow”、初心者“Red River Valley”ほかクロウハンマーのタブ譜も充実、バンジョー情報満載の40頁。
  BNL-14/01 2014年1月号 \648-

 1960年代から活躍する大ベテラン、トム・ニールのカバーストーリー(トム・アダムズの愛情たっぷりインタビュー)と“Tyler's Tune”(昨年発表のアルバム『Banjoland』\2,646-より)ほか、アール・スクラッグスは“Four Walls Around Me”、ピーター・ワーニック"Nellie Kane"など、バンジョーに関するさまざまな情報が満載。
  BNL-13/12 2013年12月号 \648-

 左指にハンディを持つマウンテンハートのバリー・アバーナシーのカバーストーリーと"Deadwood"のタブ譜ほか、アール・スクラッグスは1985年のジョン・ハートフォードとのジャムテープから"Turn Your Radio On"、トム・アダムズはクリスマスにペリー・コモのメロディから"(There's No Place LIke) Home for the Holidays"、初心者は"Holly Jolly Christmas"、フィンガーボード探求には"deck the Halls"のメロディックとスクラッグス、そしてベースノート譜、フレッド・ゲイガーのコード考察"J'Attendrai"ほかクロウハンマーのタブ譜も充実、バンジョー情報満載の40頁。
  BNL-13/11 2013年11月号 \648-

 ムーンシャイナー誌のちょうど10年先輩、バンジョー・ニューズレター誌がこの11月号で創刊40年を迎えています。「バンジョー好き」という理由だけで、無謀な創刊に飛び込んだハブとナンシーのニッチー夫妻への感謝のメッセージや創刊当時の様子や歴史などの特集のほか、IBMA(WoB)2013リポート特集と、アール・スクラッグス"Will the Circle Be Unbroken"ほかのタブ譜など、バンジョーに関するさまざまな情報が満載。
  BNL-13/10 2013年10月号 \648-

 ベラ・フレックのバンジョーサミットのレギュラーでもあるパンクなクロウハンマーの名手、リッチー・スターンズのカバーストーリーとタブ譜“Last Train To Rajastahn”のほか、初心者は“Lonesome Road Blues”のバックアップ、アール・スクラッグスはライブテープから“Sugarfoot Rag”、トム・アダムズはスタンダード曲“Five Foot Two, Eyes of Blue”、マーティ・カトラー“Gold Rush”バリエーションその1ほかのタブ譜と、バンジョーに関するさまざまな情報が満載。
  BNL-13/09 2013年9月号 \648-

 現在はドン・リグスビーのミッドナイトコールのバンジョーを務めるベテラン、エルマー・パーチェットのカバーストーリーとタブ譜は“Whistle Pig”(デビッド・パームリー&コンティネンタルディバイドの2000年秀作『There'll Always Be a Rocking Chair』=在庫あり=PC-1095 廃盤特価\1,575-)ほか、知られざる凄腕ルシアー、ロニー・ベイルズ(顧客にはベラ・フレック、ノーム・ピケルニー、カーティス・マクピーク、ラリー・マクニーリー、ビル・エバンスらがいるという)訪問インタビュー、今夏のサマーNAMMショウでのバンジョーリポートなどの特集と、レッスンタブ譜はフレッド・ゲイガーのジャズコード“Georgia On My Mind”、アールズウェイ“Sugarfoot Rag”、トム・アダムズFシェープの7thコードリック“I Wonder Where You Are Tonight”など、有益なバンジョータブ譜と情報満載の40頁。
  BNL-13/08 2013年8月号 \648-

 ニューヨーク・ブルーグラスのもっともホットなエリア、ブルックリン在住の若者ベネット・サリバンのカバーストーリーとタブ譜“Cutch Tuttle”ほか、トム・アダムズ“Bury Me Beneath the Weeping Willow”、アール・スクラッグスは1948年2月、ほぼ最後のビル・モンロー在籍メンバー当時の録音“Sunny Side of the Mountain”と「アールズウェイ」は“Old Gray Mare”ほかクロウハンマーも充実、有益なバンジョータブ譜と情報満載。
  BNL-13/07 2013年7月号 \648-

 話題の第一世代ブルーグラスバンジョーのフォロワー、クリス・ヒルのカバーストーリーと"If That Footsteps That I Hear"と"I Get the Blues When It Rains"のタブ譜、曲はともにトム・フェラーとのブルーグラス・バッカルーズ『Feller and Hill and the Bluegrass Buckaroos』(BCR-035 \2,646-)より。そのほか、レノ・スタイル"Mr. Bottle"、トム・アダムズ"Rock Around the Clock"ほか、"Beaumont Rag"、"Lady Be Good"、"St. Anne's Reel"などとオールドタイム/クロウハンマーなどのタブ譜満載。
  BNL-13/06 2013年6月号 \648-

 ディック・ワイズマン(Dick Weissman)のカバーストーリー……って誰?って思うよね。でもきっと、結構多くのひとが見たことのある、ウッディ・アレンみたいな人が楽器店のようなところでオープンバックのバンジョーを弾いていて、その写真が、斜め上にダブってコラージュされているジャケット、タイトルは『Modern Banjo Mountain Style』……覚えていませんか? 1961年にはフォークグループ、ジャーニーメンを結成、フォーク界の知られざる最先端を歩んできたディックのインタビュー。人に歴史あり! フォークのみならず、スクラッグスやボビー・トンプソン、ライ・クーダーやビル・ダノフら、さまざまな登場人物の逸話も楽しい。そのほかタブ譜は、アール・スクラッグス"Red River Valley"(ハートフォードとのジャムテープより、この逸話が面白い!!)、初心者には"When You and I Were Young Maggie"、ブルース"I'm So Glad"、トム・アダムズdチューニングの"Cumberland Gap"、ジェリー・リード"Jerry's Breakdown"、ドビュッシー"Reverie"、リッチ・スティルマン"Cascade"ほか、クロウハンマーなどのタブ譜満載。
  BNL-13/05 2013年5月号 \648-

 ティム・ウィードのカバーストーリーのほか、アメリカン・バンジョーキャンプ・リポート、クロウハンマーで弾くバッハの特集ほか、タブ譜はアール・スクラッグスがハイロ・ブラウンとライブ録音を残した闊達な"Prisoner's Song"、アラン・マンデ"Cotton Patch Rag"ほか、バンジョーに関するタブ譜と話題満載40頁。
  BNL-13/04 2013年4月号 \648-

 アリソン・クラウスのユニオン・ステーションのロン・ブロックをカバーストーリー/インタビューにタブ譜は、ジェリー・ダグラス作アリソン・クラウスの『New Favotite』に収められていた"Choctaw Hayride"と同アルバムからの"Take Me for Longing"、そして最新作『Paper Airplane』からの"My Love Follows You Where You Go"ほか、ニューロストシティ・ランブラーズのジョン・コーヘンのシビアなインタビュー「On Old-Time Music Before There Was 'Old-Time'」とタブ譜"Cumberland Gap"と"Buck Creek Girls"ほか、タブ譜は"Fireball Mail"のインプロバイズ、トニー・トリシュカの3-0-2リックによる"Black Mountain Rag"、トム・アダムズのハイポジションのレッスンはスクラッグス・リックのバリエーション。ディーリング・バンジョー社のリポートもあるバンジョーに関する話題満載40頁
  BNL-13/03 2013年3月号 \648-

 トニー・ライスらと「クロウグラス」という、ブルーグラス・バンドのセッティングでクロウハンマーを弾く独自の世界を築き、昨秋は第3回スティーブ・マーティン賞を受賞したマーク・ジョンソンのカバーストーリーと"Marching Through Georgia"(パイのパイのパイで知られる東京節)のタブ譜ほか、アール・スクラッグスのライブテープからオタク美学の"Your Crazy Heart"、フレッド・ゲイガーのコード遊びは1931年のビング・クロスビー"Wrap Your Troubles in Dreams"、トム・アダムズはハイポジにおけるDからGへ戻る10の方法、ジャネット・デイビスのバックアップはCチューニングにおける"Soldier's Joy"、ジャム・スタンダードを変拍子で楽しむジェイク・シェップスの7拍子の"Whiskey Before Breakfast"と5拍子の"Blackberry Blossom"、ティム・カーターの"Waltz for Earl"ほか、各種クロウハンマーなど、バンジョーに関する話題満載40頁。
  BNL-13/02 2013年2月号 \648-
 2011年のIBMA最優秀バンジョー奏者で、ただひとり最優秀フィドル奏者も獲得しているロン・スチュワートのカバーストーリーとタブ譜は"Crawford County"、ロジャー・シミノフによる「プリウォーサウンドpart 2」はアール・スクラッグスの右手のアタックに関する考察、初心者は「知っておくべき10のリック」、トム・アダムズは「タブを書こう!?」、ジャネット・デイビスのバックアップは"America the Beautiful"をネタにセブンスコードの使い方、アール・スクラッグスは先月に続いてジャムでの"Walking the Floor Over You"ほか。
  BNL-13/01 2013年1月号 \648-

 懐かしや!アンディ・オウエンズと来日したジェフ・スロギンズのカバーストーリーとタブ譜は"Woodland Arch"と"Boundary Hunter"、そのほかアール・スクラッグスはシラブルで弾く"Walking the Floor Over You"、ハーモニー研究「枯葉B」、トム・アダムズは「発見されるのを待つ音たち」と題したちょっとしたアイデア集、バックアップは"Old Spinning Wheel"、初心者コーナーはコード進行のパターンリストほか、オールドタイム・コーナーと、バンジョーに関する話題満載40頁。
 ■ブルーグラス・アンリミテッド誌
  米国最大のブルーグラス月刊専門誌。お探しの記事などバックナンバーもお問い合わせください。
  BU-14/04 最新2014年4月号 \864-

 デル・マッカーリーのカバーストーリーほか、ロスト&ファウンドの故デンプシー・ヤング、ミシェル・ニクソン&ドライブ、マーク・シャッツ、昨秋IBMA特別功労賞を受けたマクレイン・ファミリー・バンドなどの特集記事と各種コラムのほか、米国ブルーグラス情報満載の68頁。
  BU-14/03 2014年3月号 \864-

 毎年恒例の3月号楽器特集は1841-1842年、C.F.マーティン・シニア作のマーティン&ク―パ・ギターを表紙に、マーティン「アメリカギター改革」ほか、ブライアン・サットンとコートニー・ハートマンのエンドースで知られるボージョワーギターズ、クラブトンのオーダーで有名になったウェイン・ヘンダーソン、バンジョーリム製作家ジム・レイ(Rae)、マンドリン製作のマイク・アンデス(ナッシングファンシーのマンド奏者)の特集記事と各種コラムのほか、米国ブルーグラス情報満載の72頁。
  BU-14/02 2014年2月号 \864-

 カントリー業界ともつながりを持った兄妹ザ・ロイズと、マーク・ニュートンとスティーブ・トーマスの新コンビをカバーストーリーに、トニー・ライスの叔父にあたるドブロ奏者フランク・ポインデクスターほかの特集記事と各種コラムのほか、米国ブルーグラス情報満載の54頁。
  BU-14/01 2014年1月号 \864-

 マールフェス特集(表紙写真はムーンシャイナー6月号表2と一緒だったぞ!!)のほか、毎週一度のナッシュビル郊外ラブレスカフェからのライブ公開放送「ミュージックシティルーツ」、バージニアのインドアフェス「キャビンフィーバーピッキンパーティ」、ペンシルベニアの「ブルーグラス・オンザ・グラス」主宰者デイビス・トレーシーらの特集記事と各種コラムのほか、米国ブルーグラス情報満載の100頁。
  BU-13/12 2013年12月号 \864-

 IBMA(WoB)2013のカバーストーリーと写真リポートほか、アラン・ジャクソン、カール・シフレット&ビッグ・カントリーショウ、フィル・レッドベターの特集記事のほか、米国ブルーグラス情報満載の60頁。
  BU-13/11 2013年11月号 \864-

 トム・T.ホールの妻でソングライターとしてブルーグラスやカーターファミリーの庇護者でもあるディキシー・ホールのカバーストーリーほか、ウエイド・メイナーとアール・スクラッグスの日本のグラナダ因縁、ブルーグラス奨学金の紹介、ティム・グレイブスの新バンド、ファームハンズ、ブッキングエージェントのクラスアクトなどの特集記事のほか、米国ブルーグラス情報満載の52頁。
  BU-13/10 2013年10月号 \864-

 マーティ・レイボンのカバーストーリーほか、フィンランドのブルーバンド、ジュシ・シレンとグランドブレーカーズ。マンドリンやギタールシアーのシム・デイリー、ブルーグラスソングライターのジェリー・サリー、2014年タレント・ディレクトリーなどの特集ほか、米国ブルーグラス情報満載の76頁。
  BU-13/09 2013年9月号 \864-

 あたらしいトラッドグラスの形を提示するビッグ・カントリー・ブルーグラスをカバーストーリーに、ジミー・マーティントの活躍で知られるクリス・ワーナー、デイリー&ビンセントのマンドリン奏者ジェフ・パーカー、ピーター・ワーニック博士のブルーグラスジャム法などの特集ほか、米国ブルーグラス情報満載の72頁。
  BU-13/08 2013年8月号 \864-

 スティーブ・ヒューバーが復活させたウエイド・メイナーの1930年製ギブソン・グラナダ#9530-4をカバーストーリーに、今年からノースカロライナ州ローリーに移るIBMAのワールドオブブルーグラス、その誘致に尽力した団体パインコーン、ビル・モンローの愛人だったベッシー・リー・モウルディン、そしてギブソン・ピラミッド・バンジョーと呼ばれた戦前のマスタートーン・スタイル2の物語などの特集のほか、米国ブルーグラス情報満載の64頁。
  BU-13/07 2013年7月号 \864-

 ロニー・レノのカバーストーリーほか、タウンマウンテン、デニス・マクブライド、「ヒルビリー」という言葉の由来となった1920年代のバンド、ザ・ヒル・ビリーズの正体ほか、米国ブルーグラス情報満載の66頁。
  BU-13/06 2013年6月号 \864-

 リッキー・スキャッグスのカバーストーリーのほか、リッキーのハーモニーパートナーを18年間努めるポール・ブルースター、ライマン公会堂再建物語、ラス・カーソンとグレン・カーソン「バンジョーファミリートゥリー」、若手ヒルベンダーズなどの特集のほか、、米国ブルーグラス情報満載の70頁。
  BU-13/05 2013年5月号 \864-

 スティールドライバーズをカバーに、ポール・ウィリアムズ、ジョー&ステイシー・アイザックス、バンジョー・サファリのアフリカ旅行記などの特集ほか、定期コラムなど米国ブルーグラス情報満載。
  BU-13/04 2013年4月号 \864-

 キャシー・キャリックとスピニー・ブラザーズをカバーに、ジム・ハーストのソロについて、ビル・モンローやデル・マッカーリーとの活躍で知られるトラッドグラス・フィドラー、ビリー・ベイカーなどの特集ほか。
  BU-13/02 2013年2月号 \864-

 ジム・ローダーデイルのカバーストーリーほか、マンドリンのスーパーピッカー、アラン・バイビー、ギター若手ジョーダン・タイス、オハイオのジェッツ・クリークなどの特集ほか。
  BU-13/01 2013年1月号 \864-

 サム・ブッシュを表紙に恒例の全米ブルーグラス・フェスリスト(数百箇所)と、ブリストル・リズム&ルーツ・リユニオン・フェス、ルディ・フェス、マウンテン・オープリハウスなど、各地のイベント特集に連載コラムほか。
 ■オールドタイム・ヘラルド誌
  内容の濃いアメリカンルーツ/オールドタイム音楽専門誌。アメリカ伝統音楽研究に必読の良書!!バックナンバーが揃っています。お問い合わせください。
  OTH-1308 最新第13巻8号 \1,296-

 ブルーグラス女王と呼ばれる「ロンダ・ビンセント:ミズーリのオールドタイムとブルーグラスのクロスロード」をメイン特集に、若いストリングバンド(ベースの代わりにチューバ)のドランケン・キャットフィッシュ・ランブラーズや今年のフェスやキャンプ一覧ガイドなど、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1307 第13巻7号 \1,296-

 19世紀初頭以来のモンタナのフィドル伝統特集のほか、ノースカロライナのフィドラー、ハワード・ジョインズ(1908-1981)、ウォルト・コーケンのハイウッズ・ストリングバンド物語連載「Tales from the Woods Vol.6」はニューヨーク州の学生街イサカにて、ポール・ウェルズの屋根裏写真コレクションは「ハウのバイオリン教室」など、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1306 第13巻6号 \1,296-

 1927年のビクターレコード主宰のブリストル・セッションの翌1928年、ブリストルからわずか25マイルのジョンソンシティでコロムビアが行ったセッションの特集ほか、1970年代にホットマッドファミリーで活躍したバンジョー奏者リック・グッド、ウォルト・コーケンのハイウッズ・ストリングバンド物語連載「Tales from the Woods Vol.6」はトミー・ジャレル訪問、ポール・ウェルズの屋根裏写真コレクション古いフィドラーの写真から見るフィドルの持ち方考察など、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1305 第13巻5号 \1,296-

 インディアナ州セイラム出身で1930年に8曲、フィドルとバンジョー、ハーモニカ、ジョーズハープ、ジャグなどの楽器を使って録音を残したニコルソンズ・プレイヤーズ。これまで謎だった彼らのことを調べたトニー・ラッセルの力作ほか、ウォルト・コーケンのハイウッズ・ストリングバンド物語連載「Tales from the Woods Vol.5」はノースカロライナ州チャペルヒルでのファジーマウンテントの出会い、ポール・ウェルズの屋根裏写真コレクションは「フィドルとフルート」バンド集、など、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1304 第13巻4号 \1,296-

 ビル・モンローの"Footprints In The Snow"の原曲を辿っていく興味深い物語のほか、ケンタッキーの伝承音楽やフィドル音楽を蒐集する中心的な役割を担った1946年生まれのジョン・ハーロッドのすばらしいインタビュー、ウォルト・コーケンのハイウッズ・ストリングバンド物語連載「Tales from the Woods Vol.4」は首都ワシントンDCのスミソニアンフェス、ポール・ウェルズの屋根裏写真コレクションは「チェロ」など、アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1303 第13巻3号 \1,296-

 アルバート・ハッシュ・メモリアル・フェスのリポート、ミズーリ・フィドラーのR.P.クリステンソン、ウォルト・コーケンの連載「Tales from the Woods Vol.3」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1302 第13巻2号 \1,296-

 全米フェス&キャンプガイド特集のほか、西アフリカ・ガンビア共和国ジョラ族のアコンティング奏者ラエモウアヒュマ・ジャッタのインタビュー、ウォルト・コーケンの「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話A」は「ショッティーシュ(ボヘミア起源のダンス)」など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
  OTH-1301 第13巻1号 \1,296-

 ダン・マーゴリーズ「ハンドメイド弦〜猫と馬の尻尾から生まれる音楽」をメイン特集に、アート・ローゼンバウム「北部ジョージアでの1日」、ウォルト・コーケン「ハイウッド・ストリングバンドからの逸話」シリーズ第1回など、オールドタイム/アメリカンルーツ音楽情報満載の52頁。
 月刊『ムーンシャイナー』
  1983年11月の創刊以来、毎月発行を続ける日本唯一のブルーグラス月刊専門誌、31年目です。

■定期購読:1年¥6,300-半年¥3,450-
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■バックナンバー:各¥540-。
 下記以外にも、アーティストや知りたい事をお知らせ下さい。掲載号を探してお送りします。
  MS-3106 最新2014年4月号(通巻366号)\540-

 北大トリオのアメリカ冬フェス体験記「ウィンターグラス」のほか、2014年度新入生歓迎特集号と称して、J.P.マティス「日本ブルーグラスと人生最良の一週間」、大野真「大学4年どっぷりブルーグラス」、名古屋大学「小杉大智」など若者特集ほか、新岡雅巳「音の暴力復活!」、西宮フォートワースジャンボリーへのお誘い、乙女バンジョー「続アビゲイル・ウォッシュバーン」、丹沢サークル・ケンタッキー制覇ツアーリポートCなど、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3105 2014年3月号(通巻365号)\540-

 アール・スクラッグス・センターを表紙にセンター開館リポート、アールの育った家訪問記、ブルーグラス映画3月22日封切り!『オーバー・ザ・ブルースカイ』のブルーグラス関連セリフ紹介とインタビューなど特集、2013年発売レコード総括、J-ポップシンガー、バンジョーアイ(Banjo Ai)デビューと沖縄ブルーグラス、ジム・シューメイトとビル・モンローとアール・スクラッグスの出会い証言からフォギーマウンテンボーイズ結成へ、札幌ブルーグラス物語り#6「最終回」、丹沢サークル・ケンタッキー制覇ツアーリポートB、「KFC発祥の地とメランジオンの里」、洗足学園音楽大学「山田拓斗」ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3104 2014年2月号(通巻364号)\540-

 関東の重鎮バンド、ブルーサイド・オブ・ロンサム「in Oklahoma」のカバーストーリーほか、ノースカロライナってどんなとこ?「アール・スクラッグス生家訪問」、ジム・シューメイトとビル・モンローとアール・スクラッグスの出会い証言集、浪花米国南部系ルーツ音楽祭リポート、札幌ブルーグラス物語り#5「ニューグラスリバイバル来日」、ジュニア・シスクとジョー・マリンズの元ネタ集、丹沢サークル「ケンタッキー制覇ツアーリポート」A、日本ブルーグラス年表#72「1978-1979年」、大谷大学「名取綺更」ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3103 2014年1月号(通巻363号)\540-

 ジム・シューメイトとポール・ウォーレンに捧ぐ「フォギーマウンテンフィドル列伝」前編、アーニャ・ヒンクル日本紀行「ブルーグラスアクシデント北海道編」、佐藤コウスケ「ゴローショーとエンタメ」、丹沢サークル「ケンタッキー制覇ツアー@」、知っておきたい#6「ブルーグラス・スウィング」、馬渡 浩の札幌ブルーグラス物語りB、「ノースカロライナってどんなとこ?A」、ブルーグラス史観米国史#44「セシル・シャープとオリーブ・キャンベル」、洗足学園音楽大学「岩本歓喜」ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3102 2013年12月号(通巻362号)\540-

IBMA(WoB)2013リポート「ノースカロライナってどんなとこ?」、女子大生の見た「ワイドオープン・ブルーグラス」、タヒチクラブ「新春★浪花 米国南部系ルーツ音楽祭」、愛媛・朝倉ブルーグラスの25年、馬渡 浩の札幌ブルーグラス物語りA、知っておきたい...#5 「フラットピッカー達」、日本ブルーグラス年表#70「1978年」、3大学対抗!年忘れライブ酪農学園大学「花村彩音」ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3101 2013年11月号(通巻361号)\540-

 31年目の第1号、IBMA名誉の殿堂入りのセレモニーで「奇跡」を起こしたトニー・ライスのスピーチほか、第24回IBMAアワードショウ・リポート、マイク・コンプトン「ビル・モンローの魂」12月来日、ブルーグラス☆ポリスのデビューCD『BG★PC』、馬渡浩の札幌ブルーグラス物語り@、やぎたこ『I'll be home someday』、きたむらいづみ「彦根にアメリカーナ」、ハゥトゥプレイブルーグラス!その伍ほか、日米ブルーグラス情報満載の40頁!!
  MS-3012 2013年10月号(通巻360号)\540-

 やりました!通巻360号、購読してくれる皆さん、ボランティアで情報や記事、写真を提供してくれる皆さん、そんなダイハードなブルーグラスファンの皆さんのお陰で30年間、何とか持ちこたえました。これからいつまで頑張れるか、体力と根気の勝負ですかね、こうなると? ひきつづき皆さんのお引き立てを、何卒よろしくお願い致します。本当に、ありがとうございます!!
 記念すべき360号は、日本でデビューして、最年少でIBMA名誉の殿堂入りをしたトニー・ライス秘話のほか、1958年に結成されたイースト・マウンテン・ボーイズがIBMA特別功労賞を受賞するにあたって彼らの年表と紹介、そして日本の戦前・戦後における「洋楽」の受容についての特集記事、中学生ソフィア美玲キャタリナの「ウィザー・フィドル・コンテスト」参戦記、ハゥトゥプレイ・ブルーグラス#4「続アールの日」、最新トラッドグラス事情「レベル・レコード編」、コンサートリポート「mareka & Junji vs 三津谷組」、カーター・ファミリーとボブ・ディラン、東北大「荒川善行」、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Dほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3011 2013年9月号(通巻359号)\540-

フラットピッキンギターに魅せられた女性レベッカ・フレージャー、その初々しい半生を紹介したカバーストーリーのほか、クレイグ・ダンカン、ビリー・スミス、マイク・スコットらが女性陣ふたりを加え10月はじめに来日。同じ10月、ハンマーダルシマを初めて日本に紹介したカレン・アッシュブルックが来日するのを機に、「ハンマーダルシマ」の歴史と今特集。9月28日に「第4回六甲ブルーグラス・タイムズ」を主催する神戸大学の木村周平。「ハゥトゥープレイブルーグラス」シリーズ3回目になる最新号では、「シラブルで弾く」こととは? CD+DVDを発表した原さとし(bj)と竹内信次(m)のトイメンシャオ。ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Dほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3010 最新2013年8月号(通巻358号)\540-

 「ハウトゥープレイ・ブルーグラス」特集として、ブルーグラス楽器奏法のつかみ方を「岸本一遥のケニー・ベイカーから学んだこと」や「アールの日」のリポートを軸に特集。そのほか、奥 和宏「アメリカン・ルーツミュージック、ディスクでたどるアメリカ音楽史」、全国サイマル放送一覧表とFMはしもと「しもちゃんの“Bluegrass”でナイト」、学生プロファイル#7は首都大学東京「山本南希」、人口16人の瀬戸内海での「斎島ブルーグラス」、ブルーリッジに本拠を置くマウンテン・フィーバー・レコード社、埼玉・狭山市の美食ブルーグラスレストラン「SOFT」、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記Cほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3009 2013年7月号(通巻357号)\540-

 第26回マールフェスリポート」ほか、ジョージ・ジョーンズ追悼「カントリーソング」後編、ジェイコブ・シャープ「ミプソ」来日!、菅沼工房5弦フィドル製作記E最終回、井上 高とホームタウナーズ「50年前に活躍したプロのブルーグラスバンド」後編、学生ブルーグラス・プロファイル#6 北海道大学「兼平愛弓」、日本ブルーグラス年表#65「1977年」ほか、ネッシーエクスペディション37年目の渡米顛末記B、1911年ビル・モンローの生まれた日ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3008 2013年6月号(通巻356号)\540-

 北海道の八雲フェス特集のほか、ジョージ・ジョーンズ追悼「カントリーソング」前編、ブルーサイド・オブ・ロンサムと坂本愛江、「Tri Barrel(トライバレル)」尾崎博志、古橋一晃、河合徹三、知っておきたい#2「新進気鋭のマンドリニストたち」、菅沼工房5弦フィドル製作記D、井上 高とホームタウナーズ「50年前に活躍したプロのブルーグラスバンド」前編、学生ブルーグラス・プロファイル#5 名古屋大学「山田遼一」、日本ブルーグラス年表#64「1976-77年」ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3007 2013年5月号(通巻355号)\540-

「フェスティバル・シーズン到来号」として、ブルーグラスフェスの歴史とウィンターグラス2013リポート後編のほか、ブルーグラス・リズムギター上達の近道、サードタイムアウト「ブルーグラスる!?(Bluegrassed)」、知っておきたいブラザーデュオ一覧、ケンタッキーのモアヘッド州立大学ブルーグラス科を訪ねた川合くんのすばらしいリポート、ネッシーエクスペディション米国ツアー顛末記A、学生ブルーグラスプロファイル#4「米澤 望(酪農学園大)」、菅沼工房5弦フィドル製作記Cなど特集ほか。
  MS-3006 2013年4月号(通巻354号)\540-

 今月久々に来日、東海道をバンジョー行脚するビル・キースの大特集後編、ジェリー・ガルシアやライ・クーダーらとの逸話など、1963年のビル・モンローとブルー・グラス・ボーイズの重厚な写真をカバーに、ウィンターグラス2013リポート前編、ネッシー・エクスペディション米国ツアー記@、ブルーグラス・アルバム・バンド・リユニオン、マイク伊藤「留学のススメ」、ロストシティキャッツ・リユニオン、菅沼工房5弦フィドル製作記B、学生ブルーグラスプロファイル#3「森山亮治(大谷大)」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3005 2013年3月号(通巻353号)\540-

 4月に久々の来日、大阪、京都、名古屋、浜松、横須賀、東京でワークショップやコンサートをするビル・キースをカバーストーリーに、フルアルバム『Sailing Home』を発表し今月には全米ツアーをする女性トリオ、パイレーツ・カヌー、ハンク・ウィリアムズのセイクレッドソング解説、2012年年発表レコード総括、菅沼工房5弦フィドル製作記A、学生ブルーグラス断簡その壱「松本捺美(神大)と小形奈緒子(東北大)」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3004 2013年2月号(通巻352号)\540-

 ドブロのマイク・オルドリッジのカバーで追悼特集「ブルーグラスを変えたドブロ奏者」ほか、ブラザーデュオ秀作を発表した渡辺敏雄、かつてジューンアップル誌のスタッフだった菅沼利夫「5弦フィドルへの道@」、ラジオ関西「カントリーミュージック・トラベル」が今年20年、950回目を迎えているDJ阿部和則のリポート、1946年のブルーグラス誕生の年にオープリで出会った?ハンク・ウィリアムズとビル・モンローなどの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
  MS-3003 2013年1月号(通巻351号)\540-

 アール・スクラッグスの右手の表紙写真にメイン特集は、村片和彦のアール・スクラッグス奏法解析「俺、アールやもん」と、先月号の50年前のフラット&スクラッグス『カーネギーホール』で「マーサ・ホワイト!」を叫んだ本人の当時のリポート「アール・スクラッグス異聞」ほか、市川慎一郎のボジョアギター“Slope D”「バンジョーキラー」修理リポート、若手ドブロ宣言「ドブロだって主役!」、60年前の1953年1月1日にアパラチア山中で息を引き取ったハンク・ウィリアムズの最後の1年ドキュメント、フットヒル・ドライブ「アメリカツアー記」などの特集ほか、日米ブルーグラス情報満載!!
 B.O.M.厳選、詳細解説コーナー!
 (新譜/旧譜の別なく、知りたい人のための、知っておきたい情報満載の詳細解説コーナーです...!)
 ■ブルーグラス詳細解説
  PATUX-242 TOM MINDTE『Something I've Been Working On』CD(本体\2,450-)\2,646-

Flat Creek/Queen of the Delta Waltz/Dark Romance/Dusty Miller/Lonesome Moonlight Waltz/Avalon/Great Day/Buzzin' with Buzz/Mom and Dad's Waltz/El Cumbanchero/Bipolar/Victoria Waltz/Nearer My God to Thee.

 まず、選曲の良さ、そしてアレンジのユニークさにおいて非凡さで魅せるマンドリン・インストの秀作である。が、主人公のトム・ミンテ、決して流麗なスーパーピッカーではない。バズ・バズビーという、どちらかというと破滅的なホンキートンカーを演ずるマンドリニスト(カントリージェントルメンを生んだ張本人!?)、そしてビル・モンローのことなら何でも知っている上にデビッド・グリスマンという弟子を育てた偉大なるフランク・ウェイクフィールドを師と仰ぐ、父親譲りのバリバリのトラッドグラス愛にあふれた、同時に10代、20代の若者に限りないチャンスを与えてきたパタクサント・レコードのオーナーが、自分の愛するマンドリン音楽を見事に深く演じる。
 しかも、ナッシュビルやニューヨークのセレブピッカーを一切使わず、たとえば若手ならマイケル・クリーブランドからドイル・ローソン、そして今はデイリー&ビンセントというトップグループを渡り歩く22歳ジェシー・ベイカー(bj)、兄の24歳テイラー・ベイカー(m)、オウディ・ブレイロックでトラッドを極めるパトリック・マカビニュー(f)、26歳のジーダン・タイス(g)、22歳のイーサン・ヒューズ(d)、19歳のマルチプレイヤー、ブレンネン・アーンスト(bj)、そしてトムが10代前半からアルバムをリリースしはじめた28歳の異才ネイト・リース(f)。大人ではDCグラスのシークレットウェポン、マーク・ディレイニー(bj)、スウィングからオールドタイムまでカバーするダニー・ナイスリー(g)……みんなパタクサントから思い思いのソロアルバムを自由に発表してきたトムの秘蔵っ子たちだ。
 そして何よりも、トム・ミンテの音楽に対する思い、バズビーやウェイクフィールドはもちろん、その背後に偉大に聳えるビル・モンロー、その激しい魂と、ミンテのフレキシブルなスタンダードセンスが若手たちの思いもしないフレーズやアレンジで彩られて行く。どの曲も完璧なスーパー演奏ではないけど、愛情一杯の音選びと気持ちを込めたタッチが素晴らしい。マンドリンとブルーグラスをこよなく愛する気持ちが伝わるインスト秀作である。
  RW-0001 NEW KENTUCKY COLONELS『Live in Holland 1973』CD(本体\2,450-)\2,646-

Fire on the Mountain/Never Ending Song of Love/Dixie Breakdown/The Fields Have Turned Brown/Take A Whiff On Me/Is This My Destiny/Mocking Banjo/If You're Ever Gonna Love Me/Last Thing on My Mind/Dark Hollow/Soldier's Joy - Black Mountain Rag/Why You Been Gone So Long/Roll In My Sweet Baby's Arms - Will You Be Lovin' Another Man?/I Know What It Means To Be Lonesome/Working on a Building/Rawhide.

 ザ・バーズでロックスターとしての数年を過ごした後、間違いなくブルーグラス/アコースティックへの思い断ちがたく、レスター・フラットのナッシュビルグラスにいた長兄ローランド(1938-)をカリフォルニアに呼び寄せ、次男のエリック(1942-2012)とともにホワイト・ブラザーズとして、1966年に解散したブルーグラスバンド、ケンタッキーカーネルズを再始動させたクラレンス・ホワイト(1944-1973)、誰がこの二ヶ月ののちに29歳の天才ブルーグラスギタリストの命を奪うと思っただろうか。
 本作はこれまで世に出なかった1973年5月、ハーブ・ピーダセン(1944-)のバンジョーを加えてのオランダツアーでのあまりに生々しいブルーグラス魂の詰まったライブ。クラレンスの生ギターが縦横に駆け巡り、そのリズム/ビートに引っ張られるようにローランドのマンドリンとハーブのバンジョー、そしてエリックのすばらしいスラップベース。全員がブルーグラスをすることに燃え、喜びを爆発させているような音がすさまじい。クラレンスの“Fields Have Turned Brown”の間奏など、そのほか彼のギターをどー表現すればいいだろか!? まさしくギターのトーンがひとりでブルーグラスしている。それはほかの3人も同様、ブルーグラスという音楽のスリルとコーフンがつぎつぎと相乗作用で伝播して行く、その様がありありと感じられるすばらしいライブだ。
 ……これまで何度も、ローランドとは個人的に、1973年のライブテープのCD化発表を話し合ってきた。そのときいつも話題に出たのがこのテープの存在だった。そしてアラン・マンデやジャック・ヒックスをバンジョーに迎えたライブは、どうしてもダメなんだという。そして待ちに待ったアルバムが、ようやく発表された。カリフォルニア州パームデールで演奏を終えたのち、車に楽器を積んでいたところへ突っ込んできた飲酒運転(日系人女性だったという)の車にはねられて29歳という短い生涯を閉じたあの日から40年の2013年、75歳になったローランド・ホワイトの気持ちが一杯こめられた未発表ライブの発掘である。久々に心揺さぶられるブルーグラス魂に感激……!!
  ACD-81 OLD & IN THE WAY『Live at the Bording House: Complete Shows』CD4枚組(本体\5,500-)\5,940-

(Disc 1) total time: 49:25
On and On/I'm On My Way Back to the Old Home/Catfish John//Lonesome Fiddle Blues/Land of the Navajo/Down Where the River Bends/I Ain't Broke But I'm Badly Bent/Lost/Kissimee Kid/Lonesome L.A. Cowboy/Pig in a Pen/Wild Horses/Midnight Moonlight.

(Dusc 2) total time: 52:55
Muleskinner Blues/Goin' to the Races/Old and in the Way/Old and in the Way Breakdown/Panama Red/Hard Hearted/That High Lonesome Sound/The Hobo Song/Drifting Too Far From the Shore/Angel Band/Wicked Path of Sin/Home Is Where the Heart Is/Uncle Pen/Orange Blossom Special/Blue Mule.

(Disc 3) total time: 47.22
Home is Where the Heart Is/Love Please Come Home/Down Where The River Bends/Kissimee Kid/Pig in a Pen/Uncle Pen/Panama Red/Midnight Moonlight/White Dove/Wild Horses/Orange Blossom Special/Old and in the Way/Lonesome Fiddle Blues.

(Disc 4) total time: 55:35
On And On/Land of the Navajo/Catfish John/Til the End of the World Rolls 'Round/Drifting Too Far from the Shore/I'm Knocking On Your Door/Old and in the Way Breakdown/You'll Find Her Name Written There/Jerry's Breakdown/The Great Pretender/Working on a Building/High Lonesome Sound/Wicked Path Of Sin/Blue Mule.

 1973年10月8日にサンフランシスコのボーディングハウスでライブ収録された10曲を収めたアルバム『Old & In The Way』(1975年発売、現在廃盤)が、ブルーグラス作品とされる映画『オーブラザー』サントラ盤(2000年作)の700万枚に次ぐ売り上げを誇る……でも、実質上、現在なお、ブルーグラスバンドのアルバムとしてもっとも売れた作品と言えるオールド&イン・ザ・ウェイ。その時代と存在自体がブルーグラス史上に大きな意味持つ偉大なバンドの正体を知るのにはうってつけ、10月1日の同地でのライブを含む2日間に渡るライブを完全収録した全55曲集。
 天才バッサー・クレメンツ(f)、驚異のアルバム売上をもたらしたアメリカンロックヒーロー、グレイトフルデッドの故ジェリー・ガルシア(bj)、ドーグ音楽創始者デビッド・グリスマン(m)、故ジョン・カーン(bs)、ピーター・ローワン(g)の5人組。モンローをはじめバランスよくトラッドグラスの粋を集め、バズ・バズビーやエド・メイフィールドら通をうならせるシブイ選曲などとともに、カルトグラスとも言える時代の狂気と毒も含んだすごい演奏が聴ける。これはやっぱ、フツーじゃない……よネ!? われらが小森谷巨匠の写真が素晴らしいぞ!! ちょうど40年前、1970年代に青春した人のノスタルジー!?にも……強力お勧め!
 ちなみにデビッド・グリスマンの最近作は……。
  ●ACD-66 DAVID GRISMAN QUINTET『Dawg's Groove』CD(本体\2,450-)\2,646-

 デビッド・グリスマン・クインテットのスタジオ録音としてはもっとも近年の作品。
  ●ACD-75 DAVID GRISMAN QUINTET『25th Year Reunion Concert』CDR(本体\2,450-)\2,646-

 1976年に結成されて25年目の2001年、初期メンバーを集めデビュー盤全10曲を順に演じきり、さらに3曲を追加した全13曲ライブ78分。
  ●ACD-76 DAVID GRISMAN FOLK JAZZ TRIO『with Jim Hurst & Sam Grisman』CD(本体\2,450-)\2,646-

 「一音入魂」のグリスマンと息子サム・グリスマン(bs)がリードギターの味わいトーンとフレージングを誇るジム・ハーストとのトリオで、アパラチアンフォーク風味の究極アコースティックポエム。
  ●ACD-79 DEL & DAWG『Hardcore Bluegrass in the Dawg House』CDR(本体\2,450-)\2,646-

 デル・マッカーリーとデビッド・グリスマンがドーグスタジオで1990年代に録り溜めたハードコア・ブルーグラス名演カバー16曲集。
  ●ACD-80 DAVID GRISMAN BLUEGRASS EXPERIENCE『Muddy Roads』CD(本体2,450-)\2,646-

 最新作品は「15歳のわたしに刻印された(中略)曲と歌への臣従の礼です」という、クラレンス・アッシュリーとドック・ワトソンのフィールドレコーディングに捧げられた彼のソウルミュージック。
 ■カントリー詳細解説
  OLW-1820 BLUE VELVET BAND『Sweet Moments with.』CD(本体\2,750-)\2,970-

Ramblin' Man/You'll Find Her Name Written There/The Knight Upon the Road/Weary Blues From Waitin'/Little Sadie/Hitch-Hiker/Sweet Moments/Somebody Else You've Known/Fond Affection/My Sweet Love Ain't Around/The Nobody Knows About My Cares & Nobody Cares About My Nose Rag/Sittin' On Top Of The World. 全12曲

 ハンク・ウィリアムズのシビアなカバーが3曲、ビル・モンローのカバーが2曲、マール・ハガード一曲、そして自分たちのアレンジとオリジナルが6曲の全12曲。ビル・キース(pedal steel g, bj)、ジム・ルーニー(g)、リチャード・グリーン(f)、エリック・ワイズバーグ(g,bj)といった全員が元ブルーグラス小僧にブルース・プロジェクト/シートレインのベース奏者アンディ・カルバーグ、ドラムスには東海岸でもっとも有名というゲイリー・チェスターらを迎え、ニューヨークらしい知的なブルーグラスロックを堪能させてくれる名盤だ。
 1960年前後のフォークブームにどっぷりとつかった中から自分の音楽を見い出した人たち、アメリカが、いや世界が、ブルース/ジャズといった黒人文化の刺激と、田舎白人の商業主義と結びついたロカビリーを経て、真摯に若者が音楽に向かおうとしたときに歴史を学んだ連中。彼らが1960年代後半、イギリスからの侵攻(ビートルズやストーンズ)をまともに受けながらアメリカ的に踏みとどまった一群のミュージシャンたちで、1970年代にアメリカンロックとソングライターを花開かせるのだが、ちょうど1968年、その中間点にウエストコーストにザ・バーズとザ・ディラーズらがカントリーやブルーグラスのノウハウをロックと結びつけていた。
 カリフォルニアという明るい陽光の下にいた彼らとは一線を画した人種のるつぼニューヨークでも、同世代のスーパーバンドが登場、ビル・モンローの"Girl in the Blue Velvet Band"から、ブルーベルベットバンドと命名。のちにミュールスキナーにも関わったキースとグリーン、そしてキースの学生時代からのパートナー、ルーニーに、こののち自身もただ驚いたというバンジョーインストの大ヒット"Dueling Banjos"で思いもかけない脚光を浴びることになるエリック・ワイズバーグの4人。この録音当時、1969年、ビル・キースは24時間スティールギターにかかりっきり、リチャードはビートルズのプロデューサー、ジョージ・マーティンのもとでロックバンド、シートレインでヒットを目指してノリノリ、エリック・ワイズバーグはフォーク系セッションに引っ張りだこ、……そう、このバンドはその素晴らしい選曲と、斜めに構えたインテリ趣向!?でも分かるとおり、のちにフォーク系プロデューサーとして大成するジム・ルーニーのために組まれたスーパーバンド、唯一メジャーのワーナーブラザーズに残したチョー貴重な音源、1998年の日本盤につづいて韓国からの珍しいCD再発売だ。
  NWSM-6040 HERB PEDERSEN『Southwest/ Sandman』CD(本体\2,450-)\2,646-

Paperback Writer/Rock & Roll Cajun/If I Can Sing a Song/Our Baby's Gone/Harvest Home/The Hey Boys/Jesus Once Again/Younger Days/Can't You Hear Me Callin'/Wait a Minute.
Sandman/When She Makes Love To Me/Cora Is Gone/Is That Any Way to Love You/Fair and Tender Ladies/Tennessee Sal/About Love Again/Bring Back the Smile/My Little Man/If I Lose. 全20曲

 1970年代、イーグルズの大ヒットで頂上に達するウエストコースト・ロックへの道は、カリフォルニア州ベイカーズフィールドのホンキートンクにロサンゼルスにやって来たディラーズ一派らのブルーグラスの技法が混じり合ったものと考えられる。その中でもハーモニーに関してアパラチアのノウハウを取り入れたことに大きな功績を残したと思われるハーブ・ピーダセン(1944-)が1976年と77年、大プロデューサー、マイク・ポスト(1944-、メイソン・ウィリアムズの1968年ヒット曲“Classical Gas”のアレンジャーとして23歳で初グラミー、そののちTVシリーズのテーマ曲、「ロックフォードの事件メモ」、「ヒルストリートブルース」「L.A.ロー 七人の弁護士」「特攻野郎Aチーム」ほか多数の作曲や制作で知られる)とともに世に問うた、最高にソフトで甘いテナーボイスによるポップなウエストコースト秀作LP2枚をCD1枚の20曲集。
 1曲目のビートルズカバー(デビッド・リンドレイのフィドルとアル・パーキンスのペダルスティール)で、そのテナーボイスやコーラスではチャールズバリーボーイズのジョー・バルを思い浮かべたものの、やはり1970年代のウエストコースト・バリバリサウンドが快調な作品だ。セルダム・シーンが取り上げたことで知られる“Wait a Minutes”などのオリジナルが中心だが、昨年この2on1アルバム制作に際しハーブは、「わたしをエピックレコードに紹介してくれたジョニー・リバーズに感謝。1975年、シンガーソングライター時代がフルブルームだったとき、わたしもそのウエストコースト・ムーブメントに乗り遅れまいと、この2枚の作品を創った……」とライナーに記している。
 カバー曲は、どれもブルーグラスレパートリー! ザ・ディラーズ時代の“The Hey Boys”、DC近郊のクラブでハーブがジョン・ダッフィのテナーの上をつけたという伝説のあるビル・モンローの“Can't You Hear Me Callin'”はご存知のようにハイロンサムハーモニーのキモがそのまま込められた素晴らしく甘いハモが絶妙、オズボーンブラザーズに捧げられたような“Fair and Tender Ladies”、そしてフラット&スクラッグスの“Cora Is Gone”はドリー・パートンとのデュエット、スタンレーの“If I Lose”にはドリーとリンダ・ロンシュタット、ロウェル・ジョージほか豪華ハーモニー陣など、そんな名曲を、オシャレなウエストコーストポップに変身だ。モンローやスタンレーに特徴的なアドナインやサスフォーのアパラチア的ハーモニー(ベンドというらしい)、そしてオズボーンブラザーズによって完成されたトリオハーモニーのノウハウなどを駆使して、同じウエストコーストの先輩格、ビーチボーイズとは一線を画したあたらしいウエストコーストハーモニーを提示してきたのではないだろうか(ちなみにムーンシャイナー誌2008年6月号のインサイドインタビューでハーブは、そう言ったのはぼくがふたり目って。もうひとりはドン・ヘンリーだって!?)。ジョッシュ・グレイブズのアメージングドブロや元のボス、レイ・パークのフィドルなどと、お里の知れるウキウキが嬉しい。
 カリフォルニア州バークレイで警官の家庭に生まれ、高校時代はジェリー・ガルシア(グレイトフル・デッド)やサンディ・ロスマン、デビッド・ネルソン(ニューライダーズオブパープルセイジ)らとブルーグラスにハマり、高校卒業後にナッシュビルを経験、1963年にはデビッド・グリスマンのバンドに参加、そののちド・トラッドグラスのバーン&レイ『San Francisco 1968』(CD本体\2,250-)でバンジョーを担当、その演奏を聴いたアールの耳に留まり1967年、アールが入院のときにフラット&スクラッグスでアールのトラを務める……など、人脈に恵まれたカリフォルニアの青年。
 カントリーロック発祥といわれる1968年にはザ・ディラーズで大名盤『Wheatstraw Suite』に参加、そののちさまざまなセッションを重ね、1975年にはジャクソン・ブラウンに参加しているときに創られたのが本作。こののち1976年からはジョン・デンバーに参加、来日もしている。1984年には3枚目となるソロ名盤『Lonesome Feeling』(CD本体\2,450-)、1986年からは現在もコンビを組むブルーグラス旧友クリス・ヒルマン(ザ・バーズ)とデザート・ローズ・バンドを結成(1992年熊本カントリーゴールド来日)。1993年にはトラッドグラスバンド、ローレル・キャニオン・ランブラーズを結成している(1995年熊本カントリーゴールド来日)。現在はほかにもトラッドなローファーズ・グローリー『Loafer's Glory』(CD本体\2,450-)でギター/ボーカルを担当している。クリス・ヒルマンとのデュオでも活躍しており、ふたりで2008年に来日、ムーンシャイナー誌2008年5月号(MS-2507 \540-)で紹介、2008年6月号(MS-2508 \540-)でハーブのインサイド・インタビューがある。
 ■映像もの詳細解説
  KMA-0011D LOU REID & CAROLINA 『20th Anniversary Concert: Live at the Down Home』DVD(本体\3,500-、47分カラー)\3,780-

Tim White Introduction/Grass Lover/Amanda Lynn/Mountain Girl/Band Introductions/Time/Lost In A Memory/Lord Have Mercy (On My Soul)/I Call Your Name/She's More To Be Pitied/Long Black Veil/I Couldn't Find My Walking Shoes/Carolina Moonshine Man/When It Rains. 全12曲

 典型的なKey of Bの現代風ブルーグラス“Grass Lover”、つづく二曲目はKey of A の“Amanda Lynn”、これもブルーグラス賛歌。そしてkey of Gの典型的なブルーグラスの“Mountain Girl” などでスタートするカロライナやバージニア、東テネシーやケンタッキーでお目に掛れる(逆に言うと、それ以外の地方ではあまり見ることのできない、いわゆる「本場」の)ブルーグラス・ショウ。五人組のアコースティックアンサンブルがいかに観客をエンターテインするのか? つまり、持てる能力で最善のアンサンブルを創ることだ。決して第一線のスーパーバンドではないにもかかわらず、これだけミュージシャンの質が高く、かつバンド全員が互いにアンサンブルを聴き取って、楽器とハーモニーの双方とも、見事に合わせ切る……そのミュージシャンシップにはほとほと感心する。もし、大きな予算と、メジャーな能力のあるプロデューサーが本気になれば、すごい音楽ビデオができるに違いない。ほんま、ブルーグラス・ミュージシャン/プロダクションって、……ダサいけど、個人/バンドはメッチャ上手い!! そんな連中が、弾けば弾くほどに、ホットに、調子を出して行く。昨夏久しぶりにゆっくりとセルダムシーンのライブを観たが、故ジョン・ダッフィーの代役を見事に務め、シーンの最良のサウンドを生んでいるルー・リード(4月には超強力なシーンの最新作発売が予定されている)。
 ……1971年、ブルーグラス45に付きまとっていたソバカスだらけの少年が、自身のサウスバウンドからドイル・ローソンのクイックシルバーを経てリッキー・スキャッグスのカントリー界での成功をサポートするサイドマンとなり、そののちソロで売り出すも失敗(このDVDでもアンコール曲として演奏されたのはそのソロアルバムのタイトル曲“When It Rains”。メインストリームを狙ったにしてはあまりにブルーグラスだったのだろうか!?)。しかし、ルーにはそれだけの実力があったわけで、常にブルーグラスのメインストリームにいる素晴らしいシンガー、ミュージシャン(ルーもマルチプレイヤー)である。超スピードの“Carolina Moonshine Man”で、ルーがチラリと顔色を伺うフィドル(ドブロも)のゲスト、ジャスティン・モーゼズ。この当時、リッキー・スキャッグスのバンジョー奏者だった彼のマルチプレイヤー振りは凄まじい(ちなみにスキャッグスのバンジョー、現在はシエラ・ハルと一緒に宝塚フェスに来たコリー・ウォーカーだよ!)。ルーのチョッと遅れ気味のピックとジャスティンの時折ミスする音を目線でごまかす!?様子が微笑ましい。長年、カロライナのメンバーとして安定したサウンドを提供するトレバー・ワトソンのリードギター、ケビン・リチャードソンのバンジョー、そしてルーの妻クリスティー・リードも含め、バンド全員が素晴らしくバランスを取る。
 2012年12月1日、ETSU(東テネシー州立大学=井上太郎、国本武春、レオナ徳武マティスらが通った)のあるテネシー州ジョンソンシティのダウンタウン、その名も「ダウンホーム」という田舎臭いライブハウス。しかし、そこはディープなアパラチア音楽の宝庫。そんな所で収録された、アパラチア地方のトップバンドのひとつ、現在「本場」の典型的なブルーグラス・ライブ、ルー・リード&カロライナの結成20周年を記念するライブビデオをお楽しみください。
  CCD-MH1 MERLE HAGGARD『The Hag』DVD-R(本体\2,450-)\2,646-(105分)

 20世紀のカントリー音楽を代表するシンガーソングライターのひとり、マール・ハガード(1937-)。1964年にウィン・スチュワートの“Sing a Sad Song”で全米ヒット、1965年にリズ・アンダーソン(リンの母親)の“(My Friends Are Gonna Be) Strangers”(自身のバンド名の由来)でトップ10、翌66年に同じくリズの“I'm a Lonesome Fugitive”で初ナンバーワンとなり、地位を確立した。
 1968年、ジミー・ロジャーズへのトリビュート大名盤『Same Train, Different Time: A Tribute to Jimmie Rodgers』(BCD-15740 \3,100-)、そして1970年には『A Tribute to the Best Damn Fiddle Player in the World (or, My Salute to Bob Wills)』(BGOCD-705 \2,646-)を発表、カントリー音楽史に対する真摯な姿勢が評価され、これまでのストレンジャーズのベイカーズフィールドらしいユニークな音使いとともに、単なるカントリーヒットシンガーから音楽的な評価が高まる。
 1966年から1987年まで、20年間に渡って38曲のナンバーワンヒットを持つマールを越えるのはジョージ・ストレイト(1952-)のみ。ちなみに30曲を越えるのは、アラバマ(33)、リーバ・マッキンタイヤ(34)、ロニー・ミルサップ(32)、ドリー・パートン(31)、ジョージ・ストレイト(44)……、なおハンク・ウィリアムズは11曲、フラット&スクラッグスは1曲、ビル・モンローはゼロ。

●いきなり第1章、1968年のビリー・ウォーカーのカントリーカーニバルでの“Mama Tried”から「ボニー&クライド」のB面だという“I Started Loving You Again”、またジョン・ハートフォードの“Gentle on My Mind”(1967)の成功に刺激されたような“I Take Pride in What I Am”など、番組のハウスバンドをバックに、「ストレンジャーズではないバックでやるのはホント久しぶり……、チョッと低音のチューニングが狂ってたかな?」などと、リラックスした3曲。つづいて、また違うテイクからの“From Now On, All My Friends...”は明らかにアフレコだがそのギター、硬質なドレッドノートのすばらしさを活かしたブレーク、録音はロイ・ニコルス(1932-2001)と思われるが、ハグの運指が「コピー」できていることを見せる、スターシンガーなのにたいしたものだ。そしてボニー・オウエンズ(1929-2006、バック・オウエンズと1948-1951、マールと1965-1978まで結婚)とのオシドリぶりを見せるデュオ“Fallin' Love with You”など、若々しく溌剌としたマール・ハガード。

●第2章、1969年のポーター・ワゴナー・ショウ(1960-1981)に初めてゲスト出演したときには、ロイ・ニコルスのすばらしいエレキ、ノーム・ハムレット(1935-、昨シーズンもストレンジャーズ現役で活躍)のペダルスティール、ピアノのジョージ・フレンチの三人……、珍しいことに、ほかのメンバーが未着ということでベースとドラムスがいないままのストレンジャーズを伴っての2曲だ(ピアノがベースラインをとる)。“Little Ole Wine Drinker Me”と“I Started Loving You Again”。ポーター(1927-2007)が、「多くのバンドの中でもレコードとライブで同じ音楽の質を維持できる数少ないバンド……」と持ち上げるように、1969年から73年の間、バンドだけでアルバムを5枚発表し、のちのロックでウエストコーストと呼ばれるサウンドにも多大な影響を与えたストレンジャーズの珍しいバージョンである。そんな三人だけの演奏でも聴かせる歌の力、そしてロイ(同時代のジェイムズ・バートンやクラレンス・ホワイトとの関係を楽しむのも、また良し!?)とノームの存在感はナカナカ……と言えるだろう。

●第3章は1970年収録のポーター・ワゴナー・ショウから。次々とヒットを放っていた時期の“Fightin' Side of Me”と、シグネチャーソングとも言える大ヒット“Okie from Muskogee”。どう解釈されたかは聞き手次第だが、少なくとも当時「サイレントマジョリティー(反戦運動やヒッピーらに加担しない声なき人々をニクソン大統領が称した)」と呼ばれた保守派(声を上げないだけで保守派とは限らないが、ときの政権は手前味噌に解釈する)に支持されたとされる曲だ。が一方マールの曲、“Mama Tried”や“Sing Me Back Home”はこの時期、グレイトフルデッドや、なんと!活動家でもあるジョーン・バエズもカバーしている。個人的な思い出だが、この絶頂期、渡米したブルーグラス45は何度かマール・ハガードをヘッドライナーにした巨大なオーディトリアム・ショウに出演、わたしはマールなど眼中になく、バンドメンバーのロニー・レノと話ばかりしていたような記憶があるのだが、どーだったか?

●第4章、今回はカントリー人気DJ、ラルフ・エメリー(1933-)が司会するTVシリーズ『Pop! Goes The Country』(1974-1982)の1974年より。1曲目“Working Man Blues”のロイ・ニコルスのテレキャス、ドン・マーカムのサックス、何よりタイニー・ムーア(1920-1987)の素晴らしいエレキマンドリンの間奏!で度肝を抜かれ、絶頂期のストレンジャーズの面白さ! ボブ・ウィルス(1905-1975)のウエスタンスウィングへのトリビュートではなんと、マールとジョニー・ギンブル(1926-)とのツインフィドルでの“Had a Little Mule”(“Crawdad Song”“How Many Biscuits Can You Eat”などと同類のトラッド)、ゲストのコニー・スミス(1941-)の“Louisiana Man”はマールとジョニーのケイジャンフィドル! 離婚した夫婦の娘アンジーを思うカントリーバラッド“Holding Things Together”は妻ボニー・オウエンズとドンの息子ロニー・レノのバックコーラス。そしてマールのヒット曲メドレー、素晴らしいマール自身のアコースティックギターイントロから、“If We Meke It Through December- Old Man from the Mountain- Everybody Sings the Blues- Okie from Muskogee”。

●第5章では、前作同様『Pop! Goes The Country』シリーズの1975年から、より強烈にボブ・ウィルスへの畏敬の念を表す素晴らしいセットを聴かせる。当時の流行りだったトラックドライバー物語“Movin' On”(1975年のナンバーワン)に続いて、いよいよ本番!タイニー・ムーアとエルドン・シャンブリンをコーラスに迎えての“Cherokee Maiden”(1976年ナンバーワン)。マール、タイニー、そしてCMA最優秀ミュージシャンに選ばれたばかり、絶頂期のジョニー・ギンブルに、タイガーと言うニックネームの子供の四重奏によるフィドルチューンメドレー“Hopping Lucy- Durango Hornpipe- Smith's Reel- Faded Love- Devil's Dream- Liberty”。なんと、子供以外は三人ともに五弦フィドル。そしてトミー・コリンズがハグのために書いた“Roots of My Raising”(1976年ナンバーワン)。自らもフィドルを一から学んだというマール、そのミュージシャンに対するリスペクトが、ほかのどのカントリーシンガーたちよりも強調されるところが、その独特のサウンドの秘密でもあったのだろうか? もちろん、歌の魅力を全面に出しつつ、カントリー音楽のベースであるウエスタンスウィングへの畏敬の念も素晴らしい!

●第6章、1976年の『Pop! Goes The Country』より。ジョニーとタイニーのツインフィドルでビル・モンローもカバーしたボブ・伯父の“It Makes No Different”ではじまり、キャッチーな歌詞とストーリーでのレフティ・フリーゼルのヒット曲“I'm Not That Good at Goodbye”に続いて、ミュージシャンに敬意を払ったボブ・ウィルス作のストレンジャーズの粋でホットなインスト“Fat Boy Rag”、そしてジョニーのフィドルをバックにゴスペル“Precious Memories”。

●第7章、『Pop! Goes The Country』シリーズ1977年から、“Ramblin' Fever”(1977年アルバムタイトル曲)ではロイとテレキャスでリードを取るマール。自身で人気長寿番組を持つポーター・ワゴナーが初めて他人のショウ番組にゲスト出演というのもマールとの友情出演だという。そのポーター、マールとのデュエットにロニー・レノを加えたトリオで聴かせるカントリーソングの王道“I Haven't Learned a Thing”。そして第2章で紹介されているポーターのTVショウが、マールにとって全国ネットテレビ初出演の一つだったということでポーターのリクエストのメドレー、“It's Not Love- Strangers- I've Got a Yearnin'”、そして同年亡くなったプレスリーに捧げたカバーアルバム『My Farewell to Elvis』を出したばかり、アルバム唯一のオリジナル“From Graceland to the Promised Land”。

●第8章、最後はボーナスとして、1977年のポーター・ワゴナー・ショウに出演したマール、自身の生い立ちに重ねて歌う“Roots of My Raising”。
 そして超目玉!オリジナルメンバーのジョニー・伯父ほか、全員がボブ・ウィルスのテキサスプレイボーイズに在籍したことのあるメンバーを迎えた文句なしのトリビュート! “Ida Red- Faded Love- Rory Polly- San Antonio Rose”! 左利きフィドラー、ジョー・ホリーの体ごとスウィングするすごいフィドル。余裕満々絶頂期のジョニー・ギンブル、タイニーとの強烈ツインマンドリンも聴きモノ!など、そしてそんな凄いメンバー達に囲まれて歌うマールの幸せそうなこと……! ミュージシャンとシンガーの楽しそうなエンタメ。カントリー音楽のベースであるウエスタンスウィングとブルーグラスのこの差! もち善し悪しではなく、ともに偉大なるボブ・ウィルスとビル・モンローの如実なメンタル上の違いである。
 曲終わりで急に画像も終わってしまう安っぽい編集や、初期の画像の鮮明度にはやや不満も残るだろうが、若く希望に満ち溢れた若いマールから、1970年代後半の画像も美しくなるに連れて貫禄と顔のシワ同様に深さをまして行く……、紛れなく20世紀カントリー音楽史の巨人、マール・ハガードの貴重な映像集の発掘である!
  SHA-622 V.A.『You Are There - Classic Early Films of Legendary Performers 1952-1954』DVD(本体\3,150-)\3,402-

 1950年代中頃、なんと35mmカラーフィルムに収められたビル・モンローとブルー・グラス・ボーイズ!(ジャッキー・フェルプスg、チャーリー・クラインbj、アーニー・ニュートンbs、そしてトリプルフィドルにレッド・テイラーとゴードン・テリーとボビー・ヒックス) このDVDは明らかにこの貴重なビル・モンローの映像6曲(ニコリともしないシビアな選曲)、そしてハンク・ウィリアムスで現存する4曲の白黒フィルムを収めることを目標に作られた作品だろう。ほかに、スマートで溌剌としたベニー・マーティンの素晴らしい切れのフィドルが堪能できる“Me and My Fiddle”、そしてアイラとチャーリーのルービン・ブラザーズが2曲“I Don't Believe You've Met My Baby”、“Love Thy Neighnor”、グランパ・ジョーンズが奥さんのラモナと登場して5曲、あと、サム&カーク・マギー、ストリングビーン、ロンゾ&オスカーなど、意図的に当時流行のホンキートンク人気シンガーを加えずにオールドタイムの伝統に則したアーティストばかりを集めている。「アナタはそこにいた!」……60年前、ブルーグラスもカントリーも、ロックという世界規模の商業主義に見舞われる直前、まだ音楽がかろうじて生きていた時代の超貴重なお宝、必見ビデオ。
 ビル・モンローは前述のメンバーでDVDのオープニング“Close By”、テリーとヒックスのツィンフィドルとなり“You'll Finf Her Name Wreitten There”、そして画面に現れないがおそらくクラインがフィドルに持ち替えテリーとツィン、そしてボビー・ヒックスが素晴らしいバンジョー!を聴かせる“Little Georgia Rose”、モンロー、フェルプス、クラインのトリオで“A Voice from On High”、チャーリー・クラインがボビーとツィンフィドル、ジャッキー・フェルプスがなんと!ツーフィンガーで超高速バンジョー間奏を聴かせる“Roanoke”(ギタリスト不明)、そして“Swing Low Sweet Chariot”の6曲。1960年代以降、洗練されて行くテクニックとは裏腹に失われて行ったミュージシャンの個性が、この1950年代には縦横無尽に有効利用されている。ベーシストのドラムス不要のインパクトも凄い。2度と戻れない(再現すらできないだろう)あの世界、「アナタはそこにいた!」んだ。強力お勧めDVD!!
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